社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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サーヤの初恋に見るスケットダンスのラブコメについて考える

sket191.jpg



ついったーのTLでそんな話題になったので
ちょっくら考えてみたわけですよ





今週
ついにサーヤの恋に決着がついてしまいました


それは
決着と言うにはあまりにもあっさりで、あまりにも静かな決心でした



15巻でサーヤが初登場し
修学旅行狂詩曲を経て
サーヤが告白するに至った19巻第167話から現実時間でおよそ2年


その間、生徒会長でもあった兄貴の勘違い話で
何話も使って盛り上がったりすることもあるほど
このサーヤの恋という物語はスケットダンスという作品を面白くしてくれていた1つでした


そのサーヤの恋が今週終わりを迎えたのです



たった1週で
巻頭カラーでもセンターカラーでも大増○ページでも何でもないただの普通の回で
あっという間にサーヤが自ら諦め身を退く展開に至ってしまったのです



このあまりにもあっけなさ過ぎる恋の結末には
おそらく納得のいかない人も多いのではないでしょうか


かくいう私がそうなのです


これだけこのマンガを面白くしてくれたものを
だからこそそれだけ好きになってしまったヒロインの恋を

こんなにもあっさり終わらせてしまう今週の展開に
どうしても不満が残るのです


とは言ってもすでにジャンプ誌上に掲載されてしまっている以上
今さらなかったことにして描き直せなどということができるはずもありませんので
今回はこのスケットダンスという作品においてサーヤというヒロインに始まったラブコメに関して
若干の考察を繰り広げてみたいと思うのです





考えてみた内容はもちろん

ボッスン、ヒメコ、サーヤの三角関係について

です



今週サーヤが身を退く決意を固めたのは
夏祭りにやってきた中で
ボッスンとヒメコの息があまりにも合いすぎていることを感じて
「自分ではその間に入り込めない」と思い至ったからでした

確かにボッスンとヒメコにはこれまでもそうした阿吽の呼吸を成立させてきた描写が
何度かあり、2人の関係というのはサーヤでなくとも疑う余地が充分あったと言えます


では肝心の本人たちはどうでしょう


ボッスンはヒメコをどう思っているのか


修学旅行狂詩曲で、サーヤにそう聞かれたボッスン


「別に何とも思ってねーよ」


チュウ先生の薬で入れ替わっていたヒメコからその話を聞かされたボッスンは
どう答えるのかと聞かれて
ボッスンとしてヒメコが答えたことと同じように答えるだろうなーと漏らしました


確かにこの頃まではそうした意識はさっぱりなかったのでしょう


明確な変化があったのは
生徒会の新たな役員として加藤キリが登場した頃です





sket2.jpg





ヒメコと親しげに話すキリを見て
ボッスンは明らかに戸惑い、苛立ち、動揺していました


それは恋愛とか恋人とかそれまで全く考えてもみなかったようなことが
急に身近な人物に訪れていることに対しての驚きであったと同時に
それがヒメコだったということそのものに対しての衝撃もあったと思われます






sket4.jpg




1度は付き合ってるわけじゃないことがわかっても
それでも仲よさげにしているところを見ると動揺するボッスン


それは明らかに、嫉妬を感じていたと言うことが出来るでしょう


つまり、無意識的とは言えボッスンはヒメコに「そういう感情」を持っているのです


そうだとするならば、確かにサーヤが割って入れる可能性は少なかったのかもしれません
だからこそサーヤは誰にも言わずに自分1人だけで決心することが出来た


しかし、今週の展開における最大の問題点がここに存在します


前へ進む勇気とともに、サーヤはボッスンにはっきり「好きだよ」と伝えました

その時のボッスンはまだまだそういったことには疎く、はっきりした返事は返せないまま
結局今週の展開を迎えるに至っています


このままサーヤが自ら諦める決心の元に身を退くことは
1度告白を受けているはずのボッスンが、その事実とサーヤの心に
何のケジメもつけないままになってしまうことを意味するのです



ボッスンというキャラに対してそれはどうなのでしょうか



では次に、ヒメコはボッスンをどう思っているのかを考えてみましょう


例えば
21巻バレンタイン・クライシス


日頃世話になってるということでボッスンとスイッチにチョコを渡すため
デパートに買い物に来たヒメコ

ボッスンに渡すチョコを選ぶのには何だかんだと不必要な心配をしては
30分近く悩みに悩んで選んでいました

対してスイッチのチョコを決めるのに掛かった時間はわずか6秒


実際に渡す時になっても
何となくそれなりにオシャレな服装をしてみたり
さりげなく普通に渡すはずがどうしても表情がおかしなことになったり
渡したら渡したでボッスンのリアクションがあまりにさくっとしていることに
無駄にイライラしたり

