社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ジャンプNEXT2015年Vol.6感想

ジャンプNEXT2015年Vol.6感想

NEXT感想超久々に書きました
つっても全部はムリだったので、アンケ入れた作品だけです



 




アンケ順
超重課金バンガード
Dancing ReD
魔界トラベル
ブリキライオン


最も主人公や登場人物が魅力的だった作品:Dancing ReD
最も絵が好きだった作品:超重課金バンガード
最もストーリーが面白かった作品:Dancing ReD
「週刊少年ジャンプ」で連載で読んでみたい作品:なし
もう一度読切りで読んでみたい作品:超重課金バンガード
同じ漫画家の違う作品を読んでみたいと思った作品:超重課金バンガード
読みやすかった作品:ブリキライオン
読みにくかった作品:エイリアンズエイジ
読まなかった作品:なし
絵が古いと思った作品:なし


超重課金バンガード 戸塚慶文

2015年のNEXT6号アンケ1位はこの作品にしました

なぜって、作者期待票です
何を隠そう、この人の作品がNEXTに載ってくることを知ってから期待を膨らませていたんですよね

だってこの戸塚先生ってあの人ですよ

ジャンプトレジャー賞で準入選を果たした『宇宙観光シーアーク』の作者ですよ

あれ超面白かったですからねえ

佳作よりも上の準入選ですから、当然のごとくそのままNEXT掲載が決定
2014年Vol.2に掲載されて、それはそれはとんでもないレベルの完成度を見せてくれました

その時の感想はこちら
ジャンプNEXT2014年Vol.2 感想

もちろんアンケ1位でつけてました

投稿作が準入選、しかも実際にその作品を読ませてもらったら本当にとんでもないレベルの中身だったもんですから
この戸塚先生の名前はすぐに覚えてしまいました

そんで、次の作品を読めるのは一体いつになるのだろうと地味に首を長くして待っていたところ
とうとうジャンプ本誌のNEXT掲載作品情報の中にその名前があったわけですよ

当時のジャンプ感想の中では特に触れていなかったと思いますが、実は見つけた瞬間かなりの興奮に襲われていました

で、実際にその最新作を読んでみたわけですが…

すこーし物足りなかったかな―というのが正直な印象です

センターカラーなんてもらえてるんですから、編集部の期待もそれはそれは高かったことでしょう

ですが、ぶっちゃけ期待していた程ではなかったなーというのが素直な感想でした

とはいえ戸塚先生にはまだまだ期待しているので、期待を込めてのアンケ1位なんですけども
というか『シーアーク』をもっと練りに練ってそっちで連載して欲しい…と思ったり

いや、それくらい『シーアーク』は面白かったんですよマジで


じゃあ今回の作品『超重課金バンガード』の何があと少しだったのかなーと考えますとね

一番気になったのは、バンガードの変身や技の使用に「課金」が必要だったことです

作中ではこれをチャージと読ませていましたけども、変身しようとする時、技を使おうとする時、
その度にベルトに百万単位の現金を突っ込んで「おりゃあー!!」とやってるこの感じ

金を食らう魔物を相手に戦うのに、魔物のコアを利用した変身アイテムだからやっぱり現金が必要…という

河原の掘っ立て小屋?に妹と一緒に住んで、風呂はドラム缶なんていう絵に描いたような貧乏少年を主人公とし
魔物と戦うヒーロー「バンガード」に変身するためのベルトを持って彼の元を訪れる財閥令嬢のヒロイン

この組合せは作品の設定上必然的なものではありましたが、しかし
正反対の境遇にある2人の会話を通して「金」というものが話の焦点となっていく中
実際に変身して魔物と戦おうとする時に、多額の現金が必要になるというのはどうにも違和感を覚えたのです

しかもバイトができなくなるからと最初はヒーローになることを拒んでいた主人公が変身を受け入れたのは
馴染みの商店街のみんなが少しずつ貯金していた金を魔物に狙われたから

