社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

09<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>11

ニセコイ 小野寺さんが約束の女の子かもしれないもう1つの可能性

本日は、考察というより妄想に近いかもしれません

ニセコイにおける最強のメインヒロイン小野寺さんが、10年前の約束の女の子である可能性に思いを馳せてみました

このテーマについてはきっと色んな所で色んな考察があって、肯定する内容も否定する内容もあるんでしょうが、
今回は肯定的に考えてみようという話です









小野寺さんが持つ1つの性質


ポイントは、作品の構造として小野寺さんに付与されている1つの性質にあります



それは、「比べられることを前提とした存在」であることです




よく考えたらこれは当たり前のことではあるんですけどね
千棘のみをヒロインとして描かれた読切から発展して、三角関係にするために「2号」として設定された小野寺さんは
最初から千棘と「比べられる対象」という性質を持っていました

だからこそ、明るく活発な千棘に対して、
控え目で大人しくて女神のように美しくて天使のように華やかで聖女のように清らかな小野寺さんという
対をなす人物像が設定されたのであり、2人は対照的なヒロインとして描かれていくこととなったわけです

主人公楽をめぐるラブコメのヒロインとして、元から存在していた千棘との比較において作り上げられた小野寺さんは
そうした出自ゆえに、宿命的に「比較対象となるキャラがすでに存在している」という運命を背負っていたのですね

言い換えれば、小野寺さんは「相対的な存在」であるわけです


楽が小野寺さんを好きな理由


そして実は、小野寺さんが比較対象となるのは千棘相手だけにとどまりません
「約束の女の子」に対してもまた、「比べられてしまう」存在でもあります

なぜなら、誰が「約束の女の子」なのかわからない現状においては、それが明らかになろうとすれば
今現在好きである小野寺さんという存在が常に付き纏うことになるからです

いつか千棘が聞いたように、あるいは羽が問いかけたように
「約束の女の子のことが今でも好きなのか、それが誰かわかったらその娘にアタックするのか」

千棘だけではなく「約束の女の子」との相対性という性質もまた、物語において印象づけられている部分と言えるでしょう

仮に千棘がそうだったとして、じゃあ「今好きな小野寺さんと、どちらを選ぶのか」
仮に鶫が(ry
仮にマリーが(ry
仮に羽(ry


そこで問題になってくるのが、なぜ楽は小野寺さんを好きなのかという点です

2人のメインヒロインとして千棘と比較されるにしても、また、「約束の女の子」と比較するにしても
どちらの場合でも一番の焦点となるのがこの点であることは間違いないでしょう

先日記事にしたように、小野寺さんが楽を好きな理由はしっかりと描かれています
ニセコイ 4大ヒロインの中で小野寺さんだけ恋心の性質が違う気がする

しかし、逆に楽が小野寺さんを好きな理由となると優しいとか可愛いとかそんな程度で、
ちょっとした回想や本人の言葉によっての描写などは一切ないのです

このことをどう捉えるべきか

作劇においてこれがもたらす弊害は容易に想像がつきます
すなわち、もしも楽が小野寺さん以外のヒロインとくっつこうとした時に、「楽がその娘を好きになった理由」が
ふわふわしてしまうことです

連載開始以来全くぶれなかった小野寺さんへの片想いをぐらつかせて、別のヒロインを好きになったという時
そもそもなぜ小野寺さんが好きだったのかという理由が描かれることなしに別のヒロインを好きになってしまうことは
作劇上決定的な違和感をもたらすものとなります

そこでの違和感は、「主人公とヒロインがとうとうくっつく」という最高に盛り上がる場面に発生してくるために
作品として致命的なものであり、どれほど感動的にエンディングまで描かれようと、読者の中にはどうしても
「今ひとつ釈然としない」感覚を残してしまうことになります

小野寺さんを好きな理由が描かれない限り、「小野寺さんではなく別のその娘を選んだ理由」に説得力が欠けてしまうからです


そんなことはプロならちょっと考えれば気づくものだと思うのですが、現時点では相変わらず描かれない


ただ実は、「小野寺さんを好きな理由」が描かれないことによって生まれている効果が1つあるんですよね


本来相対的な存在であるはずの小野寺さんが、逆に絶対化されているんです


小野寺さんとは、「楽が好きな女の子」である


理由は特にない
好きだから好きである
小野寺さんだから好きになるのは当然である

そういう理屈です

そもそもキャラとして設定された当初から、三角関係のために「楽に好かれている」ことが設定された小野寺さん
「2号」として相対的な性質を持ちながらも、「楽に好かれている」ということだけは絶対的なことでした

