社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ジャンプNEXT2014年Vol.6感想

ジャンプNEXT2014年Vol.6 感想

ちょっと今回は厳し目辛口だと思います…





 






アンケと全体的所感

SOUL CATCHER(S)
METEOR SEEKER
べるぜバブ番外編
鬼女と野獣


最も主人公や登場人物が魅力的だった作品:なし
最も絵が好きだった作品:鬼女と野獣
最もストーリーが面白かった作品:METEOR SEEKER
「週刊少年ジャンプ」で連載で読んでみたい作品:なし
もう一度読切りで読んでみたい作品:METEOR SEEKER
同じ漫画家の違う作品を読んでみたいと思った作品:鬼女と野獣
読みやすかった作品:METEOR SEEKER、鬼女と野獣
読みにくかった作品:魔物鑑定士バビロ、モノマニア・フジ、赫華、BLUE CROW
読まなかった作品:なし
絵が古いと思った作品:モノマニア・フジ、犬侍

今回もアンケは切手不要
だからみんな出したよな?

今回のアンケにはまたしても変化の一端が現れていましたね

「面白かった作品」を書く数が4つになってる!?

最初気づいてなくて、普通に3つ考えて決まったところで「え、4つ!?」と混乱して
また考え直すことになったという

ただ、たぶん4位目に入った作品にはポイント的なものはおそらくないんじゃないかと思われます
「あと一歩届かなかった作品」という認識になるんじゃないでしょうか

実質的に評価の対象にするのは3位の作品までで
4位という「あと少しだったところ」にはどんな作品が来ているのか

3位までに入った作品の作者についてはもちろんその方向で伸ばしていくのでしょうけど
逆に4位の作品については重点的な見直しを図ろうとするためのものではないかと

4位っていう順位に対する話がバクマンのどっかであった気がするので
その辺を元にした推測ですが

で、今回のNEXTは全体的にパッとしない感が非常に強いものでした
ソルキャとかベルゼとか本誌連載経験組のレベルと新人作品の差があまりにも開きすぎています

それは、連載経験組のレベルが普通に高いとか新人のレベルが異様に低いということではなくて
新人作品における「噛み合ってなさ」が何だか強かったように感じたためです

詳しくは個々の作品のところで触れていきますが、「そういう感じで来ておいて、設定はそれかい」みたいに
感じちゃったのがやけにあったんですよね

何というか非常に残念なものを多く感じてしまいました

おかげで、「キャラが最も魅力的だった作品」と「ジャンプで連載を読みたい作品」が
どちらも「なし」という結果に

だいぶ悩んだんですが、どうしても浮かんできませんでした
「なし」っていうのが自分でもどうなんだと思うあまりに
本誌の連載で読みたい作品にはマジでソルキャを書こうかと思ってしまったり


SOUL CATCHER(S)

おお…
大体予想通りの展開だった…

「どう間違ったのか」という部分については、特にそれらしいところはなかったんですかね
むしろ現状維持を望む今の状況が実は「間違った」ものということになるでしょうか

咲良からの共感覚消失と管崎先輩における発現は、何だったんでしょう
単純に考えれば、頭部への衝撃による感覚変化と、精神的ショックによる素質の発動なんでしょうか

そこから始まった金井淵先輩の贖罪の日々
4人に毎日手紙書いてるとか半端ねえー…
1000通超えてるってことは3年以上になってるんですね
事故が中学の時で、今高3だからそりゃそうなんですけども

真実を話してなお神峰を排除しようとする川和先輩
髪の毛から滴るほどに汗をかいている神峰の答えはもちろん――

黒条と伊調のほうもやっと描かれました
ここは本誌での最終話以来だよな?

モノは違えど、ともに「見える」能力を持った2人
黒条と関わることで伊調はさらにダークサイドへ傾くのでしょうか
2人合わせて神峰の合わせ鏡のようなポジションになるのか…?

