社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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SOUL CATCHER(S)と食戟のソーマに共通する「描写内描写」とその効果

最近俺の中で注目度が上がりっぱなしの2作品

SOUL CATCHER(S)と食戟のソーマ


実は、その描写において共通するものがあるんじゃないかということをふと思いました












1つずつ見て行きましょう


まずソルキャですが


人の心の様子が状態として視覚的に認識できるという能力を持つ主人公・神峰
その能力ゆえに他人を忌避してきた彼が、吹奏楽と出逢ったことで能力の活かし方を見つけたことから
物語が始まりました

そこでは、演奏される音楽をどうやって人の心に届けるかということにおいて
心の状態が見える能力によって何とも具体的な演奏の指示を出す…というところで
指揮者としての彼の生き様を描こうとしているわけですが

その際の描写は、神峰が見ている心象風景をそのまま作画として描き起こし
読者にも見せることで、神峰のやろうとしていること・やったことの展開を劇的に魅せることに
繋がっています


中でも今週の描写は特に印象的でしたよね

心象風景の中にいるそれぞれが、心の叫びとして本当の気持ちを口に出して
それが通じあった瞬間ついに星合先輩の心の扉
その先には、泣いて苦しむ管崎先輩の姿があって、やっとそこに手を差し出すことの出来た星合先輩…
という

実際には2人は幼稚園で子どもたち相手に演奏中なんですが、神峰の見た2人の心象風景と
それが通じた光景ということで現実の様子とは無関係に描かれたものでした

しかしこれが恐ろしいほどにハマるハマる


現実では実際に起きてはいないことを、「イメージ」の形で描くこの手法

この作品では今までにもずっと使われてきたものでした

序盤では音羽先輩の攻略時、「谷底から崖を駆け上がって父親のいる地上へ辿り着く」という
父親と音羽先輩の心象風景が演奏を通じて描かれました

天籟で飛び入り指揮をやった時も
邑楽先輩と御器谷先輩の攻略時にも
ウインドフェス後の木戸先輩の攻略時でも

同じように、演奏を通じてそれぞれの心が何を感じてどうなろうとしていくのかを
現実の様子を全く無視した壮大な「イメージ」として描いていました

それはまるで、人の心が変化していく瞬間を視覚的に描くという一大スペクタクルのようで


ハリウッド映画にさえ通じるような、インパクトと壮大さと感情性を含んだ手法です


しかし、繰り返しますがそれらの描写は現実での様子とは全く無関係に描かれます

心の風景が見えるという神峰の能力を根拠として可能になっている描写であり
実際には学校の音楽室であったりコンテストの舞台上だったりで演奏を行っているのが
その心象風景に応じて森やら草原やらが広がって見えるのです

この、「同じ時間軸において実際の様子とは全く違う情景をイメージとして描く」ことを
本記事では「描写内描写」と呼んでみました

もしかしたらちゃんと正式な呼称があるのかもしれませんが、とりあえず、ですね
言わんとすることは何となく伝わってくれると思います


で、この描写内描写は食戟のソーマにもありますよね

言うまでもなく、出された料理を口にした瞬間のリアクションのことです

食べた途端に全裸になったりビクンビクンしてたり
あるいは作った料理人の姿が全然違う服装やポーズに見えたりしていますが
これも、実際には料理を美味そうに食ってるだけの姿ですね

すなわち、勝負の場における実食の様子とは無関係に
その料理自体や、料理人の特徴に応じたイメージを描くことで味の凄さを表現しているわけです

これも現実とは全然関係ないところで描かれることから
描写内描写と呼んでいいものでしょう

最初のうちは、単なるリアクションの1シーンとして、単発でのぶっ飛び状態が描かれるばかりでしたが
最近になってそのイメージの状態での描写が少し続くパターンも出てきています

創真の弁当を食べた時のアリス嬢とか
田所さんと黒木場のスタンドバトルとか

描写内描写の使われ方が深くなった、ということができるでしょうか


では、なぜこの描写内描写という手法が使われるかといえば
理由は単純ですね


何でもありだからです



「イメージ」なのですから、現実の状態とは全く無関係にどんな状態や様子を描いても
別にいいわけです

だから重宝するんですね


「何か凄い」ということを描こうとするのに、キャラたちが今いる場所は…とか
部屋の状態は…とか、物理的にあり得ることか…とか考えてたら
全然描けないわけです


だから何でもありというイメージを描ける描写内描写が非常に有効であるんですね

そして、そこでは視覚的なインパクトと印象が最も重視・強調されることになります

なぜなら、この2作品はマンガでは絶対に伝わらないものを描いているからです
すなわち、音と味です

吹奏楽をテーマにしながら、マンガを読んで音が聞こえることはありません
料理をテーマにしながら、マンガを読んで味が伝わることはありません

ソルキャではもう1つ、「心の変化」という五感どころか本来誰にもわからないことを描こうともしています
あるいは吹奏楽による音の表現よりもそっちのが本題かもしれませんが、
見えないものを描こうとしているわけです

だから、一番伝わりやすい視覚に一番訴えることが重視されるのです
そしてそのためには、基本的に何でもありとなる描写内描写はもってこいの方法なんですね


で、ですよ

こう考えてきた時、「じゃあさ…」と
とあることに思い当たってしまいました


が、それはまた明日書くことにしましょう

COMMENT▼

No Subject

描写内描写。視覚以外の感覚や心象風景を読者に伝えるため視覚に変換させる手法ですか。
いやもうホント、感服というか敬服というか平伏する勢いですわ、ハイ…

この手法、短いものなら多くの作品に使われてますね。
長いのですとYJのハチワンダイバー。これは将棋ですが、中盤以降から
盤上の攻防をファンタジーバトルに変換して出してます。
確かヒカルの碁でもあった様な覚えもうっすらとありますw
短いのなら暗殺教室もですね。今週の理事長の化け物顔とか。

ハイパービジュアル漫画、この謳い文句に偽りなし!ですね。

No Subject

ラグエルさん
ヒカルの碁、最近単行本買って読みましたが、佐為とヒカルが刀を交わす描写が1回あったくらいでほとんどの対局はそのままの描写でしたよ。あとはインターネットの碁をリアルな碁盤で打つ描写も一応ありましたが。
ヒカルの碁の場合、あまり視覚的な描写を多用したら安っぽくなっていたかもしれませんね(^-^;

だいまおーさんへ

あ、はい。私の記憶にあったのが正にソレです。
それぐらいしかなかったんですねぇ…
ご指摘ありがとうございます!

No Subject

心象風景か・・・なるほど。

>お二人
バクマンは・・・・・・・無いか(^ω^;)

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