社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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女神の存在で別れる2つのエンディング… 神のみぞ知るセカイ女神編最終話

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神のみぞ知るセカイ 女神編 最終話




終わってしまいました…


神のみぞ知るセカイ女神編


ほぼ原作通りの進行を見せつつも、表情の部分では正直もう少しだった印象ですね


「私と、結婚しなさい!」

っていう時の歩美の顔は原作のほうが好きだったな…






15-2結婚しなさい


こっちのほうが可愛い



原作の表情では、決意と照れと勢いと本気と、全部を含んだ顔になっていたのが
アニメの方では勢いと本気の度合いが強かったように感じます

言いながら自分で恥ずかしいとも思っている雰囲気は若干少なかったような感じですね


でもあかね丸のライトアップは、これぞアニメというくらいに鮮やかな光を使ってくれました


桂木の「ロマンチックに」との意図を受けてノーラがやってくれたみたいですが
これはGJ


でもそんな景色の下でどつき合ってる2人…
夫婦漫才かw




それでも桂木を想う歩美の気持ちは本心で、エンディングに相応しく、キスで攻略を終えます
しかもヒロインの方からのキスという最高の形で


ついに最後の女神が復活したところにディアナが飛んできて、決戦が始まりました
















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原作では描写の少なかった女神たちの戦いを、少し割増で描いてくれたのは嬉しいですね

囚われた姉妹と無関係の少女の救出


そして、メルクリウスの力による水化術の解除とアポロの目覚め



ユピテルの六姉妹がようやく全員揃って、さらに全員頭の輪と翼を取り戻して

地下で蠢いていたレベル4の駆け魂も旧地獄への穴も、すべて再封が施されました




このへんのバトルマンガっぽいところはもっといくらでも派手に出来る部分なのに
主人公はその場にいなくて、「僕に出来ることはもう終わった」って先に帰ってるのが何かw

このマンガのスタンスをよく表している部分ですね







さあ、そして、ですよ






ここからがある意味女神編の大本番であり、クライマックスでもある、ちひろとの決着です


もうほんとに、この女神編はこれを描くためにあったんじゃないかとさえ思えるくらいに
気合の入った作画と演出、そして演技でした


マジでちひろがメインヒロインだと思えるくらいに、焦点があたっているんです

だけど、彼女は桂木に泣かされました



ギャルゲー理論を駆使して女の子を攻略するという形で始まったラブコメにおいて
唯一、攻略とは無関係に主人公に恋をしていたヒロイン


女神が宿っているかもという可能性のために、
桂木はデートに応じ、曲作りに協力し、誰もいない場所へ連れ込んだりもしました

攻略しているつもりで、実は本当の恋愛に足を踏み入れていたことに動揺した桂木が口にした最悪のセリフ



その後の歩美攻略の中で、桂木の方の事情も何となく知ったとはいえ
それでもやっぱり拭い切れない色んな気持ち

それらにちひろがケリをつける時が来るのです



















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「桂木が意味もなく私とデートしたりしないよね」と、どうしても腑に落ちなかったことを聞くちひろ

「ひょっとして、私の中にも何か…あったのかな」と、かすかな希望を言葉にします
それは、もし自分の中にも何かがいたのなら桂木が追いかけてくれたのかなという今となっては叶わぬ願いであり
さらにそれを自覚しながらも言わずにはいられなかった恋心であり、
そしてそれを否定させるためでもあった切ない言葉でした


その通り、「いや…ちひろは何も関係ないよ」と答えた桂木の言葉に強がってみせるちひろ

結局「なぜ桂木は自分とデートしたのか」との疑問は解消されていませんが
しかし桂木は自分のもとに来ることはやっぱりありえないということだけは理解して、
それでも強がって見せているんですね


桂木もまた、それを察しており
誠意の1つなのでしょうか、必ずライブを聞きに行くことを約束します

そこで演奏するは、攻略していると思っていた頃に完成を目指していた曲
桂木としては、遊びや暇つぶしで曲作りに協力していたわけではないことを伝えるただ1つの方法でした


ちひろもまた、強がりの中でそれを受け止め
最高の演奏を聞かせてやると約束します


そして




その場を後にしようとするちひろ

それは同時に桂木との恋路に永遠の決着がつくことを意味しています


だから彼女は最後に一言
振り返って言うのです


「バイバイ」



原作では割りとあっさりめな描写でしたが、
アニメではこれでもかと情緒的に、印象的に、そして繊細に描かれました


そこでの演出の中心にあったのは「鮮やかさ」

それは青春の色鮮やかさであり、このことがこれから想い出になっていくことを、
ちひろを照らして降り注ぐ朝日は、1つの恋の終わりとこれから出会うだろう新しい恋を示唆していて
さらに、その中で笑顔を見せるちひろのこれからを明るく照らすものとなっているのです

