社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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鬼滅の刃に違和感を覚えた2016年週刊少年ジャンプ13号感想その1

2016年週刊少年ジャンプ13号感想その1

今日の記事作成時間:2時間半
夜中から書き始めた時は結構いいとこまで逝ってる時間帯ですが、
18時も回ってから書き始めると全然そんな感じにならないぜ…

仕方がないので書けたところまでアップします
いわゆるひとつの北区先輩方式ということで


今週のアンケ順
ワールドトリガー
背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~
鬼滅の刃


その他
・巻頭カラー ONE PIECE
・僕のヒーローアカデミア


ワールドトリガー

この侵攻も後数分で終わるということで、格納庫前の攻防もいよいよ大詰めとなっています

太刀川の作戦の鍵になっているのは、どうやら迅が予知した「自分が斬られる未来」のようですね
結果的には、それを自ら確定させたということになるのでしょうか

乱戦の最中にあってのそれぞれの思惑
相変わらず上手に描いてくれますね葦原先生

格納庫を狙う大砲をチラつかせながら、相手の動きをコントロールしようとする隊長と
大雑把な作戦を実行するタイミングを窺っていた太刀川と小南先輩

風間さんの一手が局面を動かして、一気にケリまでつけてくれました


大砲を放つと見せかけて格納庫防御の補助に行った小南先輩を引き離し
タイマンになった太刀川を複数の脚で捕らえて砲口を覆わせる
格納庫も吹っ飛ばせればそれでよし、太刀川だけでも倒せたら後がぐっと楽になる、
そういう策だったわけですね

しかし太刀川作戦のほうがその上を行っていたと

肉を切らせて骨を断つというわけでもありませんが、自分ごと小南先輩に敵を斬らせるとは思いませんでした
攻撃手1位という事実の先入観もあって、そういう犠牲的作戦は全然頭になかったんですけど
こういう発想もできるんですね太刀川

腰を境に胴体真っ二つ
双方もちろんトリオン体の維持は不可能でしょう

太刀川は隊の作戦室にベイルアウトで、隊長の方がどうなるかというところですね

侵攻してきた彼らのうちすでに数名がボーダー側にやられていますが、しかし実はどの場合でも
まだ彼らの換装が解けた場面は描かれていないんですよね

それがひょっとして「新トリガー」と関係があるんじゃないかと推測させることにもなっているんですが

ここで隊長がどうなるかというので示されることになるでしょうか
両足を斬られてトリオン漏出甚大なはずのもう1人も長くは持たないはずで

ただ、大規模侵攻時に星の杖にやられて同じ状態になったレイジ先輩は、ベイルアウト直前に
レイガストを投げることくらいができていました

ということは今回の隊長もひょっとして換装が解けるまでの間に大砲を撃つことができるんじゃないかとも思えます
これで完璧に勝ったと思うにはまだ早い気がしますね


で、その結果をぼかしつつ場面が変わった先にはヒュースがいました

やはりそうですね
陽動のつもりで街中に向かったことで戦線と少し距離ができたレギンデッツに、ヒュースが接触する
先週予想した通りの流れです

アフトクラトルの証明として、フードで隠していた角を見せたヒュース
他に方法がないゆえに今回の侵攻を引き上げる時に連れてってもらおうとしているわけですが
しかしすでに明かされている通り、彼らにはアフトクラトルの捕虜を連れ帰る義務はない

任務の邪魔になるなら処分して構わないとさえ言われている彼らが、素直にヒュースに協力するはずはありません
ヒュースから何らかの利益が提供されない限り話を聞いてはもらえないのでしょう

例えば、玄界のトリガーの情報を伝えるとか
念のためっつって今実物を持ってますからね

もちろん起動すればUnknownのトリガー反応がオペレーター画面に映って、自ら居場所を晒すことになりますから
起動は最終手段なんでしょうけども


あるいは、この戦況をひっくり返す作戦を提案してやるとか

ランク戦を見ながら、策士的な側面も覗かせていたヒュース
ガロプラのトリガー性能とボーダーのトリガー情報と、それぞれを少しでも知ってる立場からの作戦立案があるとすれば
レギンデッツも聞きたくなるでしょう