みんながコツコツ働いてためていた金がどれだけ大切なモノか、なんて話を今まさにしていたところだったのに
それを守ろうと変身しようとするのに金が必要で、技を使うにも金が必要で…というのは第一印象からして変でした

もちろん、その時に使う金は貯金されていた商店街のお金ではなく、ヒロインが自分の財閥から引っ張ってきた金であり
その意味では「コツコツ働いて貯めた金」ではないのかもしれませんが

それでも、変身するにも技を使うにもン百万という現金が必要という設定では、
遠からず財閥も破綻してしまうことが簡単に予想出来てしまうのです

そんな発想に至ってしまうのは、ひょっとしたら純粋な心をなくした大人の悪い癖なのかもしれませんが
だからって小学生たちも気にしないかというとそんなこともないように思えます

もっと違う形でこの違和感を言い換えるなら、魔物と戦うヒーローに変身するという時に
「課金」が必要であるという設定に必然性を感じられなかった、ということになるでしょうか

どんな設定であってもそれによって面白くなっていると思えたなら受け入れることは簡単ですが
この課金という設定に対してはどうにもそんな風には思えませんでした

この設定によって生み出されているものといえば、「課金が必要」という事実に驚く主人公と
「いやいやそういうものなんです」と説得しようとするヒロインの押し問答
さらに、強引にベルト課金を実行されたことで「こんな大金をこんな簡単に…」と主人公がショックを受けて

そして主人公に次々技を使わせて、その度に何百万もポンポンと出してしまうヒロインの豪胆さと
魔物を倒して平和を取り戻すためなら「金に糸目はつけませんわ」という決め台詞

ズレまくってるとは言いませんが、上手いこと噛み合ってる感じもしないんですね

おそらくその原因は、主人公とヒロインそれぞれの「金」に対する価値観の描写不足にあるのでしょう

魔物と戦うことに対して、ヒロインがどれだけの覚悟と決意を秘めているのか
たぶん必要だったのはそこです

主人公の価値観は、絵に描いたような貧乏生活であることから何となく想像がつくものではありました
だからこそ、「金なしでも人でなしにはなるな」という信条が何やら新鮮に感じられて
主人公への好感を形成する要因になっていたんですね

じゃあヒロインの方はどうかといえば

最初は、ヒロインがベルトに次々突っ込む金の大本は財閥のお金であって
彼女が稼いだものではないんだよな、と思ってモヤッとしていたんですが

しかしよくよく見てみると、彼女は父子家庭で育っており
しかも父親は1年前に魔物にやられてしまっているということでした

ということは、今財閥を取り仕切っているのは彼女であるということなのでしょう
もちろん1人ですべての決定権を握っているのではなく、幾人かの補佐や役員みたいな人が居て
彼らの協力のもとに財閥を運営しているのでしょうけども

しかし自分でも芸能業を中心に稼ぎを上げて、おそらくその傍らで財閥の事業も統括しているとなれば
それによって貯めた財閥の金を、何百万もたやすく注ぎ込んでしまおうとするのには
並々ならぬものが本心にあるのだろうと推測できるのです

父親を殺されたことによる復讐心だとか、それが転じた正義感だとか
想定できる理由はいくつかありますが、作中でそれを描いて欲しかったなと

「平和のためなら金に糸目はつけませんわ」という決め台詞だけではちょっと物足りませんでしたね

主人公とは規模が違うとはいえ、彼女もまた自力の稼ぎで生計を立てている身として
そして主人公と同じように理不尽に家族を壊された立場として
彼女の本音を窺わせる何かが、もうあとワンポイント欲しかった気がします
主人公が金持ちを嫌う理由と、彼女が魔物を倒そうと思う理由と、本質はそれほど変わらないように見えるからですね


