社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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青春兵器ナンバーワンに不覚にもウケまくってしまった2017年週刊少年ジャンプ9号感想その1

2017年週刊少年ジャンプ9号感想その1

新連載予告についてはその2の方で


今週のアンケ順
鬼滅の刃
特別読み切り 阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ
青春兵器ナンバーワン




鬼滅の刃

順位たけーな!

ワンピの次に載ってくるとかどうしたんですか急に
1周年よりも速い表紙巻頭といい、この順位といい、本作の輝き具合が激しくなってきているようですね

とってもいいことだと思います


毎週注目している扉絵
今週は、箱の中に入っている時のように小さな状態の禰豆子ちゃんが描かれたものでした

もちろん、前回の引きを受けての扉ですよね

扉の隣のページにあるスタンプの使い方例も気になると言えば気になるんですが、やっぱり扉に注目したいところでしょう

竹筒を咥えている以外はナチュラルな表情と、幼さを醸し出すような姿勢で座っている彼女
「そのあたたかな瞳には」というアオリが、前回の引きからの展開を予感させるかのような効果を生んでいますが…

しかし、アオリと正反対の位置にあるサブタイを見ると「プイ」とか書いてあります

プイってそっぽを向くことを指すとすれば、先週の引きからの禰豆子ちゃんがどんなリアクションだったのかが予想されますが
アオリが醸し出す穏やかな効果とは食い違っています

本編に入っていく時には、その齟齬を気にしつつページをめくることになりました


庭は日向であったため、日光の入ってこない室内に箱を移動させて、再度箱ごと禰豆子ちゃんを刺しながら箱をこじ開けた風の人
1度ならず2度も3度も鬼殺の剣で刺されたことで、禰豆子ちゃんは割と重傷な感じになっていました

あるいはそれは、第1話のあの状況のリフレインといえるのかもしれません

鬼舞辻に襲われ、鬼に変わった直後で体力を消耗しきっていただろうあの時に対して
十二鬼月に襲われ、その糸で全身を斬られた挙句鬼殺の剣で刺された現在

体力の消耗具合としてどっちがどうというのはよくわかりませんが、相当に消耗していることはいずれも間違いないでしょう

積極的処刑派の柱たちのテンションから見るに、ここでの禰豆子ちゃんは血を見ても食欲を出すことなく
ただ目の前の怪我人を慈しむような行動を見せるんじゃないかとの予想も成り立ち得ましたが

実際には、自らの怪我を治すため目の前の「栄養」に本能が疼くということになりました


フウフウという大きな吐息とともに聞こえるミシッという音は、喰いたい衝動が湧いている禰豆子ちゃんが口の竹筒を噛んでいるものなのでしょう


しかし彼女は耐えていました


その時炭治郎は何をしていたかと言えば

風の人の暴力的行為から妹を守るために、拘束された状態でありながら必死で動こうと足掻いていました

風の人と同様に積極的処刑派である蛇の人に肺ごと体を抑えられて、呼吸法がうまく働かない状態の中
それでも妹のそばに行こうと、しのぶちゃんの忠告も無視してひたすらに力む力む

蜜璃ちゃんがキュンと来てるのは、炭治郎のその必死さなのか、それとも忠告を聞かない炭治郎に声を荒げたしのぶちゃんの珍しさか


怒鳴られても炭治郎は止まらない
血管が千切れるとしても、ただ妹の元へ行くために


鱗滝さんが暗示をかけてくれているなら、
他の鬼とは違うという禰豆子ちゃんなら、

もしかしたらこのまま自分が何もしなくても、風の人が差し出す血まみれの腕を見ても我慢できるかもしれない
むしろ、ここで自分が無理をして本当に血管が破裂などしてしまえば、そのショックで禰豆子ちゃんは暴れてしまうかもしれない

