社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ヒロインの男らしさと主人公の女らしさが絶妙に交錯する…!『水玉ハニーボーイ』池ジュン子

水玉ハニーボーイ

水玉ハニーボーイ 池ジュン子


買っちゃいましたよっと

コメントにて勧められた作品をまたひとつ買ってしまいました
しかも今回は少女漫画です

少女漫画らしく(?)ラブコメなんですけど、ラブとコメディの割合がなかなかに絶妙で
結構気に入ってしまいました

一言で説明するなら、剣道部主将な侍系女子と家庭科部員なおネエ系男子のラブコメ

言葉だけでそう聞くと、何だかぶっ飛び系の作品のように思えるんですが、読んでみたらこれが全くそんなことないんですね


この作品で描かれようとしていることを大げさに表現するならば、男らしさや女らしさのぼかし、あるいは超越とでもなるでしょうか

女らしい男の子が見せる男らしさと、男らしい女の子が見せる女らしさ
それらが絶妙に混ざり合うことで、2人の不思議な男女関係が作られているんですね


3人の姉とともにすくすくと育ち、相当な女子力を備えた男子へと成長した主人公藤くん
裁縫も上手けりゃ料理も上手くてお菓子作りも得意な彼は、女子よりも女子力のある男子

女子力




対して、ヒロインとなる仙石さんは女子剣道部の主将
厳しさも凛々しさも持ち合わせていて、街で人助けすることもしばしば
校内では荷物運びの手伝いなんかザラにあり、女子力ではなく武士力を持った男よりも侍な女子

半分持とう




そんな2人のラブコメは、藤くんが仙石さんに告白することから始まります

その男らしさ故に、女子から告白されることも度々あるという仙石さん
今回の手紙もその手合かと思っていたら、現れたのは女子な男子でした


これは初めてのパターンだ



驚いた仙石さんがまず思ったのは


こいつどっちだろう



ここでの「どっちだろう」には2つの意味がありますね

見た目には男子の服装をしていながらも、口調や仕草は完全に女子な藤くんを見て
「中身の性別はどっちだろう」というのがまず1つ

その上で、女子から告白されることもあるような男勝りな自分に告白しているというのは
「恋愛の対象は女子なのか男子なのかどっちだろう」ということです

フタを開けてみれば、藤くんの中身は男子であり恋愛の対象は女子であるという
至って普通だったわけですが…

その普通が、普段は高い女子力によって覆われていてなかなか見えない
しかし、いざとなると彼の中の「男子」がしっかり顔を出して、カッコよく決めてくれます



剣道部主将として、戦うだけの実力は持っている彼女をそれでも庇って守って
抱き抱えたらこのセリフ


心配しなくても


腕っ節は間違いなく自分よりも強い女子に、それでも守ってあげるわよと姫抱っこしつつ言える男の気概がそこにありました


…ああもう
こんな断片的に説明しても、伝わってる気がちっともしてこないから
少しでも気になった人はとにかく試し読み見ればいいと思うよ

「水玉ハニーボーイ」池ジュン子 | 白泉社


公式から1話丸々の試し読みを見れるようになってるので、とりあえず読んで見るんだぜ


2人がそれぞれ持ってる男らしさと女らしさの絶妙な配合をきっと気に入ってしまうから


物語は、2人がそれぞれ持っている色々な場面での男らしさと女らしさを
上手に見せていく展開が主になります

そのために、色々と事件やハプニングが起こる流れになっているのは
ひょっとしたら気になる人もいるでしょう

第1話から仙石さんはストーカーまがいの変態に盗聴器入りぬいぐるみを送りつけられていますし
2話目には、女子の私物が盗まれるという事件が学校で連続発生して
さらに、裏山に肝試しに行けば道を踏み外して2人きりで洞窟に遭難したり
番外編っつって普段の掲載誌とは違うところに載ってみたらデパートで強盗に遭遇してみたり

割と非日常を取り入れた感じにもなっております

しかしそれが単なるご都合的展開として終わっているわけではないから許せるんですね
どの場合でも、2人それぞれの男らしさと女らしさを窺うことのできる場面があり
作品の持ち味をしっかりと描けているのです

さらに、ジャンルが少女漫画なゆえに、基本的な作劇はヒロインとなる仙石さんの視点で紡がれていくわけですが
これがなかなかの効果を生んでいますね

性別と逆の「らしさ」が描かれる場面は、コメディとして上手いこと常識とのギャップの効いたシーンとなっています
しかしヤマ場になって、性別通りの「らしさ」が描かれると一気に引き込まれてしまう

藤くんの男らしさに触れて、心を揺らす仙石さんの「女」が垣間見える
藤くんのふとした言動に動揺して、思いっきり顔を赤くしてしまう仙石さんの「乙女っぷり」を堪能できる

