今週の衝撃発表だったSOUL CATCHER(S)のNEXT移籍
少し前にはべるぜバブも本誌での完結後に番外編連載となったり
さらにはNEXTでの新連載作品が始まったりと
何やらNEXTへの掲載作品がおかしなことになってきています
今日はそのことについて、ちょっくら考察を加えてみました
編集部が何を狙っているのか、そのためには次にどういう策が必要なのか
考えてみました
さて、NEXTという雑誌
従来なら…というか本来ならば、旧赤マルジャンプから名を変えたジャンプNEXTは
主に新人作家たちの作品発表の場として活用されており、読者もそのように認識していました
GWやお盆などの連休の時期に合わせて、ジャンプ本誌が1週空けるタイミングで発売することで
ジャンプ熱の持続といった意味合いもあったことでしょう
そこには、未来の看板作家たちの初々しい作品が掲載されており
ウチにある2007年や2006年の旧赤マルジャンプには、現在の連載作家の原点となる作品が
載っていたりもします
俺がNEXTを楽しみにしている理由もそこにありました
次はどんな新人さんが出てくるのだろう、どんな原石がどんな可能性を感じさせてくれるのだろう、と
本誌とは別の意味で楽しみだったのです
それが、どうやら編集部で方針転換があったのか
NEXTに掲載する作品は、全く新人の読み切りばかりということでもなくなったようです
もともと連載経験作家の新作読み切りを巻頭カラーやセンターカラーで掲載したりすることはありましたが
それとても、連載作が打ち切りなどに終わった人に対する救済措置というか
再起のチャンスを図るものとの意味合いが強く、連載経験作家による新作が載るという
話題性を狙う意図は少なかったように思います
しかし、今回のソルキャ移籍ではっきりと示されたNEXTの方針変化は
その「話題性」にも重きを置くようになってきたものと考えられるのです
年3回だった刊行ペースを隔月発行の6回に増やしたこと
NEXTでの番外編を連載する作品が現れたこと
NEXTでの新連載作品が決定したこと
NEXTにジャンプ本誌から移籍して完結するまで(?)連載する作品が現れたこと
考えられるあらゆるパターンを使ってNEXTの話題を作り上げ、
ジャンプNEXTを印象付けようとしているように思います
そこでのメインの標的となっているのはもちろん、本誌を読んでいる読者ですね
本誌を読んでいる人たちをもっとNEXTにも呼び込みたい
そんな意図が感じられるようです
もちろん新人さんたちの読み切り掲載を止めるわけではないんでしょうから
NEXTを読む人が増えれば増えるほど、新人さんの読み切りが読者の目に触れることになり
それはつまり作品への多岐にわたる評価が得られることになるわけで、作者を大いに鍛える結果に
繋がることでしょう
その意味では、どういう形であれNEXTの読者が増えることはいいことのように思えるわけですが
しかし、それにはもちろんデメリットもありますね
読者が増えることによるデメリットではなく、そのために採った方策が生む副作用とでも言いましょうか
NEXTがジャンプの2軍のようになってしまうことです
ジャンプ本誌では全体として振るわないけれども、打ち切りの判断を下すには一部に根強いファンがいてもったいない
じゃあそういう作品は、NEXTにでも移籍させれば濃いファンならそっちも読むだろう…
今回のソルキャ移籍に関してはこんな考え方があったような気もします
新連載も、ジャンプ本誌ではちょっと…という感じだがNEXTでならとりあえずOKという
ハードルの下がった判断
もしもそのうち人気が出れば、本誌へ移籍ということだってありえるのでしょう
ちょうど、SQとSQ19のような関係ですね
月刊誌と季刊誌であるこの両者は、それぞれ作品を移籍させ合っています
作品を育てたり、作者の実力を見たりする点でそれが上手くいっているのかはよくわかりませんが
今回のNEXTの件については間違いなくモデルとなっているものでしょう
じゃあ、ですよ
雑誌に掲載したり、連載したりする基準が少しずつ変わってきたのなら、ですよ
読者の反応を知る手段も変えなければならないはずです
すなわち、ジャンプ伝統のアンケシステムですよ
今年3月、本誌のアンケート内容が変化していたことがありましたが
試験的な措置だったのか1か月で元に戻ってしまい、その後は従来のスタイルのまま現在に至っています
当時考察記事を書きましたが、変化したあの内容は総じて望ましいものだと思われました
作品を育てる意味でも、読者が望む作品や展開を読めるかもしれないという可能性も
明るいものを感じさせてくれたのです
ジャンプと読者が近づく日 アンケート内容の変化とその意義を考える
その試みを一旦終了してそれなりに時間の経った現在
あの変化したアンケに対して編集部がどう考えているのかはわかりませんが
今回のNEXTの件にどうしても必要なことではないかと思うのです
理由は2つ
まず、NEXTのアンケを出す層の問題です
本誌は読んでもNEXTは全然、という人が多かったこれまでを踏まえれば
いくら話題を作ってNEXTへ読者を呼び込んだところで彼らがアンケまで出すとは思えません
本誌のアンケ投函率から考えれば、それは容易に想像がつくことでしょう
つまり、少ないアンケ回収率の中でもいかにして評価された作品を知るかという点において
「連載作品」を持つようになるNEXTは、本誌以上にアンケの重要性が大きくなるのです
であれば、単純に「面白かった順に3つ書いてください」なんてアンケでは
本当に面白いと思われた作品を知るのには、とても物足りないことでしょう
そして、もう1つの理由は実際にアンケを出そうとする人の心理的な問題です
つまり俺が最初に感じたことでもあるんですけれども
特に好きな作品が残念ながら移籍してしまった、という時に
アンケが「面白かった順に3つ書いてください」ってだけだと非常に困るんですよね
アンケを入れなければ今度こそその作品は読めなくなってしまうかもしれない
しかし、新人さんの読み切りにも可能性を感じたものには票を入れたい
その葛藤に答えを出せなくなってしまうのです
本誌よりも明らかに少なくなるNEXTのアンケ回収率の中で
せっかくアンケを出すつもりでいる読者に対して、ある意味で余計な心理的負担を負わせることに
なるわけですよ
そんな葛藤を抱えていると、面白かった作品として書けるのがたったの3つでは
どうしても足りないわけです
せめて、3月の変化のように「読んだかどうか」くらい聞いて欲しい
あるいは、読み切りが多く載ってる中で「読んだかどうか」がそれほど重大な意味を持たないと思うならば
面白かった作品を「3つ」以上書きたい
連載作品と新人さんの読み切りとを別枠で書く、ということでもいいでしょう
そんな心理状態をすべてわかった中で、それでもあえて「3つ」ということになるでしょうか
そのほうが、本当に面白いと思った作品が挙がってくるという厳しい考え方で編集部は臨むでしょうか
それもそれで真理であるのかもしれません
しかし入り口はもっと広くしておいたほうが、いいのではないかと思えてなりません
NEXTに関わるこの一連の方針転換
ジャンプにとって読者にとって作品にとって作者にとって、どんな未来に繋がることでしょうか
どんなになってもジャンプを離れることはないはずだと自分では思っておりますので
これからもジャンプの歴史に付き合って行きたいと思います
1.現状のNEXTで試験しても期待した結果が見られそうもないので本誌で試験。
2.本誌で試すにはリスクが大きいのでNEXTでハガキ料金負担を試験。
この二つを線で繋げる事が出来ます。
WJの2軍誌と言うと響きは悪いですが、この考察が当たっているのなら
SQとSQ19に近い関係の雑誌になりそうです。