社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

09<< 12345678910111213141516171819202122232425262728293031 >>11

SOUL CATCHER(S)にあるような気がする1つの弱点

もうすぐコミックスも発売される新感覚吹奏楽マンガ『SOUL CATCHER(S)』


可愛さが臨界点を超えた邑楽先輩の魅力もあって、今週も非常に面白い展開でしたが
実はこの作品には弱点のようなものがあるのではないかと思っています


それを考える手がかりとなるシーンが今週ありました


投票結果について、各パートリーダーの意見を聞こうとしていた場での
反対意見です





バランスが悪かった

何も感じなかった




作劇としては、先週あれだけのページと演出をかけて描いて見せたものを
まったく否定しているこれらの意見


バランスが悪かった
というのは、ある意味では当然のことですよね

なぜなら、あの曲を神峰はクラリネットの御器谷先輩と邑楽先輩のための曲として
仕上げたからです


そもそもは投票制による指揮権の獲得を目指していたはずが
たまたま深く関わるようになった御器谷先輩と、彼(?)に何かときつくあたっていた邑楽先輩に
何かを取り戻して欲しくなったことがもう1つの動機となっていました


おそらくそこには「あと2票取れれば過半数いけるかもしれない」なんていう打算は
微塵もなかったことでしょう


自分の目標についてはそれはそれとして、単に音色を聴かせたい2人のための曲として
メロディを仕上げたのです

そのため、クラリネットに偏りがちな演奏になるのは必然でした
金管楽器陣営が不満に思うのは当然といえば当然だったのですね

逆に言えば、同じ曲でも違う仕上げ方をすることで
金管楽器を活かした音色とすることも充分に可能だと言うことで、
御器谷先輩と邑楽先輩のためにタクトを振った今回は、たまたまクラリネットに偏っただけのこと


ミーティングで反対意見を述べていた2人のパートリーダーに対しても
実際に彼らのために仕上げようとした音色を聴かせれば、考えが翻る可能性はあるでしょう

実際今までの神峰賛成派は演奏によって獲得しているわけですから


しかし、実はここにこの作品の弱点が潜んでいると考えます


すなわち、演奏してしまえば何とかなるという雰囲気です

どんなに反対意見を持っている人物であっても、どうにかして
神峰の指揮や助言の元で演奏させてしまえば結局気が変わるんだろうと
読者に思わせてしまう恐れがあるのです


ここまでの刻阪や音羽先輩などがそうだったように
「どうせ演奏させれば何とかなるんだろ」と、そう思われてしまっては
緊張感も何もあったものではなく、読む気はすっかり白けてしまうことになるでしょう


心の状態が視覚的に認識でき、「音を聴いて風景を見る」ことのできる神峰の指揮によって
どんな曲と音色が生まれるかはこの作品としての最大のウリであり、そこが評価されて
読切りから連載へとこぎつけたと言っても過言ではないでしょう

しかし、その最大のウリである「神峰の指揮による演奏」が
必ず勝てる切り札のように連続して使用されている節があることから、読む気を白けさせる恐れを
発生させているのではないかと思うのです


ただ、それが一面的な見方であることもまた事実です

このマンガの真骨頂はそんなことではありません



切り札となるその演奏に持っていくまでに、神峰がどれだけの心血を注いでいたか



これなんです


心が見えるから、だから相手の悩みも見抜けるし、タクトを振っても的確な指示ができる
それは単なるスパイスでしかありません

そんな能力を持つが故に、今まであえて人と深く関わることを避けてきた神峰が
明確な目標を見つけて、そのために必要なら苦手な人にも苦手なことにも立ち向かっていくようになった


パートリーダーたちとの関わりの中で神峰の見せるこの勇気こそが、このマンガの一番の魅力なのです

さらに言えば、打樋先輩や奏馬先輩の時のように、心を見て気づいたその人の特質を
的確に相手に伝えようとする姿はまるで、その人をしっかり受け止めて受け入れようとする
神峰の器の大きさすら感じさせることに繋がっているでしょう


大いなる勇気を持ちながら、同時に器の大きさまでも感じさせるとしたら
そんな主人公の行く先を見たいと思わずにはいられないでしょう

単純で一面的な見方としての上記のような弱点はあるとしても
そこではない確かな魅力が清々しい気分にさせてくれる『SOUL CATCHER(S)』



これからももっともっと期待しています


[タグ] SOULCATCHER(S)




COMMENT▼

No Subject

音楽漫画でものだめカンタービレ、BECK等普通にヒット作品生まれてますから
ただ単にこの漫画自体が音楽の魅力を伝え切れてないってだけでしょう
確かにドラマはそこそこ面白いですがこれ読んで音楽やりたくなる気は全くしません
なぜなら虹を出せとか心象風景ばっかりで肝心の音楽がないがしろになっているから
そこばっかしか伝わってこないので。

Re: No Subject

コメントありがとうございます。
ケーキさん

確かに、それはありますね。
この作品は音楽や吹奏楽の魅力を伝えようとしているものではありません。

神海先生は描こうとしているのかもしれませんが、現状ほぼそんなことにはなっていないです。
マンガという媒体で、音をどうにか表現しようとすることにはこだわっても
伝えようとはできていない、そんな感じです。

そのことが吉と出るのか凶と出るのかは…
どうなんでしょう。

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

TRACKBACK▼

http://sclpsn.blog.fc2.com/tb.php/483-3dd1f810

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

 | ホーム | 

カレンダー+最終更新日

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

新着記事+関連エントリー

人気&オススメ記事1

タグクラウドとサーチ

プロフィール

rexel

Author:rexel
ジャンプ歴21年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

今一番の推しは鬼滅の刃。次いでワートリ。

ジャンプヒロインズは俺の心のオアシスです。
中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



ついったー。

RSS リーダー

月別記事アーカイブ

マンガ・アニメ系サイトリンク集

以下のリンクから他にもマンガやアニメについて記事のあるサイトをご覧頂けます。

○ブログランキング集

FC2Blog Ranking

にほんブログ村 漫画ブログ 週刊少年ジャンプへ

○姉妹サイト
ジャンプマンガの描き方教えます
○アンテナサイト
ジャンプ感想サイト更新チェック

○マンガが読めるサイト
ジャンプトレジャー新人漫画賞受賞作品一覧
絶版マンガ図書館

○マンガ・アニメ感想考察系サイト
(更新停止)
たらさいと
アスまんが
アニメな日々、漫画な月日
ゆめかたつの曲解的漫画考
つながりこそがせかいをつくる
現実逃避
 ┗サイト紹介
あまぐりころころ
働いて飯を食いジャンプを読む、ついでに漫画やアニメも見る

○毎週ジャンプ感想を読ませてもらっているサイト
決闘王F.Kのブログ
君と僕の歌う詩
楽しければよかろうのブログ
北区の帰宅部
 ┗サイト紹介

○マンガ作者サイト
内水庵
おさむ日誌(休止中)

最新画像一覧

カウンター