少女漫画と言っても、これは男読者にも勧められる作品だと言えるでしょう


そんな2人

1話の最初から藤くんが告白して話が始まりますが、仙石さんはその告白を一度は断りました
しかしそれでも諦めることなく猛烈にプッシュしてくる藤くん
ここにも彼の男らしさが表れていると考えることができるでしょうが、実はもう1つのテーマがありそうです

「恋愛なんてよくわからない」という仙石さんが、「友人と恋人では何がどう違うのか」を知りたいと思うようになったこと

先日ジャンプのラブコメマンガである『ニセコイ』にて、こんな考察記事を書きましたが
ニセコイが描こうとするラブコメの本質

ここで本作に描かれている疑問もまた、それに関わるものであると言えるでしょう

友人と恋人の違いとは
好きになる、とは
恋人である、とは


「らしさ」が交錯する性質を持っている2人の関係は、3巻に至って仙石さんと藤くんとの勝負という様相を呈することになりました

いつか自分が猛アタックに負けて藤くんを好きになるのか
それともその前に藤くんが諦めてしまうのか

仙石さんが抱くようになった上記の疑問の答えは、きっとこの「勝負」の果てにあるのでしょう


用がなければ会わないのが知り合い
用がなくても会えるのが友人
用事を作って会いに行きたいのが好きな人


…なんてシンプルな考え方をどっかのつぶやきで見たことがありますけども
さあ本作ではそれらの違いをどんな風にして描いてくれるでしょうか


楽しみにしてよさそうです

公式再掲
試し読みあるから行ってみるんだぜ
「水玉ハニーボーイ」池ジュン子 | 白泉社






[タグ] ラブコメ




COMMENT▼

ほほう!

確かに面白そうですね、早速買いに…あれ?既に手許にあるぞ?

「男らしくてもやっぱり女の子、女らしくてもちゃんと男の子」
この手のキャラ付けでたま~に人格変わっちゃってんぞおい!的なものがありますが、
この漫画は口調や仕草を変えて表現するのではなく、変わらずそのままで変化を見せる。
微細な変化は確かにありますがあくまでも微細。これね、結構な技術だと思うワケですよ。
その辺も含めて、rexelさん気に入るだろうなぁと誰かさんが言ってましたよw

にしてもやっぱ面白いなこの食事を知らない地球外生命体に餌付けする漫画は!


P.S.単なる直観ですが栗うさぎさんも気に入りそう。あ、ハニーボーイの方ね?www

Re: ほほう!

記事中にかくの忘れてましたが、ありがとうございました誰かさん。

誰かさんの慧眼にはいつも驚かされます。よくもまあこんだけヒット率の高い紹介を続けられるものです。すごいわ。


食事を知らない…ってやつは何のことだかさっぱりわかりませんが、とにかくお礼申し上げます。

No Subject

これは・・・俺好みだ・・・

旦那さん外星人が食事する漫画はこちらでございます。

http://comic-ryu.jp/_kumika/index.html

慧眼てwww

記事化11作目がラララで、そこから「少年ラケット」「はたらく細胞」ときて
これで14作目になりますかね。まあ「友達」や「遺伝子」とか隠れてるかもですがw
それでも外してるのもそこそこあるので確率的には6割くらいじゃないですか?

食事を知らないの部分は最近rexelさんが買って面白かった作品をああ知らせるので
真似してみました!
これはxitongさんのご紹介で買ったものです。多分rexelさんも好きになりますよコレ。
あ、もし買ってもカウント除外しますんで。

Re: No Subject

14作目ですか。なかなか増えてきましたねえ。
まあ記事化ができてない作品もあるので、実際にはまだ多いんですけどもね。

xitongさんも気に入りそうな感じですね。
それはそれは。

「食事を~」の書き方は、お知らせ記事で俺がやってたのを真似してるんだなとはすぐわかりましたが、丼作品かというのは当然のごとく想像がつきませんでした。なるほどこういう作品もあるんですね。

ていうか随分と仲良くなってらっしゃるようで。ラグエルさんとxitongさん。いつぞやアドレスを教え合っていましたけど、こんなことになってるとは思いませんでしたw

で、件のその作品ですけど…

ふむ。ふむふむ。ほうほう。なるほどね。

4巻

いやー面白いわ悶えるわ、良作振り健在でしたね!仙石の「ある力」ネタが多かった。
歪、真球、霧散、そして圧搾
ってちょっと待って仙石さん!「ボクサー」って何?それはヒドすぎないかっ!www
ともあれ、意外な二人が引き合いそうな予感までしてきて、益々目が離せませんな!

Re: 4巻

4巻感想を書こうかどうかちょっと迷ってるところにフライングされた(;^ω^)

俺としては3巻までと少し違う雰囲気を感じたところがあるんですが、良作であることは変わらないですね。
基本設定がベタをズラしてあるせいで、展開がベタでも楽しめるという。

上手な作品ですわ。

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