社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ニセコイ 羽の持つ通常営業回強化の役割について考える

何かニセコイの考察を久々に書いてる気がしますが

今回のテーマは、今週ターンが回ってきていた羽
その役割に関するものです

感想記事を書いている時に何となく思って、でもその場で書くにはまとまらなかったので
後にしようということで省いていたんですが


ニセコイにおけるいわゆる通常営業回
ヒロインたちそれぞれの個別のターンであったり、または複数登場して
それぞれに多少の見せ場があったりする複合回だったりといくつかのパターンがありますが


羽は、実はその通常営業回の展開パターンを
変則的に演出することのできるヒロインなのではないかと思ったのです











羽は単独回がまだない


そもそも、羽は単独回というものがまだないんですよ

コミックス14巻で初登場してきた彼女が、それ以降単独回をやったかどうか
過去号を振り返ってみたんですが

なかったんですね

登場して以後はキャラ紹介を兼ねたドタバタと鍵の件、そして千棘にライバル宣言をしてみたり

組連中が全員旅行に行って羽と楽が2人きりになるって時には、それを阻止すべくヒロインが全員集合してみたり
音痴なことが判明すれば、マリーと鶫が音楽的才能を見せつけてくれたり

全然メイン回という感じではないのです
どちらかと言うと、ただ話の中心に近い部分にいるという程度の扱いだったんですね

同居してる連中がみんないなくなって、家にヒロインと2人きり、なんて状況で
その夜のドキドキが描かれるのではなく、他ヒロインがみんなして押しかけてきて
2人きりを阻止しようとするなんて、ラブコメにおいては意外と考えられない展開ではないかとw

代わりにみんなで王様ゲームをやりだして、王様になった人の葛藤やら
命令を受けた人の照れやら戸惑いやらを描くとなると、これは要するに羽をダシにして
他ヒロインたちの顔芸を見せたり掘り下げたりしているものということが言えるでしょう


キャラ紹介のために初登場後数回出ずっぱりだった部分を単独回とは捉えないとすれば
現在まで羽が単独でヒロインを務めた回というのは存在しないことになるのです


あるいは今週が初めて、他ヒロインが関わってくることなく1人だけでやりきった回だったかもしれません

学校でいきなりぶっ倒れたところで引きとなった今週
ラブコメとして普通に考えれば、次回は主人公による懸命な看病が描かれるのだろうという予測になるのですが

ただ、そうとは言い切れない気がするのが今回の考察の出発点になっております


来週の展開可能性


風邪か過労かでぶっ倒れた今週の引き

看病ができるのは何も楽だけじゃないんですよね

感想記事にもチラッと書きましたが
小野寺さんだって千棘だって、お見舞いついでにちょっと、ということは充分可能なわけで

だって羽の看病に行くということはイコール楽の家に行くということだからですね
羽のことも心配だし、楽に会える理由にもなるので見舞いに行こう、というのは
恋する女子としては当たり前の思考回路かと思います

まあそれでなくとも、クラス担任の先生ですし、恋愛沙汰を別とすれば普通にいい先生のはずですので
体調を心配してお見舞い、というのは小野寺さんも千棘も人として当たり前の行動でもあります

ただ行き先が意中の相手の家、というのが話をややこしくしているだけで

お見舞いついでに何かお行儀よく順番に看病にあたりつつ
楽とちょっと会話を交わして…ということがあってもおかしくはないでしょう

さすがに病人がいる横で、転んだ拍子にラッキースケベなんてこともないでしょうから
おそらくは普通に会話しつつ、たまにドキッとしてみたりする程度ではないかと思いますが


それもつまり、羽をダシにして看病にあたるヒロインの様子を描くことで
そのキャラを掘り下げることに繋がるもの



それはすなわち、羽を利用した他ヒロインのターンとさえ言えるでしょう



「羽」というイベントの舞台


それは、比喩的に言えば体育祭や文化祭といった「イベント」の1つとして
「羽」があるのではないかという考え方に繋がります

彼女が話の中心に来ることは、自然的に他ヒロインをも巻き込んで登場させることでもある、と

すなわち先日の体育祭の話や、文化祭などの話にあったような、
「イベントにかこつけてヒロインたちみんなを登場させる」ことと同じ手法が
羽を使ってできるということなのです

