社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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SOUL CATCHER(S) 神峰は未だ指揮者として必要とされてはいない現実を考える

弦野が呈した指揮者という存在への疑問のお陰で、少し見えてきたものがありました

感想の方でも少し書きましたが、「神峰」と「指揮者」に対する認識の違いです



疑問を呈した弦野は、指揮者に対しては疑問を持っています
神峰本人に対しては不明ですが、指揮者に対する疑問をそのまま神峰にぶつけていることから
むしろ反対派の人達よりも、弦野は神峰=指揮者との認識があると言えそうです


金管陣営の人たちは、神峰に対する反対派ですね
神峰の存在の必要性を否定しつつ、「指揮者」については否定しません
吹奏楽演奏の常識として、指揮者の存在が必要であることは認めているのでしょう

だから彼らは、神峰の存在は否定しても谺先生のことは否定しません
神峰ではなく谺先生がタクトを振ることを望んでいるのですね



そして、攻略によって神峰に協力的になったパートリーダーたち
彼らは金管陣営と同じく指揮者の存在を否定することはなく
しかし、神峰の存在も肯定しています

ただ、指揮者としての神峰を肯定しているかというと
ちょっとうーん…となるんですよね

彼らが特に必要としているのは神峰という個人であり、指揮者ではないのです




○神峰と指揮者はまだ同一ではない



ここが少しわかりにくいんですけど



指揮者を目指して入部した神峰は、もちろんそのための勉強も訓練もしようとしています
しかし、指揮者として認められるためのテストとして谺先生から課された試練が
パートリーダー全員に認められることでした


その試練に対して、神峰はパートリーダー個人との信頼関係を作ることで応じていき
現在までこぎつけています

つまり、吹奏楽のバンドの指揮者というより個人対個人の関係の中で
それぞれのやりたいこととしての「担当楽器」と「指揮」を認め合って
これまでの攻略は終了してきたのです


心の底にあった悩みや迷いを見抜かれて、
それを吹奏楽を取り入れた形で解消してみせた神峰という人物について
感謝と信頼が芽生えたことで、その神峰が「指揮者をやりたい」と言っていることに対して
「いいんじゃないか」と思うようになった、というのがこれまでの攻略なのです

そこにある関係性は、ただ演奏者と指揮者というだけのような淡白なものではありませんでした

演奏の場において、本人のやりたいこととして「楽器を演奏している」という人と、
「タクトを振っている」人とに分かれているというような形であり、
彼/彼女がその楽器・または指揮者であることが自明であるかのように、その役割が固定化されていたのでは
なかったのです

実際には演奏者たる各パートリーダーたちは、パートリーダーであるという事実と
その楽器をずっと担当してきたという継続性によって、演奏時における「役割」は固定化されています

しかし神峰の場合は、指揮者になることを宣言して入部してきたことで
その先入観は持たれながらも、まだまだその役割が固定化されているとは言い難いですね

それは、指揮者を目指しているのであって指揮者ではないこと、
期間の短さから、指揮者を担当してきたという継続性にも乏しいことが理由でしょう


言い換えると、神峰に協力的な木管楽器を中心としたパートリーダーたちは
神峰個人に対する信頼から神峰の存在と指揮者という希望を肯定しているのであって
指揮者という存在と役割に神峰が最適であるとは思っていないのです

攻略時やウインドフェスにおける指揮ぶりで、手応えと適性を感じることはあっても
本当にふさわしい資質を秘めているとは感じていなかったと考えられるのです




○ウインドフェス後の攻略の眼目はその資質の発露である



そこに描かれたのが木戸先輩の攻略でした
あえて憎まれ役を演じた神峰の心意気に、部長を始めとした協力派パートリーダーたちが
指揮者の確かな資質を感じたことは、神峰の存在と指揮者の役割が一歩近づいたことを意味します

あの時神峰に怒りを露わにしたのが協力派の人たちばかりだった事実には、そんな意味も
込められていたと思うのです


反対派たる金管陣営の人たちは、そもそも神峰の資質云々ではなく
存在そのものに反対しているのですから、資質があるからといって指揮者の役割に近づくことは
彼らにとってはありえないのです


彼らがあれほど神峰に反感を抱く理由は今のところわかりませんが
神峰の存在に対する反発であることはおそらく間違いないでしょう

ウインドフェスでカスミン先輩が倒れた時に神峰ではなく谺先生の指揮を望んでいた彼らは
指揮者の存在を否定してはいないからです




○現在の攻略は、神峰が指揮者になるためのセカンドステージと言えるものではないか



ここで弦野の言葉に戻ってみると、弦野が疑問を呈したのは指揮者の存在です
神峰反対派の金井淵先輩はその言葉にニヤッとしたりしてましたが
それが神峰だけではなく谺先生をも不要とするものであることには気づいていないのでしょうか


神峰ではなく指揮者という存在への疑問
神峰がそれに応えることは、木戸先輩の攻略時に示した指揮者の資質をより明確に示すことに繋がります


ウインドフェスまでは個人的信頼感の醸成による「指揮の機会」の獲得がメインでした
フェス後の現在は、「指揮者」にクローズアップして神峰がいかにその資質を秘めているかを
示すものとなるのでしょう


指揮者という存在を目指す神峰にとって、やはり重大な意味があると考えられる弦野攻略

彼を認めさせた時、神峰はさらに指揮者らしくなっていることでしょう


そうして神峰という個人と指揮者という存在・役割とが極限まで近づいた後に
それでも神峰という個人に反発する金管陣営の攻略が始まるのだと考えられます

それは、いかに自分に適した役割や自分のやりたい役目を実現しても
結局は個人対個人の関係に収束することになるという、ある意味での人生の真実とさえ
言えるものなのかもしれません


そこまでいくと妄想も壮大すぎると自分でも思いますが
実際にそんなことを思えるところまでこのマンガを読んでいきたいですね



[タグ] SOULCATCHER(S)




COMMENT▼

No Subject

指揮者が顧問の先生ならば形式上の言わば添え物として完全に無視できたのでしょうが、生徒である神峰が他の楽器を選ぶこともできるのにあえて望んで弦野にとっては必要かどうかわからない指揮者に挑戦し、しかも半分位のパートリーダーに信頼されているのが弦野には疑問だったのでしょうね。

Re: No Subject

コメントありがとうございます。
だいまおーさん

確かにそうですね。
顧問の先生が指揮をとるのなら、形式的には普通のことであり
弦野も、個人的に疑問はあってもあえてそれをぶつけようとはしてこなかったのでしょう。

しかし顧問ではなく同学年の新入りが指揮者をやると言い出したことで
ずっと感じていた存在への疑問が沸き上がってきた…
と考えるのは不自然なことではないですね。

だとするならば、神峰がしっかりと応えることができれば
弦野はすぐにでも協力的になってくれそうな予感もしてきます。

反対するために反対しているとかではなく
ただの疑問からの反発。
ならば、それをしっかり納得させられた時、
むしろ強い協力者になってくれるであろうことは想像に難くないですね。

この攻略、注目ですね。

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