社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ニセコイ第225話感想 小野寺さんの告白が意味するもの

2016年週刊少年ジャンプ32号感想その1

単独感想スパイラルからなかなか抜けられない…


ニセコイ

こうきたか…

1ページ目にサブタイが見当たらないので「おや…?」と思いつつ読んでいったんですけども
こうきますか

ふーむ


結論から言うと、すごく残念です

なぜって、こんな形で描かれるものとは思ってなかったからですね

小野寺さんからの告白なんて、それはそれは作中でも最大級のイベントなわけですよ
小野寺派としては待ち望んでいたわけですよ

しかし、それが描かれるのはもう少し後だと思っておりました

千棘との再会の後、どうにか話がまとまって
いよいよ楽が「決まった」相手へ告白しようかという雰囲気になった時
その辺りで、千棘の告白だったり小野寺さんの告白だったりも入ってくるんじゃないかと思っていたんですね

それがまさかのここでした

何が残念って、読んでる側としては全然それを思ってなくて、全く構えてなかったことなんですよ

小野寺さんからの告白なんてこんな最重要イベント、期待感を持って待ちたかったのです

流れが何か誰から誰に告白しそうな感じになってきて、何か小野寺さんがもじもじし始めた…みたいな
そこで次回に引いてもらったりして、これは来週小野寺さん告るのか!?って
ワクテカとドキムネとともに待ちたかったんですよ

それがまさかの全然構えてないところにいきなりだったのがちょっと残念だなあと

しかも小野寺さん的には別れとけじめの告白だと言う



これね
楽の「決まった」相手が結局どっちかっていうのは最後まで引っ張るんでしょうから
小野寺さんの告白を聞いた楽の反応がどんななのかってのは、当然のようにどちらともつかないように描かれています

細かく見れば類推は可能なのかもしれませんが、何かその辺の深読みが一周回って「もうそんなのわかんなくね?」って
気分にもなってきたりしたのでやめときますけども

ただ、それぞれの心情を読み解いていくとすれば

突然の告白を決行した小野寺さんの心情は、けじめのつもりだったんでしょうね

楽と話していた感じから、どうやら楽は千棘を大切に思っているらしいことに気づいた
それを恋愛的なものと解釈し、自分が約束の女の子だったというのを明かしたりすることもなく
千棘との仲を祝いたい気持ちとともに、しかしけじめとして自分の気持ちも伝えた

この自分の気持ちも伝えるという部分ですね
先週千棘にマリーが叫んだ「本当に好きならその気持ちをなかったことにするんじゃなか 」を実践したものですね

気持ちが通じあっていると思った千棘と楽を祝うために自分が身を引くのは簡単ですが
それは今まで大切にしてきた恋心をすべて無にしてしまうことを意味する

初恋と、友達と、再会と、親友と
いろんな出会いに繋がったこの恋をなかったことにしてしまうことはとてもできない

だから、小野寺さんは伝えることにしたんですね

この後千棘と会うのなら、2人きりでいられるのは今この瞬間が「最後」だから
告白するなら今がもう最後のチャンスだと思ったから

「好きでした」と過去形にも取れるような言い回しまで使って、急に伝えたのです


突然だったとはいえ、それを聞いて楽が嬉しくないはずはありませんでした

連載開始以来の悲願だった小野寺さんの気持ち
それが自分に向いていることがわかったわけですから、嬉しくないわけがない

小野寺さんの「好きでした」によって想起されてくるのは再会の瞬間から始まったフラグの数々

どう見ても好きやん?というのがありありなフラグばかりですけども

何か答えようにも涙があふれて言葉が出ない楽
「決まった」相手が小野寺さんであるならば、この状況は願ってもないことだったでしょう
あるいは千棘であるならば、今まで好きだ好きだと認識していた相手が同じように自分のことを好きだったのだと
わかったわけですから、嬉しくもあるでしょう

同時に、後ろめたくもあるでしょう

楽が泣いているのはどちらの理由かというのは、ここではどっちとも取れるので推測のしようがないですね
次回の反応次第でわかってくる部分もあるかもしれませんが、まあおそらくそれもはっきりとは描かれないでしょう



ただし


小野寺さんは1個だけ間違ってますね


この短い会話の中で、楽→千棘っていう気持ちに気がついて、小野寺さんは根拠はないけど直感的にそれを確信しました
「ずっと見てきたからわかる」と


…いや、わかってないですよ小野寺さん?