神峰と咲良が会ったことを知っていた金井淵先輩
おそらくは川和先輩あたりから聞いたのでしょうか

何かを隠すように暗く深く沈んでいく心象は相変わらずのようですが
前に見た時よりもさらに大きくなっているんですかね、これは

それはその感情がますます強くなっていることを意味しているのでしょうが
何やらもう1つ真実が秘められているようです
それこそが金井淵先輩が隠そうとしているものなんでしょうか

単純に考えるなら、とっさに「轢かれたのが俺じゃなくてよかった」とか思ってしまったこと、とか
あるいは「もっと気ままに演奏したい」と思っていること、とか

しかし根がくそ真面目な金井淵先輩は、贖罪のふりをした「咲良の事故のせい」にして
本心を必死に押し殺している…というのが実態になるんですかね

神峰の最後の攻略はそんな流れなのかな…

今回で川和先輩を「起こす」ことに成功した神峰
彼らに紡がれたキーフレーズ通りの段階を踏んで、ようやくあと一歩のところまでやって来ました

急に「振らせてください」と言い出した神峰に、詳しくは聞かずにタクトを任せる谺先生は
いい先生ですねえ

「今?」という反応には、練習とはいえこんなタイミングで指揮者代わるの?という普通の意味に加えて
「ここでタクトを振りたがるってことは、今が何か重要な場面なの?」との意味があるものでしょう

そう思いつつ場所を交代してくれた谺先生

途中からだったことで、低音同士の戦いに明け暮れただけで曲の最後まで来ちゃっても
「曲終わったけど?」と一言だけ

間違いなく「当然まだやるんでしょ?」と言ってるセリフですね

神峰もそれを知ってか知らずか、ひたすら「もう一回お願いします」と繰り返して
繰り返し同じ曲を演奏しながら、交わされるやり取りは心でのケンカでした

で、そこまでをタメとしてページをめくったら神峰が直に叫ぶという展開

この演出は1つには、本誌連載時の星合先輩と管崎先輩の攻略風景をリフレインしたという意味があるでしょう
演奏しながら、心がつながったかのようにお互いの叫びが聞こえたアレです

神峰が見抜いた自身の本質に対して、それを認めつつも変える気がない川和先輩
浮かんでくる単純な疑問に対しての神峰の返事

それこそが肉声での叫びでした
指揮者の技術を覚えて以来、タクトでその気持ちをずっと表現してきた神峰が
声で直に伝えようとするという

それは指揮の技術を覚える以前にやっていた初心者の所作
ある意味での原点回帰を意味するものなんですよね

そして神海先生が細かいのが、そこに至るまでに今まで攻略してきたパートリーダーたちを
しっかり全員描いてきてることなんですよ

「リスクばかり選んできたのは何故なんだ」と川和先輩が思う中で、コマに描かれているのは
打樋先輩に邑楽先輩、カスミン先輩、音羽先輩
彼らは同時に、肉声で叫ぶためにタクトを止めた神峰の動きに気がついて「おや?」と
読者に違和感を示す役割も兼ねています

演奏中に声を発したことへ驚いているのは、木戸先輩に歌林先輩
御器谷先輩と弦野は、低音ケンカの時からすでに登場していて

「舞う桜」編に至るまでに攻略してきたパートリーダーたちがみんな描かれているんですね

さらに細かいことに、「失うものがないからか?」のコマには
合っている楽器が逆だったことで打楽器パートの不協の原因になっていた2人と
サイドテールな智香ちゃんまで小さく映っていますね

そして、叫ばれる内容は主人公の行動原理そのもの

谺先生の驚きは、神峰のその行動がどんな結果に繋がっているのかをわかりやすく言い換えてくれました

つまり、これは「主人公がとことん人の心に向き合い、近づき、寄り添おうとするマンガ」なんですね

全身全霊
傍目には、ただ立って腕や体を動かしているだけの動作で
机に突っ伏して息を切らすほどに全力を出して

そんな神峰を見つめる金井淵先輩
何か…表情が少し変わってますか?

拒絶一辺倒だった表情が、複雑な感情を秘めたような顔つきになっている気がします

その金井淵先輩を見据える神峰の瞳
何かの意匠が描かれているように見えるんですが…
これは何だろう?

そして迎えるスプリングコンサート当日

おいおいラスト前の雰囲気出すんじゃねーよ…
何この「最後の舞台」感は

会場前で意気込むやり取りが、何か綺麗に男女別でコマ分けしてあるなと思ったら
御器谷先輩が女子コマ側にいる件

コラコラw

「あんたに届く」のコマの下でうっすら笑っているのはおそらく黒条でしょうか
彼も部員の1人ですから、川和先輩が「起きた」あの演奏の場にいたとするなら
あの光景を見て何を感じたでしょう

