社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ジャンプの新連載がなかなか上手くいかない読者側の理由

ジャンプロゴ


前から何となく思ってはいたんですけど、この機会に考えてみました

今週始まった『デビリーマン』で、ナルトを除いて新連載作品が3つ出揃ったわけですが

さあこの内どれが生き残るだろうかというのは
きっと多くの読者が抱いている心配だろうと思います


で、普段はそうやって新連載作品が打ち切りになったりならなかったりしていることに対して
作者だけでなく編集部や担当編集に原因があるとする意見が続々と出てきたりしますが


今回考えるのは、読者の方にもその原因の一端があるだろうという話です


 







結論から先に書きましょう


それはずばり、最初から打ち切りを前提として色眼鏡で見すぎているのではないか、ということです



1話だけ見て、全てをわかった気になってあーだのこーだのまくし立てて、
「だからつまらん、打ち切りコース」などと考えがちなのではないかと


これはきっと誰にでも多かれ少なかれあることでしょう



今回のデビリーマンの新連載にあたって、このことを何か妙に強く感じていました

というのも、週末いくつかのまとめサイトで「またジャンプで打ち切り確定の新連載が始まったぞ」なんていう
ネタバレ記事が作られていたんですね

いちいち見てないので、同じソースから複数のまとめサイトがページを作っただけかもしれませんが
公式発売前にネタバレを流す挙句に打ち切り確定などと決めつけて評しているのは
そんな記事のタイトルを見ているだけでも不愉快極まりないものでした

そうやって上から目線で語ることで自分が偉くなったような感じでもあるのでしょうか


いや、ひょっとしたら俺も毎週の感想でそんな風になっていることがあるかもしれませんね
極力気をつけてはいるんですが、「オマエモナー」とか思った人がいたらごめんなさい



とはいえ、とりあえず自分のことは棚に上げて話を続けると

そんな決めつけたような気持ちで全てを見抜いたような態度で評価してしまっては
新連載が生き残れるわけはないだろうと思うんですね


自分が読んだ限りでは特段何かに惹かれるとか引っかかるとかいうことはなかった
だからツマラン作品だ
だって表情は変だしテンポは悪いし展開は見飽きた流れだし…

という具合

画力だとか構成力だとか、そういった要素が「自分が面白いと思わなかったことの証明」として
語られるんですよね

「面白いと思わなかった」理由はたぶんもっと違うところにあって、本人は言語化できてないんですが
それを説明しようとするのに画力とかテンポとか言っちゃう

理由を後から持ってきている気がするんです


…いえ、俺はそんなことないですよほんとですよ



「俺が面白いと思わなかったということは世間的にもこれは駄作だ」という前提のもとで
いろいろと非難できる箇所を探す

そんで新人作家さんのデビュー作とかだと、すぐにそんな箇所なんか見つかるもんだから
ドヤ顔で指摘する


もっとひどくなると、巻頭カラーの1ページ目や扉絵、最悪表紙のイラストだけで「だめだこりゃ」と
さっさと決めつけて読んでいく


つまり、作品に対する評価が圧倒的にマイナスな状態から始まってしまうんですね

それでは作者がどんなに頑張ったところで、その工夫や演出が理解されることは難しいでしょう


そういったところまで含めて作品作りだ、という考え方もあるかもしれませんが
もう少し余裕を持った気持ちで読もうとしてみることで、今までとは違った形で
その作品と出会うことができるとは言えないでしょうか




その副作用


そしてこのことがもたらしている副作用というか、強化されている要素があります


ジャンプシステムにおける第1話のインパクトの重要性です


1話では作品の基本的な設定や世界観を説明しながらも、最後には見開きや必殺技を持ってきて
派手なシーンとともにカタルシスを演出してやるというジャンプ定番のパターン


読み切りでも踏襲されるこの流れは、それだけ「1話で魅せる」ことの重要性が問われているからです


なぜなら、それがなければ読者がマイナス状態からの評価と評論を始めて
それを持ち直すのには多大な労力を必要とするから


俺がよくテンプレと呼んだりすることのあるあの流れは、何とかして1話で作品全体の魅力や、
あるいは一定以上のカタルシスを描こうとしているものだと考えられるんですね

それをしないと、初対面の作品に対しては基本マイナス状態の姿勢から見始める読者を
プラスの状態に持って行けないからです

もちろん、知らない作品に対してマイナスのイメージを持ってしまうことは
心理としてはまあ普通にあるものでしょう

しかし、ジャンプ作品に対しては特にそれが強いように感じられる
それはまるで、1話でインパクトを与えておかなければその後が読まれないという前提ゆえに
インパクトがなければ面白く無い→打ち切り必至との解釈→ますますインパクト重視→インパクトなければ(ry
という無限ループに陥っている予感すらしてしまうのです

