社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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食べっぷりは豪華だが何だか物足りない感もあった… 『ラーメン大好き小泉さん』第2巻

ラーメン大好き小泉さん2巻

ラーメン大好き小泉さん 第2巻

本格派ラーメングラフィティ第2巻です

『渡くんの××が崩壊寸前』と同時発売された鳴見なる先生の意欲作ですね

1巻のレビューはこちらからどうぞ


ラーメンが大好きなあまりにラーメンのマンガを描き始めたという鳴見先生
今巻でも色々なラーメンが登場し、それらを食する小泉さんの幸せそうな表情もたくさん登場します


…が、今巻についてはちょっと残念というか物足りなかった印象が強かったというのが正直な感想でした



小泉さんがラーメン食べてるだけになってるんです



前巻第1巻では、小泉さんのクラスメイトである大澤さんを視点キャラとして
拒絶されても拒否されても小泉さんと何とか仲良くなろうと奮闘する健気さを通して、
読者も小泉さんを知っていくことのできる構成になっていました

ラーメンをテーマにしながらも、それを前面に出すのではなくラーメンを好きな小泉さんを主役として配することで
小泉さんというキャラを形作る最重要要素としての「ラーメン」を読者に印象づける…
ということを可能としていたのです

それは、「マンガにとって何よりも大切なのはキャラである」という鉄則に則った見事な構成でした


然るに、今巻では小泉さんよりもラーメンのほうが前に出てしまっているように思えます

その原因は、視点の分散です
分散というよりバラバラと言ってもいいかもしれません


1巻では、大澤さんを中心に彼女の友達である委員長の潤ちゃんとモテカワ美沙ちゃんとが
それぞれ小泉さんと接する中で各種ラーメンが登場して、そうしたラーメンを大好きな小泉さんの本質に触れる、
という作りになっていたのが

今巻では、大澤さん達ももちろん登場はしますが、小泉さんのモブとの共演率もやたら高かったんですね


ドイツ人のようじょとか坊主頭とか野郎4人とか
いや、うち1人は大澤さんの兄貴で、坊主頭は美沙ちゃんの弟のようではあるんですが

視点キャラとするにはあまりにも小泉さんとの接点が薄いです
ファーストコンタクトが描かれているのだとしても、大澤さんたちとの繋がりもまだまだ出来上がっていない状態で
それはまだ早い


これらの回は、ぽっと出のキャラが小泉さんと遭遇して、その食べっぷりに衝撃を受けるというのが基本的な内容ですが
視点キャラが視点キャラなせいで読者には何の感情も湧いてこず、ただラーメンをかきこむ数コマの小泉さんを見るだけになってしまっているのです


せっかく1巻で小泉さんが気になるようになったのに、これでは逆効果です


求めていたのは、小泉さんというキャラの掘り下げ


ラーメンの中でもどのラーメンが特に好きなのか
とか

お店のマスターに顔を覚えられたりはしていないのか
とか

うどんでは、そばではだめなのか
とか

小泉さんにとっての理想のラーメンとは
とか

1巻ラストでインスタントラーメンのアレンジ料理で小泉さんをもてなした大澤さんは、
小泉さんともっと仲良くなるためにさらなるアレンジを特訓したりしないのか
とか

一緒にラーメンを食べるのは良しとするのに、大澤さんからの好意をあくまで拒絶しようとするのはなぜなのか
とか

聞かれれば語り出すのなら、小泉さんは食べてる時以外の表情に乏しいだけで実は普通に人懐っこいんじゃないか
とか


そういうのを見たかったんですよ


そういうのを見たかったんですよ



大事なことなので2回言いました


別にドイツ語が喋れることは小泉さんには求めてなかったよ…
そこで「え」と思ってしまったことも、作品がぶれているように感じた一因でしょう

ハワイでもラーメン屋に行ってたというのは1巻で話がありましたから、海外も知っているというのはわかるんですけど
そう唐突にドイツ語ペラペラなんてところを描かれると、「え」となってしまいました

他に気になっているところは描かれないのに、そういうところは明かされるのかと
それともラーメンとドイツというのは深い関わりでもあるんでしょうか
その関係故に、ラーメンを愛する小泉さんはドイツ語も覚えた、ということならわかるんですが
そういうことならそこまで描いて欲しい…


ラーメンを食べるシーンを強調して描くことは、作品として間違ってはいないことだと思いますが
その魅せ方がどうしても今巻では気になってしまいました


あるいはこのマンガの読み方としては、俺は間違ってるんでしょうか…










 




危うさをも孕んだ急転直下型ラブコメ… 『渡くんの××が崩壊寸前』 鳴見なる

渡くんの××が崩壊寸前

渡くんの××が崩壊寸前 鳴見なる

HAHAHAHA
買っちまったぜー

『ラーメン大好き小泉さん』の鳴見なる先生が描くサイコでダークなテイストも含んだラブコメ

いや、この1巻を見た限りではコメディ部分はそれほどないように思えましたが、公式ではラブコメというジャンルとして認識されているようです
それも、急転直下ラブコメと銘打たれています