間違いなくこの本番の何処かで何かしてくるという伏線と思われますが…

ってところで次のNEXT3月なのかよorz


METEOR SEEKER 瀬川竜

今回の新人作品の中では一番これが好きかなという作品です

流れ星を引き寄せるという設定がとにかく気に入ってしまいました

ただ、最初はそういう特殊体質を持ったヒロインが
どうやってそれを克服、あるいは受け止めて前向きに生きていくのかという話になるのかと思っただけに
「魔法」なんて単語が出てきて、しかも同じような能力持ちの連中までも登場しちゃったことで
ちょっとガッカリ…

最初に見せられた設定が気に入ってただけに、その詳細と他キャラの登場には
単なるバトル化の方向しか感じられずに非常に物足りないものでした

いや、この読み切り自体の完成度は結構高いと思うんですけども
「魔法」って言っちゃうと途端に陳腐になっちゃうというか
違う料理の仕方がなかったかなーって

なのでもう1回読み切りで、としました


べるぜバブ番外編

何だかべるぜバブにしては珍しいくらいのラブコメで、やたら新鮮な気持ちで読めました
新人作品があんまりパッとしなかったこともあって、3位です

でも葵ちゃんとヒルダさんの三角形をやるんじゃなかったのは意外でした

ヒルダさん1ページ目から出てきてるには出てきてるけど、完全に空気でしたよ?

蛇子が最初に告った時にも、男鹿が屋上に蛇子を呼んだ時にも
どっちにもいたのに、セリフも何もなくただ古市と一緒に驚き要員やってましたよ?

新キャラ出してそいつに引っ掻き回させるのもいいですが、どうせならそっちの三角形をですね
嫁ヒルダさんとか再登場してもらえばいいじゃないですか

せっかく恋愛話やるんならそういう方面でも…

ラストの「スキだらけよ」は、男鹿の勘違いを踏まえた非常に高等な照れ隠しですよね

恋愛に関する部分だけあまりにもすっぽり抜け落ちている男鹿が「好き」を「隙」と認識することを踏まえて
後ろからちょっかい出して「スキだらけよ」と笑ってみせる

カタカナってのがねえ
「好きだらけよ」って脳内変換してやると、すげえ萌えるセリフですよね

…しかし、これで葵ちゃんのラブコメにとりあえずの決着をつけた、なんてされるのはやだなー

今回大学入試だったなら、次回はもう卒業の話になるんじゃないかと思うと複雑です
次は3月発売という事実がよけいその予想に拍車をかけて

本誌での最終回は男鹿たちの卒業式でしたから、ちょうどその1年前の話になるわけですが
そこでどんな物語を転がすのか

葵ちゃんたちがいなくなった石矢魔で、話を回すことができるのか

ひょっとしてこの番外編ももう…
とか思うとちょっと次回が気になり過ぎますね


鬼女と野獣 松田知隆

タイトルと、タイトル前の1ページでやたら惹かれてしまった作品です

鬼女と野獣というタイトル
「鬼女」とはどんな女を指すのかと思っていたら、何かモブが「聖女」と崇めるヒロインが登場してきて
主人公の方は彼女を見て「あんなヒデェ女見たことねえ」と呟きました

ここががっちりハマってたんですよね

回りからは聖女と呼ばれるような少女を見て
特殊能力持ちの主人公が、「あんなヒデェ女」と語る

おそらくは彼女こそが「鬼女」であることがすぐに想像できるわけです

じゃあその正体はどんなものなのか

聖女と呼ばれるような清らかな言動を周りに振りまきながら、実際には腹黒いのか
何を思ってそんな振る舞いなのか

…と、思っていたら普通にいい娘なだけでした

別に何の捻りもなく、二次元的メインヒロインの理想典型的な少女でした

そんな彼女がなぜ「ヒデェ女」なのかといえば、清らかすぎて人の妬み恨みを集め、
その陰の気が巨大にまとわりついているから

ちょっと拍子抜け…

でももっと拍子抜けというかガッカリしたのは、主人公の素性でした
なんか凄い出来る奴オーラがあって、言ってることも清らかな少女に対して現実的ですが
一応その通りで、じゃあどんな能力でどんな奴なのかと思ったら
何と安倍晴明でした

