社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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鬼滅の刃が神回だった2017年週刊少年ジャンプ19号感想その1

2017年週刊少年ジャンプ19号感想その1

鬼滅の刃の感想だけで今週はもう充分かもしれない…


アンケ順
鬼滅の刃
僕たちは勉強ができない
ブラッククローバー




鬼滅の刃

今週はもうこれ神回と言っても過言ではないだろ

読みながら普通に泣いてたぞ…
家族の幻を振り切って走り出す炭治郎の背中が辛すぎる…

禰豆子ちゃんの血が燃えたおかげで、夢の中でも隊服と日輪刀を取り戻した炭治郎
すっかり現状を把握した彼が「今なすべきこと」として鬼を探しに飛び出したのは当然の流れでした

それは兄妹たちのいる賑やかな光景よりも、現実を直視した瞬間だったと言えます


しかし、家を飛び出したところで山菜採りに行ってたという禰豆子ちゃんと鉢合わせてまた気持ちがぐらつく

まやかしの禰豆子ちゃんをここで持ってくるとは予想していませんでしたよ

だってねえ、炭治郎にとって何が刺さるって、この禰豆子ちゃんは普通に喋ってることなんですよね

口に竹筒をくわえている禰豆子ちゃんは、鬼となって以来一言も発していません
仕草や行動によって感情を表すことはあっても、その言葉を聞くことはあの時以来一度もなかったことなのです

その声を、今何年ぶりかに聞いた
懐かしい声を、唐突に聞いてしまった

太陽が照りつける日中に外を歩き回って、自分を見つければ声をかけてくれる

今の炭治郎が最も強く思う「禰豆子ちゃんを元に戻す」という願い
それが叶ったまやかしが目の前に現れたわけです

殺されてしまった家族の姿が現れたことももちろん衝撃であり、嬉しくもあったでしょう
しかし、禰豆子ちゃんの声と姿は、現実を思い出した後だからこそ余計に刺さる

そこに母まで現れて、自分を心配する言葉をかけてくれる
これで炭治郎がぐらつかないはずはないんですよ

吾峠先生の上手いのは、ここで炭治郎を最も強く引き止めるのが禰豆子ちゃんと母であることをわかってることなんですよね


現実で一緒に行動している禰豆子ちゃんは、鬼から元の可愛らしい女の子に戻った姿が炭治郎を引き止める
鬼となった今と違う綺麗な瞳が、澄んだ声が、美しい口元が、自分を呼ぶ言葉が

現実を思い出した今だからこそ、懐かしい姿の禰豆子ちゃんを全身で抱きしめたくなる

そして母という存在は、たくさんの兄妹がいる中で一番上の兄として、長男として、
いつでも自分を律して奮い立たせてきた炭治郎にとって最も弱さを見せられる人です

最も甘えられる人なのです

もちろん母だって、炭治郎を頼りにしていることでしょう
育ち盛りの子どもたちが何人もいる大家族ですから、自分が稼いで世話するだけで上手くやっていけるなんて到底思っていないでしょう

しかしだからこそ、炭治郎のこともたくさん慈しんでいたはずです
長男だからと、一番上のお兄ちゃんだからと、いつも頑張りすぎようとする炭治郎をいつも心配していたはずです

だから、弟たちが寝静まった夜には少しくらい甘やかしたりすることもあったでしょう
弟たちの前では強いお兄ちゃんでいなければならなかった炭治郎が、弱さを見せても許してくれる
それが母という人だったはずです

きっと、その次に弱さを見せられるのは禰豆子ちゃんだったでしょうね
一番上の妹として、彼女もまた一番年下の六太の世話係や山菜採りに勤しんでくれていました
頑張りすぎる兄を支えるために、禰豆子ちゃんもまた頑張ろうとしていたことでしょう

だとすれば、最も願う禰豆子ちゃんの姿がそこにあって、最も自分を受け止めてくれる母が目の前にいて、
家族を求めていた炭治郎が揺れないはずはありませんでした
このままここにいたいと、望まないはずはありませんでした

母が現れた時から降り始めた雪は、葛藤する炭治郎の胸中とリンクしています

積もる雪はここを離れがたいと思う自分の弱さ

もしあの日自分が家に帰っていたら
もしあの時自分が炭を売りに行かなければ

この2年あまりの間に幾度となく繰り返したであろう虚しい問い
その答えの1つが今目の前にある

それでも、現実を受け止めて走り出そうとする炭治郎の強さと言ったら


「でももう俺は失った!!」
「戻ることはできない!!」


この言葉の力強さと言ったらどうですか

自分に言い聞かせるように、このまやかしの中に残りたいと思う弱さを捻じ伏せるような断言は
炭治郎が本当に強い男であることを示しているでしょう


だから、六太の叫びがさらに何倍にもなって突き刺さるんです


兄妹の中で一番下だった六太
彼の前でこそ、炭治郎は強く頼れる兄貴でいなければならなかったでしょう

ならばなおさらここに留まるわけにはいかない
ここに残ることは弱さであり、脆さである
ここを走り去って現実に戻り現実を受け入れることこそ強さである

あるいはその叫びはまるで、家族を置いて何の苦しみもなく生き残ってしまった自分を咎める言葉にも聞こえたでしょう

「戻ることはできない!!」とぐらつく気持ちを振り切った時にはなかった涙が、六太の叫びを聞いた瞬間にあふれているのはそのためとも考えられます


この数ページの切なさと辛さと言ったら…
最近の作品の中でも稀に見るレベルの高さですよ

見せられる夢が理想的な悪夢であったことで、じゃあ炭治郎はその呪縛からどうやって逃れるのか、
曲がりなりにも再会してしまった家族の元をどのようにして離れるのか、というのを展開の肝として思っていたわけですが…

