社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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ぼくたちは勉強ができない第69話 2018年週刊少年ジャンプ31号感想その1 

なんか妙に長くなったので先に更新しますわ


ぼくたちは勉強ができない


成幸が思いついた作戦は、カップルに適当な理屈をつけてうどんを売りつけようというジンクス商法でした

この文化祭編の最初から言われてる花火のジンクスと同じことをしてるんですね

着眼点がいいのかどうかはよくわかりませんが、カップル向けにすれば基本的に2杯ずつ売れるのなら
効率は良いのかもしれません

そのためのサクラ役を自ら買って出るのも主人公らしい責任感なんですけども
先週の引きで理珠と恋人みたいな雰囲気出しておいて、今週はうるかとカップル役してるとは
さすがラブコメの主人公ですね

ただまあそんなことは今回どうでもいいでしょう

文化祭編クライマックスとして、どう締めるのかが注目されていた花火のジンクス

こんなところでルートを確定させるわけにはいかないんだから、
どーせ大騒ぎの末に紐とか縄とかが絡まりましたみたいなことになるんだろうとばかり思っていましたが

まさかこんな形で描いてくるとはねー


いや、結局はうやむやにした締めだったことには変わりないんですけどもね

それでも今回の締め方には、ジャンプのラブコメにおいて一定の意義を見出すことができるでしょう

それが誰かを読者に明かさなかっただけで、ジンクスそのものは確かに当たっていたということ

一周回ってむしろよっぽど誠実に描かれている気がしますよね

胡散臭いジンクスや縁起を持ち出して、煽るだけ煽っただけで結果はコメディとしての冗談にまみれた状態…とするよりは
だいぶマシです

しかも1回読者が予想してたとおりの騒ぎを見せた上で、「やっぱりな」って思わせた後にぶっ込んでくるという巧妙さ
おかげでジンクスのギャグ結末をきっぱりと否定していることが明快になっています


とはいえ、「それが誰だったのか」というのは全く明かされることはありませんでした

「その娘」は言葉を発することもなく、見開きに描かれたシルエットには髪型もボディラインも示されることもなく、
それが誰であるかというのは、ヒントさえ完全に伏せられたわけです

下手したら花火の逆光で顔が見えなかったとかそんなこじつけもありそうな感じがしますが
まあそれは流石にないのでしょう

倒れている成幸に手を差し出した彼女はもちろん、成幸の方もそれが誰であるのかはしっかりわかった上でその手を握った
その時にたまたまジンクスを成立させる最初の花火が上がった

それだけです

ジンクスをハナから信じていなかった成幸としては、実際にその瞬間に「その娘」と手を触れ合っていたからと言って
むやみに気にすることはないのでしょう

だから来週からもそんな話題は欠片も出さずに、いつもどおり
受験に向けて自分の勉強にもヒロインたちの勉強にも力を入れつつ、時々フラグを強化したり折ったりするだけ

ただ本当に誰かとのルートに入ろうとした時に、そういえばあのジンクス、と急に思い出したりするだけですね
つまりそれを思い出す展開が描かれた時には、どのヒロインのルートであるのかが確定されることを意味するのだと

だからこそ、今はまだそれをはっきりさせないために、ほぼ手がかりのない影を描いたわけです

それでもガチ勢の人たちはいろんなことを考慮に入れてあーだこーだと論じてみるんでしょうけども
おそらく今の時点でのその考察は全くと言っていいほど無意味であることでしょう

なぜなら筒井先生はまだ現時点ではエンディングを決めていないと考えるのが最も可能性の高いものであり
だからこそ見開きのあの影にはヒロインを少しでも特定させる情報を一切なかったと言えるからです

メタ的にはそれが一番自然というかね


実際の感情を推測してみるならば、成幸の手を取って花火の方に振り返った「その娘」が
他のヒロインたちと同じように花火に見入っているのは変な話になるわけですよね

恋する乙女としてはジンクスでも何でも気にならないわけがなく、実際にそれを成立させてしまったとすれば
とても平常心でいられるわけはないからです

5人ともが普通の顔をして花火に見入っているとするならば、その時点でうるかがまず外れる…とか
理珠も理珠で、そんな非科学的なものに惑わされたりするほどに無自覚な恋愛感情によって心を乱されているはずが
平然としているならそれも外れ…とか

文乃だって、うるかや理珠の前でジンクスの条件を成立させたことに動揺しないはずはないから、これも外れ…とか
からかい上手のあしゅみー先輩も、絶対ところどころに本心が混じってるはずだからちょっとくらい動揺してるはず…とか
平然としていてもおかしくないのは、現時点で最も成幸に対する恋愛感情が薄いように見える桐須先生だ…とか