1093歳とか言ってますから、生まれ変わりとかでもなく本人なようです

…何かちょっと安直なような

退魔ものとしてはわかりやすいキャラ設定になるのかもしれませんが
これも何だか残念感がありましたね

千年生きてられる理由とか、見た目子供な感じの理由とか、
そんなのは別に必ず説明が必要なことではありません

しかし、安倍晴明と言う割にはキャラに全くそんなイメージがないんですよ
いや俺も安倍晴明のこととか全然知らないですけど

単純に陰陽道を能力とする奴じゃなぜいけなかったのか…
「陰の気」設定を踏まえても、安倍晴明が必要だった理由がちょっと薄かったように思います

でも紙の腕輪によって、能力者が見る光景を少女にも見えるようにしてやることで
説明のテンポがよくなってたのは結構新鮮だったり

こういう時の能力は設定の説明時は、どうしても「普通の人」となる相手が
無駄に驚いたり信じなかったりする描写が挟まれますが、それがたまに鬱陶しい時もあったので
この流れは非常に上手いと思いました

絵柄も割と好きですけど、そうした構成の力もあるように感じたので
別の作品を読んでみたい、につけてみました

でもこの作品を練り直すのでもいいと思います


巻頭カラー 黒子のバスケ EXTRA GAME

井上先生との対談がポスター裏に載ってました
とりあえず…
井上先生のあそこのくだりは遠回しに脅迫事件に触れているのかな…?



さて、主人公たちの優勝によって本誌での物語は完結を迎えましたが
NEXTにて「EXTRA」の連載が始まるということで前から宣伝されていた本作

まあ一応楽しみにしていたんですが…

やっちまったな…

何という想定の範囲内でしょう
だから世界編はやめろとあれほど
…特に記事で書いたことはなかったっけ

完全に引き伸ばしじゃねーか!
何をどう面白く読めばいいんだよ…

クズ相手にキセキたちが無双したとして、それにカタルシスを覚えればいいのか?

黒子たちとの戦いを経て変化を見せたあいつらが、再びチームメイトとして戦うのに
どんなプレイを見せるのかということは確かに気になるといえば気になりますが

どうせそういうドリームチームを作るのなら、相手の方は世界的クズじゃなくて
キセキたち以外の面子をシャッフルしたチームとかでもよかったんじゃ

何か余興の大会とかイベントで、今吉やら笠松やら花宮やらとかのチームと
キセキたちが勝負する、と

そういうののほうがお気楽にそれぞれのキャラの無双ぶりとかやられっぷりとかを楽しめたように思います

どういうことかというと、「お遊び感」が欲しかったんですよね
べるぜバブにはそれがあります
いやむしろそれしかないかもしれませんが

本誌連載が完結した時点で、すでに物語としては決着がついています
それをあえて引き伸ばすのなら、ストーリーなんかあってないような話にして
ただキャラたちが動きまわってる感じでいいと思うのです

それをこんな世界的クズが出てきて程度の低い挑発をして、それに乗っかるとか
本気さと深刻さが中途半端になるんですよ

舐められたからムカつく、ということでの対抗はいいんですけど
そうなるとキセキたちが勝つのはわかりきってることになるので、読む方としては流れ作業になるというか

なので、「負けたら負けたでそれも面白い展開」にするのに
相手チームも何かシャッフルしたドリームチームというか、むしろカオスチームにすれば
どっちが勝っても負けても気楽に読めそうなんですよね

バスケに対する意識の変化があったとはいえ、いつも傍若無人でムカつく年下のキセキたちに
どうにかして一泡吹かせようぜ、を合言葉にすればカオスなチームも割とまとまるんじゃないかと

ドリームチームとかやるのなら、そっちのほうが面白かっただろうになあ


BLUE CROW 城本祥

読みにくかった作品1つ目

理由は簡単
とにかく主人公がバカだったことです

作者的には初期のルフィみたいな掴みどころのない、天然入ってる主人公みたいなイメージで
描きたかったのかもしれませんが、全く成功してないですね

ただひたすらにバカなだけ
それも好感を持てるバカじゃなく、ウザいだけのバカです

そのバカっぷりを、作劇が煽ってるのが一番いけません

キャラがバカでも、作劇によってどうにかなる部分もあるはずなんですが
この作品の場合は作劇がキャラのバカをアピールする手伝いをしています
すなわち、作者が積極的に主人公のダメなバカさを強調してしまっているのです

何でも屋でボディーガードやるっつってるのに護衛対象の少女が巨乳じゃないとぶつくさ言い続けて
少女にちょっと煽られたらジャンプを塀に突き刺すほどキレて、遅刻した少女を注意している先生すら投げ飛ばす
その辺はまだ序の口で

