社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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スタイルを曲げてでも尾田先生が描こうとしたものは… 『ONE PIECE』第74巻

ONE PIECE74巻

ONE PIECE 第74巻


もちろん買ってた最新巻

作者いわく、この74巻は「モチモチ」らしいです
どういう意味なのかはよくわかりませんがw


そして今回もまた、尾田先生ゴリ押しの11話収録だそうです

続けざまに11話収録していた挙句に12話収録を頼んで怒られたはずなのに(;^ω^)


しかし、今回に限っては11話収録して欲しかった尾田先生の意図がよくわかる作りになっています


今巻の収録最終話は「いつでもキミのそばにいる」
コミックスサブタイと同じです

つまり、この回をどうしても今巻に入れておきたかったわけですね

ではそれがどんな回だったかといえば


兵隊さんの回想でした



2話にまたがったオモチャの兵隊さんの回想
そこには、かつて殺しの前科持ちでありながらコロシアムの英雄だった伝説の男キュロスの
壮絶なる過去が描かれていました


人殺しと呼ばれた男が英雄と言われるようになるまで
英雄と呼ばれた男が国王軍の隊長となるまで
国王軍の隊長が仕える王の娘である姫と結ばれるまで
姫と結ばれた彼が、父となるまで


はみ出し者の嫌われ者だった男が手に入れた「普通の幸せ」
その幸福感と、それが失われる絶望とがたった2話で見事に描かれていたのです






こんなブリキの腕では死にゆくキミの体温すらも感じない


最愛の妻の中から愛情も思い出も消え去り、その上命までも目の前で奪われた中で
それでもオモチャとなった自分の手には何の温度も伝わってこない


それはどれほどの絶望だったことでしょうか…



しかし、彼にはまだ娘がいました
彼女もまた妻と同じく自分を覚えていないけれど、それでも娘が生きていてくれました

だから決意する

“いつでもキミのそばにいる”こと


その娘こそが今まさにコロシアムで戦っているレベッカであることは、すでに明かされている通りですね


だからこそ、このドレスローザ編においてはレベッカがシリーズヒロインなのです

このシリーズで、最も救われなければならないヒロインなのです


父である国王の命と引き換えにドフラミンゴ一味に加わった第2王女ヴィオラ
もちろん彼女も、ドフラミンゴの支配から解放されることが必要でしょう

しかし、心からの救いと幸福と安心を手に入れるべき最大の存在はやはりレベッカ


だから尾田先生は今回もまた11話収録を編集部に依頼したのでしょう


そうでなければ、コミックスのカバー裏がこんなことにはなってないですよ





ONE PIECE74巻2


コミックスの裏表紙側、そのカバー下の部分です

最愛の妻を失った絶望を押し殺して、正体を隠して娘の元へとやってきたキュロス
オモチャの兵隊さんが自らの父とは知らないままに一緒に暮らす、母を亡くした幼いレベッカ


溢れるほどにここに描かれているのは
どんなに絆を紡いでも
どんなに解り合っても
最初からすれ違っている悲しい親子の姿でした


通常なら…というか今までのコミックスなら、この部分は海図があったんですよね




ONE PIECE過去巻


これは前巻73巻ですが、こんな感じでジャンプコミックスのロゴとともに海図があるのが今までのパターンでした
たまにパンダマンがどっかにいたりすることはありましたが、海図が載っていることは変わらなかったのです

尾田先生といえば、服にトーンは貼らないとか、人物はモブキャラでも全部自分で描くとか
担当編集にストーリーに関する口出しはさせないとか、コピーのカットは使わないとか
とにかく自分の信念に準じた仕事をする男で有名ですが

そんな尾田先生がコミックスにおける今までのパターンを変えてまでこの悲しい親子の姿を詰め込んだ
シリーズクライマックスにおける最高の演出と描写を期待せずにはいられないでしょう


本誌でもまだまだシリーズ真っ只中ではありますが、こんなにも完結が待ち遠しい長編も珍しいですね
思い返してみればアラバスタ以来かなあ…







[タグ] ONEPIECE




COMMENT▼

No Subject

とある漫画家さんは、単行本収録まで考え、尺を計算して収めたい部分までを
収まるようにしているそうな。これも真理と云うか手腕の一つかなと思います。
編集部が嫌う理由は、収録数が増えて実費が増えても販売価格はそうそう変えられないから。
このワンピは232P、同時に出たべるぜバブは184P、でも価格は一緒なんですよ。
それでも大人気作品ですから結果として収益は莫大に出るから容認しているのでしょう。
容認した以上、どっちが悪いと云うのは最早ありませんが、こう乱発されると…ねぇ…

カバー下裏表紙のは海図の上に描かれてますね。ここは記事で読むまで気付かなかったというか
これまで遊んだことの無い場所だったから油断したというかwww
表紙側はたまに遊ぶからチェックしてたんですけどねぇ…

No Subject

兵隊さああああああああああん。・゚(゚´Д`゚)゚・。

>ラグエルさん
>とある漫画家
尾田先生もそうしてるって聞きましたw

尺の計算の話

辛辣ですが計算してこの体たらく?と申したい。

たまに計算違いややんごとなき理由ではみ出してしまうのならいいんですよ。
でもここ最近回数が目に余る。一度通ったんなら…で自分本位にやってる気がしてまして。
真実はどうか分からないですよ?余剰分を何らかの形で返還してるかもですし…
大の漫画好きとしてちょっと鼻に付いてるだけですので…

その漫画家さん(結構な御大)の作品を読むと、ズレた時は諦めて次巻に持ち越してます。
その上で調整し直してます。一線級の漫画家なら、自分の漫画も出版社のことも考慮して
作品を作っているという気概を見せて欲しいって希望ですね。

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