社会の毒 ―少年漫画症候群(ジャンプシンドローム)―

読んだらもう1回作品を見返したくなる、そういうレビューを私は書きたい

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激闘の決勝戦完結、そして物語の行方は… 『黒子のバスケ』第30巻完結巻

黒子のバスケ30巻

黒子のバスケ 第30巻

青春バスケマンガの完結巻です
本誌での完結時も感慨深いものがありましたが、コミックスで再度読んでも
改めて同じことを感じますね


実は前巻29巻のレビューはサボってたんですよね

書こうとは何回かしたんですけど、どうしても文章にならなかったというか

たぶん内容がひたすら激戦に次ぐ激戦だったことで、逆にレビューできなかったんじゃないかと
自分では思っているんですけど

それでも完結巻となれば記事にしない訳にはいかないでしょう


黒子の満面の笑みが表紙となった30巻

いろいろあったけれど、ハッピーエンドということを象徴的に見せたものでしょうか


物語内でいろいろなことがあったのはもちろんですが、作者の身の回りでもたくさんの出来事があったでしょう
それは俺たち読者は全然知らないことでもあったり、読者も知っていることであったり

特に、例の脅迫事件の時といったら…ねえ?


主人公たちも敵チーム達も、そして作者も何から何までを出しきっての完結


もちろんそれなりの人気があってここまで続いた作品ですから、
ジャンプ的には可能なら続けてほしいとの意向もあったかもしれません
いわゆる伝統の引き伸ばし方針ですね

読者の中にも実際にその可能性を感じ取り、心配半分期待半分で思っていた人もいたことでしょう


しかし、結果としては藤巻先生は完結を選びました

それはあとがきに書かれていたように、「この作品はここで終わるのがベスト」との思いから


面白いと思う作品ですから、もっと読んでいたい気持ちはもちろん俺にもありますけれど
それでも無理矢理引き伸ばして駄作のようになってしまうくらいなら、ここで終わってもらったほうがいい

有終の美というわけでもありませんが、完結という道を選んだ藤巻先生の選択には敬意を表したいですね


毎回の感想の中では色々と言ってみたり、考察してみたりしたこともありましたが
完結まで読み終わってみれば、逆にそんな戯れ言のようなものは浮かんでこないのが正直なところです


藤巻先生
本当にお疲れ様でした

そして面白い作品をありがとうございました















…と、完全完結のような感じで書いてきておいて
実はまだこのマンガを読めることを分かっているという本音


NEXTで「エクストラ」なんていう連載が始まるとはね

何だよエクストラって

引き伸ばしじゃないけど引き伸ばしなんだよ、的な?


ジャンプ+では「キセキたちのその後」が描かれてきましたが
巧妙なことに黒子や火神の様子は一切触れられていませんでした

まずはその辺りから話が再開して、そして何か新展開みたいなものが始まるのでしょうか



それにアニメ3期も始まりますよね

何というか、あんなところで終わってるんだからそりゃ続きあるだろ、みたいな感じでもあるんですけど

たぶん今度も2クールなんでしょうか
そんで今巻の収録部分、ウィンターカップ決勝戦の終了まで描いてくれるのでしょう

アニメ化されたことで原作の人気が爆発した面もあるこの作品


NEXTもアニメも、まだまだこの作品が真に完結するのは先のようですね










 




絶望が生み出す希望とその原点は… 『黒子のバスケ』28巻

黒子のバスケ28巻

黒子のバスケ 第28巻

ウィンターカップ決勝戦
その中盤を収録した28巻です


希望に満ちた心意気を胸に決勝戦に臨んだ誠凛を待ち受けていた王者洛山

横綱相撲と比喩される試合運びによって、これでもかと言わんばかりにただひたすらにただ淡々と
絶望的な状況に追い込まれていきました

黒子の特性消失に始まり、2年生達の無力化と、そこから現れてくる地力と実力の違い

本当にもう藤巻先生はどこまで主人公たちを絶望に追い込むのかと逆に心配になったりするレベルでしたが



誠凛がこの試合に勝つためにはこの絶望こそが最も必要なものでした



それは、直接には黒子の特性消失を取り戻すためのきっかけであったわけですが
さらにそこからチーム全体が息を吹き返していく様子は、なかなかに目をみはるものがありました


