社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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べるぜバブにはやりたいことがない

べるぜバブには、やりたいことがない

あるいは、何をやろうとしているのか分からない


それは、主人公の行動理念だったり目標だったり
誰かと出会って強制的に課せられた使命だったり
他の普通のマンガなら大体そういうのがあるんですが

べるぜバブにはないのです

主人公には目標もなければ
ストーリー自体に明確なゴールがあるわけでもない

20巻も続いたマンガなら何かあるだろうと思うのですが
さっぱり思い当たりません


なぜかと言えば、やることが「子育て」だからです


詰まり正確には目標や目的がないわけではないのですが
その中身が明確ではないのです


魔王の赤ん坊を拾ったらなぜかパパ認定されて、立派に育て上げることになった

それは、「七つの球を集めよう」とか「全国優勝しよう」とか「呪いを解こう」とか
具体的な目的ではないのです

最初こそ、「ベル坊を押しつける相手を探す」という具体的な目標を目指していましたが
すっかりベル坊の親を受け入れた今となっては、ベル坊を育てるために毎日をどう過ごすのか
どう過ごそうとしているのか、さっぱりわからないのです

魔王とはいえ「子育て」であれば、起こる全ての出来事が成長に通じるものであり
極端に言えば、黙っていても勝手に起こることを取り上げて何だかんだとやっていてもいいわけです

そのせいか、今までの展開においてはほとんどと言っていいほど男鹿達は受け身でした
途中では強くなろうとして自ら修行に赴いたりしていましたが、
展開の最初においては巻き込まれる形で関係することばかりだったのです

自ら積極的に参加したものといえば、ついこの前のベストカップルグランプリくらいではないでしょうか
現在の展開でも、直った新校舎に戻ってきたら何やら新たな魔界勢力からちょっかいをかけられることで
話が始まっています

まあこのシリーズにおいては作中の重要設定である「悪魔」が関わってきているものなので
物語を全く動かさないことはないのでしょうが


ではどんな目標が設定されていれば良かったかと言えば

ベル坊を育てるにあたって、「どんな風に育って欲しいか」が必要だったのではないでしょうか

たとえば「誰よりも男らしく」とかいう感じです

この基準は、規模の大小は関係なく、起こる毎日の出来事に対して
男鹿達が「生きる姿勢」をベル坊に見せるための指針となるものなのです

そして男鹿が抱くその子育て方針を、古市だったり葵ちゃんだったりが受け入れていって
彼らもまたベル坊の前ではかっこつけたりしてみる

人は人に何かを教える時に最も成長できる
社会に出ても通用するこの考え方をキャラたちが実践する

ベル坊を中心にキャラとその成長が広がっていくようになるのです


同時にそれは、「生きる姿勢」をベル坊だけでなくメイン読者層である小中学生男子たちに対しても
見せつけることになり、少年マンガとして実に正しい姿になったと思われるのです


ただし実際にはそれがないので、キャラたちが覚醒しても
目の前の相手には勝てそうというだけで「その後どうなりそう」が想像できないので
それほど気分も高揚しない

決してキャラに感情移入ができないわけではないのに
覚醒を見ても今ひとつ燃えられない

そんな風になってしまっているのです


今からでも遅くはない…とは言えないかもしれませんが
やらないよりはマシでしょう

ベル坊を受け入れて「人間を殺したりなんかさせない」のはいいので
じゃあそれでベル坊を実際どんな風に育てていくのかをはっきりしたほうがいいと思います

悪魔を絡めている今の展開なら、どうにか「今後のベル坊」という流れを作ることも
できるはずです

なるべく早い内がいいのではないかと思います




 




COMMENT▼

言われてみるとそうですね
逆に言うと、色々な展開に持って行きやすいとは思います。目標が決まってると、目標に関係ないことをしてると「何やってるんだ、さっさと○○しろ」と読者に思われやすいからです

目標がないことが、当初は驚異的な人気(1巻でオリコン10万部突破)だったのに、その後ほとんど伸びなかった理由でしょうか?

Re: タイトルなし

コメントありがとうございます。

目標がないことは確かにどんな展開でもできそうな気はしてくるんですが、
それがこの前の古市無双だったり、大魔王の絵だったりなんですよね。

スケットダンスや銀魂のような作風なら、その話やシリーズが物語において
どんな意味合いを持つのかなんてことは考えなくてもいいのかもしれませんが
べるぜバブではそうはいかないと思うのです。

なぜなら作品世界の中でキャラたちが勝手に動いて話を進めていくのではなく
ある程度の背景や意図を前提に話が動いていくタイプのマンガだからです。

通常なら、キャラたちはその中で自らの意志と目標のために奮闘するのですが
べるぜバブの場合はそうした目標がないために、ただ自己防衛か、あるいは綺麗な言い方をすれば
プライドや意地のためとかに闘ってみたりするわけですね。

ちょっとした息継ぎや息抜きのような感じで本筋とあまり関係のない展開を見せるのは
ありと思いますが、べるぜバブの場合は本筋が固まっていないので
まるであっちにフラフラこっちにフラフラしているようで、読んでいる方からすると
「で?」という気持ちにすらなりかねない…

そんな危うさがこのマンガにはあると思うのです。

このことは、間違いなく作品の人気にも関係していると思います。
最初は「ベル坊を誰かに押しつける、めんどくさいから」という超わかりやすい目的があったのに、
そのために「強い奴」を探していたらいつのまにか石矢魔のてっぺんを取っちゃって
六騎聖なんて連中も出てきましたが、結局あまりパッとせずに焔王編が始まって
あとはもうなんで戦ってるのかよくわからないまま数年間という

ベル坊を押しつける相手を探していたのが、いつのまにかベル坊を受け入れるようになって、
じゃあ受け入れたベル坊をどうするのかというのがさっぱりわからないままだったことで
何か色々キャラたちは頑張ってるけど読んでても空気マンガ、みたいなことに
なってしまったのではないかと。

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