ここまで辛く、切なく、力強く描いてくれるとは想像以上でした

吾峠先生すげえ


そして炭治郎の無意識領域が澄みきった青空の美しさを持っていたことが、こんなウェットな展開の余韻としてちょうどいいんですよ

そりゃああんな強い決断と覚悟のできる男なら、これくらい美しい心象風景を持っててもおかしくないよねって感じで
その心の美しさと広さと暖かさ、そしてそれらが紡ぎ出すだろう心地よさに、侵入者と同様読者も圧倒されてしまうのです

それがあの切なさの余韻としてちょうどいいんだこれが

もしそこまで計算してたとしたら吾峠先生天才ですわ…



そんでさらにメリハリきかせてるのが、この直後がギャグになってることですよ

善逸と伊之助の無意識領域が完全にギャグシーンになっています

「我が強い奴」は無意識領域に人がいる場合があるとか
人がっていうか本人がってことなんだと思いますけども

伊之助はヨダレ垂らしながら女性襲ってる画が完全にヤバい奴ですし
善逸はハサミ持って追いかける様子が完全にシザーマン

でも自分の無意識に入っていいのは「女の子だけ」じゃなくて「禰豆子ちゃんだけ」ってのが善逸の本気を感じさせてくれますね


で、そんなギャグを挟んで再び炭治郎

本能の警告と忠告をもとにしてたどり着いた答えは、夢の中で死ぬことでした

これはまた衝撃的な…って思った人はどれくらいいるんですかね
少なくとも俺はすごい腑に落ちたんですけど

だって俺も似た経験あるからですね

夢の中でこれは夢だって気づく夢を明晰夢とかいうらしいですが、明晰夢の中で現実に目覚めようとする時、
俺の場合は夢の中で寝るんですよ

夢の中で目を閉じて、じーっとしてると目が覚めます
そんで、夢の中で夢から覚めようと思って寝たから今実際に目覚めたってことまで認識できてます

そういうのを昔から何回も体験したことがあるので、悪夢から目覚めるための方法は夢の中で死ぬことだという答えは非常にしっくり来ました

つっても油断すれば現実と信じ込んで過ごし続けてしまいそうな程の夢の中で、自ら頸を斬るという行為は凄まじい勇気のいることだと思いますが…

打ち直してもらった刀で最初に斬るのが鬼ではなく自分の頸だったというのがまた皮肉なことですが、これが逆転の一手となるのでしょうか


僕たちは勉強ができない

初めてアンケ入れてしまった…

なぜってそりゃあラブコメが面白でヒロインがテラカワだったからですよ


ヤマカムさんも前から言ってましたが、3人目のこの娘ラブコメに向きすぎてないか?ん?
でもメタ的にはルート閉じてるんだぜ
どうしてくれるんですか筒井先生

褐色で料理上手くてその上恋する乙女とかどんだけ可愛いんですか
しかも筒井先生、褐色ヒロインの魅力ブーストに「日焼けあと」を使ってきてますからね

先週のエプロン姿から覗く日焼けあととか、今週のカラー扉でも胸元の日焼けあとを見せてますし
何というあざとさでしょうかいいぞもっとやれ

明確に主人公に恋をしてるヒロインがこんなにも強いとは…
改めて恋するヒロインの破壊力を思い知りました

どうすんですか
文系っ娘も理系っ娘も出てないのにこんな読みやすくて面白かったんなら、むしろこの2人要らないじゃんってことになるんですけど

きっと作者としては中休み的な回として描いたんだと思いますが、それが一番読めたってどういうことでしょう(;^ω^)


ブラッククローバー

表紙&巻頭カラーにふさわしく盛り上げてくれる内容でしたね
最後にアスタが壇上に登場したところで、不覚にもテンション上がってしまいました
なので3位です

いや、よく考えると非常に予定調和的な展開だったはずなんですけどもね

年間の功績発表で2位に暴牛が来てたのが意外すぎて、その後の展開を追いかける思考力が低下してました
そこに、「暴牛の関係者誰かー」って呼ばれたらみんながみんなアスタに行かせようとして、団長自らぶん投げるっていう