だからその理由は描かれない

それによって具体的にどんな事態が発生しているかといえば、小野寺さんルート以外のルートの遮断です

理由は上述の通り
「小野寺さんを好きな理由」が描かれないままで楽が別のヒロインを好きになってしまうことは
作劇として決定的におかしいことになってしまうため、それが描かれない限り小野寺さん以外のルートは
閉ざされているのです

つまりこのままその理由が描かれないことは、行く末が小野寺さんルートであることを意味するわけです


とは言え、好きな理由が描かれないことで絶対化されている小野寺さんと別に
この作品内にはもう1人絶対的なヒロインが存在していますね

それが、約束の女の子


小野寺さんを相対化する「約束の女の子」


その正体は誰だったのか顔も名前も判明していない今、ただ「結婚の約束をした娘である」という点において
この約束の女の子もまた絶対的な存在です

「好きになる理由」における千棘らとの比較を拒む小野寺さんの特質も、この約束の女の子には通用しません
なぜなら、過去に好きだった人と現在好きだった人とですでに相対化されてしまっており、
最終的にどちらを選ぶにしても、「それはなぜなのか」という描写が不可欠となるからです

約束の女の子の正体が判明した際には、改めてそのヒロインと小野寺さんとが比べられ、どちらとの将来を望むのかという
楽の選択が描かれることになります

そこには、「なぜ小野寺さんが好きなのか」という描写は絶対必要なもの
その上で、「だから、小野寺さんと付き合いたい」とか
「でも、~~だから約束を守りたい」といったことが描かれなければ
読んでいる方は納得がいかないんですね

それは作品としての面白さや完成度に関わる決定的なものであるでしょう


しかし、これを回避する方法が1つだけあります



小野寺さんが「約束の女の子」であれば、万事解決


互いに絶対的な存在だった両者が、実は同一人物だった
そうなれば、そこには絶対性しか残りません
楽がなぜ小野寺さんを好きになったかという理由が描かれる必要性もなくなるのです

千棘たちにとっても、小野寺さんが「そうであった」とすれば抵抗する意思はなくなってしまうでしょう


先ほど、「楽が小野寺さんを好きな理由」が描かれないことで
小野寺さん以外のヒロインのルートが閉ざされていると書きましたが
だからといって小野寺さんルートが全力で開放されているかといえば実はそうではありませんでした

なぜなら、楽が小野寺さんと付き合うことになった時、楽に想いを寄せていた千棘たちが
「どうして楽は小野寺さんに惹かれたのか」を気にしないはずはないからです

気になるあまり、2人の会話やデートをこっそりチェックしたりしようとするでしょう

そうした中で彼女たちが納得するには、「楽が小野寺さんを好きになった理由」が
具体的なシーンとして描かれなければなりません
納得するかしないかではなく納得するしかないのだという話もあるんですが、
ヒロインたちが釈然としない物を抱えたまま物語が完結することは、読者としても望むものではないでしょう

ならば、やはりその「理由」が描かれなければならない


しかし、小野寺さんが「約束の女の子」であったならその必要性がなくなるのです


瞳の色が違っていたと聞かされた千棘があからさまに落ち込んだように
楽と結ばれるのは自分だと疑わないマリーが躊躇なく錠を開けようとしたように
「約束の女の子」という存在感は、ヒロインたちの中で楽に対する確固たる求心力を持ったものとして認識されています

そこで小野寺さんが「そうだった」となれば、彼女たちにとって楽が小野寺さんとくっつくことは必然的なこととなり
それ以外に「小野寺さんが好きな理由」を描く必要性がなくなるわけです

…そんな妄想


それでも「楽が小野寺さんを好きな理由」が描かれる可能性


ただ、「楽が小野寺さんを好きな理由」は完結まで全く描かないのではなく
「約束の女の子」が小野寺さんであったことが判明したと同時に、
色々思い出した楽が好きになった経緯も想起する、という流れのほうがよいでしょう

それによって、「約束の女の子」である事実と「好きになった理由」を相互作用させることで
演出の効果を高められるからです

そこでの演出効果が高ければ高いほど、描写の上での「小野寺さんルート」が確定されることになり
後戻り不可能という印象を醸し出すことに繋がるのです


つまりこの妄想を言い換えると、
楽が小野寺さんを好きな理由が描かれない限り、「約束の女の子」は小野寺さんである
と言うことができるのではないかと


もちろん、この先「誰がそうなのか」が判明する前にどこかで理由が描かれたとして、
それが直ちに「小野寺さんが約束の女の子ではない」とか「小野寺さんエンドではない」ということにもならないでしょう

