社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ニセコイ第221話感想 2016年週刊少年ジャンプ28号

2016年週刊少年ジャンプ28号感想その1

単独感想パターンが定着してきた…


今週のアンケ順
ニセコイ
鬼滅の刃
ゆらぎ荘の幽奈さん


でも感想はニセコイのみです


ニセコイ

約束にまつわる真実がとうとう明かされた記念で1位です
サブタイがどっちかというと読者向けみたいな感じで何となく感慨深いのである


前回の引きからそのまま回想が続くこととなった今回
どちらが思い出した内容なのかをはっきりさせない形なので、単純に2人ともが思い出した内容ということでいいのでしょう

今回描かれた中には片方が知らない部分もありましたが、そこはまあアレですね


今まで色々と考察してきた内容の答え合わせのような内容でもあった今回
読み終えて思ったのは、これまでの話は絵本をなぞるというより、この10年前の出来事をなぞっていたのだなということです

千棘とマリーがライバル状態だったこと
千棘とマリーに迫られて千棘を選んだ楽の答えはニセコイの原型だったこと
10年前でも楽と目が合っていたのは小野寺さんだったこと
そして、楽の真意を知った千棘が小野寺さんに本物の鍵を譲ったこと

今までの特徴的な部分が見事にこの回想には存在しています

それはまるで、記憶がなくなっていたとしても結局彼らの関係性が変わることはないのだという暗示のよう
しかし思い出してしまった以上、小野寺さんも千棘も今まで以上にお互いへ合わせる顔が難しくなったと言えるでしょう


総論的にはそれくらいとして、この回想によって回収された伏線を見ていきましょうか

鍵と錠
絵本に付属していたものでないなら、自分たちで用意したものとなるこのアイテム
子どもたちが自作することが不可能とすれば誰が手配したのかと思ったら、羽でした
正確には羽の父親の知り合い

知り合いって言うからには今でも普通に存命っぽいですけど、別にこれから登場してくることはないのかな
ただ重要アイテムを用意するための人ですかね


マリーの「髪の長い人が嫌い」発言
自分か千棘かと迫って、髪の長さを理由に千棘が選ばれてしまったから、ということですかね
マリー登場初期時点の構想では千棘が「そう」であったということかもしれませんが、結果としてこうした形になってしまったからには
自身も髪を伸ばしつつ、しかし「髪の長い女性が嫌い」とマリーが断言したのはこの時の楽の選択が原因だと考えるのが自然な気がします

具体的に千棘を指すのかどうかというのは、九州編まで終わった今となっては意味を持たないところでしょう


千棘の日記
「ふたりできめたやくそく」とはこういう形式だったわけですね
そこにはもちろん「けっこん」の意味も含まれていて

しかし、楽が千棘を選んだのはあくまで当時のマリーと比べてというものであり
本当に好きな人は別にいた

つまりは、ここで千棘を選んだことはニセコイだったということができるのでしょう

幼さゆえの迫られた選択肢によって、とりあえず答えた返事
楽にとっては真意は別にありながら、千棘にとっては本気の答えだった

だからこそ、あれだけ嬉しそうに日記を書いていたわけですね


絵本のラストページが千切れていた理由
これは単に劣化か何かでたまたま千切れてしまったということのようですね
「約束」をめぐって諍いとかがあったというわけではなかったと

偶然千切れて堕ちてしまったラストページに、どうやら小野寺さんは気づかなったようです
千棘がそれを見つけて届けに行こうとしていましたが…

コマの端に僅かに見えていますけど、これはすでに楽によって結末が書き換えられた後のものなんですよね
まあ、みんなとお別れとか言ってる時期なんですから当たり前っちゃ当たり前ですけど

ただそうすると浮かんでくるのが、「月明かりの下で出会った女の子」は千棘だったのかどうか、ということです

今回の回想によって「結婚の約束をした」のは小野寺さんであることが判明しました
では、月明かりの下で出会って、絵本の結末に泣いていた女の子も果たして小野寺さんであるのかどうか

この辺がまだ曖昧なんですよね

もちろん、当初はこの2つのエピソードは同じ女の子とのものであると認識していたわけですが、
『現実逃避』さんのところでの考察によれば、おそらくそれが分けられていると考えられていました

