社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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食戟のソーマ 創真と城一郎の親子関係がえりな様を絶望させる可能性


2013年ジャンプ47号_1

何かふとこんなことを思いつきました

早ければ今度のジャンプでこんな展開があるかもしれないので、今のうちに書いておこうと思った次第


テーマは、えりな様ルートのジョーカーとして存在する創真と城一郎の親子関係
以前から、当事者2人にはいつ明かされることになるのかと期待していることなんですが
その発覚が、実はえりな様を絶望させることになる可能性があるんじゃないかと思ったのです


[タグ] 食戟のソーマ






まあそうは言っても、「気づいてやったぜフハハハ」なんてドヤ顔ができるようなことではなくて
きっと誰もがそう思えるような予想なのだろうとは思うんですが

食戟のソーマに大予想をしてみた2016年週刊少年ジャンプ5・6合併号感想

この感想の中で、次回以降の展開として「えりな様が身を切る決断をして極星寮を救おうとする」との話を予想してみました
これは、主人公とその仲間たちを自らの犠牲で持って救おうとする少年マンガの王道展開であり、かつて考察したように
地獄の合宿編で少年マンガへの転換を図った本作としては充分にありえることだろうと思っての予想でした

しかしここでコメントにて別の視点の指摘をいただきまして

それを踏まえてもう1度考え直してみると、えりな様というキャラクターは、自らを犠牲にする決断ではなく
否定的自己認識のもとに望まない環境に自ら身を置こうとする流れのほうがよりしっくりくるんじゃないか
とも思い始めました

その視点での考察をなさっているのが、最近リンク集に追加したあまぐりころころの栗うさぎさんなんですが

その考察を読んでいて、さらにふと思ったことがあったのが今回の記事の本丸です


すなわち、城一郎と創真の親子関係こそが、えりな様に決定的な絶望を抱かせることになるのではないか
ということ


城一郎とは以前から明かされていたように、えりな様憧れの料理人です
それは、その写真を手帳に挟んで常に持ち歩き、その姿を思い出すだけで顔を火照らせ、
「いつかキミが良い料理人になったら、その時は君の料理をいただきに行くよ」との言葉を信じて
何かのイベントなどで店を出そうとするときには必ず城一郎のために一席あけておこうとするほどの深い深い憧憬でした

幼心のえりな様がすっかりその品に酔いしれてしまった料理人
それが、城一郎だったわけですね


一方、創真に対するえりな様の態度はその正反対
出会った当初から一貫して断固否定という立場でした

下町にある普通の食事処というその出身に対して低俗とのレッテルを貼り、どんな品を作ろうとも
最初から全く認めようとしない先入観バリバリの態度で接していました


しかし、そうしてえりな様が正反対に接する2人が実は親子であること
これもかつて記事にしたように、この事実こそが今後えりな様と創真のラブコメが展開されるだろうことを予感させる根拠となっていました

関連
食戟のソーマにおける物語構成その2 主人公とヒロインたちとの関係と「裏テーマ」


あれだけ毛嫌いしていた創真の父親は、あれほど憧れていた城一郎だった
この事実にえりな様がどれだけの衝撃を受けるか

ラブコメを期待する根拠としては、それが訪れるのはいつになるだろうとワクワクできる実に楽しみな瞬間でした

しかし、事ここに至っては、その事実は逆にえりな様を苦しめることになりそうな気がしてきたんですね


そう思わせるヒントになったのが、栗うさぎさんの記事におけるこの部分

これまで、「高級」「完璧」といった己の理想を叶えるために、多くのものを切り捨て、排除してきたえりな。
それは自身の心だけでなく、数えきれない料理も。多くの料理人達の気持ちや人生も。
これまではずっと、その才能も立場も揺るがなかった故に、ただ真っ直ぐにその道を駆け上っていけばそれで良かったのかもしれない。
でも。
「自分の世界の外」を知り、自分がこれまで闇雲に否定し続け、侮蔑し続けたものの“尊さ”に気付き始めてしまった。
そうなってしまったら、真面目なえりなはきっと苛まれることになるでしょう。
自分自身の“罪”に。