しかも、体育祭や文化祭と違って季節的な縛りがあるものではありません
いつでもどうとでも状況を設定できるわけです

わかりやすく言い換えると、「舞台装置」としての役割を見て取ることができるのではないかと


これは、実質的にはいわゆる通常営業回なんですが、読んでいての印象はまるで違うものとなります

羽を使って他ヒロインを登場させ、そこで新たな一面を掘り下げたり
どきどきした顔芸をさせたりすることは、いわゆるターン別の当番ヒロインなんていう通常営業の中にあって
変則的な演出を施すことができるわけです

ぱっと見は羽のターンのようでいて、実はマリーのターンだったり千棘のターンだったりするような
そんな読み心地

そうすることで批判的な意見も多いと思われるただの通常営業回において
ちょっと違った印象を与えることができるのではないか、と



「舞台装置」的な役割が可能である理由


では、なぜ羽がそんな役割を担うことができるのか

言い換えると、なぜ羽が話の中心になろうとすると
他のヒロインたちが自然な形で登場してくることができるのか


理由は1つですね

楽に対して、羽が圧倒的に近いポジションに居る(と他ヒロインたちが思っている)からです

幼馴染で、姉ちゃんと呼ばれるほど親しげで、居候ということで同居してて
さらに美人で、人当たりがよくて、女教師というヒロインとしては超のつくほどのハイスペック

そんな相手が現れれば、片想い全力疾走中のヒロインたちが気にしないわけはありません
本人たちにとっては、単なるクラスメイトである自分たちが勝てそうな部分は1つも見つからない、と
思ってしまうのが正直な気持ちでしょう

その上、当の羽は楽に対する自身の感情を堂々と口にしてもいました

羽が直接伝えたのは千棘でしたが、小野寺さんも聞いてしまいました
ひょっとしたら羽は、小野寺さんが聞いてしまったことを知っているかもしれません
マリーもひょっとしたら、楽に対する羽の気持ちを知って(気づいて)いるかもしれません

だからこそ、羽が話の中心になろうとする=羽と楽のラブコメが展開しようとする、時には
他ヒロインが割って入ってくることになるわけですね

超ハイスペックなお姉さまヒロインが、あろうことか自分と同じ人を好きだと言っていて
その上何かイチャイチャしようとしているとなれば、そりゃあ小野寺さんだってすっ飛んでくるでしょう


だから羽と楽のイベントが始まりそうな時には、他のヒロインたちがやってくることができる
それはまるで、「お化け屋敷」とか「お泊り」といったイベントと同じような感じで
「羽」というイベントが他ヒロインとの間で始まったかのように捉えることができるわけです

じゃあ、そうやって介入してこようとする他ヒロインを、羽はどんな風に思うのか
せっかく自分のラブコメを進められるかもしれないという時に、別の要素が入ってくることは
普通に考えれば避けたいことのはずです

しかし、そこには羽の「天涯孤独」設定が活きることになります
親もなくして、唯一の身寄りが弟のように接していた楽だけであること

恋愛の情だけでなく家族的な情も欲しいと思っている寂しさを持つ羽にとって、
目当てが楽とはいえ、周りに人が集まってきてわいわいがやがやとなることは
それはそれで嬉しい光景なのではないかと考えられるのです


ただし、寂しいからこそ一番近くにいて欲しいのは男としても弟としても愛情を持っている楽であるでしょう
たとえば次回看病のラストに、「もうちょっとだけここにいて」なんて赤らんだ顔でワガママらしいことを言えば
そのシーンだけは完全に羽のターンということになります

それはまた、他ヒロインたちにとっては「一歩先へいかれた」感を煽るものとなり
余計に今後の羽のターンへの介入を強めることにも繋がり、通常営業回の一種として堂々巡りを繰り返すことのできる
エンドレスなパターンになるわけです