確かにその通り、1巻だというのに物語は転がりまくっていました


小学生の幼い妹を中心として回っている高校生渡くんの日常
両親の他界によって親戚を転々とする中でひとまず落ち着いた叔母の邸宅

両親が生きていた頃、かつて営んでいた家庭菜園を思い出した妹の望みによって、庭を借りて作った畑
昔の畑をなぜかめちゃくちゃに荒らして姿を消した元幼馴染の少女との再会

学校に行けば、同じ委員会メンバーとしてそれなりに親しくしているアイドル的存在の美少女

…何かラブコメの構図的には王道の三角関係で、しかも、元幼馴染の金髪系美少女と黒髪系アイドル的存在という
ヒロイン2人も典型的な見てくれとなっていて、そうした意味ではラブコメとしては安心して読めそうな感じもあったんですが


しかし、同時にこの作品が持っているのはサイコでダークな雰囲気


それを形成しているのが、転がる物語の端々で重ねられるいくつもの伏線です


兄のことを嫌いだと言いながら、その子どもである渡くんと妹を引き取った叔母の多摩代さん
部屋で兄の写真がいっぱいのPC画面を見つめながら、呪詛のように「嫌い」「嫌い」とつぶやく姿は、
明らかに穏やかならざる真意を孕むものでした


かつて畑を荒らした元幼馴染の少女・紗月
妹が望んだ畑の前に突然現れたかと思えば、渡くんに自ら唇を重ねて押し倒すという荒業をやってのけました
その行動の意味も、また、謝りたいとは言いつつもかつての畑荒らしの理由を語ろうとはしない様子は
どこか信用のできないような危うさを感じさせています


そして、小学生の妹・鈴
4年生になってもなお兄に頼りっきりで、着替えさえ1人でしようとしないのを
怒りながらもしぶしぶ手伝う渡くんは、周囲からすっかりシスコンのイメージを持たれてしまいました
しかし、100点のテストを隠して30点のテストを机の上に置きっぱなしにするような計画性を見ると
兄の前でダメダメな姿を見せているのはどういうつもりなのかと不安さえ覚えてしまうのです


それは、伏線の形をとって渡くんの日常をじわじわと奪い去っていくものであり、その最初の発露が
1巻ラストで禁断の真実に触れかけた渡くんが動揺のあまり泣きそうになってしまうという、およそ主人公らしからぬ場面でした



悪意、とは言えないまでも通常とは異なる意図を含むようなそれぞれの言動
その真意が見えないことは、ただ純粋に妹と妹の望んだ畑を守ろうとする渡くんを追い詰めていくこととなります

この過程こそが、タイトルの意味であるのでしょう

つまり、次巻以降もいろいろな形をとって渡くんが悩み、困る事態が次々起こるということですね
その度に伏線を増やしつつ、あるいは渡くんが困り果てたりしながら話が転がっていくのでしょう

ただし本当に崩壊してしまっては、渡くん自身が立ちいかなくなり、物語も破綻してしまうことになります
だからこその「崩壊寸前」というタイトルなのだと思いますが

ここに暗示があるんですね
崩壊寸前に陥らせながらも崩壊にまで至らないのは、その裏側に実は温かいものがあるからではないかと

たとえば、兄を嫌いと連呼して日に日に兄に似てくる渡くんをも嫌いと言った多摩代さん
そこにあるのは、渡りくんと鈴の兄妹の「もう1つの姿」ではないでしょうか

多摩代さんたち2人の兄妹も、渡くんと鈴と同様の境遇にあったものの
鈴と違って多摩代さんは兄に置いて行かれてしまったのだとしたら

兄と離れた寂しさがいつしか嫌悪に変わり、そこに兄の子どもたちが似た境遇で自分の前に現れたとしたら
「自分と同じ目に遭えばいい」と思う感情と、「自分のようにはならないで欲しい」と願う心とが
同時に存在しているのではないか

その表れが、ぶっきらぼうな物言いと庭を貸してくれる好意なのではないか…と


そう考えると、100点のテストを隠して30点のテストを見つかる所に置いていた鈴の気持ちも想像できます

すなわち、置いて行かれたくないんですね

「しっかりしてるから、1人でも大丈夫だな」と思われてしまえば、兄が自分を置いてどこかへ行ってしまうかもしれない
そう考えているのだとしたら説明がつきます

「1人じゃ全然何もできない、だからずっとお兄ちゃんがいてくれないといけないんだ」ということを示すために
ダメっ子を演じざるをえないのではないか…と



…そんな伏線の正体を想像すると、崩壊寸前となってもきっと崩壊にまでは至らないだろうという希望が湧いてくるのですが
しかし、「そう思わせておいて…」という怖さを感じさせる雰囲気があるのが鳴見先生の巧妙なところですね


