社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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静動のコントラストが魅せる物語の確かな構成… 『ワールドトリガー』第6巻

ワールドトリガー6巻

ワールドトリガー 第6巻


先日アニメ化が決定しました

界境系バトルマンガの最新巻です


界境系って何だ
自分で言っときながら何か変だw



さて、前巻より始まった長編「大規模侵攻」

もちろん本誌でもまだまだ終わりの見えない展開となっていますが、コミックスにおいては
序盤からさっそくバトルにつぐバトルが各地で進行しています


その同時多発的な戦闘状況は、まさしく「大規模侵攻」であり
レーダーと無線によって基地を中心に戦況を把握しつつ指示を飛ばす本部の様子は緊張感に溢れたものとなっています


中でもさらに緊張感を増幅させることになったのが、「新型」のトリオン兵による隊員の捕獲という事態


得体のしれない怪物が、口より大きく全身を開いて、捕らえた者を体ごと丸呑みするという光景は
なかなかにおぞましいものでした

生身とは違うトリオン体という設定のお陰で描けたシーンとも言えるでしょうか
それでもこのおぞましさが、読む気を萎えさせないギリギリのレベルで恐ろしさと繋がっており
緊張感を表現することに成功しているのです


そんな恐ろしい事態の最初に犠牲者となった諏訪さん

コミックスのカバー裏にあるオマケの人物紹介欄にて、作者葦原先生から愛あるコメントが贈られていました





立方体


Oh…

立方体呼ばわりひでえw

新型兵を倒して腹の中を探った結果、確かに正体不明の「キューブ」が見つかりましたが
だからって「いろいろあって現在は12本の辺と8つの頂点で構成されている」とかどんだけ適当な説明www

緊張感台無しだなwww



しかし、今巻の最後ではその新型を1人で倒した木虎が
追撃してきた別の新型に捕らえられ、食われるという事態も発生してしまいました

諏訪さんはこの大規模侵攻対抗が初出のキャラでしたが
木虎はコミックス1巻から登場しているレギュラーキャラ
というか、コミックスの表紙も張れるくらいの重要キャラです


そんな彼女がモンスターに捕らえられ、正体不明のキューブに変えられてしまったこと

その上、木虎が片足を失ってまでやっと倒した新型が同時に3体も現れたこと

緊張感がさらに高まったところで、ヒーローは遅れて現れるのが王道とばかりに
やってくる「ボーダー最強の部隊」

それこそは、玉狛支部でオサムたちにマンツーマンでの訓練をしてくれていた3人の師匠たちでした


高まった緊張感と同じだけの期待感が現れてくるこの構成

長編も中程になればぐずついたりすることもある中で、こうしたメリハリや緩急、静動の差は
話の盛り上がり教えてくれるいい演出です


やはり、コミックスでまとめて読むと一気に深みにハマれるこのマンガ
次巻も楽しみですね












スタイルを曲げてでも尾田先生が描こうとしたものは… 『ONE PIECE』第74巻

ONE PIECE74巻

ONE PIECE 第74巻


もちろん買ってた最新巻

作者いわく、この74巻は「モチモチ」らしいです
どういう意味なのかはよくわかりませんがw


そして今回もまた、尾田先生ゴリ押しの11話収録だそうです

続けざまに11話収録していた挙句に12話収録を頼んで怒られたはずなのに(;^ω^)


しかし、今回に限っては11話収録して欲しかった尾田先生の意図がよくわかる作りになっています


今巻の収録最終話は「いつでもキミのそばにいる」
コミックスサブタイと同じです

つまり、この回をどうしても今巻に入れておきたかったわけですね

ではそれがどんな回だったかといえば


兵隊さんの回想でした



2話にまたがったオモチャの兵隊さんの回想
そこには、かつて殺しの前科持ちでありながらコロシアムの英雄だった伝説の男キュロスの
壮絶なる過去が描かれていました


人殺しと呼ばれた男が英雄と言われるようになるまで
英雄と呼ばれた男が国王軍の隊長となるまで
国王軍の隊長が仕える王の娘である姫と結ばれるまで
姫と結ばれた彼が、父となるまで


