社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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もう1人の正ヒロインの登場と、「1人目」への葛藤… 『神のみぞ知るセカイ』第25巻

神のみ25巻

神のみぞ知るセカイ 第25巻


何と次巻で完結だとか

サンデーの誇る屈指のラブコメ漫画がここにきて完結とは
残念極まりありません


昨年放送のアニメ第3期にて、「女神編」が描かれた本作

原作では、女神編のその後が世界観の核心と深く関わる形で描かれていきました


女神編の終盤で、自分に宿る女神ディアナに何かを伝えた天理

その事実に導かれるようにして、女神編完結後、桂木は女神たちの力によって過去へと送られることになりました


そこで何を為せばいいのか

23巻で明かされていたその「大仕事」に、ついに今巻で桂木がとりかかる決意を見せます



神のみ23巻



神のみ25巻2


それは、未来で自分が行うことになる攻略の「準備」をしておくこと


女神の宿った少女たちをそれぞれ攻略し、女神の復活を手助けしてきた桂木ですが
その世界にはまだ「始まり」がありませんでした


だから桂木が始めなければならない


いつか感じていた自分がバディーに選ばれたことの違和感
選んだのは他でもない自分でした

自分に出会いやすい娘に女神がいる
それも過去において自らが準備したから


世界観における大いなる謎として描かれていたことが、実は過去において
桂木が自ら用意していた壮大なる伏線だったことが判明するのです


さて前置きが長くなりましたが、ここからがこの記事の本題


その桂木の「準備」

ここに、どうしても避けて通ってほしくない1つの「葛藤」があるのです


それが、桂木に自然と恋したちひろの存在です

関連:
ヒロインの本心と主人公の本音、その交錯…神のみぞ知るセカイ女神編第9話

女神の存在で別れる2つのエンディング… 神のみぞ知るセカイ女神編最終話


過去にやってきた桂木が、10年後の自分に向けて攻略の準備を図ることは
つまり、女神が宿っていた娘も桂木の準備のもとで決まったということだとしたら

桂木に攻略される遥か前から桂木に惹かれ、好きになっていたというちひろ
攻略の記憶は消えていても、自然に出来上がった好意は変わっていなかったちひろ
だからこそ、自らの意志で忘れないファーストキスを桂木と交わして、そしてフラれたちひろ

桂木もまた、夢にも思わなかったちひろの本音と真意に動揺し、戸惑い
その結果、最悪の形で真実を告げたことで女の子を最悪のエンディングへと導いてしまいます

ゲーマーとしての愛情から、ヒロインを傷つけたことに
自らもショックを受け、女神全員を復活させた後にはただ後悔と謝罪しかなかった桂木


その桂木に、再び選択の時がやってきたことをこの過去編は教えているのです


自分が10年後に行う攻略のために過去に戻って準備を行う
女神が宿る少女さえもおそらく自分が決めることになる

いや、それはすでに決まっているのです
なぜならとっくに攻略は終わっており、女神たちは復活しているのだから

自分がやろうとしている「準備」とは、あくまで確定事項に対する始まりの準備であり
ここで未来の事実と矛盾する準備を行うことはまずもってできない

頭のいい桂木はもちろんそんなこと重々理解しています

しかしもしも、万が一、仮に

ちひろに女神がいたとしたら

ちひろの中に女神がいて、あの時最悪の形で真実を告げずに済んでいたら


傷つけてしまったヒロインを取り戻すことができるのではないか


過去へやって来た自分の手で女神の宿る少女を選ぶことができるのなら、
そんな形での「償い」もありえるのではないか


…そんな風に桂木が考えてしまうかもしれないのです


それを本当に有り得そうな展開として感じさせるのが、過去での自分の役割を理解してからの桂木の様子です

準備という役割を知った時
いよいよ準備に取り掛からなければならないと悟った時


桂木はどこか気が重いような表情を見せているのです

それはつまり、「もう1度ヒロインを選択しなければならない」ことを理解したからではないか

そしてそのことは、「もう1度ちひろを切らなければならない」ことを意味することを
悟ったからではないか


そう思えてならないのです


攻略とは無関係に、自ら桂木を好きになったという点において
このマンガの「正ヒロイン」としての資格を持つちひろ

今巻では長年の伏線を経て、もう1人の正ヒロインが明かされることになりましたが
ちひろもまた、間違いなく正ヒロインの1人です


そこでの桂木の葛藤と選択と決意と覚悟


次巻、完結を楽しみにしたいと思います



関連記事:
2次元とラブコメの可能性を秘めて… 『神のみぞ知るセカイ』 若木民喜

物語はもう1段階上のラブコメへ… 『神のみぞ知るセカイ』女神編






[タグ] ラブコメ




COMMENT▼

No Subject

神のみぞ知るセカイ。このタイトルが深い意味を成すこの最終幕。
世界の攻略といえるこの最大の攻略劇は、雑誌では残り数回の段階です。
その段階でもって、本当に若木先生は凄い漫画を描いたと賞賛します。
なんでしょう、若木先生なら最上のエンディングで締めてくれるというこの安心感は。

構成が素晴らしいので、内容に触れたコメント書いたら知らずにネタバレしそうですw
最大の注意は払いますが触れてたならご容赦を…

先生の「首のアレ」は連載当初から気になってました。悪魔として力を使ったことと
リミュエルと旧知だったことからリミュエルのバディで能力の供与でもしてると考えてました。
ええ、ミスリードでしたよ。というか読めない、読めてたまるかこの流れww
先生が最初の攻略相手と言ってもいいでしょう。そしてそれから10年後。
どんな思いであの接し方をしていたのでしょう?
まだこの先を知らない桂馬を導くためにどれだけの艱難辛苦があったことでしょう?
どれだけの思いを隠し、どれだけの感情を抑えていたのでしょう?
それを思うととても悲しい気持ちになります。

少しネタバレになりますが…桂馬が天理に渡した3通目の手紙。それの一部が読まれたとき、
危うくコンビニ内で涙腺逝き掛けました。自宅だったら逝ってました。
早く最後まで読みたいような、でも終わって欲しくないような…なんとも複雑な心境です。

Re: No Subject

雑誌のほうではもうそんな段階なんですか…

やべえ…楽しみすぎる。


ネタバレにはどうにかなっていないんですかね。
いや、それを判断しようにもバレるネタのほうをまだ知らないんですけどもw


最終巻が出る前に、二階堂先生に注目しながらもっかい1巻から読んでいきたいと思います。
その時その時、どれだけの感情を抱いていたのか考えつつ。
なかなか大変な作業になりそうですが。

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