総じてまとめると、今一歩惜しい作品でした
作者への期待も込めてアンケ1位と書きましたが、正直に言えばこれよりも『シーアーク』のほうを連載で読みたいですわ


Dancing ReD 阪口亜樹

グランドトレジャー受賞作
応募作がそのまま掲載作になったものですね

うむ
確かにこれはなかなかの完成度ですわ

こんなにも雰囲気作りが上手くいった作品というのも珍しいんじゃないでしょうか
しかもそれが投稿作と言うんですから大したもんですよ

構成も必要最小限のものを入れ込んで、しっかりと組み合わせることができています
特に設定の説明が上手でしたね
想像の余地を残しつつも、基本的な枠組みだけはちゃんと説明できていたと思います

中でも序盤
一軒家で静かに暮らす女性と、連れ立った主人公男女が出会い、食卓を挟んで言葉を交わすシーン

限られたページ数の中でここに割りと尺が取られているのは、両者の間にできる空気感を描くのに必要だったためでしょう

ちょっとわがままな少女と、彼女の保護者?らしき男
礼儀を教育しようとする様子が上手に大人で、こういうシーンを違和感なく描ける人っていうのは
実はとっても貴重なんじゃないかと思うんですよね

実体験か、それに準じるようなことがなければあの「しつけ」の様子は描けないんじゃないでしょうか
それだけで新鮮な読み応えがありました

そのしつけの様子を見て、男の言うことを理解しつつもしょんぼりする少女にちょっと優しくしてあげる女性
それぞれの優しさと温かさがよく表現されていたと思います

だからその後急にやって来る奴らの異様さが強調できてるんですね

人の温かい交流の様子を見せているから、不便な生身の体を捨てて機会化して生きようと言う連中の不気味さが
すごく強調されています

そしてそれに与せず、1人静かに暮らそうとしている女性と
彼らに立ち向かおうとしている2人の決意とが鮮やかに浮かび上がってくる

少女の正体に彼らが気づくことで始まるヤマ場としての戦闘場面

そこで情勢に対しても2人の正体が明かされる流れとなるわけですが、それも予想の範囲内だったことが
むしろ今までの描写で作り上げてきた雰囲気を損なわずに描かれており、「ジャンプらしくバトルシーンが始まったな」
なんてことを思わせることなく展開を進めることに成功しています

気になったことがあるとすれば、戦う時に少女が必ず発するらしいセリフ「踊れ」という合言葉?が
何か斬魄刀の解号みたいに聞こえてしまったことでしょうか

絶対意識はされてそうな気がしますけどw


世界観や設定は斬新というほどではなく、しかしその見せ方と紡ぎ方が非常に高いレベルでまとまっていることが
この作品の長所だったんじゃないかと思いますね

それだけに連載に耐えられるかどうかというのは未知数ですが、雰囲気の作り方は非常に上手い方のようなので
そこを忘れずに作品作りにあたっていけば評価を得ていけるんじゃないでしょうか


魔界トラベル 新田太郎

これもグランドトレジャー受賞作
投稿作がそのまま掲載となった作品ですね

うん
よく仕上がっています

現実とファンタジー世界を上手に繋いで、魔界という設定でどうにでも作り上げられる別世界を用いて
観光名所をいくつも用意してやる発想と構成は新人離れしていると思えます


…が


『宇宙観光シーアーク』とだだかぶりなのである

それはそれはスゴイくらいカブってます

そして、シーアークのほうは準入選ですがこちらは佳作です
つまり内容がカブってはいながらも、『シーアーク』のほうが上なのです

それはなぜかといえば、本作においてはその魅力の殆どが、「魔界」という別世界の紹介に終始してしまったからでしょう

シーアークでも宇宙を舞台に色んな観光名所が用意されていましたが、ガイド役は2名いました
その2人の掛け合いが非常に小気味良く、キャラとしての魅力につながっていたんですけども

本作の場合ガイド役は主人公となる青年1人だけ
その彼が、社命によってやって来たモブ娘さんを魔界に案内する…というのが話の流れでした

モブ娘さんを案内するという方式はいいとしましょう
それによってツアーの中身となる魔界の名所に意識を集中させることができるので、世界観を味わおうとするには
ちょうどいい構成でした

