社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ニセコイ関係の消滅によってもたらされるもの①


さーてそれでは考えてみることにしましょうか

修学旅行編も佳境となってきた今週
突然に衝撃的な展開が飛び込んできました


ラブラブカップルのフリをしなくていいという「ニセコイ関係」の消滅
あるいは解消と言えるでしょうか

親父達の間でどんな話になったのかは全然わかりませんが、作品の前提を覆すこの展開は
もちろん物語の上で大きな意味を持つものとなるでしょう

毎回毎回当番ヒロインによるドキドキやイチャイチャが繰り広げられるばかりで
本筋としての部分はさっぱり進むことのなかった『ニセコイ』が、ここにきて
どうあっても展開が進まざるをえないような爆弾をぶっ込んできたわけです


では、「ニセコイ関係」が失われるというこの展開によって
具体的にはどんなことになっていくのか


本日は、それをテーマに思いを馳せてみましょう














マリーの場合




2014年WJ32_1


最も行動が変わらない、というかあまり関係がないのがマリーですね

いや、もちろん「ニセコイ関係」の消滅をマリーが何とも思わないわけはなくって
ここぞとばかりに攻めに出るんでしょうけれども

でもそれって要するに今までやってたこととあまり変わらない気がします

「彼女がいる」と聞かされても「自分のほうが相応しい」と即答できる程の胆力と覚悟の持ち主で
「最終的には自分と結ばれる運命にある」と言って憚らないマリーにとっては、
「ニセコイ関係」の消滅は大きな意味を持つものではないと思われるのです

単に攻勢に出るための「小さな障害の1つ」がなくなったというだけ
その「障害」さえも、もしかしたら形だけものだと気づいていたとしたら尚更ですね

今まで以上に強気で積極的になることはあっても、特段の変化というものはないのではないか、と

むしろ、彼女の態度や様子に大きな変化があるとしたら
前々から匂わされている「身体の状態」に関する事情に関わる時だけではないでしょうか



小野寺さんの場合




2015年WJ10_2 勇気を出した小野寺さん


マリーよりは変化が大きいと思われるのが小野寺さんです

そもそも小野寺さんは「ニセコイ関係」の存在を知っていました
明確には聞かされていないマリーとは違って、「恋人」の存在を理由に多少とも躊躇を覚える必要は
小野寺さんにはなかったわけです

しかし、生来の控え目さと謙虚さ、そして人並みの恥じらいがそれにブレーキをかけていました
2人きりの時なら少し勇気を出すことはできても、人前では千棘への遠慮と自身の恥じらいもあって
なかなか積極的にはなれていなかったんですね

そこにおける「ニセコイ関係」の消滅は、小野寺さんが千棘に遠慮する理由がなくなったことを意味します
つまりマリーにおける意味合いとほとんど変わらないわけですが、逆に生まれてくるのが
「恋人」ではなくなった千棘への配慮です

どういう事情で「ニセコイ関係」だったのかは聞かされていない小野寺さん
であれば、当然それが解消されることになった経緯も知らされることはないでしょう

ならば、そこで千棘がどんな気持ちでいるのかを小野寺さんは気遣おうとするはずなのです

「ニセモノ」だったとはいえ、端から見ていて喧嘩するほどに仲がよく、
2人でいるのが自然体のようにさえ感じられていた関係の消滅
そのことに千棘が何も感じていないと思うほど小野寺さんは鈍感ではないでしょう

「ニセコイ関係」の消滅が、自分の攻めの姿勢を許すものであることを感じる前に
千棘の気持ちを気遣おうとするはずです

そこで、当の千棘が何を語るか

「別に気にしてないよ」なんて言いつつ、割とショックを受けているようなことを感じ取ったりした日には
小野寺さんはむしろ今までよりも楽へアピールしづらくなるかもしれません

ただし、千棘を気遣おうとするのと同時に、小野寺さんはもちろん楽のことも気に掛けるでしょう

それは自身の恋心がどうというものではなく、単純に「友人」への心配りであるものですが

ここで、楽と千棘それぞれがどんな様子であるのかによって
小野寺さんの行動は積極的にも消極的にも変化すると考えられます


千棘と鶫の場合


そして、最も変化が大きいのがもちろん千棘
さらに鶫です

この2人については色々と絡みあう部分もあるので一緒に書いてしまいますが


まず当事者である千棘にとっては、これは最大級の痛手ですよね



2015年WJ10_千棘



もちろんそれは、「ニセコイ関係」が実はホントに好きな楽という相手と一緒にいるための
都合のいい理由になっていたからです

その消滅は、意中の相手と一緒に過ごすための理由が1つ消えてしまったことを意味するというのが
まず1つ

もう1つ、これから楽に接する時の態度が微妙なことになってしまうという点です
「ニセコイ」がなくなったからといって「マジコイ」を叶えるために楽に接近しようとすることが、
「ニセコイ」がなくなったことによって非常に難しくなるのではないかと

解消の経緯がどういったものだかまだわからないため多分に推測も混じりながらの話になりますけれど、
何より周囲の目がどうなるかが大きいと思うんです

「ニセコイ関係」の解消と同時にそれまでの事情さえもネタばらしされるのならまだいいでしょう
しかし、「ニセコイ関係」はなくなるとしても「カップルだったというのがそもそも嘘だった」ことは
伏せたままにされる場合

