社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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すじピンの演出がとっても巧妙だった2016年週刊少年ジャンプ20号感想その2

2016年週刊少年ジャンプ20号感想その2

アンケ3位の鬼滅の刃のほかは、ゆらぎ荘、左門くん、すじピンというラインナップとなっております



鬼滅の刃

引き続き応援票

相変わらずのぬるっとした雰囲気で新章が始まりました

扉絵ページで日輪刀を説明してくれていますが、大雑把な説明のみで
肝心の「じゃあ炭治郎の刀にはどんな力があるのか」はさっぱりわからないままでした
扉絵で何かを見せるというスタイルは固まっているっぽいだけに、うまいことごまかしてるなという感じですね

扉絵なら唐突に説明が始まっていても不自然さはありませんし、デビュー作にして都合のいい方法を見つけたものです


で、早速事件が起きている街にやってきた炭治郎

背負ってる箱は刀を売ってくれたのと同じ人が作ってくれた禰豆子ちゃんを背負う用…って
任務中にも背負っとくのかよ

その必要ってあるんだろうか…

つまり任務中は鱗滝さんとこで預かっててくれるとかじゃないんだな
もともと2人旅で元に戻る方法を探そうって出立でしたから、そこからすると当然なんでしょうけど
師匠の家って拠点が1つあることを考えると、四六時中背負っとかなくても…と思ったり

この任務に妹の力が必要というのなら別ですが、そうではなくて
ただ離れていたくないとか、鱗滝さんに任せっぱなしは悪いとか、万が一その方法を知る鬼に出会えた時に
その本人がそこにいるほうが手っ取り早いから常に、ってことだったりするのなら
作劇としてはちょっと無駄が多そうですね

木箱を背負って戦う姿というのは割りと決まってる感じではありましたけど
だからって、木箱を背負ってる理由が「中に鬼となった妹がいるから」ではちょっと弱いというか変というか

それならまだ対人喰い鬼用のいろんな道具が入ってるってほうが妥当です
刀一本で鬼に立ち向かっているんじゃなく、他にも駆使できる道具があるんだって方が戦闘にも諜報にも幅が出ますからね

禰豆子ちゃんの眠りについてようやく鱗滝さんによる推測が明かされたので、この点についても
そのうち説明されるのかなと希望的観測を抱いてはおりますが、こうした説明不足が人気にどう繋がるかというのは心配なところです


それと気になったのがもう1つ

ラストで、敵は一体だと思っていたところに三体の鬼が一斉に現れた時
炭治郎は「三人!」と認識していましたね

三人、と

たとえば人喰い鬼を単純なる邪悪な化物で駆逐対象として見ている人なら
こういう時、三人ではなく三匹って言いそうなもんじゃないかと思ったんですよ

人を喰う化物に対して、三人なんて数え方はしないだろうと
三体とか三匹とか、人扱いではなく物や動物扱いとしての数え方になるんじゃないかと思うのです

しかし炭治郎は三人と認識していました

作者があえてその表現にしたということであるならば、それは人喰い鬼に対する炭治郎の認識を示すものと
捉えることができるでしょう

すなわち、試験の時に斬った鬼の手を握って、祈りさえ捧げたあの時と変わらない認識ですね

鬼となって人を喰っている彼らもまた元は人間であるという認識
それゆえに、ただ化物扱いするのではなく悲劇的存在として一定の敬意を持とうとする

ジャンプの王道パターンの中で行けば、そうした考え方はきっと鬼殺隊の中では異端なんでしょうけど
作者自体が異端の才能を持っている本作ではどうでしょうかね


ゆらぎ荘の幽奈さん

呑子さん掘り下げ回

マンガ内にマンガ家が登場するというのは、その作品を描いているマンガ家からすれば
まさに身近な部分をネタにできる点で考える負担が減るという意味があったりするんでしょうか

「この作品はフィクションです。呑子さんの叫びは実在のミウラ先生とは関係ありません」なんて欄外の注が
シュールなギャグになっておりますがw

編集者らしき人が登場した時には小説でも書いているのかと思いましたけど
マンガ家とはね

デッサンにかこつけてコガラシくんとくんずほぐれつするのもお約束の展開です
ていうか美人マンガ家がエロシーン描くのにアシさんと実際に試してみるっていう、
エロ漫画ではお約束を通り越して当たり前の流れだよなこれ

コガラシくんの言葉に救われたみたいな場面もしっかりと入れ込んで、
キャラの掘り下げと同時に主人公との関係性も深められています

その上これからも適当な時に今回と同じ流れを使うことができるように仕込みもなされていて
構成としてはまるでお手本のようです

次回はようやく仲居さんの掘り下げかな?