危うさをも孕んだ急転直下のラブコメ
楽しみに…というより恐る恐る次巻を待つこととしましょう


※2巻ようやく発売されました
急転直下ラブコメはどんどんヤバさを増していく… 『渡くんのxxが崩壊寸前』第2巻







 




迎えた新展開と動き始めた「罪」たち… 『七つの大罪』第13巻

七つの大罪13巻

七つの大罪 第13巻

アニメも絶賛放送中の王道ファンタジーマンガ第13巻

ありえない引きとなっていた前巻の続きは、何とヒロインの覚醒フラグでした


後付と言ってしまえばそれまでですが、しかしエリザベスがこれまで執拗に狙われていたことを踏まえると
最初から予定されていた能力であったのでしょう


対峙している敵から女神の使徒と呼ばれた彼女

とてつもない魔力によって大いなる治癒の力を発揮したことは、限界まで傷ついていたメリオダスたちを再び立ち上がらせることとなりました

そこからの流れはクライマックス…とまではいかなくとも充分な熱量を持っていたもので


魔神の血を飲んで人を捨てた男を、主人公が極限まで身を削っての究極技で仕留めるという流れは
展開だけ見ればラスボスを倒すに匹敵するようなものなのですが

おそらくはそこで物語が終わるわけではないからでしょう
見開きなんかもたっぷり使われてはいましたが、最終バトルのような盛り上がりはなかったかなというのが
正直な感想です

ただ、思ったのは「アニメはここで終わりそうだな…」ということでした(;^ω^)


魔人化した男は倒されましたが、しかし物語の全貌が明らかになったわけではありません

始まりとなった運命の日
七つの大罪たちに無実の罪を着せた黒幕がヘンドリクセンであるとするならば、
なぜあの時マーリンはメリオダスを攻撃したのか

暴食の罪を持つマーリンについては、魔神復活を企む奴らがどうやらまだいるらしいという新展開に同行するということで
メリオダスを襲った真意も含めて彼女が知っている情報が語られる時も近そうではありますが


他にも「罪」たちは動き出していました


番外編にてその「罪」の正体が明かされている強欲の罪バンと、怠惰の罪キング
妖精王の森を介して接点のある2人は、エレインという微妙な絆をも持っています

そのバンが、七つの大罪を抜けると宣言してやってきた「妖精王の森」

それはかつてエレインが守り、魔神に滅ぼされた森ではなく、死に瀕したエレインから種を託されたバンによって
再生された森でした


だからそこでは妖精王と呼ばれるのは当然にバンであること

このことを、キングはどう受け止めるのか


自身の「罪」をどのように理解することになるのか
そしてそれと大きく関わる「罪」であるバンは何を語るのか

女神族からの「条件」の実行をどうするのかも気になるところです

戦いの途中においては、「今はなすべきことをなせ」という団長命令によって一旦矛を収めたバン

戦いが終わった今、その条件を果たすのか否か、その胸中には誰もが注目したいところでしょう



そしてもう1人


前巻の記事で少し触れたら、コメントにてちょっとだけ期待をもらった「色欲の罪」ですよ

俗っぽい理由で登場の頃からその中身が気になっていましたが、確かに今巻においてその一端が垣間見えました


ギーラがその犠牲(?)になっているとは思わぬ展開でした…


確かに、精神に干渉することができるというゴウセルの魔力は色欲的なことには大活躍でしょうが
まさかそこでギーラが出てくるとは

弟想いの良いお姉ちゃんだった彼女に、あれほど純粋な言葉を語らせておきながら、何やら悪い口元になっていたのは
果たしてミスリードなのか裏の裏なのか


と思ってもう1回読んでみると、今度は新衣装のお披露目直前のページで
何か誰かと唇を重ねようとしているかのようなシーンがあることに気がつくわけですよ

相手の顔は見えませんが、これはギーラなのかそれともまた違う人なのか


さらに読んでみると、七つの大罪きっての魔術師というマーリンがゴウセルに話した言葉が気になってくるわけです

自分が与えた鎧はどうした、と聞いて「コワれた」と答えたゴウセルに、「早々に代わりのものを用意しよう」と応じたマーリン
これを深読みすると、鎧はゴウセルにとって不可欠なものということが言えそうです

「魔力の暴走を抑制する付呪が施されている」という鎧
そして、七つの大罪の誰も鎧の下の姿を知らないほどに昔からずっと鎧を身につけていたと考えられる事実

つまりゴウセルの魔力「侵入」は自身では抑制の効かない大きな力であり、暴走すると色欲的な所業に手を出してしまう
というような感じだったりするんでしょうか



どうやら色んな意味で「罪」の内容に迫るものとなるような予感のある新展開

最後の7人目の登場ともども期待していきましょう











 




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