それはまた、桂木の言葉に衝撃を受けたあの時との対比にもなっています

夜の花火の虹色に照らされたショックな表情と
朝の太陽の白さに照らされた強がりの笑顔


この対比は、そのままその夜のライブにも繋がっていきます









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夜の中で、花火ではなく今度はステージの様々な光に照らされるちひろ


そこで演奏し、そこで唄う歌

桂木に聞いてもらいながら、桂木を想いながら作った曲


見届けた歩美の結末を祝いながら、それでも未練はまだ完全には切れていないちひろの心



歩美の攻略中に桂木が持っていることに気づいて抜き取ったピックが、さらにその気持ちを揺らします

前夜祭でのジンクスにかこつけて持ってて欲しいと自分が渡したそのピック

着替えたはずの服装でポケットにまだそれがあったことは、桂木のあの本音を疑わせる理由にもなりました



それでも、もう桂木との恋路は終わっている



本当に吹っ切るためにちひろは演奏をはじめました















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その中でちひろが見た女神たちの翼


それは、演奏される彼女の歌が女神の力の源泉である愛に満ちていたことの証明であり
そこに込められていた気持ちが本物だったことを示したものでした


だからこそ余計に切なくなる



女神たちが反応するくらい気持ちは本物だったのに、なのに自分は桂木に選ばれなかった

自分の中には何もなかった

「たられば」に縋りたくなる気持ちの湧き上がりと、理解している現実との葛藤

それをすべて込めながら歌うから、ますます歌の愛情は増幅していく



桂木もまた、約束通りちひろの歌を聞きながら
最大級の後悔に苛まれて


「ヒロイン」を何より大切に思い、「エンディング」まで導くことを誇りとしていた彼が

自分を好きだといった正真正銘の「ヒロイン」に最悪のセリフを選択して、最悪のエンディングを見せてしまった事実



ゲーマーとしても男としても最悪だったことに、ただひたすら後悔と謝罪しかない桂木



そんな彼を恨むでもなく憎むでもなく、ただ「自分には何もなかった偶然」が悲しいちひろ



楽器店での試し弾きも
風邪のお見舞いも
前夜祭も

すべては想い出


楽しすぎて鮮やかすぎる想い出



だからもう取り戻せないその頃を思うと、ただ涙を流すことしかできない



マイクに向かって
ギターを握りしめて
声を絞って
こみ上げてくるものをこらえられないその表情



これこそが、女神編でスタッフが一番描きたかったものといえるでしょう



そのために今回はオープニングまで削って
歩美攻略のクライマックスもちょっと早足にして


ちひろという「一般のメインヒロイン」の

初めて恋をした記憶と
初めて恋を伝えた瞬間と
初めて交わした唇の感触


二度とはないその一瞬が、想い出という形で永遠になったこと


それをただ泣くことでしか表現できない少女の姿

夜のステージで、虹色の照明に照らされるその泣き顔は、他のどのヒロインよりも美しいものでした
















…女神編と言いつつ、後半はメインヒロインがちひろっぽかったですが
それでもというか、だからというか、秀逸の出来でした


でもやっぱり駆け足だった感は否めないよなー


2クールあればもっと丁寧な描き方ができたはずなんですが…



ただそれでも、限られた尺の中でよく描ききってくれたと思います


アニメスタッフの皆さん、お疲れ様でした

そしてちひろ押しのスタッフ、1人の少女の鮮やかな姿をありがとうございました


 




COMMENT▼

No Subject

1度目はリアルタイムで、2度目は先ほど全話見てきました!

1度目はTVで仕事帰りの疲れた状態でさっくり見てたので
2度目ほどの感動はなかったのが不思議です。

ちひろがヒロインであり桂馬も万能ではない欠陥のある普通の男の子としての
悩みが見えてハッピーエンドではなかったかもしれないけど最高のエンディングでした!

記事を見てもう一度みたいな~って思っちゃいました(さっき見終わったばかりですがw)

Re: No Subject

1年以上前の記事ですがコメントありがとうございます。
dkさん

返信書くのに自分でも記事をもっかい読み返していたら、ちょっと泣いてしまってましたw
「初めて恋をした記憶」を聞きながら読んだら、たぶんもっとぐっとくるものがあるんじゃないかと思います。


女神編の真のヒロインはちひろだったんだな、と思えるくらいの作画と演出と構成でしたよね。
だから原作でこの後描かれた過去編もアニメでやってほしいと思ってしまうんです。
だって…ねえ?

記事を読んでもう一回見たいと思ってもらえるとは、ブロガー冥利に尽きますね。
ありがとうございます。

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