社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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『マジカルパティシエ小咲ちゃん』の違和感についての覚書


覚書: 忘れないように書き留めておくこと。また、その文書。メモ。備忘録。覚え。


また変なタイトルになったな…

ジャンプ+にて、2話目が公開されたニセコイスピンオフマンガの『マジカルパティシエ小咲ちゃん』

なかなかの不自然さが感じられたことで感想とか考察とか書こうという気持ちにはなってなかったんですが
小野寺派同志のayumieさんが書いてくれた感想を読んだらちょっと「俺も書いとくか…」みたいな気持ちになりました

『マジカルパティシエ小咲ちゃん』 第2話 ヒメゴト 感想 - 現実逃避


上記感想のおかげで、作品を読んだ直後に自分が抱いた違和感の正体や原因が何かわかったことで
ちょっと気分が持ち直した感じですね

読者の中にはそれほどの違和感や不自然さを覚えなかった人もいらっしゃるでしょうが、
比較的感じてしまったであろう俺は特にどういったところにモヤッとしているのかを書いておこうかと思いました



[タグ] 小野寺さん








別世界の小野寺さんという理解について


公開された第2話における、原作の『ニセコイ』との違いについてはayumieさんの記事でまとめられていますので
ここでそれを繰り返すことはしませんが

きっと多くの方々が、ここに登場しているのは「別世界の小野寺さん」なのだという理解のもとに
この作品を捉えようとされることでしょう

スピンオフという形式であり、原作には存在しない魔法少女なんて設定もあったりしますから
完全に原作と同じ世界観ではないということは当たり前っちゃ当たり前なんですけど

ただ、これは「そういう別の世界の小野寺さん」なのだという理解をあえて踏まえる必要があるというのは
まずそれだけで1つの問題点ではないかとも言えるでしょう

ただ俺の抱いている違和感はそれよりもさらに強いものでして


別世界のっていうか普通にこの娘は小野寺さんじゃないよ

と思っちゃうんですよね

つまり単なる別人のように感じてしまうんですよ

同じ名前で、同じような容姿をしていて、好きな人の名前まで同じみたいですが、この「小野寺さん」は
俺がよく知っている小野寺さんとは全然別人だと感じるのです

この魔法少女な「小野寺さん」には、たぶんオーソドックスタイプのセーラー服は似合わない


別の世界の人だからとかではなく、別人
ただ同姓同名の人、という


理由は単純ですね
容姿は同じでも、内面の違いがはっきりとあるからです


一番の違いはやはり、好きになる相手の違いでしょう
原作と同じく「一条楽」という男を好きになってはいますが、原作の楽とはだいぶ違った人物です

小野寺さんより年上であり
何かお坊っちゃんでもあり
生徒会長もやってて
女子にはモテる


小説版の楽も何かこんな感じのキャラだったらしいという話ですが、原作準拠で考えると
この楽はやっぱり別人みたいなんですよね

で、好きになってる人が別人ということは、この「小野寺さん」もやっぱり別人という感覚が拭えないんですよね


原作において、いつごろどのようにして小野寺さんが楽を好きになっていったのかというのは
はっきりとは触れられてはいませんが、誤って中華丼を頭からぶっかけたという出会いに始まり
同じクラスになって少しずつ会話するようになって、朝の「おはよう」と夕方の「またね」によって
2人は小さな絆を繋げてきました

つまり、中学生の小野寺さんはそうして楽と触れ合っていく中で少しずつ惹かれていったのだろうと考えられるのです

然るに、魔法少女の「小野寺さん」の方は階段で転んだのを助けられたことで一目惚れしています
衝撃的な出会い、という意味では中華丼ぶちまけと同じような意味を持つものかもしれませんが
原作では小野寺さんが楽に対して「やっちゃった」という形であるのに対して、『マジパティ』の場合は
ただ「小野寺さん」が一人相撲で転んだのを「一条先輩」が助けたという形のため、特に対比的にはなっていません