しかしガイド役が1人であることは、掛け合いによる彼のキャラクター性を示すのに不十分であることとなります
客となるモブ娘さんとの話も彼のキャラを示すというよりコミカルな雰囲気を作り上げるものとなっており
丁寧で紳士的に振る舞う彼が本当はどんなキャラであるのかは読み進めていかないとわからないようになっているんですね

その正体は最後に明かされることとなりますが、それもテンプレ通りの正体で特に新しさはありません
彼が観光業をやっている理由も想像のつくものでした

骨になっても続いてる魔王夫婦のケンカの地とか、ダイエットっつって身体まで溶ける秘境温泉だとか
名所としては確かに面白く描けている魔界の世界観に対して、主人公となる青年のキャラがあまりに弱いんですね

シーアークほどにこの作品にハマれなかった理由はおそらくそこにあるんじゃないかと思います
世界観は魅力的だし、それを上手に描けてもいるけれど、肝心の主人公が印象薄いという

ただ名所を名所として面白く描くだけの力と発想はある方なのだろうと思ったので
期待を込めてのアンケ3位としてみました


ブリキライオン 宮島京平

トレジャー出身の方…なんですが、そう呼ぶには結構古いというか

NEXTには何度も登場し、ジャンプ本誌に読み切りを載せたこともあったはずなのに
なかなか連載には至らない今一歩な作家さんです

好きな人はかなり好きというコアなファンもいるらしい宮島先生

おそらく本作においても宮島先生らしさがよく出ていたんじゃないでしょうか


セリフ回しの軽快さとか、デフォルメして崩れた表情とか
読みづらくなることのない範囲で工夫が凝らされていたと感じられます

しかしやはりいま一歩

読み切りとしての完成度がそれなりに高いだけで、そこからの発展性が感じられないんですね

本作のネタは、莫大な財を持つ武術家の家に生まれた幼馴染と付き合うには彼女よりも強くなければならないという
至ってありふれた内容です

それを修行の様子や微妙にずれた発言しちゃってるところなどを見せて描いていることで
テンプレネタというような印象は全然ないんですけども

それでもやっぱりこの手のネタは一通り話が終わってからの発展性に欠けるのがネックなんですよね

彼女と結ばれるには彼女とタイマンで勝つことが必要
→でも普通に強いし、何とか隙をつけても好きな娘を殴るなんてできないし
→そうこうしてたら多勢に無勢武器まで使って襲ってくる奴登場
→喧嘩しながらも2人で協力して追っ払って、でもその後結局タイマン勝負

話としては普通によくまとまっているんですが、だからといって彼らのこの先を追いかけて行きたいと思えるかというと
特にそんなことはない…という

連載でのやりようが全然ないとは言いませんが、これよりは、きっと今まで読み切りで載せてきた作品の連載化のほうが
まだ行けるんじゃないかという気がします

COMMENT▼

NEXT出身作家で中々連載出来ない人々

宮島京平先生
山田金鉄先生

この二人は完成度高いのに中々連載出来ないな~と歯痒く思っています
私は宮島先生バリバリのファンですね
恋愛銀河区石川荘の時から好きなのですが、
いつ連載するかなと未だに待ち遠しいです

照橋心美の顔変遷という記事ありますけど、今週のラスト最高に可愛かったですよね

Re: NEXT出身作家で中々連載出来ない人々

山田先生には俺はそういう印象持ってないんですけど、宮島先生は確かにそうですねえ。どうしても今ひとつ突き抜けきれないというか、咲ききれないというか…

センスは好きなので連載できたらいい感じになるんだろうと思っては居るんですが。


あかさたなさんは、記事を間違えられましたかね。あの照橋さんのコマは、確かに綺麗ではありましたが、麻生先生もだいぶ頑張って描いたためかちょっとやり過ぎてるかなという感じも受けました。

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