はみ出し者の嫌われ者だった男が手に入れた「普通の幸せ」
その幸福感と、それが失われる絶望とがたった2話で見事に描かれていたのです






こんなブリキの腕では死にゆくキミの体温すらも感じない


最愛の妻の中から愛情も思い出も消え去り、その上命までも目の前で奪われた中で
それでもオモチャとなった自分の手には何の温度も伝わってこない


それはどれほどの絶望だったことでしょうか…



しかし、彼にはまだ娘がいました
彼女もまた妻と同じく自分を覚えていないけれど、それでも娘が生きていてくれました

だから決意する

“いつでもキミのそばにいる”こと


その娘こそが今まさにコロシアムで戦っているレベッカであることは、すでに明かされている通りですね


だからこそ、このドレスローザ編においてはレベッカがシリーズヒロインなのです

このシリーズで、最も救われなければならないヒロインなのです


父である国王の命と引き換えにドフラミンゴ一味に加わった第2王女ヴィオラ
もちろん彼女も、ドフラミンゴの支配から解放されることが必要でしょう

しかし、心からの救いと幸福と安心を手に入れるべき最大の存在はやはりレベッカ


だから尾田先生は今回もまた11話収録を編集部に依頼したのでしょう


そうでなければ、コミックスのカバー裏がこんなことにはなってないですよ





ONE PIECE74巻2


コミックスの裏表紙側、そのカバー下の部分です

最愛の妻を失った絶望を押し殺して、正体を隠して娘の元へとやってきたキュロス
オモチャの兵隊さんが自らの父とは知らないままに一緒に暮らす、母を亡くした幼いレベッカ


溢れるほどにここに描かれているのは
どんなに絆を紡いでも
どんなに解り合っても
最初からすれ違っている悲しい親子の姿でした


通常なら…というか今までのコミックスなら、この部分は海図があったんですよね




ONE PIECE過去巻


これは前巻73巻ですが、こんな感じでジャンプコミックスのロゴとともに海図があるのが今までのパターンでした
たまにパンダマンがどっかにいたりすることはありましたが、海図が載っていることは変わらなかったのです

尾田先生といえば、服にトーンは貼らないとか、人物はモブキャラでも全部自分で描くとか
担当編集にストーリーに関する口出しはさせないとか、コピーのカットは使わないとか
とにかく自分の信念に準じた仕事をする男で有名ですが

そんな尾田先生がコミックスにおける今までのパターンを変えてまでこの悲しい親子の姿を詰め込んだ
シリーズクライマックスにおける最高の演出と描写を期待せずにはいられないでしょう


本誌でもまだまだシリーズ真っ只中ではありますが、こんなにも完結が待ち遠しい長編も珍しいですね
思い返してみればアラバスタ以来かなあ…







[タグ] ONEPIECE




等身大の女の子が見せるありのままの姿…今週のジャンプヒロインズベストショット集!

今週のジャンプヒロインズベストショット集!


さあさあ

今週もやってきましたベストショット集


今回は3人のヒロインが魅せてくれました

と言っても、今週のベストショットは割と悩んで決まった方でして
その意味ではヒロインズの盛り上がりとしては今ひとつだったかもしれません


それでは1枚目から見ていきましょう


こちらです!

























































2014年WJ30_3

楽の家に来てしまったことを必死に言い訳している鶫


別に誰に聞かれたわけでもないのに
別に誰に聞かせるわけでもないのに

心のなかで言い訳するのに凄い必死な鶫


もちろん、この必死さがそのまま楽への想いの大きさに繋がっていることは明らかなんですが



それにしてもこのデフォルメされ具合が妙に可愛いのです


細くなった瞳
不自然な開き方の口
大粒の冷や汗
動きの乏しい髪の毛


冷や汗も含めた表情は、そのまま自分で自分に戸惑っている心情を表しています
動きの少ない髪の毛は、表情が雄弁に物語る動揺に対してナチュラルであることによるバランスをとっていると
言えるでしょうか