楽から千棘への気持ちについてこんな短い時間で察することができるのなら、
楽から自分への気持ちにはどうしてそんなに鈍感なんですか?


小野寺さんが楽を「ずっと見てきた」のは、千棘と再会する遥か前からであり
千棘への気持ちを楽が自覚する遥か前からであるはずです

その間今まで描かれてきたようないろんなことがあって、それこそ楽が想起したようなフラグの数々があったのに
どうしてそこには気づかないんですか?

だから今回の小野寺さんの気付きとそれに伴う決意は若干の違和感を含むんですよね

短い会話だけで楽から千棘への気持ちを察することができるくらいの洞察ができるのに
楽から自分に対する気持ちには全く気づかない


ただしこれは小野寺さんに限ったことではありません
楽だって、いくつものフラグを小野寺さんと重ねておきながら、本人から言われる瞬間まで
その気持ちには気づいていなかったわけですから



きっとこれは、『ニセコイ』における不文律だったりするんですかね

大好きなお姉ちゃんのために初めての恋を封印した春ちゃんが言っていましたね
「きちんと言葉にしないと伝わりませんからね」と

他者から他者へ向けられる気持ちに気づくことはできても、他者から自分へ向けられる気持ちについては
その本人から言われない限り気づけない

それはひょっとしたら、ラブコメとしてのこの作品に通底する基本原則なのかもしれません


そんな原則があるとして、一度それが崩れかけたことがありましたね
千棘への気持ちを自覚した楽が、デートの帰り道で「ひょっとしてコイツの好きな人って」と
気づきかけたことがありました

あの場面が、楽が最も洞察力があった瞬間といえるのでしょう


…あ、でもキョーコ先生は集の気持ちに気づいてたかな?
ひょっとして再登場はそういう文脈だったりすることもありえるのか?


まあ、とはいえ、「言われないかぎり気づけない」=「告白という行動の重要性」を重んじることは
この作品において間違いのないことだと言えるでしょう


集でさえも、るりちゃんの気持ちは全く予想外だったみたいですし

千棘の失踪に始まる今の三角形のこじれも、言い換えると他者から他者への気持ちに気づいたからでした

千棘は楽から小野寺さんへの気持ちを知って逃げ出した
小野寺さんは楽から千棘への気持ちに気づいて告白した

これを修正するには、全ての渦中となっている楽がその気持ちをはっきり言葉にすることが必要なのでしょう


楽の告白に向けたお膳立てが着々と整っているようです

小野寺さんの告白さえもそのお膳立ての1つというのは何か気に食わないところもありますけども、
まあともかく見守りましょう


[タグ] ニセコイ




COMMENT▼

初めてコメントします。

以前から鋭い考察を読ませていただいておりました。

自分は全く構えていなかったことがプラスに働きましたね。
驚きによる楽しさがありました。

あと、自分も『ニセコイ』における不文律を同じように感じてたので、考えが一致して少し嬉しいです。
楽が千棘の好意に気付いたのは、千棘が「大好き」と気持ちを言葉に表していたからだと思うので、原則は崩れていないと自分は考えてます。

No Subject

良かったrexelさん心配してたより気落ちしていないようで。
この展開は私でさえ衝撃が大きかったのでそれはもう…と思っていましたので…

それにしてもこの流れは残念ですね。小咲なら「それでも私は一条君が好きだから」となる方が自然。
告白はしたけれど、気持ちが後ろ向きなので結果的に千棘同様に「逃げて」しまっている。
叶えるための告白ではなく諦めるための告白とか小咲らしくない。

とにかく

見守るしかありませんね…。
このまま自己完結だけで決着ってのは有り得ないと思いますし…

もしも

このまま引いたとしたら春は生涯、楽憎んだとしても仕方ないような。
幼い頃からの恋心を踏みにじられた挙げ句全てを失って…と。
結局、親の事情がなければ千棘は好きになってたのか?ですし