ただ、今の戦況を単独行動していたはずのヒュースが正確に知っているかというと怪しいんですけども


そんな話で押し問答のようになっている時に、きっと迅もこの場に到着するのでしょう
自分を止めようとする迅に、ヒュースはいつかの賭けの条件を持ち出す

1つ言うことを聞くというあの時の条件
だったら今この場を見逃せ、あるいは自分が帰れるように協力しろ、とかね

あるいは陽太郎が先にやって来た場合はまた複雑になるでしょう
おこちゃま的に引きとめようとする陽太郎に、ヒュースもドライに応じつつ何となく歯切れが悪いようなふいんきだったりして

そこに迅がやって来て、めんどくせ、みたいな

さあこんな感じで妄想が捗る展開となってきましたが、どうなるでしょうか


ていうか侵攻でこんな盛り上がっちゃったら、この後普通にランク戦やるんならギャップがひどいんじゃあるまいかw


背すじをピン!と ~鹿高競技ダンス部へようこそ~

冒頭から何か急に大会が始まってるので面食らった件
あれ合宿は?と思ったら、必殺技と聞いて妄想を膨らませた土屋くんの脳内でしたw

大会の決勝戦で御木くんと宮大工くんと決戦する設定
自分たちが必殺技を身につけるからには、当然2人もそれぞれの相方と何かを会得してくるんだろうと

ロシアのステップがなんたらかんたらとか、パートナーシップがどーだこーだとか
何か2組からはオーラ出てるし

雑把で適当なノリでひらりちゃんにまで解説させて、みちるちゃん先生は驚き役で

でも自分たちの必殺技により御木くんも宮大工くんも吹っ飛ぶという大勝利
吹っ飛んでるのは男の方だけで、ターニャちゃんと小春ちゃんは普通に立ってる?のが
土屋くんの優しさですね

先輩たち殺してるのはひどいけどなw


妄想にツッコめる土井垣部長ぱねえっす


で、実際には必殺技と言っても要するにオリジナルのステップやらダンスやらを編み出そうってことなんですね
まあ普通そうだよな

2人が一番得意なクイックステップ
それをベースにして、まずは自分たちで考えてみなさいということで初日はお開き


晩飯シーンがまた楽しそうなんだこれが…

もうほんとこのマンガはこういう普通のシーンを描かせたら天下一品だと思う

部活仲間で合宿来て、みんなで晩飯食ってるだけのシーンがなんでこんなにほっこりするんだぜ…

雰囲気がすげえ伝わってくるというか
ひらりちゃんの八巻先輩評に始まって、秋子先輩とのファーストコンタクトでの一幕

NEXTに載ってる番外編で描かれてた部分ですね
確かに言ってたw

話の中心になっていろいろと喋ってるっぽいひらりちゃんと秋子先輩
話のネタにされてる八巻先輩と、話の中身が面白くって仕方がないわたりちゃん
雰囲気に圧倒されてるような土屋くんに、みんなを微笑ましく見てるようなリオ先輩
リオ先輩よりもさらに微笑ましく持ってるようなみちるちゃん先生に
1人だけ見きれてる土井垣部長

いいわ…
すごいわ…
超楽しそう…

少年マンガの部活ものでこんな楽しそうな合宿シーンなんて珍しいんじゃないですかね
ダンスやってないのにこんな楽しそうで面白く思えるなんてすげえよこのマンガ

リオ先輩のお風呂シーンがなかったのは非常に残念なんですが

流石に無理があるか…
まあせっかく楽しい雰囲気になってるのが壊れてしまいかねないですからね
でも、お風呂上がりの色っぽさくらい出してくれても…


わたりちゃんのお風呂上がりはいつもと違う髪型で新鮮だったのにね
土屋くんのつまらないリアクションに後ろから毒づいてるひらりちゃん萌え

まだまだ2人はそういう感じになってないんですねえ
あるいは土屋くんが象徴する普通の男子高校生は、女子にそんなことおいそれと言えないということでもあるのでしょうけども