でもリボンがちょっとだけ揺れていますね

こういう時の髪の毛とかの揺れは、そのまま心の揺れを表したりしますが
つまり、そういうことですね


先日表紙からハブられたことといい、何となく一番遅れを取っているような感じもある鶫

何か、頑張れ




続いてはこちら!


























































2014年WJ30_2

神峰叩っ斬る同盟演藤さやかちゃんです


このコマはちょっとピタッと手が止まってしまいましたね


なぜって、何か今までで一番さやかちゃんが本気で描かれているような気がしたからです


その理由は何より力強い瞳にあるでしょう


輪郭や口、果てはセリフの中身まで尖った印象で描かれているコマの中にあって
最もその性質が強いのが瞳なんですね


ただし、この瞳の場合は尖っているわけではありません
どちらかというと、端正といったほうが正確な表現でしょう

目の前にいる弦野に対する視線の鋭さとともに
角が立つことも厭わずに彼女自身の気持ちの本気を示していることが
この1コマにはよく表れているのです


だからこの後、神峰に対して人の真意を見抜けることが怖いではなくズルいと思うこと
それでも負けないと宣言することも、ちゃんと本心だと受け止められるわけですね

第2の指揮者コントラバス奏者としてトガった彼女の信念が如実に示された、見事なカットです




それでは最後に、今週のベストショットはこちらです!


























































2014年WJ30_1

敗北を突きつけられて、愕然とする緋沙子ちゃんです


創真に破れたアリス嬢に引き続いて、自信に満ちていた女性キャラがまた1人屈した瞬間ですが
この緋沙子ちゃんもまた、アリス嬢の時と似た形で考えることができるでしょう

すなわち、彼女は負けを知っているのか否か


えりな様を至上と崇め、永遠のNo.2を目指す彼女は
当然のごとくえりな様以外の料理人に負けることは許されません

それが、圧倒的な実力差のもとに敗北を喫してしまった現実

この事実に緋沙子ちゃんは何を思うのでしょう


審査員の予想外の反応を前にした彼女の様子は、まったく困惑といった形で
その品の秘密を理解できずにただ驚かされているばかりでした

それほどのレベルの違いを見せつけられた緋沙子ちゃん


1つの大きな冷や汗と、見開かれた瞳
何より胸の前で握られた掌がショックを受ける彼女の心情をよく表していますが

この姿にはもう1つ意味がありますね







か弱さの表現なんですよ


あれほど自信に溢れて、あれほど確かなプライドを秘めていたはずが
これほどまでにあっさりと打ち砕かれる


その時の姿が、あまりにも普通の女の子なのです

予想外の事実を知って驚愕する表情も
ありえない現実に流れる冷や汗も
動揺のあまり握られた掌も

すべて普通の女の子が見せる普通の反応なのです


アリス嬢の場合は、地団駄を踏んで泣きじゃくってまるで子供のような姿を見せていましたが
緋沙子ちゃんの場合は大人になりきれていない等身大の高校生としての反応なのですね

エリート料理人としてどんなに取り繕っていても、中身はこんなにも普通の女の子


それは、同じく自信とプライドに満ちているえりな様もまたそうである可能性を示唆しているとは
言えないでしょうか

だとすれば、普通の女の子に普通に訪れるはずのものがえりな様にもやってくる可能性は普通にありえますね


そうです

神の舌が知らない恋の味


合宿の旅館ではUNOとかを楽しみにしていたえりな様
間違いなく等身大の高校生としての一面も持ち合わせているでしょう

それならば、緋沙子ちゃんが見せたこの普通の女の子の姿は
そのままえりな様にも通じるような気がするのです


えりな様へのそんな可能性を感じさせてくれた緋沙子ちゃんのこのカット


あまりにも想像が捗ってしまったので、今週のベストショットです



それでは今週はここまで!




 




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ジャンプ歴21年。ジャンプ最新号を読んでる時は、ゾーンに入ってると思う。

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中でも小野寺さん照橋さんを応援しています。



ついったー。

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