そんなの考えたってしょうがないのです

倒れてる成幸に手を差し出す行為自体は誰がやってもおかしくないものであるわけですから
それはもう考察しても徒労という他ないでしょう

まあそれでも考察しないと満足できないって気質は、深読み好きとして俺も理解できるところではありますが


そんなことよりも、この文化祭編でそれぞれのヒロインにどんな変化があったのか、
あるいは何が残ったのかというのをおさらいしてみたほうが建設的な気がします

まずはうどん玉1000こを売り切った理珠
彼女の場合、成幸との明確なターンと言えるものは前回のプロポーズもどきくらいでしたが
それよりも大きなものとして、ぼっち姫が友人の協力を得て無理だと思ったことを成し遂げたという体験を挙げることができるでしょう

自分のも他人のも感情の動きに疎いという理珠
理系脳として合理性や論理性に偏った思考が、「協力することにより、1人でやるよりも大きく成功できる」ことを知ったことは
今後の彼女にとても影響を与えるでしょう

1人では難しくても、誰かに協力してもらえれば達成できるかもしれない
協力を取り付けるには、その人の感情に訴えなければならない、配慮しなければならない

国語を成幸に教わっているのがまさにそれであるわけですが、では理珠はいつか、こんなにまでして自分に協力してくれる成幸の感情に
どうにかして配慮しなければならないと思い当たることがあるのでしょうか

あるいは、どうして彼はこんなに自分に協力してくれるのだろう、と成幸の感情に真剣に思いを馳せることがあるのでしょうか

その時こそは、彼女が「心」の何たるかを知るための重大な節目になるのだと思われます


文乃に残ったのは、言うまでもなくきぐるみマンとの初キス事件ですよね

あしゅみー先輩だと思って勢いでかましたら実は人違いだったことで、中の人の正体が気になって仕方ない状態になってしまいました

今後の文乃ルートにおいて、「中の人は成幸でした」という事実が大きな鍵になることは間違いないでしょう
彼女がそれを知る時、どのようなリアクションになるのか
あるいはどれほどのフラグになるのか

成幸が自ら話すことはないでしょうから、誰か別の人から伝えられることになるはずです
彼女の応援ポジションである猪鹿蝶の3人は、きぐるみマンが背負っていたのと同じギターを背にした成幸と
劇の直後に接触しています

ギターの持ち主であるあしゅみー先輩には、文乃からきぐるみマンがギターを背負っていた事実が話されています
そして今回ギターは成幸から返却されていました

現時点で猪鹿蝶3人とあしゅみー先輩だけが、ギターと成幸を繋げることができる立場にいるわけですね
とすると、今後文乃が真実を知るのは彼女たち4人の誰かからである可能性が高いのでしょう

つって、別にうるかとかでも、ギターを背負って廊下を歩いてた成幸を目撃した、とかも不可能ではないので
あくまで可能性ですけども

うるかは、成幸お手製のダークネス衣装を手に入れましたね

初キス事件を起こしてしまった文乃に比べるとすごく差があるように見えますが、
まあ彼女の場合は最初からラブ度が臨界点なのである意味仕方ないのでしょう

なので、今後のルートの中で何があるかってのはさっぱり予想できないわけですが


桐須先生は、かつて体験できなかった文化祭に今になって参加できたという感慨深さがあるでしょうか
あとはまた1つ成幸に弱みを握られてしまったと言うかw

成幸とは教師と生徒という立場である以上、桐須先生が明確に彼自身を意識するような場面は殆どありません
最初に部屋に上げた時にも、ただ「男性」であるという点のみで動揺していましたが
成幸個人に対する特別な感情は今のところそれほど見受けられないというのが正直な印象でしょう

ただし、すでに素を知られてしまっている成幸に対してのみ自然体でいられるというのは大きな要素であるかもしれません
美春が急にやって来るって時のように、成幸を頼る選択肢を容易に決断できるくらいの気持ちにはなっているはずです
今さら取り繕っても仕方ない相手としてね

そういえば制服コスプレ回で、下校中の買い食いを体験してたこともありましたね
桐須先生のターンでは、フィギュアに捧げた青春を成幸と再体験するっていうコンセプトを見出すこともできるんでしょうか

そうすると、青春の代名詞とも言えるような恋愛というのが成幸と桐須先生の間に訪れる可能性もゼロではないのかもしれません

あしゅみー先輩は、今回一番出番が少なかったですね…
学校の文化祭ですから、すでに卒業している先輩の出番が減ってしまうのはやむを得ないことではありましたが

文化祭編を通して、何か変化があったかといえば取り立ててどう、ということはないと言えるでしょう
せいぜいギターを超弾けるってのを成幸が知ったくらい?

新たな一面を見せた…といえば間違いではありませんが、他ヒロインと比べるとどうしても見劣りするような感がありますね
それよりも文乃のキス事件のためのギターだったり、うどんの売り子だったり、
他ヒロインのアシスト役としての側面が強かったように思えます

あとは関城さんが…理珠に嫌われたくらい?


振り返ってみるとこんなところでしょうか

いつか後付でシルエットの主が明かされる、その時を楽しみに来週からの通常回を読むことにしましょう


 




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