投げられたことには叫び声を上げながらもしっかりカッコよく着地してみせたアスタの頼もしさと、
驚くことなくナチュラルな態度でアスタを迎えたユノの余裕

もちろんその余裕はアスタを見下したものではなく、認めているからこそ「当然来るよな」って態度ですね

巻頭カラー回に合わせた内容なんでしょうけども、主役2人が祭りの舞台で揃い踏みとなった展開に、作者の予想通りちょっと興奮してしまいました

魔法帝と各団長たちに加えて国民たちまで注目している壇上で、2人は何を語るのか
期待の新人2人に対して魔法帝はどんな言葉をかけてくれるのか

魔法帝という座につくためには兎にも角にも「実績」だと断言していたユリウス
確実に積み上げられつつある彼らの実績を前に、どんなことを言ってくれるんでしょうかね


 




COMMENT▼

No Subject

>鬼滅
煉獄さんは無意識には居ないんすね(^^;
しかし炭治郎・・・お前どんだけ強いんだorz

>僕勉
うるかちゃん似合うぉ(U^ω^)
しかし破壊力パネェなw

>クローバー
さて、何を語り合うか。
それとも、魔法帝の訓示が先か?

鬼滅の刃
炭治郎の夢への決別は本当に辛いです
でもこれを出来るのが主人公であり長男である、炭治郎の心の強さなんだろうなと思いました

ぼくべん
いや~半端ないすなうるかちゃん
にしても表紙にしか出ないメインヒロイン二人とは……来週も何か新しい女の子出そうなので地味に注目してます

ブラッククローバー
こういう主人公とライバルが正当に評価される展開良いですねえ
漫画によってはとにかくキャラクターを下げに下げネチネチやる作品とかもある分、こういうところはスッキリしてて好きです

No Subject

お久しぶりです。以前はありがとうございました。

鬼滅の刃
この作者、どんどん凄まじい進化をしていますね…wこうした後からの急激な進化、以前の芦原先生も思い出します。
先週から合わせてシリアス→和みシーン→シリアス→感動シーン→ギャグ+ホラー→シリアスと…
普通これだけのことをこの短期間にやったら雰囲気がぶっ壊れて総崩れになってもおかしくないものを各々の切れ味を殺さずにまとめ上げる…なんなんだこのセンスは…w

僕勉
うるか登場辺りから本格的に目をつけていましたが、まさかここまで面白くなるとは…!
6連弾が出そろったあたりから後半3つ>前半3つとか言い出す連中に内心(僕勉 +後半3つ>あと2つだろう)と文句は言っていたものですが、これは予想以上です。
ヤマカムさんがおっしゃっていた「今度こそ共存共栄を!」(どうやら過去に例はあるようですね)というのも最初は何とも思っていませんでしたが、これは私も共存共栄するところは俄然見てみたくなりました。Toloveるの後継とニセコイの遺伝子…実に面白く、興味深いです…!

ブラクロ
予定調和…まあ、テンプレだ何だとは言われてますが、ネチネチとした嫌味にならないようにしたり、説得力を持たせる登場人物の描写、見せるところを徹底して見せる、勢いをダレさせないペース配分など、作者の創意工夫を感じられる作品だと思います。
この授与式の展開、予定調和だろうと何だろうと盛り上がるのは、まさにこれまでの積み重ねの賜物ですね。

長文失礼しました。
それでは。

No Subject

・鬼滅
ああもう神回だわこの回は。どこまで化けるんだ吾峠先生、もう異才ではなく天才だろこのヒト。
取り敢えず炭治郎の無意識に入ったアイツは毒気を向かれると思います。

・僕勉
プリティ・ウルカムも覚えてしまいそうだぜ…
先週までで理珠と文乃が水着跡株上がったなと思ったら何の苦も無く置き去りにしたぞ?
これはこれはもうやられたとしか言えない水着跡可愛さ。果たしてあの二人は水着跡追い付けるのだろうか…

今度はラグエルさんの水着跡のリビドーが……

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

>鬼滅
炭治郎のカッコよさが光りまくっていた回でしたね。何というか、もう自分が書いた感想読んでるだけで泣けてくるレベルです。
投稿作では異質な才能をギラつかせていた吾峠先生が、こんなにも王道で真っ直ぐな主人公を描いてくれるとは…
もうほんとこのマンガ大好きですわ。

>僕勉
センターカラー回で主役になるのがメイン2人じゃなかったというのも、よく考えたら結構アレなことだったりするんでしょうかね。
しかしそんな疑問をどうでもよくしてしまうくらいにはラブコメの破壊力が大きなことになっていた内容でした。

最初は3人目出すの早すぎないかと思ったものでしたが、今となってはこの娘がいないと話が回らないくらいになっていますね。
それはそれでどうなんだというのも当然浮かんでは来るところですが、まあ褐色ヒロインが可愛いので良しとしましょう。

可愛いヒロインとはそれだけで正義です。

ラグエルさんが次々と能力を覚醒させていることについては…
そういう設定の人であると認識しておきますね(;^ω^)


>ブラクロ
実にわかりやすいというか、読んでてストレスがないマンガですよね。
主人公というのはだいたいどの作品でも頑張ってるものですけども、その頑張りをこうした形で認めて評価してくれる作品はその中にどれだけあるでしょうか。
頑張ってる主人公がちゃんと認められる、凄い主人公がちゃんと凄いやつとして評価される、それだけで読み心地がこうも違うのだなと実感させられます。

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