社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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黒さとエロさを兼ね備えた叶流SFラブサスペンス! 『KISS×DEATH』第1巻 叶恭弘

kissdeath.jpg

KISS × DEATH 叶恭弘


ジャンププラスでの最注目作品です

『プリティフェイス』『エムゼロ』『鏡の国の針栖川』の叶恭弘先生が描くSF系ラブサスペンス
ダークテイストとともに、エロさも合わせ持っていながらその両者が破綻することなく共存している巧妙な作品です

叶先生の作品には以前から注目していましたが、ジャンププラスで連載が始まるというので期待しておりました
で、実際始まってみたら期待に違わぬクオリティを誇っており、大満足しております


叶先生といえば、とっても可愛い女の子を描いてくれることで有名な作家さんです

それは、ジャンプ本誌での連載作となるプリフェやエムゼロを見ればよく分かることと思いますが
同時に叶先生は遅筆としても有名な方でした

どうしても原稿の進みが遅めな方だそうで、また可愛い女の子が描けることで
編集部から「サービスシーン」をどうにか入れろと言われることが多くあったようであり、
その時には全然やる気が出ずにローテンションで仕事をしている、といった愚痴もありました

『エムゼロ』の連載時は、コミックスも10巻までなるほどの人気であり、
まだまだ話は続けられるはずだったのがあまりの遅筆にもう本当に週刊連載は無理とご自身で判断されたのか、
急に主人公が転校する展開を数週掛けて描いたのち本当に転校していって、連載終了ということにまでなったり



ヤングジャンプに読切『ヴェツノバ』を掲載したり、2013年のジャンプで4月の新生活記念読切に登場したり、
なかなか連載としては帰ってこないなーと思っていたら、まさかのアプリ連載という形で戻ってきてくれました

懸念の遅筆については、隔週連載とすることで何とかなっているようです



で、この作品の何が面白いかといえば
先にも触れたように、ダークさとエロさの共存にあります


設定を簡単にまとめると、こんな感じです

・主人公の少年には極小の宇宙生命体「Z」が取り憑いた
・その生命体は舌の上に居場所を作って、脳を支配している
・目的は、自星から地球に流刑のため連れてきた「囚人」たちが脱走したのを確保すること
・その「囚人」たちも人間に取り憑いて、自分の星に帰るべく人間たちを使って計画を進めている
・「囚人」たちを確保するには、「Z」が直接引き剥がしをしなければならない
・「囚人」たちももちろん舌の上に居場所を作って脳を支配している
・「囚人」たちは5体おり、それぞれ高校1年生の少女たちに取り憑いている


はい
こんなんです

どういうことだかお分かりいただけますでしょうか


要するに、「囚人」を確保するためには主人公と少女が舌を絡ませる必要があるということです

加えて、取り憑いている宇宙生命体には人間の倫理観や恋愛観といったものは当然知りませんから
何の躊躇もなく唇を重ねようとするのです


そこに、取り憑かれている主人公の戸津がモテナイ系の草食男子だったことで
標的の女子に近づくだけで脳を支配していても恐怖と緊張でまともに動けなくなるという制約が関わってきます



kissdeath1-2.jpg

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この主人公像は、いわゆるラノベ的なそれと同質のものであり
わかりやすい性格の主人公として受け入れやすさもあると言えるでしょう


また同時に倫理観を持たない宇宙生命体は、男子の中に存在する「絶対的な俺」という妄想の具現化でもあると言えます
脳を支配することでありえないほどの身体的能力を発現できる事実に、躊躇いなく女史に迫っていこうとできる胆力

ネガティブな面と超ポジティブというか積極的な一面を、それぞれ「元の性格」と「宇宙生命体」という要素で
1人のキャラの中に同居させ、それによって本来誰にでもあるだろう相反する両面を描き出すことになっているんですね


そして、この超ポジティブな面となる宇宙生命体は、非常にドライで合理的な考え方をする生き物であり
目的のために人間たちをどう利用しようと特に厭うことはありません


kissdeath1-5.jpg


そうしたダークさと、女子を相手に「口づけ」を狙いながら女子を苦手とする面も見せる作劇
女子を苦手とする側面を描くのに、1巻収録部分ではパンチラがよく使われていました

さらに、取り憑かれた女子たちがサウナに集まって話をしているシーンでは
まさかのフルカラー&乳首券全発行という大盤振る舞いまでも実施され、それはそれは見ていてありがたいことになっておりました

もちろんキャプって保存しました

いやだって叶先生のフルカラーと乳首券ですよ
保存するだろ常識的に考えて


短篇集ではダークな話を描くこともあった叶先生
ラブコメばかりではなくそうしたテイストの物語も描きたかったのだとすれば、この作品はそれなりの思い入れを持って
描いてくれていることでしょう

編集部や読者にとっても、可愛い女の子たちのあられもない姿が見られるのなら
そのスパイスとしてのダークさはむしろ望むところであり、すなわちこの作品においては
作者も編集部も読者もみんな得しているという稀有な状態にあると思われるのです


ぶっちゃけこの作品がなかったら最初ジャンププラスを見ようとは思わなかったかもしれないくらい
叶先生には期待していましたが、それだけの面白さを確かに持った作品でした


無料アプリジャンププラスでは、今この続きとなる話が配信されているようです

気になった人は、ブラウザからでも読めますのでこちらから逝ってみましょう

少年ジャンプ+ 公式ページ










[タグ] 叶恭弘




COMMENT▼

作者が連載終了申し込んだのはプリティフェイスですよ
エムゼロはアンケート打ち切りになるまで悪くはないものの売り上げが微妙で
アンケートはエムゼロより悪かったものの当時アニメ化してたTOLOVEるや期待の新人の一人だったサムライうさぎと比較して打ち切りになったそうですね

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。
たわむれさん

あら、そうだったんですか?
すっかり勘違いしていたようです。

10巻まで続いた作品が打ち切りだったとはちょっと意外。
教えて頂いてありがとうございます。

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