しかし、そんなことは関係ない
今目の前で妹が窮地にあるのなら、どんなこともそれを助けに行かない理由にはならない

…こんなことまで炭治郎が考えたかどうかはわかりませんけども


いや、だってですね
難しく考えたらこの時の炭治郎の行動っておかしいと言えなくもないんですよね

禰豆子ちゃんは絶対に人を喰わないんだと信じ切っているのなら、あんなに動揺して必死になる必要はなかったはずです
大丈夫だと余裕の顔でただ見守っていればいい

しかし実際にはそうではありませんでした

これは、この時の炭治郎の中に生殺与奪の権を他人に握らせないという気持ちがあったからではないかと思っております

このまま自分が何もしないで、差し出された腕に噛み付くのかどうかを禰豆子ちゃんに委ねることは、
自分の生死を彼女に任せることになります

そうではなく、とにかく自分は妹のそばにいること

そもそも今妹の目の前にいるのは、鬼という存在自体を嫌悪する鬼殺隊の最高戦力
斬られるとなれば、禰豆子ちゃんが1人で戦える相手ではありません

だからこそ、炭治郎は何をおいても禰豆子ちゃんの元へ向かおうとしたのでしょう
万が一にも彼女が斬られることがないために

差し出された腕に噛み付くかどうかをただ委ねるのではなく、自分ができることを何かやること
それが、義勇さんからかつて説かれた「大切なものを守ろうとする時の覚悟」だったわけですから

さらに言えば、それを教えてくれた義勇さん本人は、自分と妹の可能性を命懸けで信じてくれている
言い換えると義勇さんの生殺与奪は炭治郎と禰豆子ちゃんの間にある

大切なことを教えてくれた人が、それを投げ出してでも自分たちを信じてくれている
今回の炭治郎の無茶は、単純な妹への愛情ももちろんですが、その事実をよく認識しているからこそのものではないかとも思うのです

だから義勇さんが、炭治郎を抑えつけていた蛇の人の手を掴んでくれたりもしたのでしょう
少しの手助けのつもりというかね


しかし、禰豆子ちゃんが人を襲わないという証明には、彼女が彼女の意志で目の前の腕を拒絶しなければなりません
炭治郎に説得されて我慢したというのでは、一抹のリスクが残ってしまうからです

ただだからといって炭治郎が何もしないのも主人公的に何やら不自然


だから、噛みつきたい衝動の中、自分を呼ぶ兄の声にわずかに正気を取り戻して
そっぽを向くという行動に至ることができたわけですね

炭治郎がやって来るまでは、強い食欲のあまりに血まみれの腕から目を離すことができずにいたのが
少しだけ正気に戻ったおかげで、我慢するために視界から外すという行動を取ることができたわけです

禰豆子ちゃん自身の意志であることの発露と、炭治郎の果たした役割と、
ちょうどいいバランスの結果だったと思います

それはそのまま、禰豆子ちゃんが人を襲わないことの証明として柱の全員とお館様に認識される
自らを斬りつけてまで鬼の食人衝動を証明しようとした風の人にとっては皮肉な結果となりました

鬼とはどうあっても人を食う化物だと認識していたはずの彼らが、その価値観を覆す事実を目の当たりにして何を思うのかどうするのか
今後の展開としてその辺も気になりますね


しかし、それでも鬼を連れていること・鬼であることに反感を抱く者は多くいるだろうというお館様の言葉が至極真っ当です

ここからのお館様が理想の上司過ぎて生きてるのが辛くなるレベルなのである


禰豆子ちゃんの意志に一定の評価を認めつつも、鬼殺隊という立場から隊員の全部が肯定的にはいられないだろうという
炭治郎も想像できる見通しを示した上で、じゃあどうすればいいかという解決策を提示してみせる

そしてそれは、炭治郎にとっても当たり前に目指す内容のものであり、やることは結局今までと何ら変わらないというわかりやすさ

十二鬼月を倒すことは、禰豆子ちゃんを元に戻す意味でも炭治郎が目指すべきことです
そこにもう1つ意味が込められたとすれば、やらない理由がさらになくなったということになるでしょう