まあそれだからこそ、あの時口をついて出た「かわいいもんね」が土屋くんの本当の本音であることが感じられるわけです


で、合宿のお風呂上がりに必ず殺す技を2人で相談しようとする土屋くんとわたりちゃん
わたりちゃんが気づいた通り、傍から見れば確かにおかしな光景なのかもしれませんが
まあそれはそれとして真剣になって2人の世界に入っちゃえばいいと思うよ

どうやったら周りのダンサーを殺せるかを考えればいいよw


でも何やら新キャラが登場してきましたね
この人が9人目ということでしょうか

プロかどうかはわかりませんが、それなりの実力と実績のあるダンサーにして土井垣部長の姉貴
何やら秘密の修行みたいなことをしてくれそうではあるんですが

とりあえず言いたいことは…部長には発現してるアゴの遺伝子はどこに行った?


鬼滅の刃

今週の内容にはちょっと違和感を覚えたんですが、一応期待票での3位です

違和感というのが、富岡義勇からの手紙にあった「鬼殺の剣士になりたいという少年をそちらに送ります」って部分ですよ

主人公そんなこと一言も言ってなくね?

妹を助けたい、普通の人間に戻したいって懇願して抗ってたはずが、いつの間にそんな話になったのか


いや、確かに禰豆子ちゃんを元に戻す方法を知ってる可能性があるのは鬼だけってことで
じゃあ鬼と渡り合えるだけの力をつける必要があるってことでの「鬼殺の剣士になりたいという少年」なのかもしれませんが
炭治郎は全然そんなこと思ってないんじゃないかって気がしてなりません

1話での富岡義勇の説教から解釈を導けば、上のように考えることはできるんですが
それだけではちょっと描写が足りないように思えます

妹を元に戻す方法は鬼に聞くしか無い
でも鬼がそう簡単に教えてくれるわけはなく、ただ正面から聞くだけじゃ食われてしまう結果しか無い
ならば、鬼殺の剣士になって鬼と渡り合える力をつけた上で「その方法」を聞き出さなければならない

こういう方程式ですよね
でもこんな論理を炭治郎が認識した上で山登りをしていたかというと、読者的にはそんな気がしないんですね

現れたお面のおっさんは普通に鱗滝左近次だったわけですが、そういう手紙をもらってるせいで
「鬼殺の剣士に相応しいかどうか試す」とか言っちゃってるし

炭治郎も普通にそれに挑んじゃってるし
そうじゃなくて、まずは禰豆子ちゃんの状態とか、元に戻せる可能性とか聞きたいことはたくさんあるでしょうに

それを教えてもらうための条件ということでなら、今回の試練もまだわかるものだったんですが…
教えるのに条件っつって、実際には鬼殺の剣士になるための見極めをしてたっていう体でね

ジャンプ漫画の主人公なんだから、そりゃあ当然何かの戦士とかになったりするだろうというのはいいんですけど
これはあまりにも炭治郎の心理描写を省略している気がしますね


巻頭カラー ONE PIECE

表紙のルフィの顔が何か悪い顔ですな


雷ぞう登場となった今回ですが、何か色々と伏線めいたものも張られていますね

何百年も前からある家紋だとか
赤い歴史の本文だとか
大きな声が聞こえる男だとか

雷ぞうが縛られていたのは、ジャックの侵略の時に出ていこうとするのを制止するためでしょうかね
酒が提供されているところを見ると、何かの罰として縛っていたようには見えないですからね