主人公の無力化に始まった絶望が、底の底まで行き着いた時、今度は逆に特性を取り戻すことに作用し
そこからチームは光明を見出し、幽かで確かな希望を取り戻すという一見矛盾しているような展開

主人公のいたキセキの世代を色にちなんだ名前にしてみたり
無冠の五将と言われた5人の先輩たちを植物に関係する単語を使った名前にしてみたり
黒子に代わる新型として登場したのは「黛」だったり

ベタでわかりやすい設定を重ねている側面もあった藤巻先生の作劇を考えると、この展開も最初から意図していたものであるのでしょう




作者コメントにはこんな気になることも書かれていました






黒子のバスケ28巻2

藤巻先生の抱いている劣等感の話


おそらくは、その劣等感がこの作品の主人公である黒子を生み出したのではないかというこれまたベタな推測

好きなスポーツに打ち込みながらも 、凡人ゆえの普通の挫折と普通の苦しみを味わった黒子
そんな黒子が自身の特性を見出されて自分だけのスタイルを見つけたことで生きるポジションを獲得できたことは
藤巻先生なりの劣等感に対する答えなのではないかとも思えます

どんなに不向きなように思えても、どんなにダメだと思っても、どこかに、何かにやっていける場所があるはずだと


しかし藤巻先生は、その答えを絶対視してはいませんね

自分をありのままに受け入れたようにみえるその考え方は、別の視点で言えば妥協のようでもあって
だからこそ黒子は、少しでも自分に新たな武器を身につけようと努力を重ねました

その努力こそが、黒子から彼の生きる道を奪い、その絶望が今度は再び彼の居場所を照らした


ぱっと見ベタベタなようにも思えるのですが、むしろ何かもう一周回って逆に新鮮な気さえしてきます




そんな藤巻先生が描く決勝戦

本誌ではいよいよクライマックスに近づいています


どんな決着を見せてくれるのか、楽しみにしましょう






 




その絶望的な試合はどんな物語に導かれるか… 『黒子のバスケ』第27巻

黒子のバスケ27巻

黒子のバスケ 第27巻


若干本誌のネタバレを含むので、コミックス派の人は注意



 

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担当編集さえも昂ぶる決勝戦の行方は… 『黒子のバスケ』第26巻

黒子のバスケ26巻1

黒子のバスケ 第26巻

帝光中編が終わり、ついに始まる決勝戦

コミックスタイトルもまさにそのままで、否応でも気分を盛り上げてくれますね


さて、そんな今巻で収録されている話は決勝戦の序盤部分に当たるわけですが
とうとう始まってしまった最終戦に、きっと担当編集もテンションと気合が昂りまくっているんでしょうね


収録話が本誌掲載されていた時の「柱」が、それはもうセンスに満ち溢れたことになっているのです

いくつか見てみましょう










黒子のバスケ26巻2


軌跡にのこす幾多の激闘…!!見据えるはただ前方、光り輝く頂点へ――!!いざ決勝!!


ファイナルの始まりを美しく詠んだものですね
藤巻先生の描いた扉絵と呼応させて、「両方で1つの作品」を創りあげているようです



お次はこれ








黒子のバスケ26巻3


うちのめされ、どん底から一つずつ積み重ねた勝利。頂点まで、残すはあと一つのみ。


先ほどのが、試合当日を迎えるもので
これは試合の開始を詠んだものですね

違う形でこれまでの物語を振り返りつつ、この試合の先にあるものを予感させる表現です


特にね、響きがいいんですよ

それぞれの文の真ん中で途切れるテンポが、絶妙な「間」を作り出しているんです
その一呼吸の中に、決勝に賭ける誠凛の感情と決意を感じ取ることができるんですね

真っ直ぐで、それでいて読者の気分さえ盛り上げてくれる、なかなかの柱でした


しかし担当編集のテンションは上がりすぎてしまったのか、ちょっとおかしなことになってきます

こんな感じに








黒子のバスケ26巻4


ダイナマイトボーイ                         オープニングジャム
爆 弾 男 火神、いきなりゾーン突入!!決勝の幕開けを告げる先制・流星のダンク炸裂!!