ときに、お館様のこの言い方からすると、十二鬼月を倒すことは柱になる条件の1つだったりするんですかね
鬼殺隊員としての説得力を増すための行為として十二鬼月を討つことが真っ先に挙げられるってのは、
柱になる最低条件の1つみたいな感じがします

元十二鬼月なら倒したことがあります…じゃダメなのかな


鬼を連れた鬼狩りという立場を認めてもらうために鬼舞辻は自分たちが必ず倒すと意気込む炭治郎に
「今の君にはまだ無理」と断言するお館様ですが、その優しい口調からは決して馬鹿にしている雰囲気はなく

だからこそ、最下級ランクの新人が叫ぶ大それた宣言に、柱たちが失笑ではなく普通に笑ってくれているのでしょう
しのぶちゃんまで地味に笑ってるのが何かもうw

そして、今から炭治郎がやらなければならないことを既に果たしている面々こそが柱たちであること
彼らはそれゆえに尊重され、尊敬されることを述べるお館様の言葉は、
頭突きをしたり「やめてしまえ」と言ったりしたのを咎めるものであるはずなのに、反発心は全く起こってくることがない穏やかさでした

同時に柱の方にも、主に一番炭治郎に突っかかっていた風の人と蛇の人の2人に対して炭治郎の時よりももう少し直接的な注意をしてくれる

どちらの顔も立てた見事なお裁きです

正直に言えば風と蛇の人だけでなく、「みすぼらしい」だの「生まれてきたこと自体が可哀想」だの
炭治郎に向かって普通に外道なことを吐いてた岩の人とか、
派手なのが好きだからって炭治郎と禰豆子ちゃんをいちいち苦しめな処遇にしようとしてた音の人とか
その辺にもお小言が欲しいところですが…


ときに、お館様のスキルはf分の1ゆらぎですか
心地よさで相手を動かすお館様と、恐怖で支配する鬼舞辻というのは対照的になっていますが
そんな単純な構図を読み取るだけでいいんだろうかと、俺の中の深読み好きが騒ぐ


炭治郎の話はこれで終わり、ということは
裁判的な部分は今回で終了ということでいいんでしょうか

柱合会議が改めて始まるみたいですけど、柱たちの関心はきっと鬼舞辻のことに集中してそうな悪寒
まだ誰も遭ったことがないっていう敵の頭領に新人が出くわしてるんですからそりゃあ話を聞かずにはいられないでしょう

「下がっていいよ」が炭治郎と禰豆子ちゃんを指すのなら、炭治郎が鬼舞辻と出会った時の話はカラスを通してそれを知ってるっぽいお館様から話すのかな?


炭治郎の方は「下がっていいよ」と言われても急に連れてこられた鬼殺隊の本部(?)ですから右も左も分からないはずです
とすると別の案内役が必要になってきますが、そこに蝶子ちゃんがいたりすんのかな?

刀も直さないといけませんが、怪我も治さないと戦えないでしょってんで蝶屋敷に連れて行かれて
変わり果てた善逸と再会する…みたいなw


特別読切 阿佐ヶ谷芸術高校映像科へようこそ 原作マツキタツヤ 作画宇佐崎しろ

原作はストキンの準キング
作画は18歳の新鋭…いや、誕生日見ると今はもう19歳みたいですけど
でも名前と自画像見るに女性か?女性なのか?
19歳女性がジャンプでこれだけの作画が出来るとは、これはちょっと期待したいかも

そんな異色の組み合わせが送る映画マンガ


ようこそってタイトルからはすじピンを想起しますが、内容もまた同じものを感じ取りました

全ッ然ジャンプマンガらしくないんですよ


ジャンプに載った読み切りでテーマが映画ってのも異色と言えば異色ですが、テーマだけじゃなくて
その作劇も全く従来のジャンプ作品とは異なっているんです

途中、ヒロインの少女が先生とぶつかった場面こそ主人公特権的なご都合展開の匂いがありましたが、
それ以外ではしっかりキャラの対話や感情によって展開が動いており、読者に対する物語の引力が強く感じられる作りになっていました