雷ぞうがどうとかってのはとりあえず置いといて、歴史の本文のほうが気になる俺は異端でしょうか


僕のヒーローアカデミア

かっちゃんと轟を翻弄していたよくわからない敵を一蹴した黒影
暴走時の戦闘力は凄まじいですね

出久の言葉に応じてすぐに炎を出そうとしてくれる轟に対して、それにストップを掛けるかっちゃん

それは、出久の指示というのが気に入らないのではなく自分が苦しめられたこの敵を黒影がどう処理するのか見たかったから
向上心の表れと言っていいものなのでしょう

もちろん、黒影が敵を倒してくれたら自分らが楽になるというのもあったかもしれませんが…

合流したところで爆発と炎による明かりを使って黒影沈静化
しかし息つく間もなくかっちゃん護衛の話がどんどん進んでしまいました

身体部位の複製による索敵によっていち早く居場所を察知できれば、轟の氷結で急襲が可能です
どうしても戦闘が避けられなければ、黒影を解放して蹂躙してからの炎の明かりで制御
こんなことを一瞬で気づいて考えつける出久の戦闘考察力がすげえ

でも護衛の対象がかっちゃんってのがねえw

自分のことなのに全然話に入れずに勝手に護衛部隊が結成されちゃったかっちゃんの混乱顔わろたw


しかし今回の問題は、その次に描かれたお茶子ちゃん・梅雨ちゃんペアですよ

女子は敵の女子とバトル
ジャンプの法則に則った対決構図ですが、トガと名乗るこの危険な女子高生

どうやら相手の血を奪うことを目的としているようです

これについて考えられることが2つあるんですよね

1つは、彼女の個性が相手の血をどうにかすることで発動するということ
「普段は」という言い方からするとそういう感じがあるんですね

で、血をどうするかって言ったら飲むとか舐めるとかしか浮かんでこないんですけど、そうするとステインの個性「凝血」と
同じカテゴリの個性と言えるんですよね

ステインの時は身体が動かなくなった飲んだ血の持ち主
トガの場合はどうなるのかは全然わかりませんが、彼女がステインに心酔していることからするとありえなくはないでしょう

もう1つは、オールフォーワンの指示によるものということです
これは出久がオールマイトから能力を授かる時に言われていた言葉がヒントになってますよね

DNAを取り込められるものを口にすれば、能力が与えられる

オールマイトの髪の毛を飲み込んで能力を授かった出久
ならば、対になる能力であるオールフォーワンは、DNAを取り込むことで相手の個性を奪うことができるんじゃないかと
そんな想像が可能な気がするのです

で、トガはその指示を受けて彼ら生徒たちの血を集めて回っているという可能性

この場合、気になるのが個性を奪われた人はもうその個性を使えなくなるのか?ということですね

奪うという表現からすると使えなくなりそうなもんなんですけど、出久に力を与えたオールマイトは
普通に力を発動してるあたりからするとそういうわけでもなさそうです

何より、今回お茶子ちゃんがそれなりの量の血を抜かれたっぽいので
もし無重力の個性をオールフォーワンに奪われて使えなくなるとしたら、メインヒロインが個性を失って
戦線から脱落するということになりかねませんので、そういうメタ的な意味でも大丈夫なのかなと思えます

ただ個性がもし使えなくなったとしても、バトルヒーローからの手ほどきを受けて近接格闘の術を得たお茶子ちゃんなら
割りといい仕事しそうとか思ったり

あと、舌にナイフで切り傷入れられた梅雨ちゃんは地味に痛そうなのである


コイバナをふっかけられて少し動揺したお茶子ちゃん
その隙をつかれて血を抜かれてしまいましたが、これはトガのハッタリというわけではなさそうですね

クレイジーなりの直感で何かを見抜いたということなのでしょうか
それがまた、クレイジーなりの論理でぶっ飛んでいったことでお茶子ちゃんはさらに動揺を深めたのでしょうか