ダイナマイトボーイwwww
こらこらこらwwwww
絶対ふざけただろwwwww

オープニングジャムって何ぞwwww
勝手に新しい必殺技ネーミングを出すなよwwww


そして、きっとこれと同じノリで考えたんだろうと思われるのがこれです












黒子のバスケ26巻5


ゾーン中の火神すら赤子扱い…。この男、神の領域。


センターカラーの裏ページだったんでちょっと赤いんですけど


神様扱いきたよ…

これ考えてる奴絶対中二病治ってないだろ






…と、思ったら収録話最後の回で、神がかった柱を見せてくれたんですよね













黒子のバスケ26巻6

足掻き、もがいて這い上がってきた先は元の場所。「帝光中三軍」―――ただの凡人。



チームの勝利のために、仲間のために、少しでも力になるために
必死で練習してドライブもシュートも習得した結果が、
特性の消失だったという皮肉な運命が明らかとなった瞬間の柱です


さっきまでの若干オーバーな言い方とは全く対極で、何の誇張も修飾もない表現なんですね

ここまでこのマンガを読んできた読者なら、
黒子がどれだけ「足掻き、もがいて這い上がってきた」かをよく知っています

しかし、その「先は元の場所」だった

決勝戦開始前に黒子の口から語られた、かつての彼の姿

つまり、「帝光中三軍」です
バスケがしたいという気持ちだけで取り組んでいる、才能や資質には決して恵まれていない立ち位置

昇軍試験のたびに今度こそはと意気込みながら、結局ダメで、悔しさばかりだったあの頃


ひたすら重ねられる不合格という結果に対して告げられる「退部の推奨」

ただ好きなだけではやっていけないという過酷な現実を突きつけられるのは、「凡人」の証明でもありました



特性を失ってしまったことの重大な意味を、端的に言葉にした見事な柱です

さらに深読みすれば、「ただの凡人」は、先ほどの赤司に対する「神の領域」との対比になっているようにも感じます


「ただの凡人」と、「神の領域」にいる者

その実力の隔たりは、まさしく天と地ほどもあるのかもしれません


果たしてその予感通りなのか、ここから誠凛は苦しい苦しい試合展開を余儀なくされることとなっていきます



…と、それ以上はコミックス派の人へのネタバレですね

とにかく、始まった決勝戦は火神のゾーン発動に黒子の特性消失と、序盤から大荒れとなっています


これがどのように決着するのか、藤巻先生の手腕に期待しておきましょう




 




絶望とともに終わるプロローグ、そして…『黒子のバスケ』第25巻

黒子のバスケ25巻1

黒子のバスケ 第25巻



※ジャンプ本誌のネタバレを含んでいますので、コミックス派の人は注意



 

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1人目の覚醒がもたらす不協和音の行方は…『黒子のバスケ』第24巻

黒子のバスケ24巻

黒子のバスケ 第24巻



仲よさげな雰囲気の表紙が切ない…




激闘が収録されていた前巻

その後半から始まった黒子の回想としての帝光編


その序盤に当たる部分がガッツリ収録されています



その中での今巻の見所は、やはり青峰でしょう


表紙でも、爽やかな笑顔を見せてくれている青峰

前巻でも、練習しても練習しても結果の出ない黒子に対して
明るい顔で一緒に頑張ろうなんて言っちゃうようないいヤツっぷりを見せてくれましたが

そんな青峰が、ダークサイドに堕ちていく様子が描かれていきます



いつか黒子が言っていたように、キセキの世代と呼ばれる顔ぶれの中で
一番最初に「開花」した青峰



最初は調子がいいだけかと思っていたのが、ずっと続いて、さらに比例して周りを圧倒するようになって

その結果、彼はスポーツにおける最も面白い部分を失いました



実力の拮抗する相手との一進一退の勝負

勝つか負けるか、そのギリギリのやりとりを上手くなり過ぎた彼は失くしてしまったのです



今まで一部しか明かされていなかったその過程の全体が詳しくわかるようになっています


この回想の読み方の1つがここにありますね



すなわち、これまで各試合の前後に際して断片的にしか描かれてこなかった彼らの過去が
黒子の回想という形でありながら、時間軸の戻った形での描写となることで
黒子も知らない全体を見通しながら読んでいける


