社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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i・ショウジョ これからの可能性を『初恋限定』と比較しながら考える

i・ショウジョ

画像に意味は無いんですが


今週から新たな2人が主役として登場し、次なるエピソードを開始したi・ショウジョ

しかし、どうにも順位が振るっていませんね

月曜の感想にも書いたように、どうにも内容が浅いことが理由なのではないかと勝手に思っておりますが


そんなこの作品
ラブコメマンガであり、同時にオムニバス形式という手法での漫画作りは
以前、河下水希先生の『初恋限定』でも採られたものでした

似た形式で作られているこの2作品を比べつつ、じゃあi・ショウジョはどうしたら
作品としての深みを増すことができるかを考えてみたいと思います


[タグ] ラブコメ







単純なキャラ配置による世界観の浅さ



おそらくわかってる人はわかっているでしょう

現時点における『i・ショウジョ』と『初恋限定』の特徴的な違いは
エピソードの主役として登場してくるメインキャラ達が、ことごとく新キャラばかりであることですね

今週のバスケ部の2人もですが、生徒会の2人も、アイドルオタも
とにかく初登場キャラばかりで、悪く言えば「ぽっと出」感が満載だったんですね


「ラブコメ」は、ファンタジーでもバトルでも大体どんなジャンルにも組み合わせることができますが
それ自体をテーマとして作品を創ろうとした時、話に通底する縦軸としてのストーリーは
基本的にあってないようなものになりがちです

随分前に書いた関連記事:
最近のジャンプマンガにおけるラブコメの限界と可能性に関する若干の考察


そうすると、読者の興味を惹かせるのはどうしても物語ではなくキャラでなければなりませんが
そのキャラが毎回新キャラとなると、新エピソードになるたびに感情移入がリセットされることとなり
結果、作品自体への興味が離れていくことになります

ぽっと出のキャラでは、そいつが色恋沙汰であーだこーだやってるのを見ても
「ふーん」で終わってしまうこと請け合いなのです

これを防ぐのが、誰かのエピソードの際にその後の主役となるキャラたちをさり気なく登場させておくことでした
舞台を1つの街や学校として、クラスメイトや部活仲間といった形で主役に関わっていた脇キャラが
次のエピソードで主役となる

そうすれば、キャラ同士のつながりもより明確に出来て作品世界の深みが増すこととなったでしょう

ギンコちゃんや天然姫の朱音ちゃんなど、自分がメインじゃないエピソードでも顔を出すキャラもちょいちょいいますが
まだまだ足りていません


この点を『初恋限定』で見ると、実にまあみんながみんな大体既出キャラたちで占められていましたね
おかげで、誰が誰を好きで、どんな風に障害になってて、誰に相談したりしている、なんて人間関係が
なかなかに複雑なことになっていました

この人間関係の展開こそが、ある意味ではラブコメの本領でもあることでしょう
縦軸としての物語性に欠けるラブコメは、人間関係が変化しなければ話の展開を表すことが出来ないからです

『初恋限定』の場合は、あまりにもその人間関係が複雑になりまくったことで
逆にわかりにくくなってしまい、却ってディープさばかりが先行してしまうという結果になってしまいましたが



騒動の末に2人がくっついた、というのはラブコメにおける最大の人間関係の変化ですが
ここからさらに発展して考えた時、このマンガではもう1つ変化しなければならないものがあります


魔法のアプリに対する認識です




魔法のアプリを求める展開も必要



当初はただの都市伝説のようなものと認識されていた「魔法のアプリ」

しかし、アイビスという少女と出くわして何やら与えられた結果
おかしな現象が起こる、ということを体験したキャラがもう何人も発生しています

ならば、「噂の魔法のアプリとはまさかこれのことか」ということに誰かが気がついていいはずなのです

それが一向に出てこない


毎回のエピソードはただひたすら、何か(主に男側の)片想いみたいなところから始まって
偶然アイビスと遭遇してアプリもらって一騒動した挙句くっつく…というパターン

エピソードナンバーは今週で6となっていましたが
そろそろそんなことに思い至る奴が出てきてもいい頃なのです

それがないから、アイビスと遭遇したキャラは毎回驚いてアイビスも毎回自分を「説明書です」なんて説明して
なんかアプリ渡して後は放ったらかし…という1パターン
だから女の子側がアプリ使う展開を見せろと何度言えば(ry


ここで、すでにエピソードを終えてくっついた2人の片方が「まさか…」ということに思い至っていて
かつ、雑談の中でそれを話したりしていれば、それを聞いたキャラが自エピソードの時に
「まさかこれが?」とそれまでとは違うリアクションができるのです