出久の顔を見て何やら思っていたようなのは、お茶子ちゃんの「コイバナ」の相手が彼だと直感したのか
あるいは、ステインが認めて逃がした人だと気がついたのか
まさかヤンデレのような彼女が出久に惚れてしまう…なんてことはないと思いたいですけど


とか言ってたら、かっちゃんが行方不明
梅雨ちゃんの「どこにいるの?」ってのを聞いて、護衛されてるのが嫌だからって、まーた勝手にどっか行ったなとか
普通に思ってしまいました

ごめんなさい(;^ω^)
敵に捕まってたのね…

得体のしれない個性を持つ敵
自分の能力をマジックと言い切っちゃうあたり、何か不思議な感じを起こすんでしょうね

超常社会で常識外れの能力をみんな持ってる中であえて「マジック」と自分の力を称するのは
何か変な感じもします

…もしかしたら、個性と違って種も仕掛けもあるって意味なら、つまり敵でありながら無個性だったりして…?


 




歳の差片想いによって生まれる苦悩・葛藤・純粋性… 『恋は雨上がりのように』眉月じゅん

恋は雨上がりのように

恋は雨上がりのように 眉月じゅん

結構前に買ってたんですけど、記事にするのが遅くなってしまいました…

スピリッツが送る女子高生とオッサンの恋愛を描いたラブ多め時々コメディな物語

存在だけは前から知ってて、何となく気にしてたんですけど
拍手コメントで「オススメですよ」との紹介を受けてから余計気になってしまって

幾つかのレビュー記事とか見たりしつつ、でもそんなに悩むくらいなら「もういっとけ」と自分で思って
注文してしまいました


結果はさすがの当たりというか


ジャンプのラブコメのように不思議な事が次から次に起こったりするようなこともなく、
特殊な能力が関係したりすることもなく、ただ普通の毎日が流れていく中でどんどん強くなる女子高生の恋心が
驚くほど鮮やかに描き出されています


ヒロインとなる17歳の女子高生あきら
彼女が恋したのは、バイト先のファミレスで店長を務める45歳のオッサン近藤でした

親子ほど離れた年齢差の片想い
読者としては、明らかにその恋心の先に色んな意味での良くないことを思い浮かべてしまいます

が、当のあきらだけはそんな常識的な観測を全く気に留めることなく
ただひたすらに自分の心に正直に生きようとしていました

この辺もまた、ジャンプマンガとの大きな違いなんでしょうね

あきらのモノローグはそれほど多くは描かれず、かわりに、いてもたってもいられすに行動に移してしまう
積極性と衝動が多く描かれることになっているわけです

それにより、あきらの気持ちが本当に純粋な本音からのものであることを
読者もありありと感じ取れるようになっています

17歳の女子高生が45歳のオッサンに片想いする

それだけ聞けば、またそういう都合のいい設定を持ってきて、適当に話を転がしつつ読者ウケを狙おうとするような
底の浅い作品かと先入観で思ったりする人も中にはいるんでしょうけども

しかしこの作品は全くそんなものではないんですね

むしろ、片想いしているあきらの心情も、される側となったオッサン近藤の葛藤も
非常に鮮明に描こうとされており、ただ年齢差のある恋愛だけで話を展開させようとはしていないことが
1巻を読めばすぐわかるんですね

この作品はそういう単純なものではない

設定こそ色眼鏡で見ることが可能なものですが、しかし実際に描かれるものを見れば
そんな先入観は全く無意味なものであることがよく分かる作りになっている

あきらや近藤をはじめとした各登場人物たちの胸のうちを、具体的に分かるように描かれていること
本作の魅力としては、何よりもそうしたキャラ描写力があると言えるでしょう