間違いなく何らかの特別な感情を持っていると読み取れるシーンだったわけです


たとえば大阪へ旅行に出かけたトラブルトラベル

ヤクザまがいの不良に誘拐されてしまったヒメコを
ボッスンが必死の思いで救出したあのシリーズです

助け出された直後のヒメコは、それまでの恐怖から解放されたことと
必ず助けに来ると信じた男がそれを果たしてくれたことで気持ちが盛り上がり
告白しようとしているかのような態度を見せました

その時は惜しくもスイッチが入ってきてしまったことで
雰囲気が流れてしまいましたが

その後ボッスンを見る目に違いが現れていました



sket3_20130206215209.jpg


この表情をどう解釈できるでしょうか

ヒメコもまた、ボッスンと同様に無自覚に意識していると考えられるでしょう


しかし、ここでボッスンと比べての決定的な違いがあります


例えばボッスンとサーヤが仲よさげに話をしている時
例えばキャプテンとかロマンとかがボッスンと話をしている時

ヒメコには動揺したり苛ついたりしている様子が全くないのです


この記事を書くにあたって15巻以降をざっとながら読み通してみたのですが
そういったシーンは皆無でした


つまり、ボッスンが他の女の子と仲良くしていることに対して
ヒメコがヤキモチを焼いている場面がないということなのです



このことをどう捉えるべきか

それについてはよくわからないのですが、あるいは篠原先生も
このマンガでそこまで本格的なラブコメを描こうとしたわけではないために
そうした不十分さが出てしまったとも考えられるかもしれません



…結局何がどうという結論はないも同然なのですが



しかし、作品を創るにあたってのどんな事情があったにしても
読者としての正直な感想を言うとしたなら


こんなに簡単にサーヤの恋を終わらせて欲しくなかった


ということです


兄貴の勘違い話であれだけの時間を掛けたのに
あれだけの面白さを出すことが出来たのに

サーヤがボッスンに少しずつ惹かれていって
一大決心で告白するまでの流れもそれなりにじっくり描かれたのに

その恋が終わるのがこんなにあっさりとたったの1話で済まされるなんて


ここまで色々考えてきましたが、どうしてもそこだけが腑に落ちない部分です



ひょっとしたら次回何かフォローめいたところがあったりするのでしょうか

そこにわずかな期待を残してみることにしましょう







COMMENT▼

No Subject

つい最近この話を見たんですが、やっぱり納得いかなかったですね。
そもそも告白されてるのに、ずっと曖昧な状態というのがサーヤに失礼な話で
ボッスンが恋愛関係に、うといといっても、もやもやしてました。
この回のへらへらした感じのボッスンが多いのもなんだか・・・
ヒメコはサーヤが好きなことを知っていて、これまでの回では二人に気を使う場面があったのに
何故かこの回は、全くサーヤのことを気にしていないのもおかしいと思いました。

Re: No Subject

コメントありがとうございます。
soraさん

結局ボッスンからサーヤに何も言うことなく、ボッスンは卒業してしまったわけですが…
サーヤは自分の中で結論を出したとしてもボッスンの方から何もないというのは
やっぱり不自然ですよね。
不自然というか人としてどうなのよという感じすら。
しばらく保留するということはあるにしてもその期間が長すぎて、しまいには
何も言わないままって。
どうにも納得いかないですよね。

と、ボッスンの方ばかり気にしていたせいか
ヒメコの方もさっぱり遠慮してなかったことは気づいてませんでした(;^ω^)
言われてみれば確かに…
サーヤ視点のものなので、実際ヒメコが何を思っていたのかは分かりませんが。

でも結局この展開には納得がいかないと言うことは変わらないですね。

こんにちは!今更失礼します。
この記事の後半に綴られているヒメコの態度ですが、彼女は決して苛ついていなかったわけではないと思います。
と言うより、苛ついてはいないのでしょうが、やはりさすがのボッスンでも恋愛要素とわかる「告白」をされた相手と親しげに話す様子をみて、眉尻を下げたりする描写はよくありました。サーヤがそういう恋愛的な方面で絡んでくると、かなりの率でヒメコの無言カットが映ります。
ボッスンは最後まであんなんでしたが、私も貴方と同じでボッスンに「そういう気持ち」は少なからずあるんじゃないかと思ってます。本当に彼は無自覚なだけでしょう。
突然のコメント失礼いたしました。

Re: タイトルなし

こんにちわー
というか初めましてになりますでしょうか、にょりーんさん

古い記事ですがまだ読んでもらえていたんですね。

さて、ヒメコの態度ですが。
そういえば確かにありましたね。

サーヤが喋ってる時限定の無言なカット。
ボッスンに対するサーヤの好意を明確に知っているだけに、気にするものなのでしょう。

だとすれば、ヒメコからボッスンに対するそういう感情は
そこに現れていたと解することができるでしょうか。

ご指摘ありがとうございます。
おかげでさらに理解が深まった気がします。

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