黒子が出会った頃にはあれほど爽やかな奴だった青峰が、なぜあそこまで傍若無人な選手になってしまったのか


この回想を読めば
その変貌は、行き場を失くした情熱が身を引き裂くことから
自己を守るための必然的な帰結だったことが見て取れます



温度を失くしながらもバスケが好きだという情熱だけは残り続けた青峰
それでも戦える相手がいないことで、バスケを好きな情熱と嫌いになりたい反発とが葛藤して
その矛盾から自分を守ろうとした心理的反応が行き着いたのが
「俺に勝てるのは俺だけ」という結論だったのではないでしょうか



バスケが強くなることに比例して、青峰の目から光が失われていくこの過程を知った後

ウィンターカップ初戦、誠凛高校対桐皇学園の試合を読み返すとまた違った格別の感慨が沸き起こってきます



自分にひたすら食らいついてくる火神を相手に、ようやく本気で戦える敵と巡り会えたことが
嬉しくてたまらなかった青峰

すべての実力を出し切って、ゾーンにまで突入する本当の本気を出して
それでもギリギリで負けることとなった青峰


久しぶりに負けることのできた彼の中には、一度なくした温度がようやく戻り始めていました






…あれ?


24巻の感想書いてたんだよな?

いつのまにか青峰個人の話になってる…




と、とにかくそんな見どころのある24巻


話自体はこれからまだまだ暗くなっていきますが、その救いが決勝戦にあると信じましょう




 




激闘決着、そして物語は青空の下へ… 黒子のバスケ第23巻

黒子のバスケ23巻

黒子のバスケ 第23巻



青く蒼く澄んだ表紙

今巻から、物語はこれまで語られることのなかった核心部分へと触れることになります



…が、その前に



前巻から続く激闘の決着を語らねばならないでしょう


誠凛対海常


互いに互いの力を認め合った上で、それでも自分たちの実力を証明するために
全力と全力でぶつかった準決勝


その激闘がついに決着の時を迎えるのです



ジャンプ本誌掲載時の特別フルカラーと
コミックスでのモノクロを黄瀬の表情を切り取ることで比べてみた前巻


本気の全力で勝ちを掴もうとする選手達の一瞬の表情
今巻においてもそれは確かに描かれていました




もう何度目かも分からない黄瀬対火神の一騎打ち
その刹那における火神の全力や



黒子のバスケ1



コートの外に出て行こうとするボールを追って、飛びつこうと叫ぶ日向



黒子のバスケ2





とうとう海常に逆転を許し、衝撃を受けながらも戦意は衰えていない日向と木吉






黒子のバスケ3





海常に勝つためのイチかバチかの作戦に、覚悟を決めた誠凛




黒子のバスケ4





そんな誠凛に対して、それでもわずかの手も抜かず、さらなる全力でもって点を取りに行った黄瀬


黒子のバスケ5






最後の力を振り絞って走る火神に後ろから追いつき、たった1点のリードを守りきるために立ちはだかる黄瀬




黒子のバスケ6








それでも守りきることができず、最後の最後で手が届かなかったことが
何より、心から信頼した仲間とともに勝利という夢をつかめなかったことが
悔しくて悔しくてたまらない泣き顔





黒子のバスケ7










今この記事書きながら俺も号泣してますけど



ああ
なんて心に来る表情を描いてくれるのでしょう藤巻先生



1つ1つの表情を追いかけていくだけで激闘のハイライトが鮮明に浮かんでくるようです






そして物語は、ついにその知られざる核心へと展開することとなります



決勝戦
誠凛対洛山

突出した才能が集まったキセキの世代において、その中でもさらにずば抜けた実力を持ち
主将として彼らをまとめていた男・赤司征十郎

まだまだ明かされていない部分も多くありながら、風格だけは充分に感じさせる赤司との激突は
海常戦に勝るとも劣らない激しさを持つことは間違いないでしょう


そんな運命の試合を前に、黒子の口から語られるキセキの世代の真実


帝光中学校で何があったのか
黒子はなぜバスケを嫌いになったのか


主人公が全てを知っていながら、これまで巧妙に触れられてこなかった真実が
とうとう明かされることとなります



回想の始まりは、黒子が帝光中学校バスケ部に入部したその日
青い青い空の日から運命が転回していきます


黒子がバスケを嫌いになっていく過程
チームがチームとして機能しなくなっていく過程
「覚醒」して変わっていくキセキの少年達



哀しい真実が待っていることが確定している、暗い暗い物語の始まりです












黒子のバスケ23巻8




でも出番ないのも哀しいよな…




 




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