こうした「好きになり方」や「その相手」が違っていることは、つまり価値観や性格が異なっていることの表れであり、
そのように内面が異なるならば魔法少女な「小野寺さん」は俺のよく知る小野寺さんとは全く別の人であるということが言えるでしょう

まあこうした考え方を突き詰めようとすると、「自分であるとはどういうことか」みたいな哲学の話になりそうなので
深くは入り込みませんが…
なので「いや別にそこまで言うほどのことじゃ」と思う人もいらっしゃることでしょう


あとは、ayumieさんの記事にまとめられているように「積極性」とか「ムッツリ」も性格上の大きな違いですよね



「別人」たちが織りなす話が意味するもの


で、そんな風に別世界で別人のキャラたちが織り成していく物語を見ていて何を感じるかというと
別の作品じゃないかということなんですね

いやもちろん原作があるんですから別の作品だというのは当たり前なんですが、それは単に物理的な話であって

別の世界観で別人のキャラたちが別の物語をやってるとなったら、それはもう普通に違う作品ですよね、って意味です
スピンオフなんてのは聞こえのいい言い方をしているだけで、要するに全然別の作品じゃないか、と

スピンオフと銘打って、異なる世界観や異なる設定を持ってきて話を作るのはいいんですけど
キャラが別人なら意味なくね?と思っちゃうんですよ

だって別の作品じゃん?って

原作との差別化との意味があるとしても、キャラが違っているとなるのは致命的のはずです
別の作品だと感じちゃうわけですから

で、別の作品だと思っちゃうと、「これはこれ」として読んでいくんですよね
そうすると、別段の面白さは感じないという…

魔法少女ものの作品なら、ちょっと前に前後編で読み切りが載ってた宮島京平先生の『NとSはくっつかない』のほうが
よっぽど面白かったですけど



コミックスのオマケとして8巻から始まったこのマジパティ
最後の数ページの空きを使って、落書き的に古味先生が描いてくれていたのが
スピンオフなんて形になったものですが

コミックスに古味先生が描いていた時点では、キャラとしては壊れないように描かれていました
設定の都合により「小野寺さん」も「千棘」も「マリー」も初対面で、同じ学校の同じクラスとかでもなくて

それでもキャラ像は壊れない範囲になっていたんですね
控えめな小野寺さんが、魔法少女の理不尽な設定にツッコミを入れようとする時なんてのは
ツッコもうとする積極的な部分と小野寺さん本来の控え目さがしっかりバランスを取られていましたし

それが、別の方が描き始めたら出てくるコレジャナイ感
別の作品だと思っちゃったほうが精神衛生上はいいという部分もあるかもしれません




…まあ、あくまで俺個人の感覚なので、「そこまで言うほどには感じないよ」という方や
「考えすぎだろ」と思う方もいるかもしれませんが…

COMMENT▼

No Subject

小野寺小咲というキャラを深く愛しているからこそ抱く違和感、というものなんでしょうね。
私は位置的にスピンオフというより同人誌(二次創作)に近い感じで読んでいますが、
私もキャラ(漫画)によっては同じ感情を抱くと思います。極端な例を挙げると…

・ラーメン大好き小泉さんの小泉さんでR18満載な作品。
・氷球姫の紅羽がギャル語全開
・実は私はのキャラ達でコメ無しガチラブ漫画
・からかい上手の高木さんで恒久的に立場反転(高木さんが毎回遣り込められる)

rexelさんも持ってる漫画で挙げるならこんなところでしょうか。
持ってないのも挙げたらもっともっとあります。
「これは俺的にないわ」で済ませておけば良いんじゃないでしょうか?

