社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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どうしても物足りなさが拭えない… 『eの原点』 2018年週刊少年ジャンプ6号感想その1

eの原点

2018年週刊少年ジャンプ6号感想その1

何となく、こっちだけ先に更新しますね


特別読み切り eの原点 古味直志

刻どキ以来となる古味先生の読み切りです

どうやら格ゲーをテーマにした作品のようですが、確か古味先生ってスマブラが大好きなんでしたっけ
そこから着想を得たものでしょうか

…となると、前作よりもこっちのほうが「100%趣味で描いた」ってのに近い気がしますよねえ
そのほうが、主人公もヒロインも死んじゃう読み切りを「趣味で描いた」と言い切れちゃうよりも随分マシなような感じもあるんですけども

そういやよく知らないんですけど、格ゲーって表現でいいのかな
eスポーツって言ったほうがいいのか?



総合的な印象を正直に言えば、可もなく不可もないなって感じなんですよ

古味作品にしてはずいぶんジャンプのテンプレよりな展開にしたなと


本作において新鮮な要素といえるのは、基本的には格ゲー要素部分のみなんですよね
主人公は大の格ゲー好きで、受験を控えながらもすぐゲームに興じてしまう普通の高校生

進路と言われても実感もないしよくわからないし、そもそもやりたいこととか言われても…という
本当に普通の高校生です

周囲と比べて飛び抜けていることがあるとすれば、格ゲー好きという一点のみ
だからってそれを踏まえた進路なんてと困っているところに、委員長ヒロインに意外な一面を見せられたことにより意識が変わる…みたいな

格ゲーというのがジャンプ読者にどれほど馴染みのある要素なのかはわかりませんが、
こんなテンプレ展開を載せたということは編集部としてもいまいち予想がつかない部分があったんですかね

好きなもので悩んでいた主人公にヒロインが新たな視点を提供して、世界の広がった主人公が何か努力を始めて、
ヒロインが不幸な目に遭った時に主人公が超頑張って、そんで何か上手いこと収まる…っていう

委員長が何の用でネカフェにいたのか、委員長が急に事故に遭って手に麻痺が残っちゃうとか
実力は遥か及ばないはずの主人公が根性だけで優勝しちゃうとか、並べてみたらそれはそれは作劇的に都合のいいことばかり起こってるんですよね


格ゲーという要素以外に本作で目を引くものがあるとしたら、委員長の考えでしょう

ゲームが好きというとまだまだ偏見があるが、真面目で勉強もできる奴が堂々とゲームが好きと言えば少しは変わるんじゃないか

この行動原理は非常に好感が持てるものでしたよね


主人公の目には典型的な委員長キャラとして映っており、主人公視点から読者にもそう紹介された彼女が
実はそういう考えを持っていたというのは非常に意外なキャラ設定でありながらよく納得のいく上手いものでした

先入観でゲームなんか嫌いだろうと思っていた彼女が実はゲームに対して何より真剣だったというのは
テンプレ的な都合の良さを覆して余りある説得力と好印象を放っていたと言えるでしょう


ただそこまで、なんですよね

評価に値するのはその点くらいなのです


それ以外は特に響くところはなかったなというのが俺の正直な感想です

古味先生の作品として見た時も、かつては見出だせた「壮大なる親近感」のような特別な要素は今回も見当たりませんでした
前作の読み切りでは、それとは少し性質を異にしつつも特殊な心臓病という要素が作中世界と現実世界とをつなぐ効果を果たしていましたが
今作にはそうした要素は何もなかったですね

古味作品をこれまで見てきた立場からすると、その点が非常に物足りない部分でした
古味先生に対する俺の期待値が高すぎるんでしょうか

とは言え、同様に特別な要素がなかった『ニセコイ』があれだけの長寿作品になったことからすれば
それが存在しないことが直ちに悪いというものではありませんが…

今回の俺の印象が、古味先生の作品だからと特別視してしまったことによるものならば
そうでない普通の人たちの反応はどんな感じなんでしょう

割と高評価だったりするのなら、古味先生は読者が面白いと思う作品をしっかり描けているということができるのかもしれません

しかし、それは俺から見ると、古味先生の描きたいものとはズレが生じていないだろうかというのが気になるところで

「夢のある話が描きたい」から「楽しい話が描きたいです」と変わり、その次には「100%趣味で描いた」と明言するようになった古味先生

自身も大好きな格ゲーをテーマにした本作もまた「100%趣味」だったのかはわかりませんが、
初期の作品にはあった特別な要素が今回も存在しなかったことは、俺としてはとっても残念なことでした

古味先生の描きたいものが変わっていくのは仕方がないことだとしても、
俺が古味作品を好きになったのは『island』や『ダブルアーツ』に特に顕著な特別な要素と
それが及ぼす作中への効果に惹かれてしまった立場としては、やはりそれが介在する作品を読みたいと思ってしまうのが正直な気持ちです

ですので古味先生、次の作品をお待ちしております



[タグ] 古味直志




COMMENT▼

No Subject

私の評価:可もなく不可もなく
ありきたりな話をありきたりに描いた、そんな印象でした。

描きたいものについては言い方が変わっただけで本質はどれも同じだと思います。
「自分が描きたいものを描きたい」
気分次第で変えていると言ったら聞こえが悪いですが、その通りだしそれでいいと思います。
ただ、ダブルアーツの時みたいな独創性を失ってしまっている気がしてなりません。
古味先生がどれだけ他作品を読んでいるかなど知る由もありませんが、
独創性だけで言えばジャンプ新人の方が出せていると思います。
発想の幅をもっと広げた作品をお待ちしています。