少女と一緒に捕まったかと思えば、助ける代わりに今はいてるパンツをくれとか言い出して
敵の頭と一騎打ちが始まったかと思えば、小学生のような口げんかとともに殴り合い

主人公の正体を明かす見開きも、ただ主人公の非現実的な武勇伝を羅列しただけで
敵の頭を倒すのも、いきなりとってつけたような大ゴマでぶっ飛ばすだけという

危機感もなければ高揚感もなければ爽快感も何もありません

巻頭の次に来てるのがこれ…ってマジでか


犬侍 上村勇貴

トレジャー出身の方ですね
投稿作のレビューはこちらからどうぞ

夏に受賞してから半年ほどで読み切り掲載までこぎつけたわけですが…
あれ、こんな絵だったっけ

何かちょっと見づらいような

人と妖怪をテーマにして、その困難な共存を描いていますが…
後に載ってる「奇人」の作品と設定があんまり変わらないのが残念ですよね

展開のさせ方も惜しいです

拾って育てていた赤ん坊が、仇の息子だとわかったガガ丸が赤ん坊を殺すか殺さないかで葛藤する時には
仇に対する恨みの深さも先に描いておく必要があったんですよね

赤ん坊の正体が分かる前の時点で、赤ん坊との絆と別に仇への恨みの強さも描かれてこそ
赤ん坊を殺すかどうか葛藤する心情に真実味が出るものです

描かれてはいるのですが、場所がもうちょっと前ページのがよかったと思いますね

とは言え、全体としてはそれなりによく出来ており
種族同士の共存を図るのに、「奪う」ではなく「断ち切る」という真実に
20歳にしてたどり着いた作者の心意気はいいと思います


DOGMA ―ドグマ― 今本真太郎

これも何だか残念だった作品でもあります

縛られないで「自由」な主人公
そのキャラ像はとても爽快で、ちょっと好感も持てたんですが

神の力を発現させるアイテムと、その力の一端を魔術として使用する連中が現れたところで
何かゲンナリ

結局能力バトルの要素を多分に含んだ設定となっており
「自由」を誇る主人公が輝くための舞台としてほんとにそれがいいものなのか?という疑問が
最後まで残りました

天涯孤独ゆえの「自由」を標榜する主人公像は結構いいと思ったんですよ
それだけが他人と唯一違う部分としての自らの存在理由として、ちょっと悲しささえ感じさせる設定でした

しかしそんな主人公が何やら怪しい集団とともに能力バトルに加わるというのは
なんか釈然としないんですよね

その集団自体も、自ら魔術を信奉研究してきた秘密結社とか名乗って胡散臭い連中でした
「主人公側」として描かれているのは分かっても、真意と目的がわからない奴は
単なる得体のしれなさしかありません

魔術を研究して何をしようとしているのか、が一切触れられていないんですよね
遺伝子に刻まれた神の力を発現させるドグマなんてアイテムを作ったのはなぜか、ということも

だから胡散臭いのです

そして敵としてやってきた奴も、何なのか全然わからない
ドグマの争奪戦になっているというのは分かっても、目的がわからないから
どっちもどっちなのです

だからこそ、自分に奇跡的な遺伝子が刻まれていると聞かされても
「てめえらのことはてめえらで何とかしろ、俺には関係ない」と言って
巻き込まれた先生の手当を優先しようとする主人公の価値観が光っていたんですね

冒頭から登場していて、ずっと主人公に小言を言ってきたその先生も
主人公の将来を普通に心配してくれていた普通にいい先生で

だから、自分たちの望む方向に持っていくために先生に死んだふりをさせた流れも
何だか不満です

その直前には「そんな一般人ほっときなさい」とか「主人公側」にあるまじき発言してましたし

勝手にやってきて勝手なことを言って勝手なことをしてるようにしか見えないので
何の感慨も起こってこないのです

「自由」を誇っていた主人公の性格は光を伴っていたように感じましたが
それ以外の要素がことごとく構成不足だったように思います


袋とじ

卓上のアゲハ

まあ…こんなもんでしょうね
スケベ男2人の話なんてそんなもん

ただ、武虎がメイド服萌えとかってのは意外すぎるんですけど
メイド服は裸エプロンも兼ねるとかそんな発想なかったんですけど


ハイキュー!!