さらに作画の引力も凄いと思いましたよ

場面によって次々に変わるヒロインの表情
それらがいちいちしっかりと描かれてるもんですから、余計な解釈を入れる必要が無いのです

俺が気に入ったのは、「探すってどうやって」の顔とか「私は私と私の世界から 逃げてきた」の顔とかでしょうか

特に後者は、モノローグも気に入りましたよ
言葉のリズムがヒロインの中に見つかった確信的な感情を表現できているんです

そこに一緒に描かれた彼女の真顔
何かが変わる、何かがわかる予感をひしひしと感じさせる力強いシーンでした


あとね

本作がテーマにしてるというか主題にしてる映画監督という生き方って、ブログ書いてるような人と似てるんですよね
ジャンプ感想もそうですけど、それ以外のブログでも、わざわざそんなものを書いてるってのは
映画というほどの規模ではないにしても「自分と自分の世界を表したい、書き残したい」って欲求から来てたりするんですよね

少なくとも俺はそうなんですけど、わざわざこんなとこで何時間もかかって感想やら考察やら妄想やら書きまくってるのって
「俺はこう思った、俺の目にはこう見えた」というのを表現したいからだったりするんですよね

ブログを始めた最初こそそんな大仰な気持ちはありませんでしたけど、今となっては思った感想は基本的に全部書きたいくらいの気持ちがずっとあります

このマンガ読んでて、ずっと前に見たこの記事を思い出したんですよね
あなたはなぜホームページを作るのか。ホームページを作る人はなぜそんなにも個性が強いのか。*ホームページを作る人のネタ帳

この記事の「ホームページ」を「映画」に読み替えても、大体通じるんじゃないかと思ったりしました

「作りたい奴」ってのは映画でもホームページでもブログでも、結局何かで作っちゃんだろう、って

この読み切りもどっちかと言えばそういう「作っちゃう奴」に向けて描かれてるようでありながら、
そうじゃない「見るばかり、楽しむばかりの層」にも一定の面白さを感じられるように、この作品自体が1つの映画であるかのように作られてもいます


そのバランスが何か凄く絶妙で、「作る側」の視点に立ちたくなる俺としては、その構造もまた見通してみたくなって、一層ハマったり


とにかくジャンプはこの2人を手放したらいけないと思いますね


青春兵器ナンバーワン

今回の内容は不覚にもウケまくってしまったので、やむなく3位です

うんこネタにやられるとは俺もまだまだだな…(;^ω^)


白百合さんと委員長なんていうクラスでも評判の女子と遊園地とか、アオリの通り健全な男子学生にとってこれは垂涎の状況であることに間違いありません
そこに、それが楽しみすぎてうんこがレベル5になってしまう気持ちもわからなくはないという

完全に想定読者がジャンプのメイン層ですね

これは長谷川先生上手いことやったなー

うんこを我慢する時の顔ならまかせろ!とでも言わんばかりのギャグ顔連発は結構キてましたね

でも一番ウケたのは、「お前もなにお供しますみたいな顔してんの?」だったりw


で、男たちがバカやってる分、女の子の方は普通に楽しんでるし、何ならちょっと優しい
アイス買ってきてくれるだけじゃなくて分けてくれるとかねーよwww

この前の「バーミヤン!」に続いて、今週は「ハイ」が超可愛かったぜ白百合さん…

長谷川先生の画力がどんどん上がっているようなそんな気がするぜ…

これは長谷川先生であの記事を書かなければいけないか…?


 




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Author:rexel
ジャンプ歴21年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

今一番の推しは鬼滅の刃。次いでワートリ。

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中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



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