つまりそれぞれ別の人物とのエピソードであり、それが楽の記憶の中でごっちゃになったのではないかと

第1話のシルエットではロングヘアで描かれていた「結婚の約束をした女の子」が、実はショートカットのロリ寺さんだったというのが
その傍証となっています

それでは髪の長い女の子だったというイメージはどこから来たのか、という

連載当初は、あるいは千棘が「そう」だったという構想で、ニセコイからマジコイへという流れを描くこともありえたのかもしれませんが
実際には「ザクシャインラブ」とのキーワードのもと、気持ちに永続性を持っていたのが小野寺さんだったことで
小野寺さんエンド以外の結末がありえないことになってしまいました

ならば、髪の長い女の子のイメージとなったのは「月明かりの下で出会った女の子」であり、それが千棘だったと解釈すれば
イメージの問題はそれで解決できそうな気がしてきます

ただそうすると次に出てくる問題が、ならば千棘は、楽が書き換えてくれた大事な絵本をどうして小野寺さんに譲る気になったのかということですね

小野寺さんに絵本を譲ったのが楽と出会う前、あるいは楽を好きになる前だったとしても
千切れたラストページを拾ったこの時、楽が書き換えてくれた思い出の品であるそれを見て、
特段の感慨を見せていなかったんですよね

明日結婚の約束をしようと思っている相手との出会いになったきっかけのページですから
あげちゃったこと自体はもうどうしようもないとしても、このページ自体に対しては何らかの感情を見せてもいいんじゃないかと

千棘が「月明かりの下で出会った女の子」であるならばそんな風にも思うんですね


ただし一方で、やっぱり小野寺さんが「月明かりの下で出会った女の子」である可能性も普通に残っています

千棘を選んだ楽に、幼い小野寺さんが勇気を出した場面
楽もまたそれに応えて、実は本当に好きなのは、と告白しました
思いがけない返事に、小野寺さんも本心を告げて、両思いであることを共有した2人

だけど、あんなに喜んでいた千棘に今さら本当のことを言いづらいという幼いなりの気遣いによって
その事実は隠されることになりました

せめてもの証として、あの岩の隅っこに相合い傘を書き込んでおくというささやかな秘密でもって
2人はとりあえず納得したわけですね

ここで、相合傘を書き込む先としてあの岩を選んだのがひっかかるんですね
2人が出会った場所である以外に理由がないんじゃないかと

話をしていたすぐその辺にあった岩、という可能性もありますけど、それはそれで何だかなーという感じが

とするとやっぱり、ということが浮かんでくるんですね


そしてその岩の書き込みを見た千棘は千切れたラストページも渡すことができずに、
持って帰って、ショックを受けたままクローゼットの中にしまいこんで、そのままになっていた、と

でも悩んだ末に、千棘は幼いなりに1つの決心を固める
日記に続きがなかったのはこのためだったんですね

想像していた約束とは全く違う形になってしまった
楽が好きな相手が自分と別にいるのならと、その相手に本物の鍵を渡して、
ついでにみんなの前で楽の気持ちをバラすことまでやってのけました

ここで楽の本音を知ったから、マリーと羽は小野寺さんに対してなるべく近づこうとしなかったんですね
寝た子を起こさないようにするためか、あるいは楽の意中の相手として劣等感でも抱いていたからか

千棘から小野寺さんに、今小野寺さんが持っている「本物の鍵」が渡される
11巻で、記憶喪失になった楽が元に戻ろうとする直前に1コマだけ描かれていたシーンがこれですね

「あなたはあの時の」と言いかけていた綺麗な楽
千棘に対して浮かんできたはずのシーンでありながら、描かれている鍵は今小野寺さんが持っている鍵ということで
楽が小野寺さんに鍵を渡しているところに千棘もいたのだと解釈していましたが、実は渡していたのは千棘の方だったんですね

ただそうすると若干変に思えてくるのが、「あの時の」というのは果たしてこの場面のことを指すのかどうかです
あの時小野寺さんに鍵を譲ってくれたのが君だったのか、みたいなことを言おうとしてるのは何か変なような