左門くんはサモナー

盛り塩の一点突破でこんなにも強烈なキャラができあがるとは…
恐ろしいな沼先生

登場時は何となく普通にできるヤツみたいなイメージを醸し出していたように記憶していますが
それをここまでダメにしてしまうとは…

左門くんと同じパターンなんですかね

本作は連載開始直後のてっしーに対してひたすら加虐行為を繰り返していた頃よりも、
虫が苦手とかクズくんと同類項的友達になったとかそういった弱さや親しみやすさを強調してきてから
人気に火がついたように思っていますけど

祓くんもまた、最初はとうとうバトル化か?みたいな雰囲気で登場してきたのを
こんなに早くダメな奴化してしまうとは、それによって左門くんと同じようにアホっぽさからの親しみやすさを
狙ってのことなんですかね

それならそれで成功してないわけではなさそうなのでいいと思いますけど


今週気に入ったのは、盛り塩が目に染みると、まさかのベヒモス先輩と、大船になった気でいろ、あたりですかね


背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~

今週は咲本劇場でした

これは確かにチャンピオンだな…

前の大会では土井垣部長の存在感が巧みに強調されていましたけど
今回はそれを上回る存在感とインパクトが描かれていました

第二ヒート
今まで最強状態だった部長たちが今度は挑戦者として舞台に立つ本番

その挑戦を受けるべき咲本組は、本番直前をどのように過ごしているのかと思ったら
まさかのパートナー放ったらかしとは…

本番用に髪型も衣装もしっかり整えて綺麗になった沙羅さんが、しかし本番直前でみんな相方と2人並んでいる中で
ぽつんと1人だけになってる姿は、何だか悲しささえ誘ってくれました

息を切らしてるのもあのカッコでけっこう探しまわったんだろうって思えるのが余計に哀愁を誘います
魔の二人組作ってーであぶれた姿を想起させるような…

かと思ったら、反対側のスペースにいて、評価にも繋がらないような思いつきのパフォーマンスをやるぞと言って
問答無用で強行するという

ここで横田先生が巧いのは、沙羅さんも納得しないまま仕方なく応じたそのパフォーマンスで
沙羅さんの表情がどうなってるのかを描いてないことなんですよ

「シャドーで突っ切り…」でタイミングを合わせるためか、あるいはムカついてるためか
真剣な表情になってる顔を描いた後、「ホールド!」の見開きでは沙羅さんの顔がちょうどページの真ん中に来てて
どんな表情なのかがわからないようになっているんですね

ようやく相方とホールドできて、ここからダンスの本番という時に女性側の表情が描かれることなく
パフォーマンスを仕掛けて存在感を極限まで高めた咲本さんの顔ばかりが強調される

それは、その見開き以降も同じです

「なんでもアリかよ!」と言われてる大ゴマでは沙羅さんの顔は向こうを向いていて

「生粋のエンターテイナーだ!」のぶち抜きでは、エンターテイナーの文字が沙羅さんの目にかぶっているという

普通ならこんなことはしませんね
いくら端に描かれているとはいえ、女性キャラの瞳に文字をかぶせるなんてことは意図的じゃないかぎりやらないはずです

さらに「みんな調子が上がってきた!」のコマでは枠線で沙羅さんの首から上が切れていて
もう完全にわざとやってる感を出しまくってます

そんで、ひとしきり沙羅さんの表情を隠して、代わりに咲本さんの顔と存在感ばかりを強調した上で
カメラの前でポーズを決める時にはしっかり2人ともの表情を描く

沙羅さんも見事に輝く表情となっていて、なんだかんだ言いつつダンスは好きだし咲本さんとも息が合ってるんだなというのを
感じさせてくれる作りになっているんですね

つまりは、これが現時点での最強カップルというのを描いてくれたわけですよ

フロアの外では女性のほうが立場が強くて、ケンカをすればすぐに離れられちゃったりしていても
本番となれば男の側の言うことに女性が逆らえなくなるというバランス
今回のに限って言えば、始まる直前に言い出した咲本さんがズルすぎるんですけどもw

