社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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構成は見事ながら気になるところも…傑作スーツマンガ第10巻テーマは「デニムとのマリアージュ」!

王様の仕立て屋10巻

王様の仕立て屋 ~サルトリア・ナポレターナ~ 第10巻


とうとう2桁まで来てしまいましたよ

「紳士服」をテーマとする異色作品の第2部
第1部は32巻まで達する人気作でしたが、巻数をリセットして第2部として始まった物語の続きは
ついに10巻まで到達しました

人気は間違いないんですねえ

掲載誌の統廃合によって流浪の連載を繰り返している作品でもありますが、それだけ移り変わることは
逆に言えば終わらせる選択肢が無いほどに人気があることの証明なのでしょう


さて、1巻に1つのシリーズを展開しているパターンでの今巻のテーマは「デニム」

ジーンズがぱっと思い浮かぶことと思います
そのデニムです


ジラソーレ社がデニムのフェアを始めるのに、人気急上昇中のコンビ芸人をイメージキャラクターとしたところ
デニムを巡って2人が対立し始めた…というのが今回のシリーズの取っ掛かり

そこで問われるコーディネートにおけるデニムの存在感をめぐって、オリベが知恵を絞るという基本パターンが
踏襲されていくことになります

ジラソーレ社の面々が登場してくることはページが華やかになる意味でとってもありがたいんですけど
しかし彼女たちが中心ではなかったな…というのがちょっと残念でした

メインとなるのはあくまで対立するコンビ2人で、芸人さんという属性上、見目形の良い2人ではないんですね
要するにむさ苦しい2人がデニムを中心とした服装をして毎回ドヤ顔で現れる…という展開では
どうしても視覚的な楽しみが少ないのです

しかも今回のテーマは、どうしてもカジュアル寄りになるデニムをナポリ仕立てのエレガンテに合わせるには、という内容であり
デニムの主張を抑えたり流したりしたようなコーディネートが繰り返されることになることで、いつもの調和という点では
若干後退しているかのような印象も否めないんですね

デニムと言って、普通に想像されるジーンズだけにとどまらず、コーデュロイとかホワイトジーンズとかも取り入れていたのは
変化を付ける意味でもさすがという感じではありましたが

しかし、コンビ2人の母親が出てきたことでさらに「うへえ」感が倍増したというか

ともに揃ってナニワのオカンみたいなキャラだったことで、「うぜえ」感が満載になってしまって
「もうそろそろ…」という気すらしてしまいました


1巻に1シリーズで展開させていく構成力は相変わらず見事なんですが、今回はちょっと諸々の加減が気になってしまいましたね

というか、変わらずオリベの器用な職人ぶりばかり描かれているわけですが
店を構えたことで新たに見えてきた部分であるとか、セルジュたちの修業の様子だとか、
そういうところも見たい気がするのである


でもやたら気に入ったのがこれ




ジラソーレ社フィレンツェ支店店長のサンドラですよ



褐色下乳へそ出しミルク



褐色
下乳
ヘソ出し
ミルク


うむ、苦しゅうない

大河原先生これはなかなかのセンスですね

この感じからすると、雑誌掲載時はどうやらカラーだったように思いますが
これはコミックス収録による白黒の方が好みかもしれない…


そういえば、前にもカラーより白黒の方が好みかもしれないって思うことがありました
『黒子のバスケ』でのアレですよ

モノクロはカラーを超えたか…黒子のバスケ第22巻

モノクロはカラーを超えたか… 『黒子のバスケ』黄瀬の表情の演出


こうしてみると、一概にカラーのほうが視覚的に面白くなるとも言えないんですねえ

これもまた、「見た目が10割」というこのマンガが示す真理を表すものなんでしょうか











[タグ] 大河原遁




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No Subject

今回は今までとは嗜好を換えて仕立て服とは正反対の位置にあるデニムを持ってきましたね。

デニムやジーンズはスーツと違ってラフかつ気軽に着ることが出来気軽にファッションが楽しめるというとっかかり安さがあるため、今回の芸人コンビというゲストキャラはデニムの特性に非常に合っていた気がします。

前シリーズでは主に紳士服やスーツに焦点を絞っていましたが、今シリーズでは今回のデニムだけでなく鞄やコートなどメンズファッション全般にまで対象が広がっているように思えます。
そして織部自身もそういった注文を通して自分の引き出しを増やしているようにも感じるので、近いうちにそれを生かせる話が出ることを祈ります。

Re: No Subject

コメントありがとうございます。そそさん
お久しぶり?だったでしょうか。

ゲストキャラにはそういう意味があったんですね。なるほど。

オリベの引き出しが増えたというお話ですが、第1部の頃から割と器用にどんな依頼でもこなしてきたイメージなので、「成長した」感があんまりないのが気になるんですよね。ある意味主人公として正しいのかもしれませんが、無双してるなあ、と。

そんなことを思うと、一大決心で伯爵にさらなる借金をして店を構えた覚悟や気概の部分を見られるシリーズを読みたいなと思ってしまいますね。

No Subject

第一部でもそうだったのですが第二部では織部は主人公と言うよりも狂言回しに近い立ち位置にいるように思えますね。そのためどうしても織部の葛藤や悩み、職人としての腕の向上が見えにくくなっている気がします。

そして個人的には今回の話にモデル出身であり、デニムに関して知識のあるセルジュがあまり関わっていなかったことが少し不満でした。

また第一部でセルジュの進路が決まったので、セルジュの修行も含めてサルトとしてのオリジナリティーや運営方針を巡る話を見てみたいとも思います。

Re: No Subject

こちらにも返信ありがとうございます。そそさん

言われてみれば、セルジュが前に出てこなかったのは変ですね。それなりに知識はあろうかと思いますが。いわゆる作者の都合というところになるでしょうか。

オリベが狂言回しに近いとは言い得て妙ですね。確かにオリベが出てくると話が進むんだよなあ。作中である種絶対的権威のようなポジションにあるためですかね。

第2部開始、あるいは掲載誌の移動、という事情によりあえて主人公やその周辺に迫る展開が描けないのでしょうか。それはそれでもったいない気がしますが、10巻にまで達したんですから、そろそろそういう展開を始めるのもありなんじゃないかと思いますね。

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