ジャンプシステムにおける閉塞感の一端は実はここに存在しているのではないかと

だからこそ、面白さを理解するには積み重ねが必要と思われるような作品が育ちにくい


しかし、少し前からジャンプは変わろうとしています
アンケやNEXTにわかるように、明らかに変化の兆しを見せています

ならば、読者もまた意識を変えてみればその流れに対して呼応することになるのではないでしょうか

面白い漫画をもっと読みたい
その一点さえ変わらなければ、他の意識がどんな風に変わったところで
大したことはないはずです

COMMENT▼

No Subject

極端な事を言ってしまえば、ジャンプシステムがある以上読者にも原因や責任は発生します。
アンケートで決める。そしてそのアンケートを出すのは他ならぬ読者ですから。

表紙や冒頭だけで駄作だ打ち切り確定だと騒ぐのも立派な感想の一つではあります。
尤も「そんなものは読んでいて不愉快ですしそれこそスルー確定で推奨ですけどね」
どのような感想であれ賛同するのも抵抗するのもまた自由。それ自体に原因や責任は生じません。
新連載継続の可否に責任が生じるのはアンケを出した真摯な購読者だけです。
そしてその多くは「確固とした価値観でもって独自の感想を述べられる方」です。


読者側に要留意点を挙げるのなら「アンケ結果が多くの人の生活に影響する」事実の認知。
何も作者だけに限りません。担当の業務成績、編集部の成績にも影響します。
なので自分が嫌いだからと「大量の否定アンケを送り付けたり扇動したりといった所業」
は決してしてはいけない。

最後になりますが、前述の意味で言えば私のコメントやrexelさんの記事も個人の戯言です。
それが新連載に影響を与えるのでは?と懸念するのであれば、安易な否定をする方よりも
多くの賛同を貰える様な記事やコメントを残すことが出来る精一杯の事と思います。
そしてrexelさんはそれが出来ていると思いますよ。少なくともコメンターの私よりはw

追記

打ち切り確定だー!と決め付けて見るのも
腰据えて読もうぜ?と意見を押し付けるのも
どちらも大差ないですよ。それはただのスタンスの違いでしかありません。
どう読もうが自由ですし、その読み方をどう思うかもまた自由。それの受け止め方もです。
言ってしまえば新連載の継続の可否は「編集部で決めるべき事案なんですから」
それをアンケと称して読者に丸投げている以上、場が荒れるのも仕方の無いこと。
世の中は十人十色。一万人集まれば一万人のスタンスがある。

ネットに触れることで、溢れ返っている『一見すると筋が通ってそうな意見』を目にし、或いは共感し、「自分の目は肥えた」と錯覚されている方をよく見受けます。
アンケート至上主義を謳っている以上、こういった大多数に流されるままの意見が受け入れられ、また読者側が連載を裁定する権力者のような錯覚に陥るのもおかしくないと思えます。
そして、これを助長するのが掲載順ではないでしょうか。

「少し掲載順が落ちたな、前回は受けなかったのか、これは後ろにずっといるな、もうこの漫画はダメだな、僕もそう思っていた。」

勿論読者に特別姿勢を改める必要などないと思いますし、伝統に倣った編集部を責めることなど出来ません。
ただ、ジャンプから人が離れていく理由の一つに、作品に向かい合ったとき、ただ自分が面白いと思える環境が失われた所為だと僕は思いますし、とても悲しいことです。

No Subject

まあ確かに1話目で全てを判断した気になって色眼鏡で見ることはありますね
ただ個人的に1話目で読みにくかったり分かりにくかったらあとも読む気がなくなってしまうんですよね
それだけ1話目が大事ってことだとも思いますが

最初が肝心とも言いますしね

ただ一つ思ったのは面白くない理由をわざわざ探す必要はないのかなあと
少なくとも読者側は自分が面白くないと思ったからってだけでいいのではないかと
何がだめだったのかは作者と編集者が考えることで

