社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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課題はキャラ同士の関わり方か… 『特設課』 東野

第79回トレジャー新人漫画賞佳作

特設課 東野

たぶんここから読めます

たぶんてのは、掲載するのに今まで使われていた方式と違っているせいで
俺の環境ではブラウザのアドオンをいくつか無効にしないといけなかったからです


今回佳作が2本出たうちで、Web掲載となった1本
もう1本は増刊掲載となったそうで、前回といい今回といい、豊作のようですね


で、この作品


秋本先生が「完璧です。そのまま連載できるキャラクター」なんて言っちゃってますが、俺はあんまり…というか

まずこの講評ちょっと手抜いてね?と感じてしまったんですが


キャラクターについては、確かに2人の主人公がよくそれぞれの立ち位置を全うしていました
しかし、「それだけ」なんですよね


キャラが立っていて、何となく協力もしてるけど
2人が独立しているんです


それぞれ別個の作品のキャラとしても問題ないくらい、2人の関係性が薄いのです

言い換えると、「特設課」なんて部署に2人で所属して2人で捜査にあたりながら
お互いにお互いを必要としている感じがほとんどなかったのですね

事件現場に到着したら、お互い勝手に言いたいことを言い出して
いい加減相手がうざくなるとちょっとシメる…みたいな


現実の組織や部署では、上の都合で勝手に人が集められるのが当たり前で
そこにお互いの必要性なんかはなかなか見出しにくいものですけど
作品としてタイトルにするほど中心的な部署に所属している2人というのは
何らかの必要性があってその2人だったはずなのです

もちろん、話の中においてはそれぞれ役割があって、それを全うしていました
しかしというかだからこそというか、2人それぞれがそれぞれの役割をやりきっているだけで
彼らが互いに相手を必要と感じているフシはなかったのです


もっと言えば、彼らが互いに相手を認めている描写が皆無だったのですね

男2人の主人公たちなのですから、普段からベタベタ仲良くしている必要はありません
しかし、何かやろうとした時には、「アイツは普段はこんなだけど、実はあんなんだから助かってる」とか
「アイツは本当はこんな奴なんだ」と認め合う、尊敬し合う部分が欲しいのです

そこに「その2人とも」が登場人物である必然性が出てくるはずなのです

それがこの作品の場合、少年マンガで描かれるコンビにしてはやたらとビジネスライクというか
履歴書に書くようなプロフィールはお互い知っているけど、それ以上は知らない、みたいな

表面上読者に説明されるような設定は知ってて、組織の目的のために連携もするけれど
それ以上のバックボーンや深い行動原理は知らない



キャラクターが独立している、と言ったのはそういう意味です


このことが何をもたらすかというと、彼ら2人が浅くなってしまうんですね
主人公的なキャラが2人いるとなると、それぞれに焦点を当てようとすれば
依頼人とか事件の被害者とかいった第3者がいない場合、もう1人の視点から語られることになります
モブが説明できるのはそれこそ表面上の設定だけですから

しかし、語るべきそのもう1人が、相手のことをあんまりは知らない…というか
全然語らないとなると、「こいつらなんで一緒にやってんの?」という気持ちになっちゃうんですね


他にも作劇としては陳腐な部分はいくつかありました

安っぽいミスリードとか
変装してたくせに自らそれらしい台詞を口にしておいて「なぜバレた」とか
会った時点で変装に気づいてたなら、そいつがそれらしいセリフを口に出すまでなんで待ってたとか

ただそのあたりは、作者が描きたかった部分ではなくて、展開上どうしても必要だったり
ちょっと工夫してみようと思ったりした部分だったのかなと思うので、ここでは咎めません

じゃあ一番描きたかったのは何かなーと考えると、きっと特設課の彼らが「平和」という真っ当でありふれた目的のために
危険と戦うカッコよさと爽やかさじゃないのかなと思いました

そうなると、彼らのキャラが薄くなってしまうことは彼らの目的までも浅くなることとなり
結果、一番描きたかったものの印象がぼやけてしまうことになるのではないかと


秋本先生が言うようにキャラは確かに立っていますので
次はキャラ同士の関わり方を考える必要があるんじゃないかと思います


東野さん

頑張ってください


 




COMMENT▼

No Subject

このまま連載可能は流石に言い過ぎですが、それでも少しの手直しで行ける作品だと思います。

主人公の二人はそれぞれが柱であり、どちらか一人ではこの課は持続しないでしょう。
認め合っていない、尊敬していない感じがするとrexelさんは仰いましたが、
根幹の部分で二人は同じでそれを認めてますし尊敬もしています。
エリートは「こんなの、幸せなヤツの顔じゃない」と言いました。
月ウサギは「人の心は弱く脆いが美しい、それが自分の一番大切なモノだ」と言いました。
人々の笑顔が好き。その衝動が二人を突き動かす原動力です。


ただ、上手く表現仕切れてない感は多大にあります。
先ずエリート。握手で確信したならそのまま打てる最善策がありました。
自分達を狙うのが筋だと思っているので、それは敢えて口に出さず現場検証を行います。
その過程で月ウサギは適当に難癖つけて待機させ、JKと他に見た人を募り建物の中など
一箇所に集めてから見破っているとバラします。自分を囮にして一味を集めるんです。
月ウサギを外に捨て置いたのは一味の取りこぼしを配慮してのこと。
これでエリートの頭脳と月ウサギへの信頼を表現できます。

次に月ウサギ。ヤル気なかったのに人の心を踏みにじられてヤル気を出しました。
これ裏を返せば誰かが傷付かなきゃヤル気が出ないと言っています。
子供が泣いていたり皆が怯えてるのを見て少し前向きに動くくらいの描写が欲しい。
それがないので一番大切なモノと云う言葉が響いて来ない。ただの癇癪に見えてしまう。
信頼に関しては、エリートを飛ばして後事を託した事で表現出来ています。描写は足りませんけど。

作品の感想はこれぐらいです。続いて、新しくなったシステムに付いて…
カーソル判定が度々消えるので微妙に使い難い…

Re: No Subject

ふむ。
描けていないのではなく足りていないだけだったんですかね。

これは気が付きませんでした。

安易なミスリードと、正体発覚のお手軽さの構成をもう少し見なおせば
その辺りに割けるページも出てきそうですね。


…そんで、やっぱり使いづらいですよね、あれ。
見開いてる2ページを読む間にカーソルが消える設定なんで要らない…

普通に矢印なんかをページ外に置いてくれればいいのに。

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