その雑談を可能にするのが、エピソードを超えてキャラたちが登場することによる作品世界の深みでしょう


そうして「まさかこれが?」と思ったキャラが、アプリ効果の騒動の結果相手とくっつけば
魔法のアプリのことをさらに広めようとするはずです

すると今度は「アプリがあればあの人と付き合える」なんて解釈をした人たちが
アイビスとの遭遇を追い求める…なんて展開もありえてくるわけです

それに対してアイビスがどう思うのか、どう対処しようとするのか

魔法のアプリを求める姿は一見ミーハーですが、裏には片想いの実現という切実な願いがあります
しかしアイビスも、誰かれ構わずアプリを渡してしまっていてはあまりにも節操が無いでしょう
魔法のアプリのバーゲンセールでは、むしろ有り難みが無くなってしまいます

こうした駆け引き、あるいは葛藤はどんどん作品の世界観を深めていくことでしょう

その深みは、いずれはアイビスの出自やアプリの開発元にまで話が及んだりするかもしれません
それはラブコメとは別の「縦軸」にもなり得るもので、その正体的なものは考えるに難しくはありますが
単なるラブコメに収まらない面白さを持つことに繋がるものではないかと思います


ただし好意的に考えるなら



現在その展開に向かって、必死に土台を構築している最中ということも言えるでしょう

ぽっと出のキャラばかりが続くのは、彼らそれぞれのエピソードにおけるメインキャラ達が
思わぬところで繋がっていることを示すことでの意外性を示すための布石だとしたら

今までのキャラたちが総登場して、それぞれの役割を果たすような
長編エピソードがこの後構想されているとしたら


ここまでの展開がいろいろな伏線となっている可能性は無きにしもあらずかもしれません


とはいえ、連載開始からもう14・15週くらいになるこの作品
そろそろ何がしかの可能性を見せなければ、どんどん後退していくばかりとなってしまうでしょう

高山先生、踏ん張りどころです

COMMENT▼

No Subject

画像wwwwwwwww
本当に意味無いんですか(*^∀^)σ)Д`)グリグリ

女の子は可愛いんですけどね。
流石にそろそろ長編というか中編というか何と言うか・・・

縦軸か。
何か骨格みたいだな(^^;
背骨と肋骨的な。



そう言えば初恋限定の連載時期はジャンプ読んで無かったorz

No Subject

新キャラばかりでも良いのですが、シナリオ一つ一つの短さが大問題ですよね。
見た目の可愛さは追えても中身の可愛さは余程キャラが立ってないと追えない。
オムニバスは短くて6~7話、長くて12~13話が落とし所ではないかなと思います。

魔法のアプリに関わった人間が覚えているにも関わらず口外しない。
確かに不自然すぎるwww
ここからでも話の幅を広げることが出来ますね。

ここまでが土台の構築だとしたなら、流石にもうタイムリミットですね。
多分、二ヵ月後に中長期的な話持ってきても見向きもしなくなってる読者もいそう。


今後考え付く展開としては…
1.四角関係な4人に視点を当てる
2.主人公とヒロインそれぞれにアプリが…
3.好感度が最悪な状態でのスタート
4.ベタだが最悪男に恋するヒロインを想う主人公
5.特定の想い人がいない主人公を誤って招聘、アイビスが惚れられる
6.生徒ではなく教師のシナリオ
とかでも面白そうですね。

No Subject

いつかの号に出てきたゆるキャラ「いふーくん」が好きなのですが、ついったで見たら他と比べて全然コメが無かったんです。

やっぱり女性読者少ない(;-;)

Re: No Subject

意味は無いですよほんとですよ某妄想屋さん


描く女の子は普通に可愛かったりするのが、よけい単純な印象に拍車をかけているとも思いますね。
可愛い女の子がとにかくパンツでも見せてりゃいいんだろ、的な。

シチュエーションも関係性も文脈も特に練られることなく
簡単なものばかり見せられている感じになってしまうんでしょう。


物語の縦軸は、絶対必要というわけではないのです。
たとえばスケットダンスなんかは縦軸全然ありませんでしたし。

しかしその場合、キャラたちがしっかりしていなければ話が回りません。
なのに、そのキャラが毎度新キャラとなれば…
にっちもさっちもいかないのです。

Re: No Subject

アプリの口外は結構重要なんじゃないかと思いますよねえ。
ラグエルさん

たとえば、ギンコちゃんと天然姫朱音ちゃんが
「どんなきっかけで付き合うようになったのか」なんて
ガールズトークを始めたら、スマホの画面と身体がリンクしてたとか
スマホから惚れ薬が出たとか自分でも信じられないでしょうけど
話してみたらいいと思うんですよ。

あるいは鉄太でも浅瀬くんでも、男同士のバカ話の中で
「知り合いから聞いたんだけど」なんてごまかしながら話したっていいんですよ。

そこで深さを得られるはずと思うんですけどねえ。


それと、今後の展開として、2か5を希望w

Re: No Subject

まあ…どうしてもこのマンガでは女性読者は少なくなるでしょうね。
月見だんごさん

まさかの1話だけだったあの回は、あるいは女性読者の取り込みも意識していた…
とすれば、あまりに単純でしょうか。


いふーくん好きを増やすために、いふーくんイラストをうpするブログなんか立ち上げてみてはどうでしょうw

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