社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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横田卓馬先生の新連載が楽しみすぎるので読切『競技ダンス部へようこそ』を読み直しておこう

競技ダンス部へようこそ 表紙

今週のジャンプで発表された次期の新連載作品

全部で4つあった作品たちの中で、期待のボルテージを急上昇させる名前がありました


横田卓馬先生


新連載作品は『競技ダンス部へようこそ』



これは来たね

もうね、ずっとずっと待ち望んでいながら「でもたぶん無理なんだろうなー」って半分以上諦めていた作品なんですよこれ


楽しみすぎるからGW連休早く終われ


まだ連休始まってもないのにそんなことを思ってしまうレベルです



読切りが載ったのは、2011年のジャンプ第46号


もちろん持ってますよ


こういう時のために2008年からジャンプ捨てるの止めたんですから
すぐ引っ張り出してきますよ



ということで、連載開始前にどんだけ面白い作品だったのか

ちょっくら復習しておきたいと思います



 






読み切りが載ったのは、もう4年も前になるんですね
46号といえば秋くらいですから、厳密には3年半くらいということになるでしょうか




競技ダンス部へようこそ

これが、読切りのセンターカラー扉

学校を舞台に、主人公の気弱な少年がダンス部に興味をもつところから話は始まっていきました


で、この読切りを語る時に必ず触れられることがあります
本記事でもさっさと触れておきましょう

これですよ




尾田先生絶賛


46号にこの読切りが載った後、50号のONE PIECEの目次コメントです

尾田先生が絶賛しているわけです


あの尾田栄一郎先生が、わざわざ目次コメントで、「すごいよかった」なんて言っちゃったんですよ


異例…なことかどうかは知りませんが、目次コメントに書かせるほど尾田先生を唸らせたという事実


じゃあ何が面白かったのか


1つは、これこそ少年漫画と断言できるほどにド直球なストーリーにありました

女の子とはまともに会話ができないような弱気で挙動不審な主人公の男の子が
「競技ダンス」と出会って、不純な動機から入部してみたら、賑やかな先輩たちと
自分と同じくらい引っ込み思案な同い年の女の子と一緒にいろんなことを感じて、学んで、楽しんでいくお話


…うん
どうにか言葉にしてみましたが、面白さが1ミリも表現できてない気がします

まあしょうがないですね
こればかりは読んでもらわないと


じゃあもう1つ

これは読まなくともわかってもらえるでしょう

嫌な奴が出てこないことです


どんな読切りでも、王道を通り越してテンプレと化している展開に登場するつまらない悪役
我を通すのに誰かを脅してみたり拐ってみたり、あるいは小細工を弄してみたり
時には「お前ほんとに学生か?」と思えるくらい悪知恵がキレる奴もいたりしますが

このマンガはそういう奴が一切出てきません


だから、カタルシスはそういう悪役をぶっ飛ばすことではなく、主人公の男の子とダンスの相手役になるヒロインの女の子が「互いに互いを支えにして弱い自分を乗り越える」ことで生まれているんです


このね
この優しい展開がね、グサグサ来るんですよ


ムカつく悪役が登場してこないというのは、例えばハイキュー!!をイメージしてもらえるとわかりやすいでしょうか
悪意100%の奴なんか1人も出てくることなく、バレーに真剣に打ち込んでいて、プライドと意地をぶつけ合う青春スポーツもの

『競技ダンス部へようこそ』も間違いなくそうした性質を持っています


気弱な主人公を虐めるような先輩はいません
ダンス部に入った主人公を無闇にからかうようなクラスメイトもいません

とにかくみんなが「普通に良い奴」ばかりで、安心して読んでいけるのです

主役の2人が消極的な性格になったのも幼さゆえの些細な出来事に起因しており、
トラウマと聞いてマンガで想像するような大げさなものでは全くありませんでした

しかしその出来事はきっと誰にも起こり得ることで
だからそれを経験して弱気になってしまった2人には、「ifの自分」が重なる

けれど、競技ダンス部に入って気のいい先輩たちと出会って、自分を好意的に受け止めてくれる相手と触れ合って
そのおかげでダメな自分を克服できた


勇気を出して、一歩を踏み出して、お互いに励まし合って、本番に臨んだ不器用な2人が

見開きで最大限に輝いていた


あの見開きのカタルシスと言ったらなかったですよ

冒頭ではあんなにオドオドしていたのが、文化祭の舞台で大勢の観客を前にしてこんなにも輝けるのかと



その演出を可能にしたのが、これでもかと言わんばかりに「青春っぽさ」を醸し出しまくった怒涛の構成とテンポでした


最初は、ほんの少しだけの勇気だけで仮入部することにした2人でしたが、やってみようと思うやいなや
次のページからはひたすら練習風景練習風景

物語はようやく中盤に入ろうかというあたりなのに、まるでダイジェストのように部活の様子が
練習風景とともにひたすら描かれていくのですが、これが見事に「青春」を演出しているのです

練習の中でも、先輩から「ペプシ頼むわー」とか言われてみたり、「ゲーセンいくぞー!」と連れて行かれたり
登校中にステップを踏んでみたり、疲れて帰宅したら着替えもせずに寝ていたり

かと思えば、練習の合間の雑談で「入部しようと思った動機」を先輩たちも混じって語らってみたり
ダイジェストの練習風景を動きある展開とするなら、会話が続くこととなるこの場面は「静」の展開でした

