社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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本気のヒロインたちが繰り広げるノンストップラブコメと作者の苦心…? 『実は私は』第9巻

実は私は9巻

実は私は 第9巻

やっと届きました

チャンピオンで絶賛連載中の秘密系ラブコメ第9巻

前巻のレビュー時に気にしていた表紙は、委員長とみかんでした

単純に既存キャラの2人をフィーチャーしてきたものなのかと思ったんですが
中身を読んでみるとこの2人以外ありえないものでしたね

主人公が想いを寄せているメインヒロインをそっちのけにして2人で表紙を飾っちゃった彼女たち

主人公がそのメインヒロインと観覧車に載った結果、口と口をづけちゃった事件を契機として
物語は急激に動き始めました


まさかのヒロインたちそれぞれが互いに宣戦布告し合うという驚愕の展開

宣戦だけにとどまらず、アピールタイムを掛けて実際に競い合うというガチの展開


収録話の冒頭で仕込みを終えたのち、開幕した修学旅行編にてそれらの戦いが一気に激突することになりました

ヒロインたちが次から次にタイトルを口にする怒涛の展開
本作品を最初にレビューした時に想定していたとおり、作品タイトルの真の意味はそういうことなのでしょう


ただ、ともすれば陰鬱なことになりかねないそうした流れを見事にコメディとして仕上げている増田先生の手腕には目を見張るものがあります

同じ男に惚れてしまったヒロインズが、人知れず鎬を削り合うという普通なら修羅場必至の展開を
ラブコメの範疇を守りつつ、しかしヒロインたちの真剣さも同時に醸し出させることは、並大抵の描写力ではできないことでしょう


それを可能にしているのは、彼女たちが互いに敬意を持って接していることですね

自分の本心を包み隠さず相手に打ち明けて、お互いに気兼ねすることなく本懐を遂げることを合意していること
実際に2人きりになるチャンスを作るためには相手に遠慮することなく必死に戦いますが、その勝敗の決め方もゲームに頼ることで
コメディの枠をはみ出さずに楽しげな雰囲気を持って競わせることに成功しています


そのおかげで、例えば女の子同士で取っ組み合って我を張り通すような下品なことは一切なく、一定の節度を伴った協定の上で
それぞれの本意を満たそうとする意図のぶつかり合いが面白おかしく描かれることになっています

普通なら修羅場となりそうな部分をここまで面白く読ませてくれる増田先生の実力には舌を巻きますが、
しかし、別の面では違和感を覚えたことも事実でした


特に、メイド喫茶と運航見合わせと南国をめぐる白神家実家の回
あと男湯の回を含めてもいいでしょう


面白いか面白く無いかといえば面白い回だったことは間違いないんですが
どうにも本筋からの脱線という感触を抱いてしまったのです

というのも、これらの回は別にないならないでも話を繋げることは出来るんですよね
あるいは何だか唐突な感じがしたというか

タメ回というか、おそらくは箸休め的なインターバル回というように捉えればいいものだろうとは思うのですが
朝陽をめぐるラブコメがどんどんどんどん盛り上げられようとしている時に挟まれる回としては
どうにもテンポを悪くしているように感じてしまったのです


裏表紙部分にいつも書かれている今巻のあらすじ
「ノンストップちょいアホヒロインラブコメ」とは全くその通りの表現で、
この怒涛の展開を見ていると、特に「ノンストップ」という部分には大いに同感だと思っていました

5巻で初めて使用され、8巻でも使われた「ノンストップ」という単語
今巻に限らず、出し惜しみのない展開は確かにノンストップといえるもので、
次の展開への期待感を否応なしに高めてくれる構成と描写でしたが

それだけに、ヒロインたちがそれぞれの気持ちを認識し合ったラブコメの最高潮とも言えるような状況で
それなりの面白さがあるとはいえ、ほとんど関係のないような部分のコメディだけの回が途中にあることは
どうにも違和感だったのです

あるいはコミックスで一気に読んだために感じたことなのかもしれませんが…

違和感の根本にあるのは、増田先生の必死さを感じてしまったことじゃないかと

修羅場必至の展開を、どうにかして面白く読ませようと苦心した「作者の気持ちと存在」を
何となく感じてしまったことが、物語への没入感を邪魔してしまったのではないか
そんな風にも思ったり



もちろん、作者のそうした意図は不要なものではありませんが
流れるように追っていきたい怒涛の展開の中にあっては、物語へ入り込むのを妨げることも起こってしまうのかなと




とは言え、ノンストップという言葉にふさわしく、彼ら彼女らの思いの丈はとどまることを知らないようです
最初に決意を固めたのは委員長でしたが、だからってここで脱落してしまうとも限らないのでしょう

朝陽からどんな答えが返ってくるかというのは、すでにわかりきっていることです
すなわち、朝陽の本心はとっくに決まっていること

それでもなお、けじめか、あるいはライバルへの敬意なのか、黙って身を引くことをやめた委員長
伝える前から返事を知っている告白の先にあるものは、彼女をどのように変えるのでしょうか