『食戟のソーマ』第149話感想 - あまぐりころころ


今まで自分が知らなかった世界とともに、今まで自分が否定してきたものの違う側面を知り始めたえりな様は
これまでの自分の姿勢に疑問を持つことになるのではないか

今まで無価値と決めつけていたものが、実はそうじゃなかったとしたら
今まで絶対の正解だと思っていた技術が、味付けが、下処理が、実は唯一の正解ではなかったとしたら

そのことをどう受け止めればよいのか、えりな様は惑うでしょう
ひょっとしたら思いもつかない料理を生み出すかもしれなかった可能性を自らが潰したことに悩むでしょう

そんな時にもし
創真と城一郎の親子関係まで知ってしまったとしたら

今まで自分が否定してきたものの象徴とも言える下町出身の低俗な男
その男が、今まで自分が憧れていた料理人の息子であり、その憧れの技術を仕込まれてきた男であったこと

創真を否定することは、城一郎をも否定することになる
ならば自分の料理は、いい料理人を目指してきた今までの研鑽は、一体何だったのか

常に自分が否定してきた男が、実は自分が憧れ、尊敬する料理人から育てられた料理人であったこと

知らなかった世界、知らなかった真実、知らなかった現実の最たるものとして
えりな様に映るのではないでしょうか


そうなれば、何を受け入れて何を否定すればよいのか、どんな調理が良いのか悪いのか
これまで彼女を支えていた価値観と土台が一気に崩壊する


そこに、「わかりやすい認識」としてするりと入り込む薊の「教育」


否定すればいい
自分を惑わせるものは否定すればいい
この父が認めるもの以外否定すればいい
君は正しい
君の舌は正しい



苦悩・葛藤・後悔・懺悔
自分でも分けの分からない心理状態となったえりな様に、簡単で単純な認識を与えてやることで
その苦しみから解放してあげると囁く

あるいはえりな様自身が、根源の恐怖と同じ場所にあった「単純な解釈」に自ら逃げ道を求める


極星寮を守るために自ら身を切ろうとするのではなく、非常なる苦しみからとにかく解放されることを求めて
薊に縋ってしまう可能性を思ったんですね

読者にえりな様ルートの隠し玉としてラブコメを確信させた創真と城一郎の親子関係は
実はえりな様が自ら籠の中に戻る選択に身を委ねる引き金となるのではないか


今は抵抗しているえりな様でも、いずれ自分から戻ってくると薊が確信しているとすれば
こうした展開もありえるのではないでしょうか

えりな様が最初から逃げ出すことをせず、籠に甘んじておくのならそれでよし
一度逃げたところで、そのうち自分が否定してきたものの重さに耐えかねるだろう…、と

これなら、えりな様の脱走を聞いても薊が特に気にしようとしていなかったことの理由にはなります


ただこれだと、「えりな様が否定してきたものの重さ」を薊は知っていることになるんですよね
それは薊が否定しているものとほとんど同じものであるはずなんですが、その重さを理解していて、
なお薊はその否定を辞めようとしていないということなんでしょうか

それは薊の過去に何かあった、みたいなことを暗示するものなのか

それでも、えりな様が闇雲に否定してきたもの=作中では是の部類に入るものの重さを薊が理解しているというのは
何か彼のキャラ性としてちょっと変なような感じもします


もう1つ、叡山が敗れたこのタイミングでわざわざ直々に極星寮に出向いてくる動機が薄くなる気がするんですよね

もちろん極星寮にえりな様がいるのなら、連れ帰りたい意図はあるでしょう
しかしそのうち自ら戻ってくると思っているのなら、「えりな様はここにはいない」との体裁で創真が応対したとしても
それをあえて押し切ってどうこう、という必要はありません

ならばどうしてこのタイミングでやって来たのか
極星寮を自ら訪ねて、何をしに来たのか

それがよくわからないですね
叡山敗戦とその後の方針転換、さらに創真の事実上の宣戦布告に対してちょっくら喋りに来たとでも言うんでしょうか

あるいは、壁や扉の向こうで聞き耳をたてているだろうえりな様に
創真と城一郎の関係をバラしに来たとか、いきなりそんなことをしに来たとは思えませんが…


いずれにしろ、次回の展開は重要な局面ですね

COMMENT▼

No Subject

言われてみれば確かに恰好の追い詰め材料ですね、親子関係暴露は。
この展開が来て、えりなが底の底まで堕ちたあと、創真がどう救い上げるかが超盛り上がるな!
薙切えりな復活!薙切えりな復活!薙切えりな復活!www

No Subject

なるほど
それも有りか

変な声出ました。(実話)

どひーーーーー!!!
まさかのブログ紹介ありがとうございますありがとうございますうわどうしましょう。(歓喜&超恐縮)
ただでさえ前回のコメントに大変丁寧かつ親切なお返事をしてくださったというのに、更にこんな光栄・・・!!
ちょっと本気で動揺してますすみません。

(深呼吸・・・)

そうですね。
私も創真の父親が城一郎だという事実をえりなが知ることは、ラブコメ的な盛り上がり要素よりも、むしろ深刻な不安要素になるだろうと予想していました。(もし宜しければ、私のブログの「単行本第5巻感想」をご覧くださいませ)
創真への闇雲な反発が変わりつつある今、代わりの反発理由としてその“地雷”が踏まれる可能性は高いと私も思っています。
ただでさえ、薊は人心の掌握術に大変長けている人物ですから・・・。
えりなの動揺に付け込んで再度「洗脳」をかけ直すのは容易なことでしょう。

あともう一つ、rexelさんは「えりながこれまで否定してきたものの”重さ”を知りつつも、何故薊はその否定を辞めようとしないのか」と疑問に思われておりましたが、
そもそも薊は本気でそれらを“重み”など無い無価値なものと思っているのではないのでしょうか?
素で自分の理念に当て嵌まらないものは塵と考え、そんな自分こそが正しいと普通に信じきっているという、本気で危険な人。
いわば、えりなの偏見的・排他的姿勢、そして「自分が正義」という固定観念、それらがより重症化・深刻化してしまっているのが薊というキャラクターなのだと私は分析しています。(これについても、もし気が向かれましたら「第135話感想(後半)」をば・・・)

ちなみに私としては、えりな同様に薊も創真と城一郎が親子関係にあることは知らないと思うんですよね。
薙切親子がその事実を知った際、二人は何を思い、何をしようとするのか。
そこもまた興味深い注目点だと思います。

大変な長文になってしまい、誠に申し訳ありませんでした。
そして、本当にこの度はありがとうございました!!(m(_ _)m)

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

特に栗うさぎさん
記事を引用させていただきました。おかげさまで1つのヒントがいただけたように思います。
これからも、「おお…」と思った考察や予想があれば勝手に引かせていただきますのでよろしくおねがいしますね。


で、えりな様絶望の可能性ですが。ラグエルさんも妄想屋さんも特段の異論ないようで。

メタ的なことを言えば、えりな様の絶望の深さがそのまま創真が救い出そうとするカタルシスに転化されるわけなので、この事実によってその深さを増すことができるのならきっとあり得る展開なのだろうなあと思いますよね。

後はそれをどうやって助け出そうとするのか、あるいはどうやってえりな様が勇気を出す後押しをしようとするのか。その辺りでしょうか。

薊はこの事実を知っているのかどうかも含めて、目が離せませんね。

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