No Subject

まあそうですね。
普通・・・。


委員長は可愛かったけど。

No Subject

つまらない、ということではないんですよ。コマ割り、描写、話の展開、キャラの魅せ方は、やはり古味先生は巧いし読みやすい。

では、面白いかというと、そうでもない。読後に残るもの、感情(あるいは琴線というべきかもしれません)に引っかかるものが何もないんですよ。

作品の核となるもの、何を描く物語なのか、何を描きたいのか、という作者の中の方針・軸線をもっと詰めてから描いた方が、より読者への訴求力の高い物語になったのでは、と感じています。

「eの原点」という今回のタイトルは、これを「原点」とする先の物語を意識したものだと思いますが、私の個人的な感想としてはこの「eスポーツをする工の物語」は読まなくていいかなと思っています。

古味先生の描きたいものが、「商業マンガ家として、仕事として連載する(できる)もの」であるなら、それでもよいのですが、できれば古味先生がもっとノリノリで描ける、気持ちの乗った物語が読みたいです。今回のお話は、そういった作者の熱もあまり感じませんでした。

eスポーツではない古味先生の次回作に期待しています。

No Subject

少し補足

今回のeの原点から感じる「テンプレ感」が、古味先生が「ジャンプで連載するために必要」だと思って意識してそうしているのだとしたら、すごくいやだなぁ、ってことです。

私が古味先生の作品に求めているのは「そこ」じゃないし、「そこ」にはない。

格ゲー好きでeスポーツ大会もよく見てる私の感想ですが…
正直面白くなかったです、格ゲーム自体の面白さや攻略等の中身がなにも描かれてないのと、ご都合主義に見える展開と、説得力のない結末など、クオリティが低く感じました

ヒロインの「真面目な私が活躍することでゲームのイメージを良くしたい」ってのは実際のプロゲーマーのウメハラやときどの考えに近いので多分それを参考にしているのでしょう

物語やキャラの新鮮さよりも、とにかく漫画としての魅力に欠けていました、ベタでも面白いものは面白いですから

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

新春一発目のレビューが切な過ぎる

ダブルアーツは僕も好きで密かに応援していました
「可も無く」不可も無くというのはある意味「この漫画カス」と言われるよりも酷い評価だったりします

例えカス扱いされても本当にそれが描きたければ描いて欲しい、この人はそんな作品が描ける人だと僕は信じます

遅ればせながら 敬寿瑞春

あー……古味先生の作品が好きだった方々は、ほぼ同じような感想を持たれているようですねぇ……。

まー確かに…これ連載始めたら、ジャンプ誌面では読むかもしれないけど、コミックス出てもスグ買おうとはしない…かも?
まあ、どこかの話のどこかの一コマ、又はセリフ一つで途端にお気に入りになってしまう事もあるかもしれませんが……。(※前例が2作品ほどあります(笑))

なんて事を言いつつも、個人的には読み切りとして読む分にはまあ、良いのではないかなぁ…という感想なんですよ。
「何も考えずに表面的な所しか見てないからだ」と言われてしまえば、間違いなくその通りなんですが。(笑)

それにしても皆さんの記事やコメントからは、古味先生への大きな期待が、読んでいて伝わってくるようです!
……って、ここまで書いてふと思ったのですが、「古味先生どうしたの!?」というより、担当編集者さんがもしかしてこういう作風のモノしかネーム通して(OK出して)くれなくなってしまったりしていたりなんかしたりして……
古味先生も生活していく為に、苦渋の選択をせざるを得ない状況だったりして……?
まあ、連載二作目以降が数回ダメでも、その内またドカン!とやってくれるかもしれません。長い目で温かく応援していきたいなぁ…なんて。

何はともあれ、委員長の登場一コマ目、ちょっとドキッとしちゃったりなんかしちゃったりした自分がいました!(笑)

Re: No Subject

さてさて、皆様コメントありがとうございます。

mickさんはお久しぶりですね。
皆さん似たような感想をお持ちになったようで、やっぱりそうですよねえ。

どうしても「そういう目」で見てしまうところがあるだろうとは自分でも思いつつ、しかしなるべく中立な視点で見てみようと思ってもこの内容では高評価は出来ない。
そんな印象ですよね。

古味先生の作品を決して批判ありきで見ているつもりはなく、それでもこうした感想になってしまうのはきっと、読者として求めていることがはっきりしているからでしょう。

ある作家さんを気に入った理由、ある作家さんの強みである部分、そういったところを古味先生には強烈に認識している。
だから、それとはズレる作品が出てきた時には「いやちょっと待て」となってしまう…

本作を描いてきたのが他の作家さんだったら、俺は感想なんか書かなかったでしょう。単独記事にして、こっちだけ先に更新なんてありえなかったでしょう。
古味先生の作品だったからそれをやったのだというのは間違いないことです。


ニセコイについては、ひとまず過去のこととして脇に置いておいて、デビュー作からダブルアーツまでの間に見せてくれた古味先生本来の魅力と強みを持った作品を待っております。
担当編集さんがそこをわかっていないのだとしたら、アホかとしか言いようがないですが…

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