社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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姫と変態が青春スポーツ物語を織りなす… 『氷球姫×常磐木監督の過剰な愛情』小野ハルカ

氷球姫

氷球姫×常磐木監督の過剰な愛情 小野ハルカ

買っちゃいました
現在5巻まで発売中のサンデーコミックス『氷球姫』

またしてもコメ欄での紹介で買ってみた作品でしたが、当たりでしたねえ

内容としては、アイスホッケーをテーマにしたいわゆる青春スポーツものというカテゴリに入るのでしょうが
そこでの競技をさらに「女子ホッケー」とすることで、「魅せる」ことを意識したものとなっています

その中で、主人公はヒロインのいるチームの監督として存在感を発揮するという構成

ジャンプでいえば『クロス・マネジ』に近いでしょうか
ヒロインが中心となってやっていこうとする競技や部活の監督・マネージャーとして主人公が着任し、
彼の助言や指示によってメインヒロインだけでなく、他の女の子たちも救われていくという


『クロス・マネジ』と違うのは、テンションですかね

問題の発生時には熱さもしっかり見せながらも、基本的には静かで穏やかな雰囲気で展開する『クロス・マネジ』に対して、
この『氷球姫』の場合は基本的にずっとテンションが高いのです

なぜかといえば、主人公が思い込んだら迷ったりしない奴だから
そしてそれに見合うだけの行動力も備えているからです

だから、選手としては一流でも指導者としては三流な監督がいれば躊躇いなく突っかかっていくし
合っているポジションが違うと思えばそれまでの経緯なんかガン無視してコンバートしようともします

もちろんこの采配や判断が奏功するから周りも主人公を受け入れていくわけですが


主人公が高校生にしてそうした指導者の手腕や選手の適性を見抜く観察眼を得たのは、
ひとえに選手に対する「愛」ゆえでした

アイスホッケーをする女子に限らず、陸上競技でもテニスなどの球技でも何でも、
運動や競技を行う女子に対して、主人公常盤木はとてつもないほどの「愛」を持っていたのです

だから、競技中の女子たちをまじまじと眺めていた
勝利を目指して努力する彼女たちをひたすら見つめていた

幼少の頃からのそうした経験によって、彼は高校生でありながら指導者として優秀な観察眼を身につけるに至ったのでした
もちろん現実にはありえないとしても、漫画的なハッタリも加味してみれば充分納得できる設定であるでしょう



世間ではこういう主人公のことを「変態」と呼びますよね

愛の深さゆえに、競技中の女子たちをずーっと眺めては興奮している男
つぶやく言葉は「あの大殿筋が…」とか「大腿直筋が…」とか、やけに具体的な身体部分の様子に注目しているのです


ここに、タイトルの意味の一端があります
すなわち運動部系女子を見たら、条件反射でヨダレが垂れるという常磐木の過剰なまでの選手に対する「愛」

当の女子たちから見たら、まごうことなく変態ですね
あるいは、「ストーカーの才能がある」いやむしろ既に「ストーカー」と表現されるものです


完全に間違ってないです

この主人公は間違いなく変態であり、ストーカーです
それもこじらせたらめんどくさいタイプの変態です

めんどくさくない変態がいるのかどうかは知りませんが


しかし、それでもなぜ彼が受け入れられたか

もちろん上述したような彼の指導手腕も理由なのですが、それでも一番最初に彼の判断を支持した人物がいたからこそ
「これからも彼にやらせてみようか」となったわけなのです

その人物こそが、本作品のメインヒロインである「姫」
「氷上の姫君」と通称される彼女が主人公常磐木を信じてみたおかげで、物語は進んでいくことになります


で、彼女も実はそれなりに一般常識からズレたところのある部分を持っています

姫と呼ばれるにふさわしく、いいとこのお嬢様で、口調は常に穏やかで、紡ぐ言葉はどこか古風で

喧しい、とか
ゆくりなき、とか
お召しになって、とか

かまびすしい、って辛うじて読めました俺
よかった文学部で


それでいて、自身の美しさもしっかり自覚しており、「一部の熱烈なファン」の存在にもすっかり慣れている

変態な常磐木に負けないだけの存在感が確かに彼女にもあるんですね


特に俺が気に入っているのは口調です

「姫」に相応しい古風な言葉の選択
それは、古きよき美しい日本語を思い出させるような感じで、作品に独特な雰囲気を与えることになっています
常に穏やかに紡がれるその言葉が、彼女のずば抜けたホッケーの実力とともにその存在感を確固としたものにしているんですね