しかしそこにもう1つ、忘れてはならない要素として「雨」を使った演出を挙げることができます

恋は雨上がりのように、というタイトルの通り
本作品では「雨」が非常に重要な意味を持って描かれているんですね

そもそもフィクションの世界の中では、雨というのは基本的にネガティブなイメージの象徴でもあります
何か問題が起こった時に一緒に雨も降り出して暗い空と泥濘んだ地面により陰鬱な雰囲気を作り出し、
その解決とともに雨は上がって晴れやかな空とともにキャラたちも爽やかな顔を見せる…という流れが
読者にも爽快感を与える演出としていろんな作品で繰り返し使われる手法となっています

ではそんな爽快なイメージを持つ「雨上がり」をタイトルに持つ本作品では
雨とは一体どんな意味を持って使用されているのか

もちろん、他の多くの作品と同じように「何かが起こる」という時のネガティブなイメージも存在はしています
しかしそれだけでは、それで雨が上がった爽やかさを恋の爽やかさに例えているとか、そんな単純な解釈にしかなりません

それだけではなくて、雨が降り出している時の物語の展開が重要なのかなと思ったんですね

端的に言うと、雨が降り出した時は、あきらの恋心が強くなったり深くなったり、何か動く時のようなのです

雨が降り出すことは何かが起こることでもある
その出来事の中で、あきらが、近藤が、悩んだり迷ったりして
結果、その心情には何かの変化が生まれる
その時、雨も上がっている

雨が持つ「何かが起こっている」というイメージを、そのまま恋愛的なイベントに結びつけて
その解決がすなわち気持ちの強化と深化につながっているという流れを描き出しているのです

ただし、そこでの「何か」とはあきらと近藤の歳の差が原因となって起こるものであり
見ていてニヤニヤできたりすようなイベントというわけではありませんでした

むしろ、「本当にこれでいいのか」とあきらも近藤も悩みを深める場面のほうが多く描かれ、
通常のラブコメに見られるようなニヤニヤ感や和み感は殆ど無いと言っていいでしょう

それでもページをめくる手が止まらないのは、あきらのあまりにも純粋な気持ちをただ応援したくなってくるから

「何か」が起こって悩みを抱え始めた時、迷いを抱くようになった時、その心中にはどんな思いが渦巻いているのか
あきらのモノローグが描かれることがないんですね

全く関係のない場面で、吹き出しとして心の声が描かれることはあっても
肝心の「葛藤」については何をどう思って悩んでいるのか迷っているのか、それが言葉として描かれることがないのです

代わりに、ヤ○ー知恵袋に疑問を投稿してみたり、その返事に一喜一憂したり
バイトに集中できなくなってお皿を割ってしまったり、そういった行動として表れてくる

もちろん、その悩みの原因は読者にはわかっていますから、それがどんな悩みを生んでいるのかということは
難しく考えなくともしっかり分かるように描かれています

だからこそ、言葉としてモノローグで描かれるのではなく行動に「悩み」が表れてくるあきらの様子を見て
何だか人一倍応援したくなってくる

そんな「純粋性」に触れられるのがこの作品の魅力といえるのでしょう
もちろんその中心にいるのはあきらであり、また、あきらに対して誠実と臆病を同時に持っている近藤であるのでしょう

若さゆえにとどまることを知らない恋の強さと眩しさ
年齢ゆえにその両方を忘れてしまったような熟しきった心

おそらくは掲載誌の想定読者が近藤と同年代くらいの男たちであるのだろうことを踏まえても
年齢差によるこの心情の対比が、物語の鮮やかさを盛り上げているとも思えます

それだけの「濃い描写力」を持ったこのマンガ

確かな読み応えを持った物語としておすすめできる作品です










 




ジャンプNEXT2015年Vol.5感想

ジャンプNEXT2015年Vol.5感想

次のNEXTが出るまでに、今までさぼってた分の感想をアンケ入れた作品だけでも書きたいと思ってるんですが…
無理かな…



 

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Author:rexel
ジャンプ歴21年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

今一番の推しは鬼滅の刃。次いでワートリ。

ジャンプヒロインズは俺の心のオアシスです。
中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



ついったー。

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