さすがの安定感ですね
同じ2ページでもずば抜けて面白いですよ

議題には割と同意できるかもしれません
田中先輩は実はカッコいいんですよね

菅原さんがちょっとブラックですけどw

そしたら影山がぶっ込んでくれました

そ う 来 る か

ノヤっさんの時はあんなこと言ってたくせに…

でも一番ひどいのは結論だなw


E−ROBOT

ロボットがトイレにいくということの不自然さはまあ置いとくとしましてw

もっとやりようがありましたね、これは

まず、袋とじの外に出ているアイの様子は
教室でイスに座ったまま股間を抑えて我慢しているところにするべきでした

その上で、ユウキが例えばゲームとか音楽プレイヤーとかのリモコンみたいなものを手にしていれば
あら不思議

アイのセリフがもっと露骨に違った意味に聞こえてきますね

山本先生…惜しいです


ZONBIE KARO 森将人

ゾンビが人の子供を育てるという
これもある意味で異種族共存の話になるんでしょうか

ただこの作品の場合は、そんな難しいことを考えるものではなく
単に、ゾンビと少女の交流と触れ合いを描こうとしたものなのでしょう

だとすると、何か致命的な欠点があるような気がするんですよね

少女の名前がどこにも出てきてないんですよ
ソンビに育てられたっつって、ゾンビみたいな感じだった少女を
競売でゾンビが買って人並みに育てたことで、ありえないビフォーアフターを遂げた少女

その名前が作中1度も出てきていないのです

少女を育てたカロが名づけた様子もなく、最初から名前を知っていた風でもなく
ただセリフの中に彼女の名前が全く出てこない

これは結構異常なことではないでしょうか

人とゾンビという異なる2人の絆を描きながら、片方の名前が出てきてないというのは
描写の上では何だかなーという気がしてなりません

名前を呼び合うというのは、絆を表現する上で効果的な方法の1つですが
それが全く出てこないというのは、作者が意図的にやったのかまたは完全なる抜けなのか…

あえてそうする理由も浮かんでこないので、抜けなんじゃないかと思いますが
偶然にしてもヒロイン的立場の少女の名前を1回も出さずに話が作れたというのは
結構凄いことではないでしょうか


ゾネス先生ブチ殺すっ!! 谷園とものぶ

ギャグなのかストーリーなのかエロなのか、よくわからん作品ですね…

アマゾネス出身の先生がアマゾンの掟を教えるために教師になったという
荒唐無稽さはギャグで

ゾネス先生が無駄に巨乳だったり、無駄に股間がアップで描かれたり
作者コメントでは女体がうまくなりたいとか言ってたりするのはエロで

いじめられっ子がゾネス先生の特訓によっていじめっ子にやり返してやるのは
ストーリーもののようで

どれもが噛み合ってるようで噛み合ってないような微妙な印象を受けました


特にいけなかったのは、強志のキャラがガチでクズだったことですね
そのことが最もストーリーものに話を傾かせる要素になっていて
その傾きにより、ギャグとエロの部分が薄められてしまって中途半端な印象に終わっているのです

あと、あのクズっぷりは見てて普通に不快でした
この後のモノマニアに出てくる奴もそうですが、今回のNEXTは何かクズ描写がやたら上手い作品が揃ってますね


魔物鑑定士バビロ

相変わらずだなこの作品も…

相変わらず読みにくいですね

どうやって楽しんだらいいのか未だにわからないんですよね

主人公のバビロは何を考えているのか全くわからない奴で
副作用の分からないアイテムで何かしたかと思えば
次はちゃんと把握してるアイテムでオズを陥れる


何がしたいのかが全然わからず、ただひたすらに得体のしれない気味悪さしかないんですね
あるいはそれが西先生の意図しているものなのかもしれませんが、刊行ペースの長いNEXTで
そんなことをするのは逆効果のような気もするんですが

センターカラーってことは人気出てるのか…?

今回はまた何か純粋に黒いことを言い出してますね
そういうおぞましさを期待して読む作品だとするなら、俺はもうやめとこうかな…


モノマニア・フジ はんよんぎ

読みにくかった作品その2

理由は、途中でどれが誰だかわからなくなってしまったからです
2回目読み直しても、途中でどっちが主人公の名前でどっちが悪役の名前かわからなくなりました

その上モノローグも誰のものだか迷ったりもして

たくさんの?を持ちながら読み終えてしまいましたね

その辺は構成力とか描写の問題なのだと思いますが、それよりも大きな問題は
やはりガチで不快なクズの存在にあるでしょう

さわやかな陸上ものを描きたかったのだとするなら、そういうクズの登場は完全にノイズです
嫌な先輩はいるにしたって、ここまで陰険でここまで陰湿な奴はそうそういないでしょう