小野寺さんの本質

こんちはー。いつもどうもです。

なるほど,小野寺さんの内面が違うから別の人物と捉えるというのは分からなくもないですね。小野寺さんとは外見ではなく中身こそ本質という,小野寺派暗黙の共通理解を見た気がします。

もともとニセコイ相手としての桐崎さんの対比的なヒロインとして設計された小野寺さん,その属性は限りなく「普通の社会に属する娘」だったわけです。
ところがマジカルパティシエ小咲ちゃんの場合,対比となる千棘がまだ存在せず,さらに小野寺さん自身に「魔法少女」という「普通ではない属性」が加えられたというのも,根本的な違いですよね。そこの属性が違ったら小野寺さんじゃないじゃん,と。そんなふうに見ることもできますね。

別人物としか思えない小野寺さんの物語に違和感を抱きながら読むのはなかなか苦しそうですよね。そこで離れてしまう人がいるかも...とか思ったりしました(一応僕は読むけれど)。

唯一女神

スピンオフの小野寺さんの好きな相手のキャラが違ったとしても、本編の楽とほぼ同格位で例えばクラスでは目立たなく大人しい性格とか逆に気性が荒いけど正義感の強い性格で何れにしても一般的にそこまでモテる人でなければここまでネガティブな違和感は感じなかったと思います。問題なのは明らかに優等生でモテるタイプを小野寺さんが好きになってしまった事で小野寺さん最大の特徴である女神性がなくなり、俗っぽくなってしまった事だと思います。その俗っぽさがあの妄想につながり、こんな程度の格の女の子なら他の作品でいくらでも見られるというのは大きな問題だと思います。
つまりはこの作者が小野寺さんの人気たる所以を全く理解していないという事です。
自分は本来こういう小野寺さんのように控え目なキャラはあまり好きではなかったのですが(例えばいちご100%の東条さん?は好きでない)、小野寺さんの突き抜けた完璧な女神性によって好きになりました。

究極バランス

自分が言うまでもないかもしれませんが、
小野寺さんが完璧な女神と言いましたが、欠点がない完璧な人間という訳でなく、
長所と欠点のバランス
親近感
積極性と消極性のバランス
これらが完璧なのです。
以前にも言いましたが、これらのバランスが少しでも崩れると小野寺さんでは無くなってしまう。リアルな人間ではまずあり得ないバランス。こんなキャラを産み出してくれた古味先生は相当だと思います。感謝!

No Subject

見て無い僕は感想書けないですが(←

まぁ違和感とか小野寺さんの魅力とか細かい話は3人の同志が語ってくれてますので・・・


>同人(2次)という認識
ラグエルさんに1票

No Subject

完全に邪推交じりなので不適切と思ったら削除していただいて結構です。

このキャラ違い問題、戦犯集英社じゃないかと思うんです。

マジカルパティシエ小崎ちゃんを描いている漫画家さん、筒井大志氏ですが、この人他に「ミサイルとプランクトン」という漫画を連載しております。

こちらも原作付きの作品なのですが、描写や演出、とくに表情に関しては充分に高いレベルにあります。決して原作の魅力を読み取れない力のない漫画家というわけではないんですよ。

では何故こうなったか。マジパティはニセコイ本編の対として作りたいんじゃないかと思うんですよ。


本編がラブコメなのに対してマジパティは超常コメディ
本編の恋愛描写が牛歩に対して2話目から小咲に行動させる展開の速さ
これは小説からですが本編楽が普通の高校生を意識して作られているのに対し、マジパティ楽は完璧超人を意識して造形されているように思います。
現実逃避さんの指摘であった、むっつりスケベとスケベの違いも、本編では少ないエロ描写を描きやすくするファクターなるでしょう(小咲の妄想→楽の前で妄想より恥ずかしい目にあうというギャグの前フリですね)。


おそらく集英社側としてはこんな思惑だったんではないでしょうか。
「マジパティは展開早くしてエロ描写を詰め込みましたよ。ニセコイ本編で埋められない需要はマジパティでとる。これで2作とも売れるぜ」みたいな

たぶんキャラの性格違いとかまで考えてなかったんじゃないかなぁ。

本気でちゃんとしたスピンオフとして作るんだったらウラバナに掲載した小説版の時点で楽の性格を同じにしてたと思うんです。


まぁ同じ集英社でいうならテラフォーマーズスピンオフシリーズの節操のなさに比べればまだましですがね。


Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

この作品における小野寺さんが小野寺さんでないところについて、それぞれ頷ける見解です。
小野寺さんの女神性も、千棘との対比による普通性も、そのとおりだと思います。


しかし皆さん比較的穏やかなご意見を書いてもらっておりますが、俺の感じ方は実はもうちょっと過激です。記事中に書くにはさすがに…と思って自重したんですが、この『マジパティ』は同人とすらも思えないんです。