それはすなわち、これまでの個別のターンを繰り返すことによる通常営業において
個別ではなく複合的な形でそれぞれの感情を見せることによる変則的な通常営業回という
パターンということが出来るのではないでしょうか


そしてこのパターンは、古味先生のさじ加減によっていつでも本筋の話に切り替えることができることも
注意しておかなければならないでしょう

現状のキャラたちの中で、鍵と錠の事情を一番知っているのはおそらく羽だと思われます
ということは、羽のターンだということでヒロインたちが集まってくる場は
いつでも鍵と錠の話をすることのできる格好のシーンになるわけです

古味先生の判断如何によって、急に核心を突く話題を振ってみたり
どっかから新情報がやってきたりしたのをみんなが一斉に耳にすることも可能でしょう


すなわち、羽とは従来の通常営業を強化する一方で
縦軸としての本筋である鍵と錠の話も進めようと思えばいつでも進められるという役割を担って
いると考えられないでしょうか



これで次回、小野寺さんも千棘も全然見舞いとかに来ることなく
普通に単独回だったら大ハズレもいいところですけども

COMMENT▼

No Subject

単独回強化、本筋起動のキーパーソン、そのポジションに居るのは決定とみていいと思います。
ただ来週はライバルでそれを意識しつつもちゃんと自分の心配をするヒロインズに羽が心打たれる。
きっとそんな程度で締めてしまうんだろうなぁと思ってますw
家族愛を求めている羽からしてみれば、そういう気持ちは非常に嬉しいものだと思うので、
ヒロインズへの親愛と楽への愛情が深まる回。そういう羽的通常回なんでしょう。

他ヒロインと比べてどことなく浮いていた羽。その羽が地に足を着ける回になれば私はOKです。

No Subject

こんにちは。考察拝見しました。

羽姉さんを一種の舞台装置として見立てるというのは面白いですね。
他のヒロイン当番回の場合,他のヒロインが焦って駆けつけるといった作劇は楽とマリーのデート回くらいしかない。

それに対して羽姉さんは,ヒロインたちにとって自分が叶わないと思わせるほどの強力なライバルである。しかも羽姉さん自身が積極的に攻勢をかけている。そりゃ焦ってヒロインたちも駆けつけざるを得ない。
同級生ではない,年上であり,教師であり,楽の同居人でもある羽姉さんの特別な位置づけだからこそ可能な作劇ですよね。

僕はなんとなく来週以降の展開で羽姉さんがフェードアウトしてしまうのかなと感じていたのですけれど,お説拝見すると退場させるには惜しい存在だなと思いました。羽姉がいれば他のヒロインを含めた全体行動回がつくれますし,恋愛面での進展も期待できますからね。

羽姉さん回ということでちょっとテンション緩めだったんですが,来週が楽しみになりました。

No Subject

羽姉さん汎用性高いなぁ(^^;

強敵だw

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

考察の内容にはひとまず共感いただいたようでよかったです。
何か久々のニセコイ考察でしたが、ayumieさんに刺激されたようなところがあります(;^ω^)


ただこの内容はあくまで可能性といいますが、ニセコイにおける古味先生の作劇には
こうした深い掘り下げがなかなか通用しないことも事実で。
それが多くの人のあきらめ感に繋がっているんじゃないかとも思っていますが、
果たして来週どうなることでしょうかね。

ただ舞台装置的な役割は、今だけという可能性もある気がします。
羽が家族的な賑やかさよりも、楽との静かな愛情を望むなら
他ヒロインたちが割り込んでくることは普通に邪魔なだけだからですね。

それはちょっとした修羅場の演出にも使えますが、非常に加減が難しい場面であり
深刻な物語を描くならいいですが、ニセコイのようなライトなラブコメには適さない部分が
多いでしょう。

とすると、羽が舞台装置としての役割を果たしうるのは羽が楽に対して本気で迫ろうとするまで、
ということも言えるのではないかと思います。

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