で、さらに何かですね…
読んでて、『デート・ア・ライブ』時崎狂三の中の人 真田アサミさんの声で聞こえてくるんですよね

何故でしょう
単にキャラの口調が似てるだけなのかもしれませんが、あの声から艶っぽさを少し薄めた感じで聞こえてくるんですよね

おかげで、雰囲気に余計ハマって読むことになっております


明らかに変態だが、監督として人材を見出す能力に長けている常磐木と
彼の変態的異常性を認識しながらも、慣れっこだからと特に気にせず、むしろ監督としての能力に興味を持つ姫



こうした主人公とヒロイン2人の確かな存在感が織り成していく物語

色々と語りましたが、平たく言えば
第1話の無料試し読みにてラストのこのシーンを見て「うんこれ買いだな」と思ったのでした

姫見開き

どこまでもつけていく



つい何日か前に「サンデー終了」みたいなまとめ記事を見ましたが、まだこんな作品があるんですね

教えて下さいました誰かさん、ありがとうございました











 




COMMENT▼

No Subject

本作を紹介した誰かさんです。気に入って下さった様で何よりですチョロいんさん

さて、紹介した時は気に入られるかどうか半々だった理由はメインヒロインだったりします。
このヒロインは好きになれないタイプかも知れないなぁと…どうやら真逆だったようでw
ちなみに聞かれてませんけど私はフーカのが好みです。

同誌でこないだ新連載した声優漫画も面白いのでコレも1巻発売決まったら紹介しますね~
この作者の前作は面白いですが男の娘なので薦めませんw

追記

聞いてみました時崎狂三。私もこんな感じに脳内変換されますね。

追記2

気に入られたのが嬉しくてスマホから書いたのですが、やっぱ抜けるな言いたいことがw

あのシーンを気に入ったのなら4巻のあのシーンは印象深かったのではないですか?
直前の表情、左手の向き、私、意思…細かく見るとこの1シーンにどれだけ籠められているか…
そして5巻でフーカが気付いた「ある思い」とか見所ですよね!早めの対処?もう手遅れじゃね?w
あの娘の足を触診?してる時の無言がコッチの妄想を激しく揺さぶるんですが?

で、だ…5巻40ピリオドの表紙なんですが、エロく感じた私はオカシイですか?正常ですか?

この漫画の優れている点の一つに「ルール等の説明を作中に入れるのに無理が生じてない」があります。
これでこの方「連載2作目」だというのだから驚きです。
他にも来春にアニメ化が決定した漫画もありますし、WSがオワコンとかデマですよデマ!

追記3w

紹介した際に言いましたが、この作者の「表情描写力」凄いと思いませんか?
目だけで語れてますよ。1話の「必要なのは強い選手」と自分を押し殺した目とか、
その後の常盤木の啖呵に驚いた目、圧された目、心動かされた瞬間の目。

……OK…言われる前にちょっと落ち着くぜwww

Re: No Subject

テンション高いですね誰かさんwww

チョロいん呼ばわりには激しく遺憾の意を表明したいですが。


姫のキャラは、古風な雰囲気が割と気に入っております。
…でも、どっちかといえば梅ヶ枝さんのほうが好きだったりして…

常磐木と姫のカップリングは当然公式推しなんでしょうね。
姫の性格的に描写するにも演出するにもスローテンポでじっくりとした形になりそうですが。

「一時的な怪我」とはホッケーに打ち込むことと恋愛に惚けることとが矛盾すると考えるからこその認識ですが、常磐木とより親密になることが試合のためにも有益というシチュエーションを作ることができたら、姫は迷うことなくそうすることでしょう。

それこそが、2度に渡る校門前でのやり取りで。そこでの仕草や言葉が対比されているのは、作劇的なものと同時に姫の無意識が込められているのだと思います。


表情については、言われて気が付きましたが、確かに目を見張るものがありますね。
怒った顔を見せないとか、常にやんごとないとか、そうした姫のキャラ設定により特に気を使って描かれているんでしょうね。

これで2作目とは末恐ろしい方です。

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