社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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3週だけの「短期連載」はジャンプシステム変革の一端か、維持強化か

今週から「短期連載」として始まった『モロモノの事情』

NEXTでの読み切りが結構好きだっただけに、「短期」ってどれくらいだと
地味に気にしていましたが、蓋を開けてみれば3週連続掲載のことでした

ちょっとガッカリ…
という気持ちは多分にあるんですが、しかしそこで止まらずにもう少し考えてみると
実は、この短期連載という手法には昨今のジャンプシステム変革の一端を窺うことができるのではないかという
可能性に思い至りました

同時に、これまでのジャンプシステムを維持強化することにも繋がるのではないかという
可能性にも思い至りました


正反対のベクトルのように思えるこれらの可能性が、同時に感じられてしまったこと
自分でも困惑してしまったのですが…



 







短期連載は本連載を目指すもの


3週ってぶっちゃけ少ないですよね

短期と言うからには、2か月3か月程度の期間を勝手に想定していたんですが
実際に始まってみれば、たったの3話分


正直物足りなそうな数字ではあるんですけれど、しかし作者としては当然これを足がかりに
連載を取りたいでしょうし、我々読者だって、3話分が面白ければ短期ではない本連載を望みたいですよね

そういう作者と読者の「当然の感情」を踏まえた時、この「3話分」という数こそは
実は短期連載という手法におけるキモなのではないかと思ったのです


どういうことか

結論から言えば、短期連載という方法は今までの読み切り掲載→連載という流れに対して
さらなる精度の向上を目指すことができるものだと考えられるのです

何の精度かといえば、もちろん読者人気ですよ


この3週連続掲載という短期連載手法を採ることで、連載時に人気をとれるか否かの判断が
より正確にできるようになるわけです


まあ考えてみれば当たり前のことではあるんですけれどもね


たった1回だけ掲載される読み切りよりも、3週連続して掲載される方が
その作品の設定も世界観もキャラも、より深くより楽しそうに見せることが可能です

掲載回数が増えれば描けるページ数も増えるんですから、当然のことですね


3週の意味


で、その当たり前のことをわざわざ説明して何が言いたいかというと

3週連続掲載すなわち3話掲載というこの方法
3話というのに意味があるんですよね


知っている人は知っていることだと思います
連載したい作品を編集部の連載会議に出す時には、3話分の原稿を提出するんですよね

連載になった場合を想定して、1話目でどう設定や世界観を説明し、2話目でどう話が広がって
3話目ではどんな風に展開させるのか

それを描いた3話分の原稿を見て、連載の可否が判断されるわけです

じゃあですよ

短期連載と銘打って3週だけ掲載させるこのやり方は、つまり連載会議に提出されたその3話分の原稿を
試しに載せてみている
と考えられないでしょうか

さらに、もしもその3話分でそれなりの人気を獲得することができたとしたら
本連載になった際には3話分の続きから、すなわち第4話から描くこともできるんじゃないかと思うのです

もちろん、3週のみという掲載である以上、3話目のラストは一応話を締める必要があるでしょうし
「第4話」とは言っても本連載の1話目となるスタート時には、それなりの設定説明だって必要になるでしょうが


それでも、短期連載での人気が好評であればあるほど本連載までの期間は短くなるでしょうし
期間が短ければ、設定の説明も最小限で済むかもしれません

その上、通常の連載なら連載会議に出す3話目以降の話は実際の連載第1話の評判や様子を受けて
描き始めたりするものですが、この方法なら3話目までの評判を見てから4話目にとりかかることが
可能なのです

展開を考える判断材料と、次の回を描くための時間と、通常の連載で4話目を描く際に比べて
圧倒的な余裕があると考えられるのです


だとすれば、短期連載時に発揮された面白さを維持したまま
スムーズに本連載を展開することが可能となり、1回の読み切り掲載から連載となる通常の作品よりも
読者を獲得しやすいのではないでしょうか

そのことは、面白さが出てきたあたりでの打ち切りだとか露骨なテコ入れだとか
これまでネガティブに捉えられてきたジャンプシステムの発動を抑えることになるのではないかと


これが、短期連載によるジャンプシステム変革の可能性です



では逆に、ジャンプシステムの維持強化の可能性とは何かというと


3週で人気を得ることの難しさ


上述した変革の可能性は、「3週でそれなりの人気を獲得することができる作品」ということが
前提となっています


そもそもこれが非常に難しいことであることは、多くを説明せずとも分かっていただけるでしょう

10週載っても人気を取れない作品がザラにある中で、たった3週だけで人気を獲得する
その命題は、つまりジャンプマンガらしいジャンプマンガとしての一面を必要としていると考えられるのです

すなわち、読んだ瞬間に面白さを感じられるマンガのことですね


これまでのジャンプシステムは、この前提があったがために
連載が始まって数週の内に人気の取れなかった作品は
容赦なく打ち切るという判断に出ることが可能となっていました

しかし、そのやり方で終了させてしまった作品の中に
地味ながら一定の面白さを持っていたものや、あともう少し話数が重ねられれば格段に面白くなったものが
どれほどあったことでしょう

だからこそ、連載開始後すぐにそれなりの人気が出なければ打ち切られるというジャンプシステムの変革は
我々も大いに望むところであり、編集部もその気運を察してか、自己変革の兆しを見せ始めました

短期連載という方法もその流れの中で捉えようとすることができると最初は思ったのですが、しかし
3週で人気を獲得しなければならないということは、すなわち従来のジャンプシステムが是としてきたことと
同一ではないのかという認識も沸き上がってくるのです