次巻もまた、衝撃に満ちた展開が待っていそうですね










[タグ] ラブコメ




COMMENT▼

No Subject

あれ?ショットが何も無い!74話の川縁で傷付いた様子の委員長とか来ると思ってたんだが…

さてrexelさんが感じた違和感ですが、それは他所でも言われている事でもありました。
私は感じませんでしたが(焦らされた感はありました)それは恐らく時間軸が沿っているから。
まあ南国と男湯回は入れ替えた方が良かった気はしてますが。

そして一つ気になる点が…それは空港回で吹雪いた理由。彼女の参戦の懸念を若干感じます。
ニセコイの春とはまたベクトルが違いますが、彼女の参戦はやって欲しくない展開です。
彼女が惹かれているのは確定でしょう。ですが秘めたまま物語を終えて欲しいのです。
まあ自覚して開き直った結果が「あの未来」なのかも知れませんけどw

以下、雑誌のお裾分け。
メイド回冒頭アオリ:「ご主人共ーッッ!?」
対立回末アオリ:「女の戦い開戦!!…あれ…一人…」
南国回あらすじ:「悲劇的ビフォーアフター」
着替え回あらすじ:「ムダ着替え」

今巻一番ウケたシーン。
「紫々戸獅穂…君は天才か…?」

書き忘れ

私は古味先生が好きです。だからこそ言います。
「先生、ホント増田先生見習って下さい…」

自分も最近読んでます。と言っても途中からですが。確かにラグエルさんの言う通りだと思いますww・・・が、実は私はに出来てニセコイにできない理由はラブコメのラブとコメの比率の違いによる問題でしょうね。実は私はの方は自分の感覚だと銀魂並みにコメの比率が大きいので。かといってラブ要素が薄い訳ではないのが増田先生の手腕だと思いますが。ニセコイの方はラブが進展してしまうとコメで補えないのでそのまま終了の方向に(^-^;

今ふと思いましたが、今は懐かしい桂先生の作品であるI''sの流れを参考にするといいかもしれませんね。進展しても障害があってなかなか上手く行かない方向で。ただしニセコイは中途半端にコメ要素があるので、進展に踏み切るには色々な意味でかなり英断が必要でしょうね。誰もが予想できるような展開になったり、I''sみたいな鬱展開になっても面白くないでしょうし。せっかく「ニセコイ」というオリジナル設定があるのでそれを生かして古味先生の手腕を見せてほしいところですね(^^;

書き忘れ2とだいまおーさんへ

以前、WJ52号のエロボット特集記事で以下を載せました。
「で…ジャンプの方がエロいから以降についてですが、読んだ瞬間に大笑いしましたwwww
なぜそこまで笑ったかに付いては機会に恵まれた時に必ず!話します」
はい、この巻のどこぞの親子とほぼ同じ事を仰っていたからですw


>>だいまおーさんへ
まさか読んでいらっしゃるとは思ってませんでした!
私が古味先生に見習って欲しいのはラブよりもメインストーリーについてなんです。
牛歩でいいので少しずつ進めて欲しい。メインを進んでる流れから実は的外れでしたとか、
かなりの長期間引っ張れる進ませ方だってあるんです(この手法は1回だけがベストですが)。
現状、牛や亀にも劣る速度でしか進んでません。ほぼ足踏みと言っても過言ではないくらいに。
例えば「5本目の鍵だけが出てくる」とか「ペンダントがもう一つ出てくる」とか
「約束の丘の場所が判明して行ってみるが徒労に終わる」とか肩透かしのネタはたくさんあります。
そうした肩透かしを繰り返して読者が「まただろどうせ」と思うタイミングで本ネタを入れる。
そういう引き延ばし方だってあるんです。
仰る通り、じつわたはニセコイよりもギャグ寄りです。でも本筋を確かに進めてくるんです。
余計とも取れるギャグ回や日常回。でも足踏みはしていない、必ず話か人間関係に変化があります。
そういうところを見習って欲しいのです。

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。
今巻は特に画像はなしです。


何やらちょっとした議論のようにもなっているようですね。
本来この作品とニセコイとは別に関係がないはずなんですが、どうしても比べてしまうラブコメ好きな当ブログ。

ラブとコメの比率の話にはなるほどと思いました。
ラブも強いがコメも強い本作品は、ちょいアホヒロインという特性も大きく関わっているでしょう。

ニセコイの場合は、欠点としての抜けてるところはあっても基本的にはみんなちゃんとしてる娘達ですので、
運航見合わせ回のような「そんなわけないだろw」っていう展開が実わたほどにはできないんじゃないかと。

あと、吸血鬼やら宇宙人やら使いやすい超常要素があることも関係するでしょう。


うーむ。
何か考え出したら実わたとニセコイを比較した記事でも書きたくなってきましたが、
そういう比較ってどうなんでしょう。

比較記事

面白いと思います。じつわたもニセコイもそれぞれに良点欠点ありますので。

ふとニセコイの展開速度だったらじつわたはどの辺かなーとか考えてみた。
・演劇回=夜プール
・羽登場=凜登場
異論は受け付けてますw

Re: 比較記事

似てるとはいえ全然関係のない作品を比べてどうこうっていうのが気になるんですが
それなら少し考えてみますかねえ。

展開の該当箇所は、とりあえず異論無いですw

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