例えばこの回想の後に千棘ENDになったとしたら
随分後味の悪い結果ですね

散々邪魔されたあげく、問題から逃げなかった娘が悲しんで
何事からも逃げた娘が報われる、なんて

No Subject

僕はただひたすら小野寺さんを愛でます。

そしてベストショットは小野寺さんでフィーバー状態(hshs

No Subject

初めまして
自分も今回の展開は大変残念でした。
今までずっと両片思いだったのに、こんなに悲壮感をただよう描写で、読んでてドキドキ、ワクワクしない告白も珍しいです。
小野寺さんも、今まで楽からの気持ちを察することが出来ないくらいとんでもなく鈍いのに、なぜ千棘への気持ちは「今まで見てきたから分かる」という言葉で片付けるほど、瞬時に察することが出来るんでしょう。あまりに都合が良すぎる展開だと思いました。
「いつか伝えるから、頑張るから」と小野寺さんが言った時、決着はどうであれ、輝くような表情の小野寺さん的最高の告白描写を描いてくれると信じていました。これまでもかませのような展開で、報われない展開が多かった小野寺さんですが、長年見守って来たファンの為に、それくらいは最後に描いてくれるだろうと勝手に思ってました。しかしあんな悲壮感を出した、結果が分かる前から振られることを想定した、希望を殆ど持たせないような描き方をされるとは。
まだ楽の気持ちは不明ですが、このあと千棘からの告白はどう書くんでしょうね。
小野寺さんと対照的に希望に満ち溢れたキラキラ感で告白させたりするのかな。

ただ、小野寺さんは自分に楽からの気持ちはないと悟っても、千棘とは対照的に楽の前から逃げて困らせることは決してしなかったし、楽の気持ちに気づいて必ず振られるだろうと確信しながら、それでも告白する勇気は讃えたいです。やっぱりこの点から見ても、小野寺さんが報われてほしいと思います。小野寺さんのこれまでの性格から考えたらすごいと思うし、成長は感じました。

Re: 初めてコメントします。

皆様コメントありがとうございます。
mさん、nanashiさんは初めましてですね。

「不文律」については何となく思ったことだったんですけども、同じことを感じていた方がいらっしゃったんですね。楽が千棘の気持ちに気づきかけたところは、まあ本当に気づいたわけでもないのでしょうし、ギリギリセーフというところでしょうか。


で、今回の展開が残念だったというのは、ひとえに小野寺さんの告白があまりにも切なさ満載になってしまったというところに尽きますよね。

ラグエルさんにはだいぶご心配いただいたみたいですが、俺は基本的には小野寺さんエンドを疑っておりませんので、それに至るまでの作劇に対して、短期的な目と長期的な視点の両方を含めて色々言っております。

今回の展開については、短期的な目での感想を書いたものでした。長期的なところで見ようとすれば、たぶん某現実から逃避しているサイトでの見解の通りなのだろうと思いますが、「小野寺さんの告白」というひとつの重大イベントのみを捉えた時には、こんな風にはしてほしくなかったなというのが正直なところなのです。

とはいえ、先述の通り千棘エンドになるとは今でも思っておりませんので、この小野寺さんの悲しい告白を持って「楽の選んだ相手は千棘だ」とは考えてないのです。

それと、小野寺さんの告白は決して諦めるためのものではなかっただろうと思います。俺が感想の中で「けじめ」なんていい方をしてしまったのが悪かったかなと思いますが、あの告白は千棘にマリーが言った「なかったことにするんじゃなか」を実践したものですよね。

ayumieさんのところでもっとわかりやすい表現がされていましたけれど、全てを思い出した小野寺さんがその直後走りだす時に思っていた「また譲ってもらうつもりなの?」という自分への叱咤も関係しています。

ここで言う「譲ってもらう」のは、決して楽のことではなく、「自分の気持ちを伝える機会」のことだと。なかったことにしないために、自分の気持ちをしっかり伝えた上で、楽の決断と選択を受け入れて、喜び、祝うのだと。そのためには今が「最後の」チャンスだったということだろうと思っております。

だから決して小野寺さん自身が恋を諦めるための告白ではない。楽と千棘も含めた3人で、今後も付き合っていくための必要なステップなのだと考えております。

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中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



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