1コマだけ描かれていたのがその場面だったことで、「あなたはあの時の」も当然そこに関わるセリフと思われるわけですけど
何か変な気がするのは俺だけでしょうか


そして「約束」の中身
結婚の約束は確かになされつつ、それぞれと異なる約束をしていたのだろうとは『現実逃避』さんの考察でしたが、そのとおりでした

小野寺さんとはもちろん結婚の約束を
千棘とは、小野寺さんを幸せにする約束を

マリーとは、再会した時まだ小野寺さんと結婚してなかったら自分と、という約束
これがマリーの言う「自分とも結婚の約束をした」という意味だったんですね

羽は、恋愛色を一切出さない「みんなきっと再会してまた仲良くなろう」という全員との約束
この約束のみが、現時点で果たされている約束だったりしますね


そして第1話最初のシーンのリフレイン
ザクシャインラブの言葉から始まる絵本になぞらえた2人の儀式

構図もコマ割りも同じように描きつつ、違っているのは顔がぼかされていた髪の長い女の子が
ショートカットの小野寺さんであることのみ

それと、遠くから千棘がそれを見つめていたことでしょうか


こうして彼らは一夏の思い出から離れることになったのだと

残る謎は、どうして彼らは揃いもそろってこの頃のことをすっかり忘れていたのか
「月明かりの下で出会った女の子」は誰だったのか
そして、今回楽が心に決めたのは誰なのか

この辺でしょうか

特に楽の胸中については難しいところですねえ
回想として当時の真実がここまで描かれておきながら、実は記憶を取り戻したのはヒロイン2人だけなんですよね

千棘と話をしなきゃいけないと言って走ってる楽は、まだ当時を思い出してはいないのです
だからこそ、そこで誰を選んでいるのかというところに重大な意味が出てくるのでしょう

で、もちろんそれは小野寺さんであるのだと
そうでなければ、ザクシャインラブが成立しないからですね

なのでそれよりも気になるのは、共に記憶を取り戻した2人のヒロインの仲ですよ

まさに今失踪した千棘を追いかけてきていた理由が、実は10年前にも起こっていたことがわかったわけですから
その動揺はかなりのものになるはずです

千棘にとっては、当時から楽は小野寺さんを好きで、小野寺さんもまた楽を好きで
自分はその気持ちを知って、身を引いたのだと

まさしくそれは、今の千棘が置かれている状況そのもの

小野寺さんにとっては、当時は自分と楽が両思いで、それを知った千棘が身を引いてくれたことで
あの約束ができていたのだと

小野寺さんが認識している現在との違いは、今は楽と両思いなのかどうかわからないこと、
楽の気持ちを千棘が聞いたと知らないこと、ですね

そしてもう1つ、今度は小野寺さんは千棘がただ身を引くことに甘んじようとするつもりはないこと

ここが最大の違いでしょう


千棘の行動は何から何まで10年前を繰り返していました
対して小野寺さんは、楽や千棘の気持ちをまだ知らない状態とはいえ、千棘がただ身を引こうとすることに
甘えようとする気はないわけです

あの時は、鍵を譲られたままに楽と「儀式」を交わしましたが
高校3年生になった今は、千棘の温情に甘えるつもりはないんですね

だからこそ小野寺さんは千棘を追いかけてここまで来た
その結果かつての出来事を思い出して、複雑な気持ちが沸き起こってくることになったわけですが…

あるいはお互いへの負い目が幼心への負荷となって記憶を封印したりしたんでしょうか

千棘は譲った悲しさから
小野寺さんは譲られた後ろめたさから
楽は仲の良かった小野寺さんと千棘の間を微妙にしてしまった責任から

それぞれそんな気持ちから無意識に記憶を封印してしまったとすれば、前に進むには
かつての状況をなぞっている現在において、それぞれが確かな気持ちのもとに集うしかないわけですね

何か毎週書いてる気がしますけど、いよいよですね

来週「最佳境センターカラー」とかなってるけど、まだあと数回あるよな?
さすがにこれであと1話で終わるってのは無理だよな?


[タグ] ニセコイ




COMMENT▼

No Subject

経緯はともかくここまでやって小野寺さん振られたら悲惨所じゃないと思うのですが…。
少なくとも春は感情的に許さないのでは?