そんな輪の中に自分もいることを「青春って感じ…!」なーんて思っちゃう主人公

そして再びダイジェスト的に練習風景

休み時間にダンス部じゃない友達と練習してみたり、先輩と一緒にオリジナルダンスの振りを考えたり
授業中居眠りして怒られたり

ほんとにどこにでもある風景なんですよね


ダイジェストと会話シーンとで描かれる青春の風景は、構成とテンポにしっかりとメリハリのきいた見事な作りでした



だからこそ、ラストのこのシーンが映えるんですよ




美しき青春

お互いで支えあって1つ乗り越えた2人が、「もっと頑張ろ」って駅のホームで練習を始めちゃった姿

ここまで読んできてのこのラストを、こんなにも美しく描いてくれる



…もう、何というか

いや、読んでない人には全然わからないと思いますけど(当たり前ですけど)

これが面白くなかったら何が面白いの?っていうくらい完成しまくってる読みきりだったんですよ



その上青春っぽさの中に混じって適度なエロさも含まれるという隙の無さ


適度なエロさ


適度なエロさ2


男女で踊る競技ダンスなんて、描こうと思えば微エロシーン山ほど描ける題材ですよね

ベストショット集へのエントリーもきっと増えます



この読み切りが載った2011年の秋は、実は当ブログを始めて間もない頃でした
なので、実はこの号の感想記事もあるにはあります

しかし今見ると、土曜日に感想記事更新してるとか、中身自体も色々とアレなのであえてリンクはしません(;^ω^)


ただ、当時はこの読切りが完成されすぎていることで逆に心配していたようです
これで連載しちゃうと、この読切りで評価されたものと連載で描こうとするものとがズレてしまって
その他の優秀だった読切りたちと同じ運命になるのではないか、と考えたりした模様

今は、この作品に限ってはそこまでのことは思わないですね

競技ダンス部を舞台にした青春劇を見せてくれればそれでいいと思いますし、実際描かれるものもそうなるだろうと思っています


というか、尾田先生が絶賛してることからも分かる通り、当時この読切りに対してはどこも好評だったはずなんです
だから編集部としてもこの作品の連載は当然考えたはずだったんですが…


何と横田先生、2011年12月からマガジンで小説コミカライズの連載を始めちゃったんですよね

『競技ダンス部へようこそ』の読切りが載った約2ヶ月後ですよ


これには相当ビビったことを覚えています
同時に、「こんな面白いマンガを描ける人をマガジンに取られるなんて何やってんだ編集部」とも思いました

だって横田先生ってもとはトレジャー出身の人なんですよ

PC版で見てる人にはお馴染みの左サイドバー「人気&オススメ記事1」から常にリンクしているこの記事

約束の結末と少女の決意 『戦下に咲く』 横田卓馬


受賞作のレビューを書いた記事ですが、これもうそのまま読切りとして載せられるくらいのクオリティなんです
大好きなんです

だからマガジンで連載開始という知らせには本当にビビリました

だけどジャンプ編集部も諦めなかったのでしょう
だから読切りから3年半を経ても新連載として決定するくらいの期待値がある


その期間コミカライズの連載をやっていたわけですから、当然画力はたくさん上がっていることでしょう
その力で描かれる競技ダンスを舞台にした青春劇



マジで期待したいです




ちなみに、こちらのサイトでもっと画像を載せつつあらすじを述べつつ
気持ちを込めた感想が書かれておりました

こちらを見てもらえると、少しでもこの作品の面白さがわかっていただけるでしょう

楽しければよかろう ジャンプ感想のページ


COMMENT▼

No Subject

横田先生はもう期待しかないです。新人でなく実績のあるプロだもの。
恐らく、あっちが一段落着くのでこっちで連載の話に乗れたのではないでしょうかね?
何にせよ楽しみです。GW無くなれとは思いませんけどw

No Subject

おお、この人か

戦下に咲くでとんでもない人だとは認識していたけど連載のところはチェックしてなかったです。

台詞回しに記憶があるから読んだはずなんですが内容飛んでるなぁ。
コミックスで読みきり乗せてくれると嬉しいですね。

No Subject

もう3年半ですか
随分古いなぁ・・・え、マガジン?Σ(°Д°;)

何と無く思い出しました
アレ、連載になるとどうなるんだろう・・・その内大会とか出るんか(^ω^;)

恋愛要素も有りそうすな。。。

この作者の読み切りで受験と将来がテーマな「こがねいろ」って作品が青春しててすごいよかった

読み切りのダンス部は読んだことないけど、戦下に咲くも読み切りとしてレベル高かったし、連載が楽しみです

あと短編集出してほしいっす

あの藤崎竜先生にも「ダン○ロスのせいでジャンプ連載が遅れた」と言われてましたねw
かがみさんのファンなのであれはあれで楽しかったですが。

しかし同業者からも期待されるってすごいですよね。

Re: No Subject

皆様コメントありがとうございます。

マガジンのほうが連載終了ということで、ジャンプに戻ってきてくれるようですね。
諦めてなかった編集部には賛辞を送りたいです。

「こがねいろ」も確かに青春しまくっていて、いい作品でしたね。ダンス部ともども読み返してしまいました。
そしてジャンプLIVEの短期連載作品も、再読み込みして全キャプ、いつでも読めるようにスタンバイまでしてしまいました。

横田先生の短篇集とか出たら売れるでしょうねえ…

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ジャンプ歴20年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

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中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。そして邑楽派。



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