3話分だけで、その世界にハマりたい、キャラたちを見ていたいと思わせるような
強烈な面白さを持っていなければならないとは、実はかなり難しい話なのではないでしょうか

それを乗り越えることができれば、上述したようなメリットの享受が可能となるのかもしれませんが…



「短期連載」という手法について考えてみた時に、同時に感じられた相反するこの2つの可能性

ジャンプシステムの行き先は、どうなっていくのかまだまだわからないようです

COMMENT▼

No Subject

他雑誌でも短期連載は3~5話が主流です。様々な面を考慮しての落とし所なのでしょう。
そして人気があった場合はそのまま連載化や2ヶ月程で返り咲く。
言ってしまえば「ジャンプが他雑誌に足並みを合わせてきた」とも取れるのが今回の流れ。
多くの雑誌がこの手法で上手くやっているのでシステム的な心配は要らないと思います。
ただ、この処置は「今後」ではなく「モロモノだから」という理由だと強く感じています。
NEXTで人気を博したから短期枠を貰えただけで通常は読切掲載からでしょう。

NEXT→短期→連載を主軸としたなら「ジャンプらしさ」はなくなります。
私はそれでも良いかと思いますが、間違いなく売り上げは落ちるでしょう。
これまで特異性が強かった分だけ「風潮に折れて迎合しだした」と捉えざるを得ないからです。

私の理想として何度も言っている気もしますが、短期と銘を打たず始めから短い連載を考える。
打ち切りではなく、9話程度の短い尺で話を作ることを前提にさせれば手っ取り早いんですよ。
今回の変革でそこに辿り着いてくれたらなぁと思っています。多分ないでしょうけどw

違う特異性を持つ雑誌チャンピオン

・短期連載の枠が3~9話と作品によってまちまち(多いのは5話)
・同じ作者の読切が数週に渡り連続掲載←この手法は目新しく優秀と云わざるを得ない
・連載の始めが短期からの続きというのが少なくない

これは何度も飲み込んだ言葉なのですが「一度チャンピオン買って読んでみませんか?」
もちろん?じつわたは飛ばしでw
多分、ジャンプを見る目がより洗練されると思います。

バトル漫画の終焉と新たなジャンルの模索

現在リアルタイムにWJを読んでいないのであまり大きなことは言えませんが、ジャンプは今、バトル漫画の終焉を迎えているのではないかと思います。NARUTOがもうすぐ終わります
し、ブリーチも物語が佳境に入りつつあるわけです。
それらが終わってしまうと残るはワンピースとハンター頼みとなる訳ですが、ワンピースだけでは正直言って新規読者の獲得はもう見込めない。
ハンターは作者が長期で連載できないためジャンプの柱にはなれない。

となれば新たなジャンルを新人から探す必要が出てきます。
そのためにNEXT!!が季刊から年6回になったのでしょう。しかし、昨日発売されたNEXT!!の新人の作品を読む限り連載に耐えうる作品は1つ2つしか(私個人の批評では)ありませんでした。
それも連載して成功するかと言えば微妙なラインとしか…。
モロモノはその新人枠の中でも読者からの受けそして編集部の反応も上々だということでのおためし短期連載かもしれないですね。
それからワートリ作者が心配です。

新機軸の模索

しぐれバーさんと同じ考えは私もしてます。バトル漫画傾倒からの脱却は図っているかと。
そこで、私を不安にさせる要素がひとつあります。
実力が伴ってないのに「何故か」推されている新人ギャグ漫画家の存在です。
こないだのは「漫画」でしたので読むに値しましたが、またアレな何がしかを出してきそうで…
こないだみたいな感じで研磨した作品を出してきたなら楽しめそうな気もしますけど。

バトル漫画は「ワンピ、火の丸、ワートリ、ヒロアカ、トリコ、ジュウドウズ」と揃ってるので
ギャグ漫画が追加で欲しいですね。沼先生頑張ってー!w

Re: No Subject

皆さんコメントありがとうございます。

短期連載の手法自体は、他誌でも行われているものなんですね。
とすれば、これで人気がとれた作品をそのまま連載化することは
確かに他誌への迎合とも取れそうです。

今回の短期連載は、間違いなく「モロモノだから」ではあるんですが、
このやり方の実験的な意味も含まれているのかと思ったんですよね。
で、そこからどんな発展可能性があるかを考えてみたら浮かんできたのが
本記事だったわけですが…

バトルマンガ傾倒からの脱却は、日経の記事にもあったように
確かに企図されていると思います。

看板バトル作品の終了はそれを象徴するものと考えられますが、その次の看板となる作品を
今必死に模索しているところなんでしょうね。

チャンピオンの購入ですか…
今まで考えたこともなかったことですが…
ジャンプを相対化する意味でも、少しの間でも読んでみたほうがいいですかねえ…

チャンピオン

個人的に週間少年誌4誌の中で一番ジャンプの真逆に位置している雑誌だと思います。
一番の違いは実わたやマーニーが示す通り、出し惜しみしない全力投球振りです。
イカ娘、浦安、ごんぼ、木フルは日常系なのですがそれすらも弛まない回が多い。
多分読んだら最初に抱く感想は「濃い」だと思います。是非ご検討を…

Re: チャンピオン

ジャンプと真逆というのは、今までお話を聞いていて何となく感じていましたね。
だからこそ手を出すのを余計迷っていたところでもあるんですが…

しかしまあ試しに、と思って割と早く退社できた水曜日にいつものコンビニ行ったら
残ってた2冊がどっちも立ち読みされていたという…

ていうか木曜発売だったんですね(;^ω^)

サンデーが水曜だったかなあとは覚えていても、マガジンとチャンピオンは知らなかったという。
まあとにかく見てみようとは思っております。

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ジャンプ歴21年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

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