あんまり信頼出来ないソースですが残りは別誌で…って噂が。

約束を思い出して千棘がやはり身を引いて小野寺に楽を譲る……は小野寺さんの性格等含めて絶対にない展開だと思っているので、やはり小野寺が千棘を説得して一緒に楽に告白、が一番自然な流れかなぁ
そして問題は、楽がどちらを選ぶかなんすけど……ここまで気持ちが小野寺さんに終始ぶれなかったのに急に千棘何て話になったら、本当に小野寺さんは不憫でしかないですね
頑張れ小野寺さん!

メタ的な話だと応援してる春もるりも納得しないから
普通に小野寺さんじゃないかなと思う
千棘応援の鶫は許すと言ったし

ぱいなっぷるさんとほぼ同じ

千棘は一度、昔と同じ様に譲ろうとするのでしょう。しかし小咲が叱責して考えを改めるのではと。
でないと「逃げないでよ」が無意味になってしまいますから。
そして二人揃って告白となるのでしょうが、私はこの時の楽に注目したいと思います。
「誰を選んだ」かの結論だけではなく「二人に惹かれ、二人に恋をした」と過程も話して欲しい。
そこの持って行き方次第で千棘が結ばれなかった方が救われるかどうかが決まります。

それにしてもあさるとさん情報が怖いな…ソースは弱いとのことですが、もしそうなら
作品価値トリコ以下が確定になってしまう。それは心底納得出来ねぇ…

ラグエルさんへ

私も不確かじゃないソース(多分あさるとさんと同じソースだと思う)ですがトリコは年内終了みたいな情報を耳にしました

まぁトリコは仮にも一時期ワンピースナルトと並ぶ看板にしようとごり押しされた漫画なので、ニセコイより本誌での扱いがどうしても良くなるのは半ば仕方ないと思います
映画化も一応されましたからね

ラグエルさん

何分某掲示板情報ですので…。
編集部的にマジパテの最終巻と一緒に出したいのか分かりませんが読者の事考えて欲しいです。
終了は不満ですけど、あと数話で纏まる(と思います)物語なんですし

No Subject

話数的にはあと3、4話くらいで25巻が埋まります。まがりなりにも4年半続いた作品ともなれば最後でカラーももらえそうなもの。やはり他誌での完結編巻末カラー的なのが最有力か・・・。

No Subject

そういえば明日は小野寺さんの誕生日だった
偶然だろうが誕生日に合わせたいい話やね

No Subject

4年半・・・1話のザクシャインラブ・・・
長い様で短い様で・・・感慨深いっすな。


とうとうここまで来たか。





小野寺さんが幸せなら別に何でも良いっす。

妄想屋さんが(>_<)

いつもより真面目なコメントに・・・(^^;

自分は昔から小野寺さんエンド一本で予想していました。ここまでのお膳立てしておいて千棘エンドはあり得ない。誰も納得できないと思います。100%小野寺派のコメントでした(>_<)

だいまおーさん

>真面目
え?だって萌える場所無かったし回想だったしロリ寺さんは可愛かったけど人間レベルだったし成長した小野寺さんは女神さまだから別格別格(ヾノ・∀・)
それに本番これからだし。


取り敢えずマジで小野寺さんが幸せなら別に良いっす

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

まだまだ千棘エンドの可能性を捨てていないあたりに、古味先生に対する皆さんの信頼を感じ取った今日このごろ。

先週だったか先々週だったかの現実逃避さんとこの感想に、「千棘本人をはじめとして、鶫もクロードも楽苦が千棘を選ばない可能性を想定しており、その意味で千棘側には失恋を受け入れる態勢が準備されている。対して小野寺さん側では、るりちゃんも春ちゃんも楽が小野寺さんを選ばない可能性は全く想像していない。」という「おお…」と唸らされた指摘がありました。このこともまた、楽の決断に対する伏線あるいは傍証といったものと捉えることができるのではないでしょうか。

別誌完結って話は、まあ、確かにありえないことではないんでしょうね。7月発売のGIGAか、それが早いなら8月の方か。マジパティとタイミングを合わせるとするならそんな暇があるのかとも思えますけども。

本誌できっちりと完結してくれるのが一番きれいだろうと思うので、俺も別誌完結はあんまり望んでないことではありますが…。例えば千棘エンドになる可能性とどっちが高いんでしょうか(;^ω^)

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