それは単に小野寺さんの相対性を確定させる情報が明らかにされたという意味を持つものであり
その理由を基準にして、そこから楽がどんな選択をしていこうとするのかを追いかける物語になることを意味するだけだからです

要するに普通のラブコメですよね
今はこういう理由でこの娘が好きだけれども、こんなことがあってこんなことが起こって…
だからこの娘を好きになってしまった…どうしよう…
という

それもそれで面白くなるものだと思うので、どっちだとしても俺は歓迎したいですよ

ただしその場合、小野寺さんエンドにならないのであれば、ここまで全くぶれなかった一途さを否定出来るだけの作劇をしてもらわないといけませんが

COMMENT▼

もう一つの方法

小野寺さんが、約束の女の子でなくても、約束の女の子が「決定因子」にならない方法があります。

約束の女の子が誰であるかが明らかにされる前にフラレて、恋のレースから降りたヒロインが、約束の女の子だった場合です。

楽さんとの恋を諦める、という言葉が描かれているのは、羽姉さんと春ちゃんの二人です。今の時点では二人とも諦めてはいませんが、この二人のどちらかが、楽さんを諦めたあとで約束の女の子だったと明かされれば、小野寺さん(姉)と千棘との関係を、約束の女の子がらみでどちらかに肩入れすることなく、済ませることができます。

というか、羽姉さんがその役目を担っているのだと思いますけどね。

ただ、羽姉さんが「じゃあ『他の子たち』もそうなのかな?」と言っていますし、約束の女の子が「一人」という単純な話ではないでしょう。絵本のお話をなぞる「劇を演じている」という要素もあるでしょうし、そうなると当時の感情「楽さんが誰を好きだったのか」と約束自体のリンクは、また別のお話という描き方になると思っています。

で、約束の女の子(狭義=最初に絵本を読んでいた女の子)は羽姉さんで、楽さんが好きだったのは小野寺さん、と考えれば、これまでに描かれた内容と矛盾なく、小野寺エンドできれいに大団円を迎えられます。

これで行きましょう。そうしましょう。

No Subject

>mickさん
それで行きましょうそうしましょうw

よし万事解決ヤター\(^O^)/

Re: もう一つの方法

皆様コメントありがとうございます。

「約束の女の子」というのが、当時楽が本当に好きだった相手ではなくて絵本をなぞるものとしての「約束」だったとすれば、確かに筋は通りそうです。

演技の上で婚約とはつまり偽の恋であり、絵本をなぞる意味では似せる恋であるということでしょうか。つまり10年前から楽はニセコイ関係をしていた…と。

千棘がその相手じゃなかったならば、ニセコイの2股という訳の分からない状態なんですね(;^ω^)


そうするとあと気になるのは、なんでみんな揃いも揃って当時の記憶が無いのかということでしょうか。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://sclpsn.blog.fc2.com/tb.php/976-80a0f1cf

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

カレンダー+最終更新日

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

新着記事+関連エントリー

人気&オススメ記事1

タグクラウドとサーチ

プロフィール

rexel

Author:rexel
ジャンプ歴21年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

今一番の推しは鬼滅の刃。次いでワートリ。

ジャンプヒロインズは俺の心のオアシスです。
中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



ついったー。

RSS リーダー

月別記事アーカイブ

マンガ・アニメ系サイトリンク集

以下のリンクから他にもマンガやアニメについて記事のあるサイトをご覧頂けます。

○ブログランキング集

FC2Blog Ranking

にほんブログ村 漫画ブログ 週刊少年ジャンプへ

○姉妹サイト
ジャンプマンガの描き方教えます
○アンテナサイト
ジャンプ感想サイト更新チェック

○マンガが読めるサイト
ジャンプトレジャー新人漫画賞受賞作品一覧
絶版マンガ図書館

○マンガ・アニメ感想考察系サイト
(更新停止)
たらさいと
アスまんが
アニメな日々、漫画な月日
ゆめかたつの曲解的漫画考
つながりこそがせかいをつくる
現実逃避
 ┗サイト紹介
あまぐりころころ
働いて飯を食いジャンプを読む、ついでに漫画やアニメも見る

○毎週ジャンプ感想を読ませてもらっているサイト
決闘王F.Kのブログ
君と僕の歌う詩
楽しければよかろうのブログ
北区の帰宅部
 ┗サイト紹介

○マンガ作者サイト
内水庵
おさむ日誌(休止中)

最新画像一覧

カウンター