それでも、互いがちゃんと繋がり合っているというのをこうした形で見せてくれた咲本さん沙羅さん組は
確かに強敵であるのでしょう

始まる前から金龍院先輩の目つきが明らかにギラギラしてますしねえ


もう1つ付け加えるならば、本番直前に急にどっか言った咲本さんを探し回った沙羅さん
誰か、ジョージどこにいるか知らない?って聞いてる時には彼女は肩で息をしてる状態でした

つまりはそれだけ体力を使ってるはずなんですが、きっと最後の決勝まで踊り通すつもりであることは間違いないのでしょう
チャンピオンだけに、それだけの体力を持っているというさりげない描写ですね

ほんとに何から何まで巧妙ですわ


 




COMMENT▼

No Subject

>鬼滅
あの出て来た3体ってもしかして攫われた少女たちか?
とふと思いました。

>ダンス部
流石に現チャンプは違うなw

ゆらぎ荘の幽奈さん

あらあらうふふ、コガラシ君良い子やな
迷った感じの呑子さんにあんなこと言ってあげれて、女装もやってくれるコガラシ君は本当に素晴らしい
あらあらうふふ略してアラフ

左門くんはサモナー

盛り塩もこみち漬け物
今度から祓君のことを僕はなんて呼べば良いのでしょうか(笑)
あと今回なんとなく左門の昆虫採集回と似たような構成になっている気がします

背すじをピン!と

咲本さんカッコいいなぁ
貫禄があって素晴らしいです
今まで出てきたカップルの中で一番好きかもしれない……ちなみに今まで一番だったのは真澄君とリオちゃんのカップルでした
皆さんのお好みのカップルはどれ?

こっち忘れてたw

・左門
もう反則だよこの漫画!笑う以外の選択肢をくれないんだもの!www
今回笑えたネタ
1位:大船になった
2位:盛り塩→盛り塩→盛り塩からの付き合ってやることにした仏。
3位:漬物のオチ

・せすピン
↑どうやらこれが公式みたいね、先週のから察するに。
もうチャンピオン無双回。なぜチャンピオンなのかをこれでもかってくらい分からされた。
これに勝たなきゃあかんのか…道のり遠いなぁwww
あ、一番好きなカップリングは宮大工と柏さんのペアです。
理由は色文字で察してくださいw

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

>鬼滅の刃
妄想屋さん予想は、見た瞬間「うお!?」とか思いましたけどどうなんでしょう…
血を浴びたら鬼になっちゃうというならありえないことではないですけど…
炭治郎に襲いかかってる絵を見る限りでは性別はよくわかりませんが、でも何だかあの鬼たちには目的というか、何がしかの目的を感じます。

>すじピン
咲本劇場は皆さんも気に入ったようでw

一番の推しカップルはそりゃあ土屋くんとわたりちゃんですよ俺は。

>左門くん
よく考えたら主人公何もしてないな今回。
サブキャラだけで回せるってのはしっかりキャラが立ちまくってる証左なんでしょうね。
作者の絶妙なかけ合いのセンスがキャラ立ちにも貢献していて、なかなか稀有な作品に育っているように思えますね。

No Subject

>鬼滅
鬼になるのはねずこちゃんで証明済みです。
傷口等から体内に鬼の血が入ったら鬼になります。

まぁどの道、続き読まないと分かりませんけどw

Re: No Subject

今更ですが、言葉足らずだった返信をお詫びしておきます。

「血を浴びたら鬼になっちゃうというならありえないことではないですけど… 」ってのは、「血を浴びたら鬼になっちゃうという(ことですからそれなら)ありえないことではないですけど」って意味のつもりでした。

「というなら」を仮定ではなく、前提の事実のような形で使ったことでわかりにくい表現になってしまっておりました。

「基本の設定を忘れているなコイツ」と思われたことでしょう。すみません(;^ω^)

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中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



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