片想いを原動力にしてトレーニング(ストーキング)を繰り返してきたことで
何か凄い実力がついてたというのはいいんですが、そういう主人公が一番かっこいいのは
クズキャプテンに勝つことなのかと

陸上競技が基本自分との戦いであるとするなら、そんなわかりやすい悪役など配置せずに
好きな娘が見てる前でただ必死になって記録や優勝を求める姿だけでもよかったんじゃないかと

余計な悪役を登場させていることで、作品の前半が極端に不快な仕上がりになっている割には
後半でそれを覆すカタルシスがあるわけでもなく

あんだけ陰険なことをする奴が1回負けただけで本心から「すまなかった」とか言うわけ無いだろ…

ていうかそのくらいは担当が指摘していいはずなんですが
なぜこれを載せた


赫華 新井夢大

読みにくかった作品その3
ただこの作品の場合は単純に画力の問題ではないかと思います

ちょっとね
画面がごちゃごちゃとなりすぎているかなって

グランドトレジャー賞として、投稿作がそのまま掲載となった本作
画力は仕方ないにしても、話は割とよく出来ていました

人間と別種族との共存を図ることをテーマにして、「奇人」という架空種族が登場してきます

「奇人」というのがどんな種族なのか、生物なのかがよくわからなかったのが
残念なところといえるでしょう

ただ「見た目は似ているが、性格は凶暴だ」と言われるだけでは
共存が無理と思えるほどに害となるのかが今いちピンとこないんですね

理性を失って異形のまま暴れだすとかならわかりますが、本作においては主人公はもとより
悪役となる奇人さえも、自分の望みによって元から狂ってる奴でした

しかもそいつは自ら奇人になってるんですね
奇人の血を飲んだら奇人になれるってことで、主人公と暮らしていた奇人を殺して血を飲んだそうな

要するに妖怪とあんまり変わらないということかなーと思ってしまいます
犬侍と同様ですよね

「共存」を目指すというテーマはこっちのほうがより強そうですけど


ただこうした作品を投稿作で送ってくるとなると、資質は感じますよね
荒削りだから磨いてみたくなる

とりあえずは次に期待ですね


戦場の華 坂野旭

これもグランドトレジャー賞として、投稿作がそのまま掲載されたものですね

荒いといえばこれも荒いんですが、細いタッチで描ける絵はちょっと好きだと思いました


ただ、これ主人公逆なのか?

戦場に華を咲かせたいっていうのは、征龍隊の少年じゃなくて広報部の男のほうなんだよな?
タイトルに加えて、ラストもそいつの方で締められているんですけど
でも主人公は征龍隊の少年のほうなのか?

なぜに?


あと、話のつながりや流れ方はちょっと雑かなという気もしたんですが
細い線を上手く使った静けさを軸とする演出は上手いと思います

こんなのを投稿作で見せられたら、編集部としてはやはり磨いてやりたくなるものでしょう
資質は確かに感じさせてくれる作品です

こちらも次の作品に期待したいという気持ちにさせてくれるものですね


COMMENT▼

No Subject

うぅむ…今号は何も書けんくらいに手応えがありませんでした。
良く記事書けたなrexelさんと感心してしまうほど。

取り合えずソルキャは良かった。ベルゼもまあ良かった。黒子は食傷気味。
黒子は世界戦やるのならアレだ、火神の師匠のアレクでしたっけ?彼女のツテで、
本場の一流チームとキセキとをぶつけてみたくて組んじゃった?(
テヘペロ)
の方が燃えれた。

Re: No Subject

いつものごとく時間はかかりましたが、いつもよりは早かったかもしれません。
きっと考えても書けそうにない作品はさっさと見切りをつけることにしたからでしょう。

黒子の世界編はそっちのほうが断然いいですね。
そっちのほうがお遊び感が満載のようです。
アレックスのツテの人たちも、普通にキセキたちに興味持って「ほうほうなるほどやるじゃないか」みたいなノリで相手してくれたら、非常に気持ちよく読めそうです。


現実の世界編の方は…
どうせ勝つなら、いっそ開き直ってキセキの世代全員ゾーン突入とかやってほしい。

黄瀬は相手のプレイを見る前からコピーして
緑間はパスのつもりでボール投げても必ずリングに向かって曲がっていって
青峰はオールコートフォームレスシュートとかして
紫原はジャンプしてないのにダンクシュートして
赤司は相手チーム全員を同時にアンクルブレイクして
火神はセンターラインから流星のダンクかまして
黒子は審判からも見えなくなってガチの6人目として試合に参加して欲しい。