有名作品からキャラの名前だけ借りて、それから魔法少女とか適当なエロとかぶっ込んで、それっぽく作り上げただけの「ただの作品」。

ニセコイの同人とは思えないんですよ。登場するキャラは「ニセコイのキャラたちではない」んですから。
あまつさえそれを公式が推進しているというのがさらに釈然としない物があって。

ただ、だからといって作者その人が小野寺さんを理解していないということは確かにないでしょうね。むしろ、この作品を連載にしようとした編集部の失策だと、俺も思います。

小野寺さんの普通性を打ち消す魔法少女属性は設定の前提がおかしかったことを意味しますし、女神性の消失は展開を安易なものとしただけの工夫の放棄です。それでも古味先生がコミックスの空きページで細々とやってる程度ならまだよかったものを、スピンオフなんて言って別の作者をつけて連載化なんてするから違和感を増幅してしまうことになったのではないかと。

次の掲載は2週間後というので、それまでにはまた自分の感じ方が少しでも変わってることを期待して3話目も読んでみるつもりではありますが、それでも駄目ならもう読めないでしょうね。

No Subject

本物のマジパティ、というか、単行本のオマケマンガの方は「ニセコイ」ではないんですよ。アレは単に、小野寺さんをはじめとするヒロインズのキャラを使って、どたばたコメディを2,3ページで書で描く。それだけのものです。

それが、なぜ「ニセコイ」ではないか、というと理由は簡単です。

「楽さんが出ない。」

パラレルワールド云々の前に、楽さん抜きで、色恋抜きで、「単純にヒロインズが困る」(笑) そういうものだと思っています。

スピンオフの方は、「ニセコイのスピンオフ」として楽さんを出して、その上でパラレルワールドをやろうとしているのが、そもそもムリがあるような気がします。

楽さん込みで、ヒロインズの恋愛まで描こうと思えば、「ニセコイのでき損ない」か、「別のお話」になるしかないんだろうな、というのが、私の感じたことです。

小説版の方は、それなりに楽しめたのですが、これは設定も同じで本編にないエピソードという位置づけだからかな、と。

Re: No Subject

コメントありがとうございます。mickさん

「楽が出てこない」というのは確かに明確な違いというか指標ですね。全然思ってもおりませんでした。
だからコミックスのアレもスピンオフとかではなく、ただ小野寺さんたちが「困る」ことを目的としたコメディである、と。

お見事な理解です。


とすると、それを連載にしようとして楽も登場させようとしてもあんまり役割がないわけですね。無理に彼女たちに絡ませようとしても、仰るとおり「出来損ない」か「もどき」か「別のお話」でしかない。だからお坊ちゃんで生徒会長で顔も性格もイケメンで…というある種の「格が違う人」になっちゃったのでしょうか。

それなら楽のキャラ設定には必然的な理由があるようには感じますが、それとても結局「別人」というのを強調しているだけですね。

だとするならば、やはりスピンオフ化という判断自体が怪しかったと考えるしかないでしょうか。

No Subject

そもそも、もし、楽さんの前で「変身する数秒間全裸になる」姿をさらす可能性が少しでもあれば、私たちの知っている小野寺さんなら絶対に魔法少女になる契約は受けないだろうってことですよ。いくら、ルーリンの押しが強くても(笑)
私はそう思ってます。

マリーなら受けるかもしれませんが。

Re: No Subject

全くもって仰るとおりです…

何かmickさんには小野寺派として勝てそうにない気がしてきました。

No Subject

あ、でも読み返してみたら、すっぽんぽんになるのをルーリンから知らされたのは、契約完了後ですね。

私もまだまだですね(笑)

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