少しドライな意見ですが

「子供は作者の名前で見ない、作品をありのままの感性で見る」

週刊少年ジャンプ、Vジャンプ元編集長で現在集英社専務取締役、鳥嶋和彦(通称マシリト、マユナシ)さんの言葉です

私、この方のこの言葉が凄く的を射ている言葉だと思います

何が言いたいのかというと、結局読者は最終的に、目で見た印象と面白さで判断し、それにより選択すると言うこと

確かに好きな漫画を見て贔屓したり、新連載を他の漫画と比べて色眼鏡で見ることもあるかも知れません

でも、それは結局、その作品に触れて述べられている感想であり、別に決め付けて言っているわけではないのです

これなら今載ってる奴の方が良い、これならこの漫画の方が好き、ごく一般的なありふれた感想だと思います

デビリーマンのネタバレ記事の話を聞いて、確かに私も連載前にこんな記事を載せるのはやりすぎ、とも思いました

でも、それもきちんと読者に触れられて、判断されているが故の結果であり、解決しようにも難しい事だと思います

まぁ、この手の打ち切り確定とかそういう不愉快な記事を載せたりしている人は、大概主流の少年層ではなく、管理人さんの言う色眼鏡で見る大人何だとは思いますが

結論を言うと、色眼鏡を使って

いわゆる打ち切り作品にも、いい部分があることもあるし色々な見方をしたほうがいいのはその通り

ただ否定的な意見の中にも筋が通ってるのがあれば、それはいい意見ですし、作品の批判をマイナスにだけ捉えないようにする考え方が大切なんじゃないでしょうか

ごく最近別の感想ブログでジャンプルーキーの作品を強くオススメして(こちらでオススメした作品と同じ)、1話目で判断されて迂闊にもその方が惰性で感想を書かれている作品より面白いと言ってしまったのもあり、強く拒否されてしまいました。確かに1話目だけで判断するとストーリーは軽くたわいもない話で絵もまだまだ未熟なため大した作品ではないと思われてしまいますが、その方は1話目で少しも琴線に触れなかったのと新人のWeb作品は時間がないので基本的に読まないという方針とそんなに面白かったらもっと話題になっているといった穿った見方で、オススメした自分としては凄く残念な気持ちになりました。
rexelさんにはちゃんと読んでいただいて凄く有難いです(^-^)あの作者はおそらくまだまだのびしろがあると思いますので、これからの作品が楽しみです。
ちなみにcomicoではかなりの評価を受けてるみたいです。

書き切れてない・・・・・・だと

読み返したら結論だけ綺麗に抜けてるのに気づいたので追加で

色眼鏡を使ってみているのはあくまでアンケートのシステムを理解した知識ある人達のみで、大半の少年層の読者は、そこまで色眼鏡で作品を見てないと思います

結局新連載が続く決めては、現在本誌に載っている作品より面白い、良いと受け入れるかだと思うんです

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

俺も必ずしもまとまってないまま書きましたが、色んな意見が欲しいとも思っておりましたので、こうしてたくさんコメントを頂けたのは大変ありがたいです。

ネタバレ記事のタイトルに結構な不快感を抱いたことで書こうと思った記事でしたから、冷静な皆さんから見ると、「まあそこまで言わなくとも」という感じがあったでしょうか。

この記事を書いた後、別のまとめさいとで今回の新連載3作品がみんなつまらんとかって「ジャンプ終わる」などという記事があったのを見てさらにイラッとしてしまいました。

じゃあおまえらどんなマンガなら満足するんだ…とムカムカしたり。


落ち着いて自分ができることを考えるならば、ラグエルさんの言うようにその作品のどこがどう面白くて、何がどうすごいのかをレビュー記事として1つずつ書いていくことでしょうか。

しょーもない評論家気取りにならないように、他山の石としていくのが現実的な落とし所ですかね。

No Subject

とても考えさせられる記事でした

それでも実際に「そんなにおもしろくない」という新連載が多いのも事実じゃないでしょうか?

久保帯人先生も古味先生も多くの作家さんが1作目は打ち切りを経験してます
古くは北斗の拳の原先生やスラムダンクの井上先生すら1作目は打ち切られて「作家になる道が閉ざされたと思って泣いた」というエピソードもあります

それでも1回失敗したからこそ「1話目の最初に読者をもっとひきつけるシーンを」とか「週刊のハイペース仕事でアシスタントにどこまで負担をまかせるか」とかノウハウがたまって2作目ヒットするのではないでしょうか?

結論として「うわぁ 微妙だなぁ」と思う新連載(おそらく単行本は買わない)に同情票をあげるより2作目に心の底から面白いと想わせるものをもってきてくれと思います

北斗の拳やスラムダンクやブリーチやニセコイは"それ"ができたわけで

Re: No Subject

コメントありがとうございます。富士3さん

記事の内容を踏まえても、「やっぱりそんなにおもしろくない」と思われる新連載が多いのは、ある意味編集部も意図していることなんじゃないかと思っております。

編集部は連載デビュー作がコケることなんて割と織り込み済みでゴーサインを出しているんじゃないかと。ヒットしたなら何より、ヒットしなかったならばこれ以上の勉強はない、というスタンスですね。

その理由としては、富士3さんもお書きの通り、一度連載を経験すればそれまで見えなかった多くのことが見えてきて、実力が格段に磨かれるだろうというのが1つ。

そしてもう1つには、「xxの○○先生の最新作!」なんて触れ込みでNEXTとか本誌読切りとかで話題性の1つにできるというのがあるのではないかと。NEXTの巻頭カラーやセンターカラーにできたり、+での掲載でもかつての連載作家なら話題とするには充分なはずです。

3度目の短期打ち切りはもう戦力外なんて話がありますが、そうした理由じゃないかと思うんですね。実力も磨かれただろう上に話題性もそれなりにあったはずの2作目も短期打ち切りとなった人へのラストチャンスというか。

これについてはもう少し整理して、いずれ記事にしたいと思っております。

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