それはつまり、例えば「今まではラブラブだったけど、いつしかすれ違うようになって別れてしまった」という
「ニセコイ」ならぬ「ニセ別れ」関係になるわけです

そうするとどうなるか

例えば組織の構成員に対して
クロードは楽と別れたことを普通に喜ぶのでしょう
他の面子もまた、喜んだり、あるいは楽をボロカスに悪く言いまくったりして

「ニセコイ関係」をなくすくらいの状態ですから、抗争の危険はなくなってるんでしょうけれども
それでも千棘が楽と会ってるところを見られようものなら話が非常にややこしいことになる…という
可能性はあるかもしれません

例えばクラスメイトやその他学校の連中に対して
学校一のラブラブカップル、なんて言われていたのが別れることになったとすれば
それだけで大ニュースではあります

しかもその理由が「普通にすれ違うようになった」という「別れたくて別れた」ものならば、
特に用事がなければ千棘が楽と積極的に会話しようとすることは不自然になってしまうんですね

千棘が「恋人としては別れただけで友達としては普通に付き合える」なんていうさっくりした性格なら
いいんですけど、今までの彼女を見ているとそうは思えません

出会った当初から「恋人」であることを強いられていた千棘は、「ただの友人」としての楽への接し方を
知らないはずで

脳内で告白しようとしてみるだけで凄まじい恥ずかしさに襲われていたくらい乙女力も高い千棘
別れた相手と翌日普通に話ができる、なんて恋愛力高め(?)な芸当はできないでしょう

つまり、「恋人関係」が解消となる理由とそれまでの事情のネタばらしがなされない場合
楽と接しようとする時の千棘の態度は、周囲の目としては非常に微妙なことにならざるを得ないわけです


そしてそれは、鶫にとっても同様です


ニセコイ149話


メインヒロインたちの中で、おそらく唯一「ニセコイ関係」を全く知らないと思われる鶫
千棘と楽が「恋人同士ではなくなった」ことについて、最も複雑な感情を抱くのは彼女でしょう

※関連
ニセコイ 鶫誠士郎にある3つの特殊な立ち位置を考える


幼い頃から自分にありとあらゆる多くのものを与えてくれた大恩ある千棘と
いつの間にか惹かれてしまって気づけばすっかり好意を抱いてしまっていた楽

自身の気持ちもたまに頭をもたげる時はあったでしょうが、しかし千棘を押しのけてまで
1人で楽と結ばれようなどとは全く思わなかったはずです

それは時々彼女が繰り広げる妄想において、自身を愛人の立場としていることからも明らかで

先日の当番回では、「楽と自分とで千棘のそばにいる」なんて未来像まで抱いていましたね


これで2人の仲が上手くいっているのであれば、問題は何もありませんでした

しかし、普通にすれ違うようになったというような「別れたくて別れた」などという事情で
その関係が終わってしまったと知ったら

千棘に対する感謝と敬意が揺らぐことはないとして、楽に対する好意はどうなるでしょう

これで千棘に気兼ねすることなく堂々と楽にアプローチできると思うエゴの心と
千棘を幸せにしてやらなかったことに対する楽への怒りと
そんな男に好意を抱いてしまっていた自分への怒りが同時に込み上げてきて
どうしたらいいのかわからなくなってしまったり…とか

そもそもいまだに「これは恋ではない」なんて自分に言い訳しているところもある鶫
「ニセコイ関係」の真実を知られたらどうなるだろうかと楽がビビっていたことがありましたが
その解消を知った時にも、どんな気持ちになるのか想像がつかないですね


ここでもポイントとなるのは、やはり千棘の気持ち
小野寺さんの時にも触れたように、この事実を千棘がどう受け止めようとするかです

鶫も含む周囲に説明はできない→楽とは普通に別れたことにするしかない→楽と会話し難くなる?
という方程式を思い浮かべて、ちょっと落ち込んだりするのか

それともそこまでのことは思わずに、せいせいした、と口では言いながら僅かな寂しさを覚えるのか
何故せいせいしたのか、とツッコまれるとたぶん千棘は答えられないですが…


どちらにしても、本音は「マジコイ」だった千棘が「ニセコイ関係」の消滅を手放しで喜んだりすることは
おそらくありえないことだと思います

だとするなら、どこか切なげな様子の千棘を見た鶫が何を思うか

材料が少ないので想像する余地も少ないんですが、あまり明るい事態にはならないような気がします








というところで…はい

何か考察記事にしてはいつになく長くなってきたので、一旦この辺で区切りたいと思います
このまま最後まで書いたら、字数が今週のジャンプ感想記事を超えそうです

話自体はまだまだ途中なんですが、続きは明日ということでお願いします


COMMENT▼

No Subject

いやはや爆弾も爆弾でしたね。
現実逃避さんの方で少し触れたのですが、残念キムチならぬ残念やっぱ続けてオチが
来ないことを心底祈っていますw

No Subject

①ですかw
長いなw

これからどうするんだろう・・・



>ラグエルさん
そんな詐欺したら編集部に殴り込みまs(←
というかよくよく考えたら破壊力パネェんすけど(核爆級?)

No Subject

私は、個人的にはニセコイ(恋人のフリ)の「終了」ではなく、「変質」なんじゃないかと思ってます。

rexel様の考察、楽しみに待っています。

Re: No Subject

最後まで書くつもりでいたのに、時間的な都合で2回に分けることになってしまった前半の記事に、それでもコメント頂きましてありがとうございます。

これだけの内容を書くのに、たっぷり2時間以上掛かっております。
仕事中も頭の隅で考えていたんですけど、やっぱり複雑になってしまいました。
それで半分くらい、となるともう無理だ、ってんで分割せざるを得ませんでした。

ということで、返信らしい返信は後半の方で。

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