それは完全に「バヌケ」www

全員アレもアレですけど特に紫原がヒドイ!
身長か腕か足かが物理的に伸びないとムリだし、それが出来たら完全に人外w

でもまあ普通にやりそうですよね全員ゾーンは。
私はバーゲンセール時点で本作には見切り付けましたが、それやってるからやるだろうなって。
で、キセキに引っ張られてチーム・ジャバヴォックもゾーン入りするんですよきっと。
シュートの際ARMSのジャバヴォックよろしく反物質を生み出して加速すんでしょ?
そして黒子がミスディレクションでボールを消すとw

Re: それは完全に「バヌケ」www

どうせ無双するならそれくらいやってほしいものですw
ジャバウォックのゾーンまでは別に…w


ただまあ全員ゾーンはやるにしても、劣勢に陥っての挽回を期してというのではなく
さらに圧倒的点差をつけるためとかでやってほしいと思いますね。

この展開で劣勢をひっくり返しての逆転勝利なんて望むものじゃないはずなので。

No Subject

>>黒子
いやはや意外ですな。個人的にはなかなかに好みの展開ですのでここまで批判的な感想を書かれるとは思いませんでしたなぁ。

ていうかクズがあそこまでいいようにしているのは面白いと感じましたなぁ。どうせ暴れるのならば負けるその時までとことん限度を超えて暴れて欲しい物です。サイレンの遊坂も言ってましたが「限界なんて超えるためにある」って言葉もありますから。それに氷室にキセキ並と評されたのですから個人プレーで追い詰めてもいいんじゃないかとも思います。それとジャバ側にもゴールドが表側のリーダーだとするのならば影のリーダーたる「ブラック」性の影がいるんでしょうか?

何というかrexel氏は漫画を楽しむには塩梅がやら何やら(違ってたら申し訳ない)の調整が必要な感じですが個人的には漫画は楽しければそれでいいというのが感想に差が出たのでしょうな。試合の理由なんて仇討なりあっちから何故か来た程度で強者と強者が本気でやり合ってくれたらそれでいいと感じてます。戦いに熱中出来れば戦士の人格など関係無い、ただ熱い戦いがそこにあるだけというのが私の持論です。

悪役描写は中々に飛び抜けてて良かったと思うんですけどねぇ。この作品が書かれた経緯的にはファンブックで富樫先生との対談で「キセキと極悪アメリカ人がバスケで戦う」というのをやりたかったのでしょう。それに隔月だからこそ時間に余裕もありますし週刊とは違った無いようになりそうだと思います

何か途中試合が戦いになってますがバヌケにはお似合いの表現なのでしょうか?

Re: No Subject

コメントありがとうございます。
通り真ス~ンさん

黒子も含めて今回のNEXTはずいぶん辛口になったな、と自分でも自覚があります。内容が薄かったとは言いませんが、予想通りだったりちぐはぐだったりという作品が多かったからでしょう。

加えて、黒子もそうでしたが、いくつかの作品で普通に不快なクズの描写が何かやけに堂に入ってたんですよね。その割にカタルシスはそうでもなかったことで、余計に「なんだかなー」感が強かったのではないかと。

「塩梅やら何やらの調整が必要な感じ」というご指摘、おそらく当たっていると思います。いろんな要素が入ってくる1つの作品の中で、面白く読ませるにはそれらのバランスが大切だと思っているほうなので。

ただしその評価基準は、NEXTだからというのも大きいですね。それなりの期間連載を経験した作家の何作目かの作品というのではなく、連載を目指す新人作家さんたちの作品ならば余計にそうしたまとまりやバランスを重視したいと思っているんですね。

どっか突き抜けてる部分があるのは大いに結構なんですが、武器にするためにそれを極めようとするのか単なる特色の1つにするのか、といったことを問いたいという気持ちがあるのです。


で、黒子においてはクズすぎる敵にはあんまり興味なかったなあというのが正直なところであんな感想になったんですが、ファンブックの話は知らなかったですね。そういう経緯があるのならこの展開もわからないでもない…。

まあそんな難しく考えずに両者のぶつかり合いを楽しんでおけばいいんだよ、というのも読み方としてよく分かるものですので、うだうだ言わずにそういう気持ちでいるのも前向きかもしれませんね。

ありがとうございました。おかげでもうちょっとポジティブに読んでいけそうです。

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